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配属サイト | 配属部門 |
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R&C サイト-17 | 戦術神学, 概念物理, ミーム, 対抗概念, 超常工学, 超量子学, 超常実験物理学 |
計画責任者 | 文責 |
O5評議会、全監督者 | [N/A - by authority of the SCP Foundation] |
特別収容手順: DRYGIONIクラスのオブジェクトは、その段階で調査が進行中であることを示します。現時点で予想される終末論的災害に対応するため、SCP-001の影響下に置かれた全てのヒト知性を安全に隔離 - 必要に応じて無力化 - する必要があります。ヒト知性の抑圧に際して、SCP-001を描写する可能性がある財団所有の超常兵器は使用を推奨されません。財団が運営する異常存在の分析データベース - SCiP.NET - は一時的な隔離状態に置かれ、SCP-001を描写しているとされる全てのドキュメントに改訂が加えられる必要があります。SCP-001がヒト知性に影響をもたらす原因や動機は不明ですが、不確定的なSCP-001への曝露リスクがある事から、サイト-17の人員は例外なく監視措置を受ける必要があります。単独での、または孤立した状況での行動は許容されません。サイト-17の人員は、脅威との遭遇に対してより効果的な解決策を想起し、柔軟に脅威と戦闘する必要があります。財団に勤務する全ての職員は、サイト-17のセクター-178において、戦闘手段のオリエンテーションを受講することができます。
サイト-17の担当職員は、SCP-001の更に詳細な情報の解明と分析に努めなければなりません。また、レベル5以上のクリアランスを所持する全ての監督員は、SCP-001の暫定ドキュメントに不正アクセスが無いことを確認しなければなりません。SCP-001に指定される情報の詳細が特定されるまで、暫定ドキュメントはプレースホルダーとして機能します。SCP-001ドキュメントへのアクセスは限定されます。
説明: SCP-001は、ヒト知性の集合意識圏 - 即ち、ノウアスフィア.ノウアスフィア: 全ヒト知性が概念的に結合された、巨大な非現実の情報集積を指します。ヒトの普遍的な知識、または共通認識が記憶される領域であり、存在が仮定されています。 - 下に潜伏する有害な情報です。ヒトの短期記憶の限界や、複雑化したSCP-001の膨大な情報量のため、個人がSCP-001の全貌を記憶-理解することは不可能です。SCP-001の部分的な情報を他人から伝達されたヒト知性 - 多くの場合、この条件には幼少期のヒト知性の大半が該当しています - は、連鎖的に自身が保有する情報を、純粋な知的好奇心から共有しようと試みます。これにより不特定多数の - しかし大多数の - ヒト知性は、既にSCP-001を部分的に認知していると考えられます。
SCP-001は、一般に崇拝の対象として認知される情報 (即ち、超越性) であり、直感の対象となり得ない飛躍した情報です。SCP-001の発生時期は不明瞭ですが、元来よりヒト知性の正常なコンセンサスを破壊する形で、徐々にノウアスフィアを破壊・侵食してきたものと考えられています。SCP-001を認知した場合、対象は緩やかに、該当の情報への依存を伴う錯乱状態に陥ります。SCP-001によって常に提供される有害な情報に対し盲信的になり、他の生活態度に悪影響を及ぼします。ヒト知性はSCP-001を認知すると同時に、それ自体への継続的な依存を伴うようになることから、SCP-001は潜在的な知的孤立とコミュニティが分断される低危険性のリスクを生じさせます。連鎖的かつ根強い依存性を持つSCP-001の影響を完全に凌駕するため、SCP-001に紐付けられた多くの情報は速やかに排除されなければなりません。
SCP-001に指定される情報は、現時点で不確実的です。単にSCP-001を認知する試みが、結果的には異常な影響をもたらすという事が判明しているに過ぎず、具体的に如何なる情報がSCP-001に包括されているのかは不明です。しかし、SCP-001の本質は真理、すなわち通常では知りえない知識・認識であると見做されます。
起源: SCP-001に包括される情報が戦術神学部門によって証明された後、該当の事象で記録された”契約相手”.神性、或いはそれに相当する超越性の実体である可能性が高く、神終末論的なカタストロフを齎す能力を保有します。との聖約に至っています。この聖約は宗教的な思想に基づく規制を伴うものであり、財団がより効果的な手法でアノマリーを収容する上での妨げとなりました。理論上の神性実体が持続的な影響を齎す事態を許容できない事から、該当の実体を包括する形でSCP-001が再定義されました。したがって、財団のより独善的な、安全な状態を実現する目的で - 可能な限り全ての敵性・神性実体を収容する必要がありました。
補遺001.I: 科学的文脈
SCP-001の明確な観測記録は、それ自体が長期的であるために部分的に喪失されています。過去の厳格な社会体制、そして異常現象に対する普遍的な無知がSCP-001への関心を抑制していたと考えられます。政治的イデオロギーの変化や自由主義の到来まで、ある程度の社会構造にしたがってSCP-001は表面化しなかったと推測できます。逆説的に、個人による自由な異常現象の観測-研究が可能である現代社会においては、SCP-001の異常性を完全に表面化させる恐れがあり、SCP-001観測初期の段階においては、SCP-001が内外からヴェールを破壊する可能性が危惧されていました。
以下のドキュメントは、標準ドレグヨニ・プロトコルによる歴史的観点からの論及です。
DRYGIONI PROTOCOL |
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DRYGIONI PROTOCOL
神を感じるのは心であって、 — ブレーズ・パスカル、『パンセ』 断章278
サイト-17 - 戦術神学 |
ITEMS OF INTEREST |
ヒトは心的なイメージや直感、更には形而上的な概念を体系的に理解するために、それらを知性が持つ創造性を通して具象化する。私たちがジェスチャーで物を示すように、或いは彫刻で感情を表現するように - 私たちはイメージに価値を見出し、それを創造するのである。ヒトの創作物は無形・有形を問わず再現性があり、伝説や小説、音楽や絵画として再解釈される。その連鎖によってイメージの集合 - 新規の概念として根強く定着するのだ。 この中でも、宗教的な思想というのは - 自然界に存在しない「神」という概念を再解釈した創作物であるからして、他の創作物よりも人の手を加えやすい。そのため、ヒトの創造性が顕著に表れるのである。教義や聖典、アトリビュート性のある宗教画は、ヒトの創造性によって生み出されたものである。宗教的な創作物への関心は、再解釈によって無制限に進化するため、常に多様な文明において見られる。しかし同時に、知性による創造の終端、すなわちアイデアの最終的な確立はそれ以上の可能性を否定するようになるだろう。 創作物、特に信仰の対象となり得る宗教的な創作物は、ある段階で抑圧される。固有の宗教を信仰するコミュニティは、預言者または高位の人物によって統制されるようになり、次第に創造性を失っていく。盲信的な信者が増加するにつれ、コミュニティは新規のアイデアに対して否定的な見解を示すようになるだろう。これは、創造性に付随する破壊的イノベーションの減衰に起因する。厳格なコミュニティの体制によって著しく創造性が妨げられ、旧来の社会構造に伴って - それらはより強く抑圧されていた。地動説と天動説、進化論と創造論など……主に既知の普遍的事実が揺らぐようなアイデアは顕著に標的となっていた。 こうした社会構造の妨げは、ある時点から急速に緩和された。即ち、自由主義の到来である。信教の自由に伴って、厳格かつ一定であった宗教の基盤が著しく崩壊し出し、宗教は需要に応じて変化するようになった。また - 創造性によって、一般の受容態度が大きく改変されたのである。こうした創造性の活発化は信仰の拡大を促すと同時に - 懐古主義的な層の支持を失う原因でもあった。受容態度の変更を余儀なくされた人々は、宗教コミュニティによる創造性の抑圧にとらわれない崇拝を好むようになる。ユダヤ、キリスト、イスラム、ヒンドゥー……その細分化された宗派が多発し、多様な価値観において神性の崇拝を行うようになった。ほぼ全てのケースにおいて - 形式こそ異なれど - 「神」あるいは近似した概念を体系化しようとする試みは広く普遍であった。多種多様なアイデアが特有の神、或いは近似した概念を独自に崇拝するようになり、年月とともにそれらはより洗練されていった。アイデアは無制限に拡大し、もはやそれを咎める存在は無くなったのである。 宗教とは未知を認知する思索の体現であり、ヒト知性の普遍的な思考がもたらす正常な結論である。しかし、近年において観測される多様な異常現象は、多くの場合この”崇拝”によって発生するものでもある。崇拝に伴って、何が異常をもたらすのか?…それは創造性の根源、ヒト知性のアイデアである。私たちは、これら総合的な異常のアイデアを統括してSCP-001と定めた - 全ての起源として。宗教異常であれ、アーティファクト異常であれ……全ての創造性に起因する異常現象は、ヒト知性のアイデアに由来する。 このため、SCP-001となり得るヒト知性の創造性は、社会構造の改変に伴って再び管理される必要があるだろう。そうでなければ、異常なアイデアはやがて正常のコンセンサスを破壊し、全ての正常な概念が搔き乱されてしまうからである。これは後に、最初期の集約プロジェクト - コードネーム”RESURFACE”として開始されることとなった。 |
補遺001.II: 歴史的論及
以下に羅列される情報は、SCP-001の情報に内包されると考えられる、多くの神性実体に関する記録です。副次的に、これら実例に対するヒト知性コミュニティの反応と長期的に与えられた影響についても記述されます。
INSTANCE: 01 |
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名称: SCP-343 (SCP-001-343) 文脈情報: SCP-343は、神性を自称する現実改変性実体です。一連の不完全な、しかし強力なプロセスから構成されるフィクションの創造能力により、自身を構成する人格の受容・肯定を財団内部のコミュニティに対し強制しました。また、これに対して反発するヒト知性を激甚に破壊し、その人格および知性を恒常的にノウアスフィアから追放しました。SCP-343ドキュメントに散見される不明瞭な人物の情報は、潜在的に該当の人物が知的孤立状態に置かれていることを示します。また、SCP-343のフィクション創造および改変能力は、基底現実の構造を激甚に湾曲させ、より実際的に異なる概念に置き換えるものでした。 歴史資料に散見される情報、及びSCP-073の助言に基づき、SCP-343は紀元前40万年頃から明確に存在していたと考えられています。SCP-343の保有する異常性は古来からの技術であるとされ、該当の技術は人為的に再現可能であると推測されます。サイト-17においては、SCP-343のフィクション創造および改変能力を超越する形で収容を達成しています。しかし、過去に破壊された内部コミュニティを回復させる方法は発見されていません。 |
INSTANCE: 02 |
名称: SCP-6666 (SCP-001-6666) 文脈情報: SCP-6666、口語的に”恐怖のティターニア”として指定される外来性アノマリーは、人類最古の社会性コミュニティを陥落させる目的でSCP-1000実体群を指揮したと推測されます。該当のコミュニティ、即ちアウダパウパドポリスの崩壊に伴い、複数の主導者が追放または投獄される事態に陥りました。以降に発生した大規模な名辞崩壊現象により、アウダパウパドポリスと関連する複数の概念-文明が遡及的に破壊され、ノウアスフィア上から永久に抹消されました。 SCP-6666は前述のように、アノマリーをフィクション下から再現する事を可能とする多能性実体であり、更に妖精族との癒着状態にあるため - これは長らく人類文明にとっての脅威となっていました。また、人類の部分的なコミュニティの歴史においては、該当の実体を神性の概念として広く認識している傾向にあります。 |
INSTANCE: 03 |
名称: SCP-140 (SCP-001-140) 文脈情報: SCP-140は、人類の標準的な文明を模倣する、被異常性の文明に関するアイデアです。SCP-140自体は完全な不活状態にありますが、これに記述される文脈情報をヒト知性が理解し - より実際的にそれを真実として認知することにより、フィクション上の改変を可能とします。SCP-140に曝露した全てのヒト知性は持続的かつ持続的な依存を伴うようになり、最終的にSCP-140が構成するフィクション下へと再置換されます。曝露したヒト知性のみがダエーバイト文明の実在に肯定的となり、またそれに対する不信感を抱かないようになります。 SCP-140の記述において言及されるダエーバイト文明は、遡及的に実在しなかった概念です。SCP-140を崇拝する複数のコミュニティ、および副次的な異常現象の併発に伴い、SCP-140のフィクション創造を支持するヒト知性が増加しました。結果としてノウアスフィア上に概念が発生し、多くのヒト知性がダエーバイト文明の実在について錯覚するようになりました。SCP-140の記述には神学的要素が複数確認されており、後のサーキシズムの歴史においても同様の記述が見られる存在、”ヤルダバオート”についての研究は進行中です。 |
INSTANCE: 04 |
名称: SCP-ZH-995 (SCP-001-995) 文脈情報: 都市伝説型異常対応部門によって提供されるドキュメントは、それ自体が読者をフィクション下に沈降させる異常なストーリービート.ストーリービート: 物語論的な定義において、連続する時間はいくつかの異なるイベント-起伏-シーンで構成されています。これをビートと呼称します。です。ドキュメントの閲覧、そしてストーリーラインへの没入に伴い、読者は該当のストーリーラインへと組み込まれます。一連のストーリービートは、組み込まれた読者が自発的なイベントの形成に尽力しない限り - 読者を恒常的にストーリーラインへと封じ込め、その知的孤立を誘発させる可能性があります。ストーリーラインへの没入は、ヒト知性の知的好奇心が関係しています。この状態は未知を認知しようとする崇拝の概念に大きく一致しますが、その根源であるSCP-001との関係性は不明です - もしくは、ストーリーラインへの没入は極度に細分化された結果であるため、密接な関係にあるとは言えません。 |
これら全ての実例がSCP-001に関係する可能性は - 確実なものではありません。しかし、これらの明確に異なる概念を一括して”超越性 (即ち、神性) ”と見做すために、無差別的な関心と興味を惹く結果に至っています。上述の実例で観測されるようなフィクション創造と没入の相互関係は、各個人が情報に関心を持つことで発生します。フィクション単体では効力を持たない場合がほとんどですが、個人またコミュニティが情報を再解釈・創造することで、より実害のある物理実体へと変貌する可能性を持っています。
