とらんすふぉーむ・いんと・あ・まじかるがーる！

このページの批評は終了しました。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準Safeクラス保管ロッカーにて保管されます。実験等での持ち運びは、不慮の事態を防ぐため遠隔ドローン等が用いられます。実験を行いたい場合は、クラス3以上の職員2名以上の許可を得てください。

実験によって出現したSCP-XXX-JP-1は、標準人型オブジェクト収容チャンバーにて一時収容されます。SCP-XXX-JP-1の要求は、緊急時を除き基本的に拒否されます。緊急時の場合はサイト管理官と相談の上、緊急時の標準収容ガイドラインに従ってください。

---

説明:SCP-XXX-JPは杖の形状を模した、20cmのプラスチック製の玩具です。SCP-XXX-JPは一般的に"女児向けアニメ作品における魔法の杖のような"と形容される形状をしており、先端部に宝石を模したと思しき緑色のガラス装飾が施されています。SCP-XXX-JPの製造元及び類似したアイテムが登場する創作物の有無が調査されていますが、現時点では確認されていません。

SCP-XXX-JPの異常性は、30歳代～50歳代にかけての人間(以下、対象)がSCP-XXX-JPのグリップ部分を握った際に発現します。SCP-XXX-JPを握った対象の周囲50cmには3463luxの由来不明の光が発生し、3秒～5秒間持続します。光の消失後、対象は消失し、未知の人型実体(以下、SCP-XXX-JP-1)が出現します。

SCP-XXX-JP-1は10歳代と推定されるモンゴロイド系の女性の姿をした人型実体です。SCP-XXX-JP-1の身体構造は通常の人間と同様ですが、食事、睡眠、排泄等の生理的活動は観測されていません。
SCP-XXX-JP-1の服装は一般的に"ロリータファッション"と呼称される少女趣味的な衣服に類似していますが、材質等に異常性は見受けられません。SCP-XXX-JP-1は自身を「愛と正義の使者である」「悪を倒すための存在である」と証言しますが、具体的な出自等の質問には回答を拒否します。¹SCP-XXX-JP-1は出現後、「悪党が近辺にて暴れているため出動の許可が欲しい」といった旨の申請をしますが、現在時点でそのような事案が発生した記録はありません。また、SCP-XXX-JP-1は自身が一般的に"魔法"と呼称される異常な能力を行使することができると主張していますが、現時点でSCP-XXX-JP-1がそのような異常な能力を行使した様子は観測されていません。
SCP-XXX-JP-1の出現から2時間後、SCP-XXX-JP-1の周囲50cmには対象消失時と同様の由来不明の光が発生し、SCP-XXX-JP-1は消失、対象が再出現します。対象は再出現後、97.2％の確立で、自身が「SCP-XXX-JP-1の姿に変身していた」と主張します。このときの反応は、男性と女性で異なる傾向にあります。対象が男性の場合は63.6%が高揚もしくは歓喜した様子で「また変身したい」「ようやく見つけた生き甲斐である」という旨の発言をしますが、女性の場合は78.1%が「悪趣味である」「恥ずかしい」といった嫌悪感を示す旨の発言をします。対象とSCP-XXX-JP-1が同一の存在であるかは現時点では不明です。

---

実験記録:以下はSCP-XXX-JPの実験記録の抜粋です。

+ 閲覧開始

実験記録-001

対象: D-153278(31歳男性)

実施方法: 実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果: 対象の周囲50cmに3463luxの由来不明の光が発生後、対象が消失。SCP-XXX-JP-1が出現。SCP-XXX-JP-1は状況を理解していないように見える。追跡装置の信号は移動せず、実験室を示す。しかしSCP-XXX-JP-1に追跡装置は装備されていなかった。
SCP-XXX-JP-1を拘束後、収容室に移送。SCP-XXX-JP-1は困惑した様子であったが、抵抗はしなかった。検査の結果、身体構造等は通常の人間女性のものと断定。
収容室での経過観察中、SCP-XXX-JP-1はしきりに自身を開放するように要求。理由を訊ねると、"悪党を倒すため"と回答。具体的な質問には回答を拒否。要求は却下された。
実験開始から1時間58分後、突如SCP-XXX-JP-1の周囲に開始時と同様の光源が発生。SCP-XXX-JP-1が消失。対象が再出現。検査の結果、身体、精神ともに異常なし。追跡装置は所定の位置に装備されていた。
実験終了後、対象は"自身がSCP-XXX-JP-1に変身していた"と証言。それに対して好意的な態度を示した。詳しくはインタビュー記録-001を参照。

分析:概ね予想されていた異常性が確認された。しかし追跡装置が妙だ。確かに信号は移動しなかったが、SCP-XXX-JP-1は追跡装置を装備していなかった。正直なところ、対象とSCP-XXX-JP-1が同一の存在であるかは疑わしい。

実験記録-002

対象:D-335892(45歳女性)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果:前実験と同様の異常性が発現。経過は前実験と比較して特筆する点がなかったため割愛。実験終了後、前実験の対象と違い、今実験の対象は自身が"SCP-XXX-JP-1に変身していた"と証言しつつも、それに嫌悪感を示した。詳しくはインタビュー記録-002を参照。

分析:女性にも異常性は発現するようだ。しかしどうやら今回の対象は嫌悪感を示しているようだった。個人差があるのだろうか？

実験記録-003

対象:D-290122(26歳男性)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果:異常性は発現せず。2時間待機したが、変化がみられなかったため実験終了。

分析:実験が失敗した初めての例。若すぎるとダメなのか？

実験記録-004

対象:D-134139(62歳男性)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果:異常性は発現せず。2時間待機したが、変化がみられなかったため実験終了。

分析:どうやら歳を取り過ぎていてもダメなようだ。

実験記録-005

対象:D-431677(58歳男性)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果:異常性が発現。その後は特筆すべき点がなかったため割愛。

分析:今のところ30代から50代までが範囲と考えるべきか。しかし前実験の対象と今回の対象は4歳しか歳が違わない。こいつは一体どういう基準で対象を分けているのだろうか？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (中略)　　　

実験記録-011

対象:D-561243(53歳男性、自己申告では女性と回答)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、SCP-XXX-JP-1を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。なお、対象は性同一性障害であり、身体的には男性であるが、精神的には女性である。

結果:異常性が発現。その後は特筆すべき点がなかったため割愛。実験終了後、対象はその場に蹲り、嗚咽し始めた。これは今まで確認されていなかった反応だった。詳しくはインタビュー記録-003を参照。

分析:今回の対象の反応は、今までの対象の反応とは異なるものだった。しかし、SCP-XXX-JP-1の方は相変わらずだ。ただただ拘束と収容に甘んじ、「悪党を倒すから解放しろ」と喚き立てているだけ。具体的な質問には何も答えず、魔法とやらも使わない。こいつは本当に何がしたいのだろうか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(中略)

実験記録-014

対象: D-153278(31歳男性、実験には二度目の参加)

実施方法:実験室にSCP-XXX-JPを配置し、対象を入室させ、グリップ部分を握るように指示。SCP-XXX-JP-1が出現後、D-153278を標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容し、経過を観察する。また、対象にはGPS等の追跡装置を装備させる。

結果:異常性が発現。実験中は特筆すべき点がなかったため割愛。実験終了後、対象の身体及び精神に異常が発生した。対象の陰茎、陰嚢部位の消失、陰唇部位の出現が確認された。対象の精巣等は膀胱付近に転移しており、陰唇部位と直結していた。子宮や卵巣等の女性生殖器の発生は確認されていない。また、対象は実験前と異なり、自身の性別を「女性である」と自称し、SCP-XXX-JP-1と共通した言動を行っている。詳しくはインタビュー記録-004を参照。

分析:どうやらこいつが何なのか、ようやくわかってきたらしい。

---

インタビュー記録:以下は実験後に行われた、対象へのインタビュー記録です。

+ 001閲覧開始

インタビュー記録-001

対象: D-153278

インタビュアー: ██研究員

付記: 実験記録-001後のインタビュー。SCP-XXX-JP-1が消失、D-153278が再出現してから32分経過している。

<記録開始>

██研究員: D-153278、インタビューには答えられそうですか？

D-153278: なあ、またいつ変身できるんだ？

██研究員:まずこちらの質問にお答えください。

D-153278:答えたらまた変身させてくれるのか？

██研究員:それは後々で検討します。 D-153278、あなたは自身がSCP-XXX-JP-1に変身していたと証言していますね？

D-153278:SCP-XXX-JP-1なんて味気ない言い方するなよ。ありゃ女の子の姿だ。この世で最も尊い姿なんだよ。そんな番号で呼ばれるようなちゃちなもんじゃないね。