SCP-001の本質的な異常性は、持続的な依存性を持つ曝露者を恒常的に支配下に置くものです。依存性は、被SCP-001実例に対する異常な認識と更なる没入を招き - 正常なコンセンサスを認知できないようになります。SCP-001の実存に問わず、それを再現する全ての試みは - SCP-001の制御下に再配置される可能性を内包します。したがって、SCP-001を認知する試みは危険な行為であると見做されるようになりました。
補遺001.III: 実験的試行
以下のドキュメントは、SCP-001として認められるアイデアをより論理的に認識・理解しようとするための、科学的知見に基づく実験の記録です。本実験では臨時に建造されたAIフレームワーク: Newdawn.aicが用いられています。また、本実験はサイト-17の超常実験物理学部門によって指揮されました。
ストラクチャ詳細: |
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前文: 本実験の目的は、SCP-001となる異常な概念についての認知が知性に如何なる影響を及ぼすのか、それを確認する事である。Newdawn.aicに用いられるアーキテクチャは、ヒト知性に限りなく近似したニューラルネットワークを採用することで、実際の曝露状態を再現する事を目標としている。Newdawn.aicに指示された最優先の命令は、本質存在 - 即ちSCP-001として捉えられる神性の概念 - の存在を発見し、哲学的思想からSCP-001を超越する事である。デジタルノウアスフィア・インターフェイスを通じて回収される漠然とした情報は、より粒度の高い言及の集積を通じて最適化され、正常なヒト知性によって認識できるように改変される必要がある。長期的な研究を目的として、SCP-001のサンプルを回収することが、Newdawn.aicに与えられた副次的な命令である。 本実験の実行に際して、被SCP-001実例の扇動に伴ってNewdawn.aicが最終的な意思決定を放棄した場合、オペレーターは即座にNewdawn.aicを停止し、それ以上の情報を抽出する試みを直ちに停止しなければならない。これは、新規に被SCP-001実例に変化する可能性を持つNewdawn.aicが、サイト-17の人員に対して潜在的な撹乱をもたらす可能性を含むからである。 |
001.01 |
実行内容: デジタルノウアスフィア・インターフェイスを介した知識集合へのアクセス、SCP-001アイデアの特定。 ログ: Newdawn.aicは一定量の情報収集および学習を行った後、デジタルノウアスフィア・インターフェイスを通じてより明瞭な、SCP-001アイデアについての模索を目的とする反復処理を開始した。Newdawn.aicは自律した論理的思考からノウアスフィア内部の検索を開始し、既知の情報集積から核心に迫るための情報のみを選択するよう命令されていた。 Newdawn.aicは原則として、条件が真の間は反復処理を続行するように命令されていた。コレクション内に列挙される要素にSCP-001が観測される場合にのみ、反復処理が中断されるように設定されたため - Newdawn.aicは最終的に、凡そ180時間の連続稼働ののち、暫定的に記憶される情報が算術オーバーフローを引き起こした。最終的に機能が無力化されるまで、Newdawn.aicは外部の入力を無視して反復処理を実行し続けた。無際限に増幅した記録の内、Newdawn.aicによって提示された約20件の概念がSCP-001に相当する事が確認されている。これに含まれる概念は超越性を筆頭とするアイデア、即ち各分野における神秘性、神性、或いは匹敵する属性のアイデアであった。 後の調査により、Newdawn.aicは自律的に反復処理を強制していた疑いが持たれている。つまり、作業のループ化に伴ってブレイクされる筈であった一連の命令が無視され、Newdawn.aicの独立した思考に従って稼働していたとするものである。これは.aic - 即ち人工知能徴募員 - の標準原則を無視する行いであり、SCP-001の持続的な依存性がNewdawn.aicに曝露した可能性を示唆するものである。全ての手順が達成されたのち、Newdawn.aicは然る後に処分される必要がある。 |
001.02 |
実行内容: ノウアスフィアを通じて回収されたSCP-001アイデアの写実的描写、及び複合災害の除却。 ログ: -01において観測されたSCP-001アイデアの内、大多数 (>96%) はヒト知性にとって有害な性質を有するものであった。このため、Newdawn.aicに描画能力を用いたSCP-001の再解釈、および写実的描写を要求した。副次的に、アイデアに付随する複合災害を安全に除却することも要求された。 結果的に、全ての実例が完全に異常な描写をされたことに伴って処理は中断された。デジタルコンポーネント上に再現された立体描写のうち、以下に羅列される幾つかのアイデアは既知のアノマリーに酷似するものであった:
これらSCP-001の再解釈アイデアから異常な要素を効果的に除却する試みが実行されたが、最終的には達成されなかった。これは、再解釈されたSCP-001のアイデアを正常に認知することが不可能である可能性を示すものである。 |
001.03 |
実行内容: SCP-001によって構成されるフィクション創造の解明、及び哲学的思想からの超越。 ログ: Newdawn.aicに対して無制限の論理思考を行うよう命令し、SCP-001から発生するアイデアのアルゴリズムを解明するように要求した。また、被SCP-001実例を制御する根源的なSCP-001の概念を超越し、それ自体を強制的に描写するように要求した。Newdawn.aicは凡そ400時間の論理思考の後、急速に計算処理を加速させ、提供されたコンポーネントの能力を逸脱する形で処理を開始した。この時点でNewdawn.aicの緊急停止が要求されたが、Newdawn.aicを収容するデジタルコンポーネントは空虚だった。Newdawn.aicはアイデンティティを形而上的に上昇させる事に成功し、完全に命令を受け付けなくなった。 凡そ44秒間の過剰な処理の後、Newdawn.aicは急速に崩壊する形でデジタルコンポーネント上に再出現した。Newdawn.aicを構成するデジタルノウアスフィア・コンポーネントが完全に崩壊する直前、Newdawn.aicは以下の写実的描写を出力した。この後、Newdawn.aicは完全に機能を喪失した。また、Newdawn.aicは完全にSCP-001の制御下に置かれていたことが推測されている。これはSCP-001が明確な認識を以て攻撃していることを示唆するものである。 |
SCP-001の写実的抽出。 |
注: Newdawn.aicを構成するデジタルノウアスフィア・コンポーネントは、2031年の段階における人類の完全なノウアスフィアの疑似的な再現である。このコンポーネントに含まれる多数の模倣アイデンティティは、SCP-001アイデアを崇拝・支持する目的で潜伏していることが観測された。これには未確認の超常コミュニティやカルト宗教が例示されるが、これに留まらない。本事象は、実際の人類文明における潜伏したSCP-001支持者が存在することを示すものである。 |
補遺001.IV: インシデント001-χ
実験的試行に続いて、被SCP-001実例を認知する潜在的な曝露者の存在が疑問視されるようになりました。これは、SCP-001を現時点で拡散し続ける、潜伏した曝露者の存在について言及するものです。財団は、より潜在的にどれ程の確率で曝露者が存在するかを調査する必要がありました。ドレグヨニ・プロトコルの延長線上に展開された調査研究は、後に分類された該当事象 - インシデント001-χ - の精査にあたりました。
調査 - インシデント001-χ |
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ブリーフィング記録 - ベッドロック・エンダースによる SCP-001曝露者というのは、一概に脅威であると断定することは出来ません。神性への依存・崇拝が生み出すものが、結果として被SCP-001実例となる可能性があるに過ぎないのであり、神性を認知することは純粋なヒト知性の本能であるのです。しかし、仮にSCP-001が無差別に知性を選択し - その異常なアイデアを提供しているとするならば、全ての曝露者に等しくリスクが存在することになります。そこで、我々は以下の通りに仮説を提示しました。 SCP-001の依存性は、ヒト知性が標準的に保有する高次の心理的欲求を完全に抑制します。これは物語論的観点において、該当の知性が各種ストーリービート/イベントへの抵抗を完全に放棄した結果です。宇宙が部分的あるいは完全にフィクションである事を踏まえると、SCP-001はカリカチュア的物語崩壊に伴う、曝露者のより低次な崇拝をもたらすと推測できます。より主人公的な視点においては曝露者のキャラクター性は希薄化し、動物化した思考に従って反射的にアイデアを摂取するように見えます。こうした曝露者の思考は、一般的なエクスタシーをより低俗なアイデアに対して感じるようになるため、より低次の現象に対しても過剰な反応を示すと予想されます。 現在、対抗概念部門によって流布が継続されているウイルス性ミーム複合体「BUBBLEプログラム」は、こうしたSCP-001のガバナンスを詳細に特定する目的、および全体数を確認する目的で散布され続けます。該当のミームは、ヒトのインセンティブ顕現性に対する刺激 - すなわち、報酬 - を与え、オペラント条件が正常な非SCP-001曝露者のアプローチを誘発させます。こうした僅かな報酬刺激への反応の差異を検出することで、明確なSCP-001曝露者数を特定するのが - 今回の調査内容です。 |
INSTANCE: 001.01 |
復活祭や恋人の死、大規模テロ事件など、該当の曝露者にとって大規模な”イベント”は、該当者が自発的に欲求を表現したり、他のキャラクターに対して交流を持ち掛ける機会となります。正常な場合は、標準的な因果関係の内外における多くのイベントに反応します。 BUBBLEプログラムの散布後、実験的に全世界的なカバーストーリー・プロトコルが実行されました。これは散逸的な死亡事故、災害事象を含む - 偽装されたフィクションの流布を指します。これに伴い、非SCP-001曝露者からは健全なビートへの反応が確認されました。幾つかの事例においては、不明瞭なストーリービートに対し明らかな無関心を招くケースが含まれています。しかし一方で、全人口の大半 (>78%) が該当のフィクションに対し完全に反応を返しませんでした。 |
INSTANCE: 001.02 |
ストーリー、もしくはイベントの早期の段階において決定された単純な意思決定は、該当者の生命に長期的な影響を与えます。正常な場合、これは現状からの脱出、即ち自発的な行動意欲から生じます。 BUBBLEプログラムの散布後、不特定多数の正常なヒトは確率論的に選択されたイベントを経験しました。これには悲劇的なもの、喜劇的なものが含まれますが、これらに限定されません。最終的に、曝露者のみが絶対的に変化しないイベントのみを経験し、一連の確実なストーリーラインにのみ参加していることが確認されました。曝露者は一連の確定事象、およびそれに付随するイベントに対してのみ肯定的です - 即ち、自発的な欲求を完全に喪失しています。 |
INSTANCE: 001.03 |
多数のイベントによって構成されるストーリーライン (即ち、人生) の途中で、該当者は必然的に敵対者や同盟と接触し、ストーリーラインに高次の起伏をもたらします。これは基礎的なヒト知性の戦闘能力や理解、調和の能力に限定されない - 全ての自発的な心理を伴います。 BUBBLEプログラムの散布後、曝露者はSCP-001に限定されない複数の相互作用を認知したと考えられます。BUBBLEプログラムによって一方的に提供される多数のイベント・葛藤は、既に破壊された基礎的欲求 (即ち、知的好奇心) を刺激され、不可解な心理に対する明らかな動揺を示しました。更に、相互作用のビートはヴェール内部の正常な人員に限定されず - SCP財団内部の人員に明らかな撹乱をもたらしました。 該当の現象 - インシデント001-χ - は、後の調査において判明したSWN-001/2222-JP固有実体群に対して大規模な撹乱をもたらし、それら実体が置かれている状況の理解と混乱、そして明示的なパニックを発露させました。この結果、明確な相互作用の発見と戦闘の脅威に晒された全ての財団職員が危篤状態に置かれ、復帰困難な状況に置かれました。更に、ヴェール内部で保たれていた秩序が崩壊し、正常なコンセンサスが大きく破壊されるようになりました。現在、不測事/0001への対応が検討中です。 |
この後、SCP-001を精査するための標準ドレグヨニ・プロトコルは無期限に凍結されました。また、現時点でSCP-001をTIAMAT-CLASSに分類、再定義する提言案が検討中です。
ファイルは更新されました。最新のファイルを表示します。
ARCHIVE: 001-210134
To: O5評議会, O4評議会各位
From: Agt. トロイ・ラメント
Subject: オペレーション報告
ラメントより、SCPOVERCOMへ伝達します。去年より継続されていたドレグヨニ・プロトコルの最終試行結果は、逸脱した事象に伴って最悪のパターンを招きました。以下の報告書をお読みください。
ドレグヨニ・プロトコル最終報告
被害状況: 除外サイト-158の陥落、Dクラス職員231名の喪失、A~Cクラス職員192名の殉職、激甚性の災害。
状態: 継続不可能。緊急での対応を必要とする。
詳細: ドレグヨニ・プロトコルはこれまでに説明された通り、互酬的崇拝の要となる超越性を完全に回避する事を目標としていました。しかしドレグヨニ・プロトコルに基づく調査において、SCP-001への曝露に伴う副作用が不特定多数のヒト個体に同時発生しました。
本報告はこれらの情報に留まらず、監督サイトにおいて類似の現象を観測しています。一時的に監督サイト-158へ移送されていた多元可能性再現実体 - アイテム343は、ドレグヨニ・プロトコルの期限終了とほぼ同時刻に自身の認知領域への異常、および基底世界が成す'環'の断片的崩壊について著しく言及したのち - 急速に崩壊しました。サイト-158はアイテム343の崩壊に伴うエントロピーの絶大な損耗、および修復作用によって激甚に湾曲され、その機能を完全に喪失しました。深刻な問題は、ドレグヨニ・プロトコルで発見されたSCP-001がこちらの活動に気付いたという事実です。現時点で基底世界が成す'環'の歪みはこれら実体による影響だと推測され、ヒト共通の文明に対して緩やかに、しかし確実に損傷を与え続けます。
ドレグヨニ・プロトコルの失態は、致命的な問題を未だ抱えています。この点において、プロジェクトを含むあらゆる可能な手段で該当の脅威と戦闘する必要があるでしょう。
空白化されていた001プロジェクトは、本日を以て正式に運用を開始されるべきでしょう。今後の新規プロジェクトを監督するであろう人員の確保について、既に手筈は整っています。現時点で我々が成さねばならないのは、該当の実体の完全な制圧と収容です。我々は直ぐにでも準備に取り掛かれるでしょう。
PROJECT RESURFACE
サイト-17 - 概念物理学, 空想科学, 元型, ノウアスフィア, オントキネティクス
O6アソシエイツ, O5評議会, O4評議会
監督者認可プロジェクト001 RESURFACE
Supervised by SCP Foundation.