██研究員:女の子の姿、ですか。

D-153278:そう、あれは女の子の姿だ。夢と希望のいっぱい詰まった姿だ。[D-153278は微笑する]

██研究員:夢と希望のいっぱい詰まった、とは具体的にはどういうことですか？

D-153278:なんだよ、その質問。とんだ堅物だな、岩かよ。

██研究員:[約２秒間沈黙]では質問を変えます。あなたはSCP-XXX-JP-1が出現、もといSCP-XXX-JP-1に変身している最中、ご自身としての意識がありますか？

D-153278:もちろんあるに決まってんだろ。でもさ、あの姿になっているときは、俺が俺でいるよりも大切なことってのがあるんだよ。

██研究員:というと？

D-153278:世界の平和を守ることだ。それ以外に何が重要だっていうんだよ。

██研究員:世界の平和を守る、とは具体的には？

D-153278:ぐたいぐたいってそればっかか。そんなもん悪を倒すことに決まってんだろが。

██研究員:その悪というのもまた抽象的ですね。もっと具体的な説明をお願いします。

D-153278:うるせえな、悪は悪だろ。正義がありゃ悪があるんだよ。当たり前だろ。

██研究員:[約５秒間沈黙]D-153278、公的な記録によれば、あなたは４名の人間を殺害した罪で実刑判決を受けていますよね？

D-153278:は？　そうだけど、何で急にそんなこと訊くんだよ。

██研究員:あなたのこの行いは悪ではないのですか？

D-153278:[ため息をつく]あんた何もわかってねえな。さっきも言っただろ、あの姿になっているときは、俺が俺であることなんてどうでもいいってさ。あの姿に変身してるときの俺は俺じゃねえんだよ。女の子なんだ。愛と正義と平和を守る、純真無垢な女の子なんだよ。俺じゃねえんだ。俺じゃねえのに何で俺の罪を背負わなきゃなんねえんだよ。俺が誰を殺してようが関係ねえだろうが。

██研究員:ではSCP-XXX-JP-1とあなたは別の存在であると？

D-153278:だーかーらー[机を叩く]、あれは俺が変身した姿なんだよ。だから俺なんだ。でも同時に俺じゃねえんだよ。あのときの俺は女の子なんだから。女の子が人殺しなんてするわけねえだろ？

██研究員:でもあなたは人殺しでは？

D-153278:何度言えばわかるんだよ。俺は女の子だけど、女の子は俺じゃないんだよ。

██研究員:[約７秒間沈黙]これ以上の質疑は意味がないと判断します。インタビューを終了します。

D-153278:なあ、それよりも今度はいつ変身できるんだよ、なあ。

<記録終了>

終了報告書: インタビュー後、D-153278からの実験への再参加の申請が出されているが、現在保留中。実験記録-014及びインタビュー記録-004を参照。

+ 002閲覧開始

インタビュー記録-002

対象:D-335892

インタビュアー:██研究員

付記:実験記録-002後のインタビュー。SCP-XXX-JP-1が消失、D-153278が再出現してから34分経過している。

<記録開始>

██研究員:それではインタビューを始めます。D-335892、今から質問に回答していただけますか？

D-335892:[約1秒間沈黙]はい。

██研究員:まずあなたはSCP-XXX-JP-1に自身が変身していたと証言しています。これはいいですね？

D-335892:はい、そうです。私はあれになっていました。

██研究員:どうやらあなたはそれが不快だったようですが？

D-335892:[約3秒間沈黙]不快にならない方がおかしいじゃないですか。そうでしょ？　だってあんなのになってたんですよ？

██研究員:あんなの、とは？

D-335892:いるじゃないですか、ああいう[暴言]女。どこにでもいるじゃないですか。自分の容姿が正しいって信じてるんですよ、自分の行為が正しいって信じてるんですよ、自分の理想が正しいって信じてるんですよ、反吐が出るじゃないですか。