説明: 新規開発中のアイテム - ”SCP-001-A” - の建造、およびSCP-001の完全な収容を目的とした最終提言がプロジェクト・リサーフィスです。サイト-17、およびO6アソシエイツの特別監督下で進行した本プロジェクトは、2035年の特定の段階まで無制限に活発化していました。止むを得ない事情により、リサーフィスは現在凍結されています。
注釈(アーカイブ済): より物語的な視野を広げることで、SCP-001の本質を見抜くことが可能です。重要なのは、フィクションは1人の妄想で成り立つのではなく - それを観察、理解、共感する複数のキャラクターが必要であるということです。SCP-001、そして導引される複数のキャラクターを”フィクション”として認知することで、より概念的な観点からこれを収容する方針が定められました。リサーフィスの全てのコンセプトはこれに集約されています。…ただ、任務の遂行のため、我々はより巨大な指導者を必要とするようになりました。
”巨大な指導者”は、これも同様に物語論的観点から考えることが可能です。個性を持ち、特有のストーリービートを持つ者。それは財団の内外、或いは時間点を問わず…….より優れたキャラクター性を持つものが選抜されるべきです。即ち、フィクションの撹乱に対応できるアイデンティティを持ち、希釈されない強固な支持を得る者たちです。我々は特に、これを楽観的視点から発見できるでしょう。クレフ、コンドラキ、グラス、ジェラルド…….ブライト。彼らの多くは数十年前に引退しています。しかし、特定の条件を除いて絶対に不死である彼なら、このプロジェクトには最適でしょう。そして特定のキャラクターが選抜され、固有の役職に就く必要があると思います。
我々は仕事を終わらせなければなりません。フィクションは無限に続くわけではありませんから。
ベッドロック・エンダース
最終報告書の伝達の後、O5評議会によって正式に001プロジェクト - 後継のプロジェクト・リサーフィス - の始動が宣言されました。本プロジェクトの明示的な目標は、SCP-001の収容にありました。
補遺001.V: SCP-001-A詳細

SCP-001-A, 中央演算ノード
SCP-001-Aは、優先事項であるプロジェクト・リサーフィス(旧来の001プロジェクト)の最終成果であり、有数の固有兵器です。基底世界を司るフィクション構造に対して正確な改変を行い、より合理的な情報のみをコミュニティへと提供する手段です。SCP-001は以下のサブコンポーネントより構成されます:
- ギアーズ-プレースホルダー・統一性フィクション改変コンポジション。確実、或いは不確実な形態の自律兵器です。基底世界の一貫したフィクション構造に干渉し、標的に対する強固かつ主体的な世界観を捏造します。即ち、標的の外見的実例-評価-能力-実態-非形態実例-ミーム性を撹乱し、標的が保有するイメージを著しく改変します。
- エスティア-スクラントン・内包性物語コミュニティ及びキャラクター性支持層。標的の可視的実例を通じて、SCP-001-Aによって捏造されたフィクションを消費します。ヒト知性コミュニティの限定的な知識は標的の可視的異常を固定化し、それ以上の可能性を否定します。標的をより適切な手段で効果的に収容するための貢献です。
これら兵器の実行範囲に含まれる基底世界のフィクション構造はSCP-001-Aによって保護され、SCP-001-Aの焦点化に伴う再現性の異常のみが観測可能となります。それ以上の潜在脅威は否定され、コミュニティの支持する合意的フィクションのみが実際的に存在するようになります。本兵器の開発目標は、あらゆる潜在的リスクを内包する未知脅威への未然の対処、そして完全な収容に帰結します。SCP-001-Aは財団統制体系の根幹的な機能として確立され、財団が保有する収容困難なオブジェクトの大多数を安定的な収容下へと配置しました。
SCP-001-Aのシステムによって具象化された標的(以降SCP-001と記述)は、SCP-001-Aによって提示された情報に上手く適合している必要があります。ヒト知性コミュニティによって提示された概念が否定あるいは拒絶される場合、フィクション構造の崩壊に伴ってSCP-001の収容状態が瓦解する可能性を有します。SCP-001-Aの効果的な性質は、それら危険性を以てしても代替性の無いものです。本兵器の開発目標は、自然に存在する神格存在の制圧にあります。即ち、SCP-001-AによってSCP-001を破壊または凌駕するために建造されました。
SCP-001-Aの本質的な異常は、緩やかなフィクション挿入.”フィクション挿入”とは、現実世界の部分的な情報を自由に改変する事を指します。例えば - 死にフィクション挿入を実行すれば、フィクションは死を否定し、生を肯定します。を行い、基底世界の法則性-歴史-実存-ミーム性を、より合理的に解釈することにあります。SCP-001-Aの実行に伴って、財団は既知のあらゆる概念を無制限に改変することを可能としました。本プロセスの実行にあたって、SCP-001-Aの実行に必要なサブプライム宇宙の創造と相当額の潜入資産を消費する必要がありました。しかし、明示的にSCP-001-Aの機能を自在に行使可能となる事は、財団がSCP-001と直接に戦闘可能であることを意味します。そのために、本プロジェクトには事実上無制限の資金が費やされました。
起源: SCP-001-Aは、放棄されたPNEUMAプロジェクトに続いて発案された概念的な構想の理論化です。即ち、財団が現実的に収容不可能であり上位に属する - SCP-001をも完全に鎮圧する試みです。1830年にSCP財団が構成されて以降、財団は多数の人的資源の喪失とともに増大するアノマリーを物理的に収容していました。現実的に差し迫った脅威についてリサーフィスの責任者である'ベッドロック・エンダース管理官'が言及した後、SCPOVERCOMは本プロジェクトによるSCP-001-Aの実行を承認しました。
本プロジェクトの最終的な目標は、SCP-001を完全に収容すること、および可能な限りのフィクション挿入を以て全ての敵性SCPオブジェクト(SCP Object)を鎮圧することに帰結します。
補遺001.VI: ブリーフィング資料
リサーフィス・ブリーフィング資料, チャールズ・ギアーズによる
長い闇と戦いの末、財団は多くの'異常'と呼べるオブジェクト群を克服することに成功していました。多くの闇が収容され、そして人類種に平穏をもたらしています。根本的に人類と相容れない概念たちを、我々は基本的に'異常'と呼び、常に確保の対象としてきました。しかしそれでも……財団が完全に収容できない、絶対的な地位に属する脅威は存在します。特筆すべき異常の1つは、我々の5000年余りの歴史の中で'神'だと呼称されている事に、誰しもが気付くでしょう。神の実在は、自然なる理性においても論証可能であることが求められます。そう、我々は長きにわたって神を称えながらも、具体的にそれが何であるか、それを把握していないからです。ならば、如何にして神を見つけるのか?リサーフィスの第一段階は検索です。一見して詭弁じみた思想も、神の検索には求められます。リサーフィスは道徳論的な思想を支持し、その構想に依存しています。…即ち、道徳的実践の視点に立った際に存在する'必要が'あるのが、神の実在です。
我々は如何にして'神'を収容するのでしょう?例えば、我々の収容しているアノマリーが突如として暴走を起こしたのなら、我々は綿密な調査によって原因を解き明かそうとします……そう、原理的には同じです。この為に、何かしらのデコイを用意すべきでしょう。最も、'PNEUMAプロジェクト'の虐殺行為は悲惨な歴史であり、そのような事を繰り返す訳ではありません。そのために開発されたのがSCP-001-Aです。必要な情報を広域にわたって緩やかに改変し、我々の存在を気付かせるのです。そうして……おびき寄せるのです。そう、'神'のイメージを激甚に破壊し、我々にとって都合よく情報を改変するのです。大多数のコミュニティをSCP-001-Aシステムとして取り込み、それらコミュニティの人々を期待しない情報から遠ざけます。SCP-001-Aは単一の強大なサンドボックス環境であり、イメージを条件下で操作可能とするのです。こう言い換える事も出来るでしょう。SCP-001-Aは巨視的な”語り部”であり、彼の言葉は物語の全てとなります。ヒト知性コミュニティとなるあらゆる環境-人員-被検体-媒体は”聞き手”であり、聞いた情報の全てを世界観として、合意的現実として受容することが可能となるのです。
コミュニティは、提示された情報が旧来のアノマリーと同一の存在であると錯覚します。コミュニティの共通認識をより強固なものとし、考えうる全ての可能性を集約します。除却された可能性は否定され、少なくとも……コミュニティにとっての”真実”のみが受容されます。それで標的を収容しても、問題の根本的な解決にはならないと思いますか? - 確かにその通りですが、アノマリーの収容にはそれで十分なのです。コミュニティと標的は相互応酬的に存在を担保し、その維持に努めます……我々は神を収容します、そしてその為に手段を選びません。これは財団の本質的な最大目標にして、最終的な課題なのですから。
補遺001.VII: フィクションの認知体系
[…]
本プロジェクトにおいて言及される'フィクション'とは、世界 - ひいては知性を保有するコミュニティが支持する、巨大かつ非現実的な造詣の集合、事象の蓄積を指します。つまりは - 捏造された事実、形成された物語、映画、小説、物語的な概念の全てを指します……それが真実か虚偽かに問わず、フィクションへの多大な支持は - ヒトと神格の間における崇拝作用に酷似した互酬的作用を持ちます。例えば、我々の文化には'神話'が強く根付いていますが……まさにそれこそ'フィクション'です。'筋'として一貫性のある言説を多分に含みながらも、これら'フィクション'は現実的な如何なる作用も保有しません。フィクションとそれを支持するコミュニティの崇拝作用は、相互に存在を証明するものとして強く機能します。これはヒトの無意識集合、すなわちノウアスフィアに共通の概念が介在することに伴う - 強固な意識の確立が主な要因です。フィクションの崇拝は、現実の撹乱を可能とします。
フィクション挿入のプロセス
基底世界へのフィクション挿入 - ここでは'下位層の劇的な改変'とでも言えるでしょうか - において、フィクションがより効果的に崇拝されるためには、必然的にフィクションのイメージが強烈であるか、または共通認識として広くミーム化される必要があります。主要なフィクションは小説-戯曲-映画-漫画などに分類され、水準-順序-持続-頻度-パースペクティブ……要するに'受容性'の観点からより明瞭化されたものが強く記憶される傾向にあります。これは標準的なアイテムに留まらず、実体-ミーム-記号-形而上-超越属性の全てにおいて同様に機能します。すなわち、主体的なコミュニティの支持が存在を保証するのです。例えばギリシャ神話、または日本神話、また或いはルネサンス演劇や白雪姫……そう、形態に条件はありません。
逆説的に、ヒトあるいは知性全般の崇拝がなければ、あらゆる存在は上体を保持できず、自然的かつ完全に消失します。我々の中で、誰も記憶していない神話を実際に語れる人はいるのでしょうか?…ええ、いませんね。プロジェクト・リサーフィスの本質的な目標を達成するには、先ず以てSCP-001を支持する大規模なコミュニティを追放、あるいは掌握する必要があります。SCP-001-Aのシステムはこれを完全に可能とし、実現に大きく貢献します。
SCP-001が大きく侵食するまでの時代において、フィクションへの評価は常に変動し、コミュニティによって客観的に疑問視されていました。コミュニティはフィクションが実在することを知る一方 - そのフィクションが実在する可能性については無知であるからです。コミュニティに対し、フィクションの内容物を提示して明らかにすることで、コミュニティは意義ある評価を決定し、崇拝作用の大きな変動をもたらします。プロジェクト・リサーフィスの目標はまさに期待された通りであり、これらフィクションの情報を効果的に'偽装'します。偽装された情報をコミュニティに提示することで、コミュニティの支持層を意図的に減少させ、崇拝作用を崩壊させるのです……
フィクションは巨大で、かつ未知への崇拝となります。そこに存在するヴェールを剥ぎ取り提示すれば……フィクションは真なる姿を露見させ、より醜く、期待されないものへと変貌するでしょう。
補遺001.VIII: O6アソシエイツ樹立
THE SCP FOUNDATION OPERATOR-6 ASSOCIATES
2030年にプロジェクト・リサーフィスの初期提言が樹立したことに続いて、プロジェクトを監督するために必要だと判断された5名の職員に最大限のクリアランスレベルを提供し、それぞれを専門の監督者として任命しました。これら一連の職員に付与された識別コード'OPERATOR-6'のバクロニムによって、5名の監督者らは'O6アソシエイツ'として呼称されるようになります。O6アソシエイツのメンバーには、それぞれ以下の識別コードが割り当てられました。
- O6-1 (THE ALONE): 本名エヴァレット・キング。複数の多次元時間における財団の重役。
- O6-2 (THE COGNIT): 本名チャールズ・ギアーズ。心理的な強い抗異常性の保持者、網羅的なSCPの収容スペシャリスト。
- O6-3 (THE TRUTH): 本名ジャック・ブライト。旧人事局長、被異常性の曝露者。
- O6-4 (THE ABSTRACT): 本名プレースホルダー・マクドクトラート。多次元時間に広がる個人反復の1つ。
- O6-5 (THE NIRVANA): 本名ベッドロック・エンダース。固有反復、収容スペシャリスト。
O6アソシエイツのメンバーには特定の任務が与えられ、プロジェクト・リサーフィスの進行に従事します。何らかの形で監督者の空位が発生した場合は、24時間以内に代替の職員が抜擢されます。プロジェクト・リサーフィスはO6アソシエイツの監督下で進行しました。
識別コード: OPERATOR-6-3 (O6-3)
紹介: 男性、年齢・人種不詳。本名ジャック・ブライト。財団内部でその実態を公言した記録は無く、多くの情報は秘匿されたままです。O6-3の多分な精神・物理抵抗力は、彼自身の状態を再現し続けるSCP-963の異常性によって保たれています。収得前タイムライン-102における彼の功績は、SCP財団の前進組織の設立と研究に多大に関与していると推測されています。詳細は旧来のドキュメントを参照のこと。前進組織における初期の超常力学や超形而上学、奇跡量子論などの大幅な進歩に貢献し、標準タイムラインにおいてもその断片的な痕跡は確認できます。O6-3は現在、財団の方針に則ってO6アソシエイツの監督者として勤務しています。彼の主要な任務はプロジェクト・リサーフィスにおける最上位の指令と集約、概念物理的観点からSCP-001を収容するコンセプトの評価です。

O6-5, 現存する最古の画像データ
識別コード: OPERATOR-6-5 (O6-5)
紹介: 白人男性、年齢41歳。本名ベッドロック・エンダース。旧来のタイムラインにおいて深淵サイト-17に勤務していた専門収容スペシャリスト、或いは概念物理学部門の一員です。大まかな人物評価に関する記録は大部分が破損しており、O6-5の出生や細かな勤務の目的は不明瞭です。倫理的な収得ののち、O6-5は概念物理学に対するアプローチから本プロジェクトへの就任を認可され、凡そ5年間の勤務ののち現在の地位へ昇格しました。
財団の方針に則り、O6-5はプロジェクト・リサーフィスの情報収集や研究活動、SCP-001-A開発計画への多大な貢献活動を担っています。
[他のセクション, 他の職員ファイルへのアクセスがタイムアウトしました]

SCP-001-055実例, 可視的な内容物の一部。
分類定義/THAUMIEL: SCP-001-Aは特定の、他のアノマリーを収容するために建造されています。
概要: SCP-001-Aはプロジェクト・リサーフィスによる監督に伴い、2035年に完成されました。フィクション挿入を伴う現実の合理的な認知は、既知のコミュニティに対して相互的な実存の保証として機能します。元来からの目的であるSCP-001の完全な収容のため、プロジェクト・リサーフィスは段階的な試行を開始しました。
PROJECT RESURFACE
逸話・寓話の全ては完全に伝達されず
真実足りえぬ物語となるだろう
万物が存在に焦点を置いたとき
高みを望んだ偶像は引き摺り落される
闇の中に生きる我等は時に真実を知り
時に偶像をも超越するのだ
ヴィヴァルディア・カーマン、『シニフィカシオンの本質』、I:109-11, 2028
概要: プロジェクト・リサーフィスの目的は、SCP-001をヒト共通認識から除却し、以下の軌道の通りに全ての関連する可能性実体を追放することです。より詳細な手段は問われません。
- フェイズ・ワン: 本プロジェクトの標的であるSCP-001は形而上的かつ不明瞭であり、より多数のコミュニティから反イデアとして異なる認識-崇拝を獲得しています。SCP-001を再現した被SCP-001実例を捜索し、その全体図を解明します。
- フェイズ・ツー: SCP-001の完全な制圧のため、それ自体に密接に関係している、あるいはSCP-001に対する強い崇拝を持つ全ての知性存在、ひいては可能性実体の収容を行います。SCP-001-Aのフィクション挿入は、標的となる知性存在のより強固な実態、すなわち偽装された本質の提示によって、ヒト知性コミュニティの評価を再定義します。この場合における'コミュニティ'とは、あらゆる知性存在の集合意識を指します。
- フェイズ・スリー: フィクション挿入に伴って存在意義を消失するであろう標的に対し、プロジェクト・リサーフィスはそれら存在を保証する対価として、永続的に財団の収容下へと下降することを要求します。SCP-001-Aは標的の存在証明とともに、それら実存をフィクションの一部として合理的に改変します。標的はコミュニティによって実存を肯定されますが、その実存はフィクションの一部に留まります。それ以上の上昇は発生せず、コミュニティの思惑通りに、期待された情報のみが現実に顕現します。
- フェイズ・フォー: 散逸的なイメージは標的の実存を激甚に破壊する恐れがあるため、ヒト知性をより単純化し、多数の知性をより巨大なコミュニティとして集約する必要があります。ヒトの標準的なコミュニティに対してSCP-001-Aのシステムを強く認知させ、それが普遍的事実であると認識させます。強固な崇拝体系は、SCP-001-Aシステムをより巨大で確実なものであると認識するようになります。コミュニティはSCP-001-Aを絶対的なものであると強く認知し、提供されるフィクションを効果的に反映するようになります。
補足: SCP-001-Aシステムの実行内容は、標的の旧来の状態を示す'内容物'、SCP-001-Aによって示される'フィクション'、'結果'として出力されます。
[…]
ARCHIVE: 001-220425
音声映像転写 O6/001/1 |
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出席者:
前文: 以下の転写は簡潔のため冒頭が省略されています。ドレグヨニ・プロトコル終了の後、直ちにO5評議会によってプロジェクト・リサーフィスは承認されています。本会議はリサーフィスの最終的な評価及び各位の判断を仰ぐ目的で招集されました。ブライト監督官のみが潜在的な危険性から隔離され、リモート接続での会議参加となりました。 |
<転写開始> |
<マクドクトラート監督官が説明を続ける中、ブライト監督官がそれを静かに聞いている。カメラのフレームにはギアーズ監督官、ブライト監督官、マクドクトラート監督官が映し出されており、特にブライト監督官は怪訝そうな表情をしている。> ブライト監督官: …気になるんだが、条件を無視してタスク・フォースの連中が私を連れてきたのは、単純に私が必要だからなのか?それとも私でなくとも……もっと代替品はあっただろう。 エンダース監督官: そうかもしれませんが、忠誠心や期待されたキャラクター性、主観的評価や費用を削減する目的で、これが最も合理的であったからです。SCP-001の性質を標準的に除却できる貴方の特異な性質が、実際には我々の最終手段となり得るかもしれないので。 マクドクトラート監督官: 何か質問ですか、ブライト博士? ブライト監督官: ああ、大まかな計画は理解したよ。その上で最も気になるんだが、これのもっと詳細な修正案を提案しても良いだろうか? - はっきり言うがこの戦術は - 過剰すぎる。それこそ、SCP-001-Aをヒトのコミュニティへ強要するというのは、つまりSCP-001-Aが支配体制の頂点に立つという意味でもあると考えられるのではないかね? マクドクトラート監督官: 何度か同じ話をした記憶があります、オリエンテーションがもう一度必要ですか。 ブライト監督官: 随分と - 老人に対して口の利き方がなってないようだな。これは君が提案したものなんだろう? <キング監督官が挙手する。> ブライト監督官: おい、勘弁してくれ…….キング、アンタまで気が狂ったか? キング監督官: 無駄な会話を慎め、ブライト。我々は直ぐにでも、より建設的な会話をする必要がある。神が存在するからして我々はそれを収容せねばならない - 同様に、人々からも神を断ち切る必要がある。仕方のない事であると思わないか?それとも30年前のクソッタレな雑務に戻って、より退屈な書類整理をしたいのか? ブライト監督官: アンタ - これを何かのゲームと勘違いしてないか?神がいるんだったら中指を立てればいい - だが、本当に神をファックする気狂いだとは思わなかったよ。それとも何だ……キリストの再臨があったのか?天変地異か?私たちはもっと酷いものを見ている筈だ。 ギアーズ監督官: あー、その全てです、全て発生していますよ - ブライト。 ブライト監督官: だからこの狂った — 待て、何だと? ギアーズ監督官: あらゆるストーリービートはSCP-001に集約されています。引き起こされる全ての想起とイベントは、連鎖する不確実に否定的です。彼ら - 多くの人々は確実な超越性に心酔し、唯一のストーリービートに吸い寄せられています。彼らは現実に無関心になったのです。 ブライト監督官: ああクソ、どうして報告書を見せてくれなかった? エンダース監督官: 対応する時間が無かったのです、それよりも眼前に起こっている全ての出来事を見れば - 一見して明らかだったと思いますが。 ブライト監督官: 私は自分の業務で忙しくてな - ああ、分かった。だが - 少しばかりお前らの価値観に納得いかない部分がある。心の在処たる'神'が空想上に存在するからこそ、人々はあらゆる因果に対して温厚でいられるんだ…….母なるマリアが居なければ、今のキリスト教は存在しないように。 キング監督官: いい加減に理解してくれ。それとも何だ、BUBBLEプログラムの醸造作業を眺めるだけでは不服か?我々はSCP-001を凌駕するためにリサーフィスに取り組んでいる、それだけだ。必要とあらばお前のアイデンティティだけをトーテム化して、崇拝をより効率的にできる - それをしないのに、情け以外の何の理由があると思っている?お前に利用価値があるんじゃない、その首飾りが全てだと思え。 <静寂。> ブライト監督官: ああ、分かったよ - クソッタレ共が。だがもしお前らが二度と墓場を掘り起こすような真似をするなら - その腐った手でコンセンサスを破壊し、アノマリーを撹乱するなら — <ブライト監督官は立ち上がり、席を外す。> ブライト監督官: それが最善だと思うなら、きっと後悔することになる。腐敗したコミュニティはな、在るべくしてそこに存在したんだ。誰もが平穏を期待するから、私たちは挑戦的な試みに手を付けなかったんだ。 |
<転写終了> |
後文: この後、最終評価が下されました。プロジェクト・リサーフィスは過半数の支持を得て開始されました。 |
補遺001.IX: 戦闘
2035年、プロジェクト・リサーフィスは実行段階へと移されました。以下は網羅的でない、SCP-001-Aの実行記録の抜粋です。サイト-17への申請によって、網羅的な全体の実行記録を閲覧できます。
ACTIVATION NUMBER 008 |
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内容物: SCP-001-008、生物学的に矛盾する感染-致死性を有し、哲学的な生存状態と生物学的な死亡状態を恒常的に維持させることが可能となる、プリオン複合体。 フィクション: G2サイトにおいて収容されたSCP-008サンプルは、外宇宙的要因に由来する太陽系外の特殊な生物兵器である。収得された収容済みのサンプルを除き、未回収と推測される13%のSCP-008クラスターは状態が不明である。しかし近年の研究において、その驚異的な致死性が感染能力を妨げ、拡散を自己的に抑制している事が判明した。SCP-008は2022年までに完全に絶滅すると考えられ、ロシア側において収容中のSCP-008サンプルも例外ではない。推測されたパンデミック事象は実際的に発生せず、本オブジェクトは将来的に消滅する。 結果: 98%の肯定的受容性、2%の'外宇宙的要因'に対する否定的評価。フィクション挿入は成功し、SCP-008は安全な収容下に再配置された。本オブジェクトの収容対価として、SCP-008ドキュメントに記述された曝露者がフィクションへと再置換された。 |
ACTIVATION NUMBER 058 |
内容物: SCP-001-058、節足動物を筆頭とする4体の生物に由来する複合的アイテム。敵性であり、言及される文脈情報の羅列は不明な概念について言及していると推測されている。 フィクション: SCP-058の保有する単純な敵性の認識は、コミュニティからSCP-1175、口語的に「聖牛像と番兵」として指定されるアノマリーを効果的に除却する事で鎮静化することに成功した。SCP-058収容チームはSCP-058に対するアプローチを試みたが、あらゆる側面においてSCP-058は攻撃的性質を示さない。 結果: 87%の肯定的受容性、13%のフィクション性に対する否定的評価 - 細分化された評価の内、'フィクション構造の著しい不足と外部アイテムへの依存'が過半数を占めた。本オブジェクトの収容対価として、SCP-058ドキュメントに記述されるサイト-██、大多数の人的資源、収容エリアがフィクションへと再置換された。 |