██研究員:あなたはあの姿が好きじゃない？

D-335892:当たり前ですよ。[声を高くする]あんなの私じゃないんですから。

██研究員:私じゃない？　ということは、あなたとSCP-XXX-JP-1は別の存在ということですか？

D-335892:違います。[口調を荒げる]あれは私です。私が変身した姿です。でも同時に私じゃないんです。あんなの私じゃないんです。わかりませんか？

██研究員:わからないからあなたに質問しています。

D-335892:私だってね、小さい頃はちょっと夢見てみたりもしたんですよ。ああいうの。でもあれじゃない。あんなのじゃない。あんなの私じゃない。私はあんな[暴言]女じゃない。逆に訊きますけど、あれが私だっていうんですか？　あんなのが私だっていうんですか？　どうなんですか？　ねえ。

██研究員:それを知るために今こうやってあなたにインタビューをしています。

[その後、D-335892は苛立った様子で回答を拒否。インタビューは終了した]

<記録終了>

終了報告書:インタビュー終了後、D-335892は約3時間ほど軽度の鬱的兆候をみせたが、徐々に回復した。しかし再度のインタビューには拒否の態度を示した。

+ 003閲覧開始

インタビュー記録-003

対象:D-561243

インタビュアー:██研究員

付記:実験記録-011後のインタビュー。SCP-XXX-JP-1が消失、D-153278が再出現してから46分経過している。

<記録開始>

██研究員:それではインタビューを始めます。D-561243、質問には回答できそうですか？

D-561243:[配布されたティッシュペーパーで鼻をかむ]はい、大丈夫です。

██研究員:まず実験後のあなたの反応が、他の実験参加者と異なっているものだったということはすでに聞いていますよね？

D-561243:そう、みたいですね。

██研究員:なぜあなたは泣いたのですか？

D-561243:悲しかったからですよ、そりゃ。

██研究員:もっと具体的に。

D-561243:[約3秒間沈黙]私はその、こんな身体ですけど、心は女だって、先生は知っていますよね？

██研究員:はい、事前に知っていました。

D-561243:正直、私は何度も自分の身体を恨んだんです。何で男になんか生まれてきたんだって。一度でいいから女の子になってみたかった。女の子の身体に変身してみたかった。ほら、昔から少女向けにそんなアニメとか漫画とかあったでしょう？　自分もあんな風に、憧れる姿になってみたかったんですよ。でもね、やっぱり違いましたね。あんなのは、憧れだったから良かったんだ。

██研究員:どういうことですか？

D-561243:よくわかりません、私にも。ただ今は悲しいんです。あのときは、変身したときは、嬉しかったんですよ、ほんとに。憧れに手が届いた気がしたんですよ。だけど解けてみたら、なんかものすごく、ものすごく、悲しくなりました。あれは私じゃないんです。私じゃなかったんです。それが悲しいんですよ。

██研究員:私じゃない、というのは自分として認めたくないということですか？

D-561243:違いますよ。私じゃないんです、あれは。でも今の私が私だとも思えないんです。身体は男なのに、相変わらず私の心は女のままなんです。おかしいですよ。私はどっちなんですか？　女なんですか？　男なんですか？　私なんてどこにもいないんですか？　先生はどう思いますか？

██研究員:私にはあなたがしっかり目の前に存在しているように見えます。

D-561243:[鼻を鳴らすような笑い声]どこにもいませんよ、私は。

[以降、D-561243は再び嗚咽し始め、インタビュー継続は不可能と判断された]

<記録終了>

終了報告書:インタビュー終了後、D-561243には心理カウンセリングによる治療が施された。D-561243は再度のインタビューへの回答を拒否している。

+ 004閲覧開始

インタビュー記録-004

対象: D-153278

インタビュアー: ██研究員

付記: 実験記録-014後のインタビュー。SCP-XXX-JP-1が消失、D-153278が再出現してから51分経過している。

<記録開始>

██研究員:D-153278、インタビューを始めてもよろしいですか？

D-153278:そんな味気ない名前で呼ばないでよ！　私はD-153278なんて名前じゃないよ。正義の女の子だよ！

██研究員: "正義の女の子"は名前ではないと思いますが。本当のお名前は何ですか？

D-153278:だから正義の女の子だってば！　ねえ、そんなことより早く私を開放してよ。　外では悪の手先どもが暴れ回ってるんだよ。　あなただってわかってるんでしょ。