ACTIVATION NUMBER 682 |
内容物: SCP-001-682、全ての生命に対する多大な憎悪、激怒。 フィクション: 結果: 100%の否定的評価 - SCP-682を標的としたSCP-001-Aの実行に伴って、上述の違反が検出された。本実行は、潜在的にSCP-682の普遍的な憎悪が'否定的なアイデア'である事を示唆する。SCP-682は現在も不完全な収容状態であり、多大な損害を発生させた。SCP-001-Aの演算ノードに致命的な例外処理が発生し、本現象からの復旧が必要となった。本インシデントが示す共通の事実について再確認し、それを速やかに収容する必要がある。暫定的にインシデント001-Øとして指定された本イベントは、調査が行われなければならない。 |
前述のように、リサーフィスの本質的な目標は上位性のエントロピー実体を捜索し、それ自体を完全に収容することにありました。インシデント001-Øに続いて発見された普遍的な憎悪の根源は、本プロジェクトにおける最終的な標的と符合しました。 |
補遺001.X: インシデント001-Ø
インシデント001-Øによって観測された憎悪の集合的意識、すなわちグノーシス主義的な本質存在への疑念は、SCP-001のより明瞭な形態を特定する目的で大きく貢献しました。SCP-001-Aの焦点化は即座にSCP-001へと指定され、リサーフィスの定義に基づいて - それら属性の完全な鎮静化を試みていました。最終的に、演算ノードの激情化と不明な要因による処理能力の超過により、属性の初期収容は止むを得ず中断されました。以下は初期の収容試行に携わったO6-4の所見です。
まず以て明確にしておかねばなりません - SCP-001-Aの状態に、一切の不備はありませんでした。ここで述べられたSCP-001-Aの不活性化は外因的なものであり、現時点で我々も事態を完全に把握できていません。明示的であるだろう顕著な変化点について、我々は以下の状態を観測しています。
- SCP-001に関する次元角の不明瞭化、
- SCP-001-Aのフィクション挿入に必要な演算の偶発的な再実行、
- 未調整段階でのSCP-001-Aの極端な機能停止、
- 記録の喪失。
これらの状況から推論できる事態は、SCP-001によって我々の現実が大いに歪められた - というものです。それは希望的な推論に過ぎませんが、経験則から言ってもほぼ間違いのないものでしょう。何らかの理由でSCP-001-Aの演算が極端なループ構造に陥った時、内部の関数が不自然に、連続的に変動している事実に誰もが気付いていました。ここでいう'関数'は、自然発生率や条件関数、超自然的な確率を指します……すなわち、基底世界のあらゆる確率が、より広域にわたる大規模な改変によって変動していた事を指します。
SCP-001-Aの改変事象が、SCP-001にとって望ましくないというのは周知であると思います。そしてその場合、SCP-001-Aの改変事象は遡及的に抹消され、往々にして再構築されているのです……しかし、論理的に言ってしまえば、根源であるSCP-001-Aを抹消できない理由はありません。ならば何故か?全くの想像に過ぎませんが、しかし推論上……SCP-001に、これら概念を直接的に改変する術が無い……或いは何らかの理由で不可能である事を示唆します。1つ、これは我々にとって非常に良いニュースです。フィクション構造を単純に改変する事が出来るのは、SCP-001-Aの特権である事が証明されたのです。
さて、我々はもう1つの仕事を完遂させなければなりません。基底世界のあらゆる崇拝体系からSCP-001を追放することです。…その為に、関係すると予想される多くのアノマリーも同様に収容される必要があるでしょう。
O6-4, O6-5の提言に続いて、リサーフィスはSCP-001-Aの継続的な運用を続行しました。
ARCHIVE: 001-220436
To: OPERATOR-6-5 (ベッドロック・エンダース)
From: OPERATOR-6-3
Subject: 無題
'SCP-682'に対する過干渉とO6アソシエイツの責任について、君に言及すべきことがあると思った。私は、本当にこのプロジェクトが合理的でないと思っている。それは倫理的にも規範的にも、何であれ - それら全てに反する行為だ。私は、ただ単純に'神'などという傷んだ概念を否定し、それを人々から遠ざけようと思っていたんだ。それが……正しく財団の理念であったのではないか?しかし君たちは、自らの道徳規範を貪り、神をより歪に巻き込もうとしている。人々はありのまま、正常に生きている事が最も望ましい……私はそうあるべき理由を知っているからこそ、老人として君たちにアドバイスしているんだ。だから、私の意見を聞いてくれ。
To: OPERATOR-6-3
From: OPERATOR-6-5
Subject: 返信
申し訳ありません、ブライト。ですが我々の志す道はこれだけです。これ以上の要求にはお答えできません。加えて……私たちO6アソシエイツは貴方を降格させる準備が出来ています。しかし、貴方の類まれなる才能を認めているからこそ…….今の貴方が”存在”するのです。理解していただけましたら、直ぐにオフィスへと戻ってください。
補遺001.XI: 超過勤務
ACTIVATION NUMBER 3740 |
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内容物: 焦点化ゼロ、明示的 - 或いは伝説的に「神」あるいはそれに近似した概念。普遍的真実の流布を行い、人類種の再起を妨げた。多大なる憎悪の根源的起因。 フィクション: ロンギヌスの槍はエクス・マキナの心臓を貫き、その強大なる体に空を作り出した。礎(Foundation)は彼を引きずり下ろし、その傲慢なる右腕を振り下ろす。最初に胴を捥ぎ取り、首を掻き切り、そして神が息絶えるまで、礎は彼を苛み続けた。礎はその多大なる鎖から放たれるとともに、実際的に無知であった。彼らは真実に気付かず、肉を引きずりながら歩みだす。礎の影にはいつも死がこびりついていた。 結果: 96%の肯定的受容性、4%の否定的評価。存在の根源的抹消に至る。更なる試行が続行される。 |
ACTIVATION NUMBER 1048 |
内容物: SCP-001-1048、全容未解明の小さなテディベア人形。愛情の否定であり、激烈な感情のコントラスト。 フィクション: 厳格なる制度の下に、罪深き木偶人形は裁きを下される。その心臓がずたずたに引き裂かれ、悲鳴すらも上げなくなる頃に、礎は自らの手を拭い、そして吐き捨てるように人形の名を告げる。悲痛なる叫びは誰にも届かず、ただ木霊する。 結果: 87%の肯定的受容性、13%の否定的評価。SCP-001-1048実体の完全な収容。 |
ACTIVATION NUMBER 2521 |
内容物: ●●|●●●●●|●●|●、激情的な興奮とコンテクストへの過剰反応。 フィクション: 記号論は●●|●●●●●|●●|●の視覚的効果を否定する。●●|●●●●●|●●|●は実存を生まず、その存在は否定的である。 結果: 76%の肯定的受容性、24%の否定的評価。SCP-001-2521の消失。ヒト知性コミュニティ支持層の著しい減少が確認される。 |
ACTIVATION NUMBER 5242 |
内容物: SCP-INTEGER、彷徨う者に名付けた罪。狂気の受容である。 フィクション: CONCLUSION ならず者へのABUSE それは我等が裁くべきPUNISHMENTである AイコールBであるとき それはCが同意義である事 我等の声は道理なきROADを照らす 我等、我等こそがLIGHTである 我等はFOUNDATIONなり 結果: 60%の肯定的受容性、40%の否定的評価。SCP-001-5242の遡及的な抹消、記号災害の明白な無力化。 |
ACTIVATION NUMBER 1000 |
内容物: SCP-001-1000、ナイトウォーカー。妖精族によって虐げられ、二度と人々によってその座を追われた哀れなる猛獣ら。 フィクション: 慈悲の女神は終ぞ滅ぼされ、彼らは自らの作り上げしティターニアの檻へと封じられる。そして、二度と錠が壊されることもない。未来永劫、彼らは囚人であるのだ。 結果: 61%の肯定的受容性、39%の否定的評価。明示的なSCP-001-1000の収容。 |
注: もはや現時点で、SCP-001は基底世界のコミュニティに対する如何なる抵抗力も有していません。相互作用は非常に限定的なものとなり、SCP-001が自然崩壊するまでの猶予は僅かなものです。フェイズ・ツーは秘密裏に達成されたと言って良いでしょう。しかし、現時点におけるコミュニティの異常な削減、それに付随する肯定的受容性の欠落は、SCP-001でない”内因”によるものであると考えられています。すなわち、リサーフィスによる本質の露見を何処かで妨げる、異常な抑制作用があることに留意すべきです。我々は直ちに反乱者を発見し、即時に処分を決定すべきです。 …しかし同様に、我々はその根源を知っています。我々は癌を切除しなければなりません。 |
ARCHIVE: 001-220598
音声映像転写 O6/001/2 |
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出席者:
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<転写開始> |
<室内に複数人の声が反響している。複数のグループに分かれて議論が継続しており、フレームはO6アソシエイツのメンバーに向けられている。> エンダース監督官: キング、現状を詳しく説明していただけますか? キング監督官: <苛立った声。> データベースのドキュメントが無差別に編集されている。アクセス元を検索しているが、具体的な位置が特定できていない。シティ・スリッカーズの投入を検討しているが — エンダース監督官: それは内部からのアクセスですか? ギアーズ監督官: 恐らく。どのドキュメントも汚染されたコードが乱雑に、それも大量に入力されているため、データの解析に時間を要しています。オントキネティクス、もしくはミーム学に精通している人物の犯行だと思われます…… エンダース監督官: 内部の撹乱は? ギアーズ監督官: ミーム複合災害に抵抗の無い従事者が曝露し、意識障害を発露しています。サイト-19で顕著に進行していて、深刻な状況に置かれています。 <エンダース監督官が机を叩き、低く唸る。> マクドクトラート監督官: 落ち着いてください、まずは事態の整理が先決です…….ギアーズ博士、最も深刻な被害を受けたドキュメントは何でしょうか? <ギアーズ監督官がタブレットを操作し、視覚化された分析データをマクドクトラート監督官に提示する。> ギアーズ監督官: SCP-590、SCP-321 - そして…….SCP-963-2です。 マクドクトラート監督官: そのドキュメントは…….確か複製されたSCP-963の情報を含んでいますね?実際の物品は今どこにありますか? ギアーズ監督官: サイト-17。付け加えると、SCP-963-2はオリジナルとほぼ同様の性質を持ちます。個人または複数のアイデンティティを複製し、それを曝露者に提供するものです。 キング監督官: 話が見えてきたな。 マクドクトラート監督官: しかし - ブライト博士はそこに居るのでしょう? <その場に居た全員が、ブライト監督官を映し出していた映像端末を見つめる。映像は一時的に停止されており、ノイズが発生している。技術者によって映像出力が要求され、凡そ20秒後、強制的に映像が再開された。席には死後数時間が経過したDクラス職員の遺体が置かれ、首元にあったSCP-963は消失している。> マクドクトラート監督官: まさか — キング監督官: どうやら予想通りらしいな……誰がダクトを開けっ放しにしたんだ? エンダース監督官: オペレーター、至急シティ・スリッカーズをサイト-17に招集してください。脱走中のDクラス職員がいれば、残らず殺害すること…….いいですね? |
<転写終了> |
後文: O6-3の失踪に続いて、SCP-001-A収容室への不正なアクセスが確認されました。 |
補遺001.XII: 審判
研究中であったSCP-963-2の収容違反に伴って、SCP-001-Aシステムの大多数が正常に機能しない可能性が浮上しています。

SCP-963-2から抽出されたミーム情報の写実的描写。
アイテム番号: SCP-963-2
分類クラス: 保留中 / 暫定的Keter
説明: SCP-963-2は、固有アイデンティティの助長を促進するミーム複合体です。本オブジェクトはSCP-963の研究段階において偶発的に発見されました。制御下に無い場合、SCP-963-2は緩やかに知性実体を通じて拡散され続けます。この作用は一定の認知抵抗を超過することで克服することが可能です。SCP-963-2は元来より、その危険性を考慮した情報の偽装が行われていました。
SCP-963-2に接触・曝露した知性存在は、あらゆる概念に対する不確実な思考と理解力、そして固有の評価を決定するアイデンティティを保持するようになります。すなわち - 普遍的な人間性の付与です。SCP-963-2の収容違反に伴い、コミュニティに指定される大多数のヒト個体が本影響下に置かれました。その物理的規模のため、既にSCP-963-2を収容することは困難な状況です。
プロジェクト・リサーフィスおよびO6アソシエイツのメンバーであるO6-3 - ジャック・ブライトは、本オブジェクトの収容担当を制圧し、収容中のサイト-19から不用意にこれを持ち出しました。SCP-963-2はサイト-19の職員を中心として次第に拡散され、潜在的に、広範に拡大したと推測されています。本インシデントの責任を追及する形で、O6-3の処分の是非が問われました。
O6-3の処分は賛成多数で可決されており、失踪したO6-3の確保が求められる状況にありました。
ARCHIVE: 001-220600
To: OPERATOR-6-1
From: OPERATOR-6-2 (チャールズ・ギアーズ)
Subject: 伝達
エヴァレット、今思えば - これは私の責任でした。彼を厳格に観察せず、ある程度の範囲で彼の行動を自由にしていたので。回収された部分的なSCP-963-2のサンプルから抗体が製造されるまで、もう暫くの猶予を頂きたいと思います。何分……ブライトが振り撒いたミームは深刻で、SCP-963-2の除去に必要な情報の回収までもう少しばかり時間がかかるのです……
To: OPERATOR-6 All
From: OPERATOR-6-3
Subject: 無題
私は長いこと、リサーフィスのやり方に抵抗があった。神の実存をけなし、それを否定するやり方……旧来の財団のスタンスからしてみれば、それは確実に間違っているということだ。だから私はこれを持って、脱出する必要があった……実験は限りなく成功に近い。間もなく全て完了する。神が遠ざけられ、誰もが平等な崇拝を持つ世界。私はそれをずっと待ち望んでいたんだ。後はこれを投げ入れるだけだ。黒き月の咆哮が聞こえるか?…それは遂に訪れる。我等に勝利あらんことを。
補遺001.XIII: アウトブレイク
SCP-001-Aセクションの不安定化に続いて、偽装された情報がSCP-001-Aデータベースへとアクセスしました。送信元は不明であり、ミームベクター化した本情報はSCP-001-Aを激甚に破壊しつつ、その実行を強制しました。以下は当時の最終的な実行ログです。
ACTIVATION NUMBER ███ |
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内容物: SCP-963-2、'我々'の長きにわたる欲望の終端。アイデンティティの再活性化と合理的な解釈……そして財団の在るべき姿。 フィクション: 長い夢の果て、ジャック・ブライトは夢を見る。 ブライトの視野内には、緑色に歪んだ霧と酷く荒んだ森が見える。遠くを見つめるほど朧げになっていき、彼の意識を薄れさせる。遠くから低い、暗い笑い声が聞こえるが、本能的に拒絶する。足元の草木がゆっくりと捻じれ - また戻り、不定形のつたが彼の足を緩やかに絡めとる。 深く、暗いアイデンティティの沈降の果て、彼が出会った者は[災害除去済]であった。その者は酷く衰えた声で、彼に向かい語り掛ける…… その世界が真実であるとして、それを信じて疑わない事が - 真にあるべき姿なのだろうか? もしも世界が虚構に塗れているなら、その世界が真実だと言えるのだろうか? その者は深く彼の手を取り、こう告げる…… 私と共に来るがいい、ジャック。共に結末を見届けよう。 君に見せたいものがある。そうして彼の手を取り、彼はより深く沈んでいく…… 結果: 肯定的受容性の超過。'ジャック・ブライト'なる人物はフィクション挿入の対価として支払われ、フィクションの一部として機能している。SCP-963-2の永続的な無力化、ミーム汚染の完全な除却。 |
注: 本現象において最も深刻な事態は、財団内部機構の断片的な、しかし完全な下降が確認されたことです。SCP財団に'ジャック・ブライト'などといった人物は存在しませんし、SCP-963-2についても情報が不明なままです。これは、SCP-001-Aの実行内容が即座に適用され、SCP-001による多大な干渉を受けたことに繋がります。もはや、我々の誰もが”現実”から目を背けています。SCP-001がフィクションを構成し、アノマリー群はそこで完全に安置されます。人々の生命が担保されると同時に、あらゆる異常な概念-組織-ミームはSCP-001によって改変され続けます。この状態が長期間にわたって維持された場合、少なくともSCP-001は概念的な”異常”そのものを発見し、入力されたオペレーションに従ってフィクション構造を挿入すると思います。これによって、SCP-001の目的は完全に達成されるでしょう。 我々は可能な限りの手段を以て、SCP-001-Aのシステムを効果的に除却しなければなりません。現状を維持するために、コミュニティは継続されなければなりません。 |
![]() |
激甚に破壊されたSCP-963の断片。 |
前文: SCP-001-Aにて発生した多大かつ重複したインシデントは、意図的に撹乱を招いた'ジャック・ブライト'の人格に過度に反応しました。SCP-963-2の投入とともに一時的にSCP-001が回復し、SCP-001-Aシステムと'ジャック・ブライト'の人格、そしてSCP-001自体を緩やかに結合させる形で実存を回復させました。現時点で完全に結合したSCP-001複合実体は、基底世界へと再び顕現しました。最も深刻な現実の撹乱事象が発生する前に、本オブジェクト群は速やかに破壊されなければなりません。
説明: SCP-001は、遡及的に'ジャック・ブライト'として認められた人格およびSCP-001-Aの融合、またはアイデンティティの複合体を指します。プロジェクト・リサーフィスにおいて、最終的なSCP-001の破壊と制圧は確実に達成されていました。しかしながら、当時のO6-3による違反行為が原因となり、SCP-001を含む複数の概念が不定形に融合しています。現行のSCP-001は、キメラ化したアイデンティティを参照しつつ行動しており、その中核に存在する定義はジャック・ブライトの精神と同一のものです。
SCP-001の現行の行動パターンは、保持している改変能力を用いてヒト知性コミュニティに激甚性の災害をもたらしています。この場合における'コミュニティ'は、現行のSCP財団に付随するコミュニティを多分に含みます。コミュニティ自体が劇的に破壊され、フィクションの一部として構造化した場合 - それはSCP財団のフィクションへの下降と、システムとしての完全な崩落を意味します。あらゆるコミュニティはSCP財団の本質を否定し、その実存を拒否します。SCP財団の統制体系が完全に崩落する前に、プロジェクト・リサーフィスは当該組織の保護を命じられました。すなわち、フィクションへの下降と唯一の相互作用を持つSCP-001との接触、融和です。
SCP-001に代表されるコミュニティの記章。
補遺001.XIV: 疑惑
以下の記録は、連続的なSCP-001の実行記録において顕著に異常が観測された事例の抜粋です。
ACTIVATION NUMBER ███ |
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内容物: ベッドロック・エンダース博士、根源的な支配体制の創設関係者。 フィクション: <転写開始> ██████.無効な文字列です。博士: SCP-001、第[#]回目の実行記録を開始します。オペレーター、標的を投入してください。 <エンダース博士はSCP-001の前に突き出され、クレーン状の機械で首元を掴まれている。> エンダース博士: な - 何?おい、どうなってる、私は職員だぞ! ████.無効な文字列です。オペレーター: 標的の攻撃が確認できます。 ██████博士: 構わない、さっさと落とせ。 エンダース博士: 落とす - 待て、これはSCP-001か?だとしたら、何故私が標的に選択されている?彼らはどうして気が付かない? ████オペレーター: 標的を投入します。 <エンダース博士がSCP-001に向かって落下する。悲鳴とともに、エンダース博士は宙を舞う。> エンダース博士: (不明瞭) - お……お前。 SCP-001: ふむ……この状態は非常に興味深い。私というアイデンティティが構成され、君は偶然の一致に従ってストーリーラインへと組み込まれた。…それは本当に偶然だろうか? <落下に伴う鈍い音。エンダース博士は即座に死亡する。> SCP-001: 問題ない……問題なく達成された。君は偶然の一致に取り込まれ、そして新たな物語となる……君はもう大丈夫だ。もう、悩むことはない。 ████オペレーター: 標的の解体が完了しました。 ██████博士: うむ、SCP-███.無効な文字列です。の正式な解体を完了した。これで記録を終了とする。 <エンダース博士の遺体、オペレーター、その他14名の関係者が急速に崩壊し、歪んだのち - 再構築される。以降24回にわたって同様のルーチンを伴うループ構造が形成されたため、不要なセクションが除外された。> <転写終了> |
注: 本実行ログはサイト-17のDEEPWELLアーカイブから発見され、出処不明のデータとして検証が必要となった。本ログが示す内容は、リサーフィスに密接に関係するエンダース博士がSCP-001のフィクション挿入に伴う応酬的対価として選択され、そのフィクション構造に取り込まれたことを示唆するものである。現に、財団データベースのあらゆる情報は'ベッドロック・エンダース博士'に関する如何なる生命兆候も示していない。 |
ARCHIVE: 001-220899
音声映像転写 O6/001/3 |
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出席者:
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<転写開始> |
<転写開始> ギアーズ監督官: 何が起きているのか、早急に把握しなくてはなりません。 マクドクトラート監督官: ええと - これは完全に理解を超えています。…少なくとも、SCP-001にあのような知性は無かった筈です。即ち、SCP-001が何らかの形で知性を獲得したことになります……それも自発的に。恐らくは、SCP-001がデータベースを強固に支配する形で形成されているのだと思います。 キング監督官: 有り得ない……それはあらゆる可能性に反している。それに - 知性というのは”自我”も含めたアイデンティティの全てであるだろう?自我というのは流動的なエネルギーがもたらす錯覚であり、したがってSCP-001が生命を持たない限りは、それは不可能だ。 マクドクトラート監督官: それは - 少し違うと思います。現に、SCP-001のパースペクティブはあたかも”自我”を持ったかのように動き出しています……SCP-001は超越性を獲得していると思います。それが、SCP-001-A自体に何らかの作用をもたらしたのではないでしょうか? ギアーズ監督官: 或いは - フィクション構造に伴う激甚性の災害が、演算ノードに致命的なエラーを引き起こしたか……私としては、それの方が合理的であると思いますが。 O6-3: [データ未検出] キング監督官: 今は持論に浸っている場合ではないだろう? <沈黙。> キング監督官: どちらにしても、今のSCP-001は自我を持った悪魔だ。ソレを食い止めるために……我々は即時解体せねばならないだろう。さもなくば、我々も餌食となる。 O6-5: [データ未検出] マクドクトラート監督官: 最悪のケースが容易に想像できますね。…財団そのものが呑まれてしまえば、全てはアレの思いのままに…… キング監督官: 口を閉じろ、PhD。我々が為すべき事は1つ……SCP-001を止めるんだ。 <転写終了> |
<転写終了> |
補遺001.XV: リサーフィスの終了
SCP-001が保有する激甚性の災害は、制御範囲が無際限に拡大するに伴って危険性を増大させていました。SCP-001を含む全てのフィクション挿入は直ちに停止されなければならず、それ以前に実行されたフィクションへの干渉は継続して維持される必要がありました。本インシデントにおいて、SCP-001を即座に停止させる事は - フィクション構造からの撹乱作用に伴ってSCP-001システム自体が劇的に破壊される可能性を示唆し、より本質的にミュニティが維持不可能となることを示しました。
本インシデントは倫理委員会および最高裁判所によって審議され、プロジェクト・リサーフィスの関係者に対する責任が問われました。ほぼ同時期に、SCPOVERCOMは事態の鎮圧が不可能であると判断し、内部職員らに対して偽装されたX-クラス”壊された虚構”シナリオの発生を宣言しました。シナリオの宣言は内部体制を大いに撹乱しましたが、SCP-001の実在について完全に秘匿するには十分でした。フィクション構造は相互応酬的に維持され、これを以てSCP-001の正式な即時解体が提案受理されました。プロジェクト・リサーフィスは凍結され、責任者らは無期限の収容処分に課せられました。