██研究員:いえ、そのような事案が発生している報せは現在ありませんが。

D-153278:とにかく！　私は正義の味方なんだから、困ってる人たちを助けないといけないの！　こんなところで油を売ってる暇はないの！[何度も机を叩く]

██研究員:落ち着いてください。とりあえず質問にお答えください。あなたは██ ██( D-153278の本名)ではないのですか？

D-153278:そうだよ！　だけど違うよ！　俺は私だけど、私は俺じゃないの。これ前にも説明したよね？

██研究員:どういうことですか？　あなたは今2つの人格を有しているということですか？

D-153278:違うって言ってるでしょ！　この[暴言]。頭に[暴言]が詰まってんのか、この[暴言]。よーく耳の穴かっぱじれ。俺は私で、私は俺じゃない。復唱しろ。俺は私で、私は俺じゃない。何でこんな簡単なこともすぐにわかんねえんだ、[暴言]。ちゃんと聞いてんのか、[暴言]。[さらに激しく机を何度も叩く]

██研究員: だから落ち着いてください、D-153278。これはあなたの身に起こっている異常を解明するためのインタビューなんですよ。

D-153278:知らねえよ！　あとその名前で呼ぶんじゃねえ！　私は女の子だ！　愛と正義の味方だ！　いいか、俺が何人殺してようが、どんな悪党だろうがどうでもいい。私は純真無垢なヒロインなんだ！　だからさっさと解放しろ。解放しろよ。なあ。なあ。なあ。なあ。[D-153278は椅子を蹴り飛ばして立ち上がり、██研究員に殴りかかる]

[ただちに待機していた鎮圧部隊が聴取室に突入し、D-153278を鎮圧、拘束した。██研究員はD-153278に殴打されたことにより軽度の怪我を負った。インタビューは続行不可能と判断されたため、この時点で終了した]

<記録終了>

終了報告書:拘束後、D-153278には鎮静剤を射ち、サイト-81██の標準人型オブジェクト収容チャンバーに収容した。D-153278は自身の解放の要求を続けている。

上記の実験記録及びインタビュー記録から、SCP-XXX-JPは対象が男性であった場合、対象の身体及び精神をSCP-XXX-JP-1に段階的に変化させるのではないかという仮説が立てられました。今後の実験計画については現在議論が行われています。

---

補遺: SCP-XXX-JPは20██/12/29、██県██市にある████アパートの203号室にて、未知の人型の遺体とともに発見されました。捜査関係者が誤って異常性に暴露したことにより、発見、収容に至りました。
SCP-XXX-JPは発見当時、遺体の右手に握られた状態でした。████アパートの203号室は2年以前より空き部屋であり、管理者は「少なくとも4か月前に覗いたときには何の異常もなかった」と主張しています。また、SCP-XXX-JPとともに発見された遺体は人間の遺体と類似していますが、人体構造に不可解な点がみられます。以下は遺体の特徴をまとめたものです。

• 外見・・・モンゴロイド系の50代男性と推定。
• 服装・・・少女趣味的な衣服。SCP-XXX-JP-1のものとは異なる。
• 所持品・・・布製の財布1つ。中身は空だった。
• 死因・・・首筋に縊痕あり。窒息死と思われるが、周囲に縄等は発見されず。縊痕の形状から他殺である可能性が高い。
• 身元・・・不明。身分証明なし。顔、歯型、指紋、いずれも該当者なし。
• 不審点・・・遺体は男性的特徴を多く有しているにも拘わらず、陰茎、陰嚢、精巣等の男性生殖器を有しておらず、代わりに膣、子宮、卵巣等の女性生殖器を有していることが確認された。また、遺体の子宮内には多量の由来不明の精液が検出された。検査の結果、この精液は通常の人間のものであることが判明したが、DNA鑑定等に該当者なし。

現在、この遺体はサイト-81██の標準遺体安置所にて保管されています。

Footnotes

1. 「正体は秘密であるため」と証言。

---

• • _
  批評コメント批評コメント

  
  コメント投稿フォームへ

  注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。

  批評コメントTopへ

  - hide block

ERROR

The poppono032's portal does not exist.

エラー:	poppono032のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。

利用ガイド

1. portal:6765147 (24 Aug 2020 12:24)