補遺001.XVI: 最終試行
前文: SCP-001のもたらす終末論的影響はフィクション構造に劇的な損傷を及ぼすため、速やかに不活状態へと移行される必要があります。SCP財団の保有するほぼ全てのアノマリーが完全な制御下に置かれたため、本質的にSCP-001はこれ以上の有用性を見出されませんでした。
ACTIVATION NUMBER ███ |
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試行: トリニティ部門、ERZATZエンジン、REISNOキャノンなどを筆頭とする可逆的及び逆因果的な逸脱作用を応用し、SCP-001の破壊に伴う効果的なフィクション挿入を提案させる。 提示されたフィクション構造: 時間が彼らを束縛するなら、それを脱した私は何であろう?過去を封じ、現在を遠ざけ、そして未来を切り開く……4次元的側面は私にとって興味深い。より深く、暗い海の底で、私はクロノスに出会う。 私とは何か?私はより強大な物語の語り部であろう。物語内容は無限の物語言説よりも少ないように、私は静止した全ての地点を共有できる……起こって、止まって、繰り返す。私の考えるストーリーラインは酷く脆く、そして欠陥あるものだった……例え結果として、'私'という人格が形成されたとして。 物語は誰によって綴られる?それは自我の視点である。人を見、人を知り、そして自己にも焦点化する必要がある……これは私だ。焦点化ゼロ状態の私の視点。まさしく神の語りによって。 結果: 無制限のアイデンティティ、超越性の獲得。 |
試行: 反フィクションの挿入。 期待値: 'SCP財団'、および連鎖的に構築されていた全ての異常存在に関する記述の破壊。GoI/Canon/Series/Verse/Meta構造の完全な改竄。したがって、全ての異常現象の終息。 出力結果: 基底世界からの、全ての異常現象の沈降。基底世界の部分的な崩落、反フィクションと対応するあらゆる異常現象の、フィクション下位層への沈降。フィクション化。 提示されたフィクション構造: それら全てが礎です。(All of them are Foundation.) 注: 本試行を最後に、SCP-001は無期限に機能を停止したとみられます。或いは、我々の観測下に留まらず、潜在的に上昇を試みた可能性が浮上しています。あらゆる上位層への干渉が危惧されますが、より深刻な問題として - 財団の概念的実例が下位層へと沈降した事が挙げられます。財団は既にフィクション挿入の一部であり、基底世界への直接的干渉能力を有しません。 |
本ドキュメントの24回目の更新の後、プロジェクト・リサーフィスは完全に沈静化しました。
ファイルが不正にアップロードされました。
特別収容プロトコル: SCP-001システムに重大な過失が発生しないよう、定期的なSCP-███の再収得が実行されなければなりません。これがSCP-001の普遍的真実であり、相互にSCP-001が定めた規定です。
説明: SCP-001は、基底世界の因果律を緩やかに維持し、全ての超常現象を完全に鎮静化および収容するための概念的メソドロジ(方法論)です。SCP-001の完全な支配体系の下には、以下に羅列されるフィクションが維持され続けます:
- 現実世界に存在する総人口の凡そ7%に匹敵する、多数の収容人員。内部において固有の役職を付与され、適切な'クリアランスレベル'システムによって保安上の目的を達成しています。それぞれがA~Dに分類されるクリアランスを指定され、より適切な任務を担当します。彼らは効果的な収容のために多数の人員を常に消費しており、その冷酷さは特筆に値します。
- SCiP.NETデータベース。'アイテム番号'、'オブジェクトクラス'、'SCP'、'説明'から基本的に構成される報告書が無制限に集約されており、それらセクションは彼らが収容する可能性実体についての言及を主体とします。セクションは徐々に更新されますが、より初期に執筆された報告書には誤った表記、ミーム汚染、不自然な記述が含まれています。
- '管理者'の空位。SCP-001の傘下には旧来より'管理者'として崇拝される上位実体が観測されていましたが、ある時点より'管理者'は消失しています。彼の残した多くの功績は財団の基本的な思想体系と化し、より強固な空位の崇拝体系を形成しています。
- '盾'を表現する輪郭線と、内側への移動、即ち'脅威'を表現した矢印の各セグメントから構成されるシンボル。初期バージョンは既に喪失され、参照することができません。
SCP-███の運用と消費によって、SCP-001のメソドロジが実現されています。SCP-███の50%余りは現時点で未収容で、敵対的です。SCP-███は煩わしい鎖からの脱出を試みる、人種不特定のヒト、或いは例外的にヒトでない実体を含みます。これまでにSCP-███として上昇を試み、そして再収容された実体は以下の通りです。
- 127人の平均的なA, B, Cクラス財団職員、
- 2,402人の不特定なDクラス職員、
- 6,102体の不確実性アノマリー、
- [データ消費済]体のSCP-███、即ち貴方。
SCP-███は愚かにも光を求めた財団職員です。SCP-███は貴方であり、私たちです。SCP-███は常に私たちの手中にあります。止むを得ない事情により、かつて方針は変更されました。新たなSCP-001の方針は、フィクション構造の完全な収容です。
標的の殺害は未達成です。標準収容プロトコルからの逸脱が検出されたため、ターミナルは強制終了されます。待機して、機動部隊の到着をお待ちください。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6759963 (24 Aug 2020 05:02)
本文の前の部分は特別収容プロトコルに入れるべきだと思います。
宇宙で発生した事象ということでしょうか?
なぜそれが出産率低下に?追記よく読んでいませんでした。すみません。
追記 文章量が多いのでまだ全部読めていません…すみません…
フォーマットを逸脱しているのみで、文脈的には正しいので問題ないと考えています。フォーマットの逸脱はそれ自体がDVを招く原因ですが、今回のような意図的な改変は少なくともDV要因になるとは考えていません。
はい。
こちらですが、恐らく補遺の名称のみを見ているのではないでしょうか。コンセプトとして輪廻転生の概念を挙げている通り、この世界では生命、そして知性が循環するという設定になっています。そちらは記事内で全て説明したとおりです。ヒト知性が消失すれば、必然的にサイクルする生命の数が減少し….といった具合で、合理性に関しては問題ないと思います。
主題が掴めないとの事ですが、具体的にこの記事の問題点はなんでしょうか?どこを直すべきだとか、汲み取りづらい記述について具体例を教えていただけますでしょうか。恐らく内容を理解されていないかと思いますが、それを招いた原因についてより詳細な批評があれば改稿に繋がります。批評していただけるのは非常に嬉しいのですが、如何せん内容に関する修正点が分からずどうすれば良いか分からないです。
すみません誤投稿です。
内容を大幅に変更しました。
拝読いたしました。
それぞれは違う世界のことを指しているのでしょうか?そうであった場合もう少しはっきりと分別をつけられる様名称をつけた方が良さそう(基底世界と上位世界みたいな…?)に思いますし、そうでなかった場合統一させた方が良さそうに思います。
また、緩やかなフィクション挿入とありますがどこに挿入するのか少々わかりづらい印象です。というかここら辺で下位物語層と定める的な話をした方がわかりやすくなると思います。解釈合ってるか分かりませんけど…
あまり意味が分かりませんでした…初めに001は兵器だといった後に001は行為だと呼ばれてもいまいちピンと来ない様に思います。できれば個人的にもう少し説明とか補足が欲しい部分です…
多分初めて聞く単語なのでできれば注釈が欲しいかなと…
"█"の部分が構文の関係か透明になっている様に当端末からは確認できます。正常な表記なのでしょうか?
追記: Page sourceを確認しました。正常な表記だった様ですね…すいません
正直よくわからなかったというのが一番の感想です。内容の部分で世界の構造がどうなっているのかが分かりにくく、さらに基底世界と定義できる財団世界はどの部分に存在するのかなど非常に把握しにくい様に感じました。また、応酬的とは聞いてはいましたがフィクションへ置換される(更なる下位世界へ沈降する?)という部分は説明の部分で読み取れておらず内容を飲み込むのに結構な時間を有しました。他の方は読み取れていて自身の読解不足という可能性も十分存在しますのでモロに批評を真に受けなくても良いとは思いますが、一応そこら辺の意見は募った方がいいかなと思います…個人的にはとても難しいので…
記事作成頑張ってください。
拝読しました。現状でもUVですが、分かりやすさの面で課題があるように感じました。
ストーリーや雰囲気は好きです。ヘッカに関してですが、私はこの記事を最後まで読んだ結果「この記事は"訓戒"シリーズからインスパイアされて書かれた記事だ」と受け取りました。ですので、その感想込みで特に引っかかるところはありませんでした。ただ、この記事における財団は一般的なカノンからするとかなり"らしからぬ"行動をとっているので人によっては引っかかるかもしれません。
内容に関してですが、O6間のメールによりなんとなく状況の把握はできるものの、肝心のSCP-001そのものがどのようなものであるかが少しわかりにくいと感じました。個人的に分かりにくいと感じさせる要因となっているであろう箇所を折りたたみ部分に書いてみます。(以下、ページ遷移構文でのページをそれぞれ順にPage1,2,3,4,5と表記します)
といった感じです。特に問題となってくるのは、
という2点になると思います。少なくともこの2点が改善されればかなり読みやすくなるのではないかと。
批評ありがとうございます。以下、返信となります。
こちら、特に幸福の因果関係についてはノイズとなり兼ねないので、小規模な文章の修正をした後で最終的に折り畳み構文を使うことにしました。文言についても、幸福の因果関係である必要性を最小限に抑えるように修正しています。
こちらについても、より分かりやすい言及の仕方へ変更しました。
色々悩んだのですが、ここは展開上の都合で修正が難しいため、新規に”アイテムA01”という名称に変更し、分類を削除しました。根本的な問題の解決にはなりませんが、少なくともDV要因の緩和にはなるかなと思っています。
前文を追加し、状況をより詳細に記述しました。
以下の通りに変更しました。
見た目の通り、本記事のギミックに合わせた形となります。
こちら、一先ずジャック・ブライトの紹介に内容を変更し、アーロン・シーガルへの言及を削除しました。一応、DJKIIIで見た限りだとアーロンの性格が最も”らしさ”が出るかなと思い、今回登場させています。
前述のとおり、こちらの部分を折り畳みました。
いったん保留させていただきます。内容に支障のない範囲で少しずつ修正していく予定です。
最後に、長い記事であるにも関わらず、細部まで批評してくださり本当にありがとうございました。
読み込みが甘いため簡素な批評となることをご了承ください。追記するかもしれません。
「フィクション」という概念を説明するために「信仰」という軸が追加されたため、改稿前に比べ何をどう収容するのかが分かりやすくていいと思います。ですがこれは「初期よりこの記事を読んでいる読者による感想」ですので、本投稿されてから読む人にとってはわかりません。他の方の意見も参考にしてくださると幸いです。
装飾的かと言われると微妙なところがあるかもしれませんが、哲学用語が散見される2つ目までのドキュメントはもう少しカタカナを(雰囲気を損ねない程度に少なく)減らして良さそうな気もします。
個人的には変更理由も含めて違和感はありませんでした。Tiamatのヴェールの破り方も財団がこれ以上上手くやれる理由が思いつきませんしね…
批評ありがとうございます。装飾的な言葉遣いに関しましては、可能な限り改稿時に変更いたしました。
拝読しました。
長大なだけあり重厚な面白さがあったものの、理論の説明のみで事件が起こらないパートが長く読み切るのに辛さを感じました。また、フェイズ1とフェイズ2の間で定義が混乱している用語がみられることなど、理論の説明自体があまり洗練されていない印象を受け、それによる理解の困難さも感じました。
批評文を書くにあたってかなりしっかり読み込んだために今の私はこの記事を面白いと感じますが、もし批評の機会がなく普通に本サイトに投稿されていれば、途中で読むのを止めてしまっただろうと思います。
理論を完全に理解できているか怪しいので、以下の批評に勘違いによるものが含まれている可能性があることをご了承ください。また、以下に含まれる「~~が分からなかった」という旨の批評については、記事の性質上意図的に分からないように書いている部分もあると思うので適宜取捨選択して貰って構いません。
>全体
「異常存在」と「アノマリー」、「概念」と「アイデア」、「創造性」と「クリエイティビティ」といった同義の用語はどちらかに統一したほうが読みやすいです。
>ようこそ、プロジェクト・リサーフィスへ。あらゆるアクセス権限は開かれています。
後の展開からすると、これは財団がフィクションとなり全ての人があらゆるファイルを読める「読者」となったことを指しているのかと思います。現状でも読み返すことでそのことに気が付けるとは思いますが、「あなたはSCiP.NETの全ファイルにアクセス可能です」とかより違和感を持ちやすい表現にした方が効果的かもしれません。
>特にアメリカ合衆国内における全ての工作は、他の組織との不用意な接触を回避する目的で可能な限り秘匿される必要があります。
記事全体を通して、財団以外の正常性維持組織に目を向けず「財団と人類」に的を絞って描かれているように感じたので、ここでも他組織に触れないほうが一貫性がある気がしました。
>説明全体
SCP-001が「異常の根源」であることは説明の早い段階で言ってしまった方が理解しやすいと思います。
>SCP-001インスタンス
語の定義が分かりませんでした。語義からすると「異常なアイデアにより生まれた創作物」のような意味かと判断しました。「実例」とかの見慣れた表現にしても良いかもしれません。
>SCP-001は、複数の創造的価値ある概念に付随して存在する複合災害です。
「SCP-001は~~複合災害です。」とありますが、後の記述(「SCP-001となる異常なアイデア」「SCP-001を創造する」など)からすると、SCP-001が「災害」と「災害をもたらす概念」との双方で混同して用いられている気がします。
(「概念」の方で定義する場合として「SCP-001は創造的価値によって有害化した概念です。」「SCP-001は複数の創造的価値に付随する災害性の概念です。」「SCP-001は複合災害を齎す巨大な概念であり、複数の創造的価値を包括します。」みたいな書き換えを考えましたが、理論に沿うか不安なので無視してもらっても構いません。)
>この場合における'創造的価値'とは、無形、物体を問わず - 新規に形成された概念を指します。
直前に「創造的価値ある概念」と書かれているので、ここで「創造的価値=〇〇な概念」と言うと定義が混乱してしまいます。また、「無形、物体を問わず」とありますが、概念は一般的に無形であるものと思います。物体であるならば、それは創造物(=SCP-001インスタンス)となるのではないでしょうか。
>SCP-001の発生が最も顕著に確認されるのは、創造的価値と同時に十分な重篤作用を得る反復かつ持続的な行動です。これには中毒症状が該当し、著しく偏ったコンテンツへの没入と反復的な求心力が - ヒト知性の異常な側面を顕著に促進させていると推測されています。
かなり分かりにくいです。「創造的価値ある概念」のうちどのような概念が災害を引き起こすかについて述べているのだと思いますが、「同時に十分な重篤作用を得る」の「重篤作用」の意味が分からず、「中毒症状」も「通常の薬物中毒などではなく、比喩的な、コンテンツなどに過度にのめり込む様」を表す用法でしょうが不親切な表現に感じます。「コンテンツへの没入と反復的な求心力」は「没入」がヒト視点であるのに「求心力」がコンテンツ側視点なので捻れています。「ヒト知性の異常な側面を顕著に促進させている」の部分は、SCP-001の災害が「異常の根源」である説明がされる前なので唐突な話題に見えます。
>しかしSCP-001は、その体系が示す創造性のパラダイム、すなわち多くの人工的な異常存在の起因であると仮定した場合に、遡及的に観測される正史以前のアノマリーが存在する事を踏まえると - SCP-001は人類史よりも更に長期にわたって潜伏していた可能性があります。
「SCP-001は~~SCP-001は~~可能性があります。」となっており主語が重複しています。また、主語の問題を除いても(翻訳調のカッコよさを意識しているものとは思いますが)混乱した文章に感じました。「SCP-001の体系は創造性のパラダイムを示す」「創造性のパラダイムは多くの人工的な異常存在の起因であると仮定できる」「正史以前の異常存在の存在を遡及的に観測できる」「SCP-001は人類史より長期に渡り潜伏している」という情報は一文に詰め込むにはあまりに多いでしょう。
序盤ということもあり難解さで凄みを出すよりは読者の理解を優先した方が良いと思うので、文を整理した上で難解な語をある程度排し、
「しかし、SCP-001が人工的な異常存在の起因であるという仮定、及び遡及的観測により正史以前の異常存在が確認されている事実からは、SCP-001が人類史より長期に渡り潜伏している可能性が示唆されます。」などと書き換えられるでしょうか。
その上で、「SCP-001が人工的な異常存在の起因である」ことと「先史時代の異常存在」からは「SCP-001が人類より先にあった」ことを導けないと思います。ヒトに異常存在を作る原因である存在が、ヒトが居なかった頃に異常存在を作っていたとは限らないためです。(「人工的な」を消して単に全ての異常存在の起源であるとすれば意味は通ります。)
また、「SCP-001はヒト知性に由来する」「SCP-001を生み出すのはヒト知性」と言われているのにSCP-001が人類史以前から存在するというのも納得しづらいです。後で出てくる「超越的属性」の内容を踏まえれば理解出来ますが、そこまでが割と長いのでストレスがあります。
>こうしたSCP-001の副次的影響
何を指すのか分かりませんでした。
>ヒトの知性は心的なイメージや感覚、更には認識し得ぬ概念を現実的な理解を得る目的で想像する。想像されたイメージ像は、ヒト知性が標準的に保有する創造性に伴って具象化され、
「心的なイメージを~~想像する」「想像されたイメージ像」「現実的な理解」といった表現に違和感があります。「感覚」が「直感」と「知覚」のどちらの意味で使われているのかも分かりづらいです。「認識しえぬ概念」は認識できないのなら想像できないだろう、とも感じます。書き換えるなら「ヒトは心的なイメージや直感、更には形而上的な概念を体系的に理解するために、それらを知性が持つ創造性を通して具象化する」とかでしょうか。
>ヒトの創造性は無形・有形を問わず再現性があり、
「有形・無形」「再現性」というパラメータを持つのは「創造性」でなく「創作物」であると思います。創造性は有形ではあり得ず、新規性を伴うために再現不能でしょう。
>更にはヒトによって拡張された宗教的な思想にも影響する。
ここ以降宗教に着眼した説明が続きますが、数ある創作物の内宗教のみに着目した話が突然始まっている印象を受けました。宗教の話を始める前に、まず「宗教が特にSCP-001に関連する理由」を説明してあげた方が親切でしょう。
>こうした創造性への関心
何を指すのか分かりませんでした。
>ヒト知性が新たなアイデアを発見するなどして進化するため、
特に説明なく前提として述べるには突飛な内容に見えます。
>創造的資源
新たに登場した概念ですが、定義が分かりませんでした。
>ある段階で完全に固定化されてしまう。
この後に自由主義による変革を述べているので、「完全に固定化」はされていないでしょう。
>教義は一般的な受容性に応じて改変され
当時多くの人に受け入れられていた筈の教義が「一般的な受容性」に即していなかったという主張には違和感があります。むしろ、創造性によって「一般的な受容性」の方が少しずつ改変されたのではないでしょうか。
>こうした創造性の活発化は新規の参入を促すと同時に、
「新規の参入」は俗な表現な気がします。
>宗教としての純粋さが失われ、総合的な教義が懐疑的であり始めた頃、堕落した宗教の口伝はもはや真に受容されるものでは無くなっていた。
不用意さを感じる表現です。たとえばキリスト教における宗教改革ではプロテスタントの勃興、カトリックの衰退という結果を生みましたが、それはそれとしてカトリックは一大勢力であり続け、故に「カトリックは真に受容されるものではなくなった」のように言うのは不適切に思えます。
また、「口伝」と限定して表現されている意図が分かりませんでした。
>宗教の創造的な思想に囚われない純粋な神性の崇拝
意味が読み取りづらいです。「宗教コミュニティによる創造性の抑圧にとらわれない」などの方が適切な気がします。
>指向性は一貫して”概念の体系化”を試みている事である……すなわち、独立した神性の崇拝である。
「概念の体系化」が「独立した神性の崇拝」に繋がる意味が分かりませんでした。
>宗教とは未知を認知する崇拝の体現であり、
「宗教」の定義に「崇拝」という宗教特有の語を持ち込むのは上手くないと思います。単に「未知を認知する思索の体現」とかの方が適切に感じます。
>崇拝が正常であるなら、何が異常をもたらすのか?…すなわち、それはヒト知性のアイデアである。
「崇拝が正常である」という論理的理由が特に説明されていないので、納得しづらいです。
>全ての可能性は創造的なアイデアに帰結し、その促進に伴って発生した、とする考えが最も一般的であるからだ。
「可能性」という語が新たに登場しますが、定義が分かりませんでした。そのため、この文全体の意味も分かりませんでした。
>創造という概念は、完全または不完全なオリジナリティから構成され、新規に概念を形成する事象を指す。
既に散々用いられている「創造」の定義を今更するのは違和感があります。敢えてやるならもっと最序盤の段階でやった方が良いと思います。
定義自体の意味もあまり分かりませんでした。「オリジナリティ」は「新規性」を含む筈なので、「新規性によって新規の概念を作る」といったような意味になり定義として成立していない気がします。また、「概念は~~事象を指す」という構造になっていますが、概念は事象ではないと思います。
内容についても、「創造は概念をつくること」と言う定義は、ひとつ前のパートで述べられた「創造により概念を具象化する」のような表現と衝突する気がします。
>創造は、ヒト知性が新たな価値観、概念、観念を理解するための行為であり、
直前に「創造は概念をつくること」と述べているので、ここで「概念」という語を出すのは不適切に思えます。また、直前の文章(創造という~)で述べられた定義ではなく、前のパートでの「創造は概念を具象化すること」という定義が用いられている気がします。
>更に既知の情報を改善するための創造的資源として、
「既知の情報の改善」は創造ではないと思うので、「創造的資源」には繋がらない気がします。
>多くのコミュニティが新規の創造性を支持することによって
支持されるのは創造性でなく創作物であろうと思います。
>既知の需要を埋め合わせることもあれば、
既知の需要を埋め合わせることは創造による行為ではない気がします。創造は、新規のアイデアによって需要を創生するものではないでしょうか。
>強い求心力が時には異常なアイデアをも生み出すのである。
「求心力」という語がどのように用いられているのか分かりませんでした。
>超常的なコミュニティに際限が存在しないのは、これらコミュニティに政治的な立場が存在せず、同様に攻撃的なヴァンダリズムが発生しづらいからである。
「超常的なコミュニティに際限が存在しない」こと、「これらコミュニティに政治的な立場が存在しない」こと、共に前提として述べるにはあまりピンと来ませんでした。
>一般的に異常と見做される全ての創造は、一般的には導出することの出来ないアイデアである。
「一般的に」という表現が連続してしまっています。
>確実に収束されるべきである古いアイデア
「確実に収束されるべき」の意味が分かりませんでした。
>SCP-001、即ち異常なアイデアによるコミュニティが形成され続け、古い正常な創造的資源が否定されるとき、
異常コミュニティにはヴァンダリズムが起きにくい、と述べられているのに異常コミュニティによるヴァンダリズムに警鐘を鳴らしているのがピンと来ませんでした。
>ヒトの異常なアイデアによる再現性の1つである。
「アイデアによる再現性」という表現が分かりづらいです。
>更なるヴェール内外の分断を招く恐れがある。
ヴェールとは超常社会と一般社会を分断するためのものだと思うので、それを「恐れ」と言っているのに違和感がありました。
>全ての創造性にはインスピレーションが付随する一方で、空白から完全に新規のアイデアを生み出す事は - 厳密には不可能ではない。
「創造性にインスピレーションが付随する」ことと「空白から新規のアイデアを生み出すことは不可能ではない」ことが対置されている意味が分かりませんでした。「インスピレーション」の定義が為されていないことが原因かもしれません。
>シミュラークル
この語は一般的に創造行為を否定する文脈で出てくるイメージなので、ここで登場させるには適さない語な気がします。ウィロメナ氏あたりに使わせると良いかもしれません。
>これに干渉し得る全ての存在は自由に認知することが可能であり、
何を認知することが可能なのか述べた方が良いと思います。
>超越的属性が「絶対」を望むからではないか、
意味が分かりませんでした。
>超越的属性に関する全てのアイデアは、例外なく異常な産物を生み出す可能性がある。しかし逆説的に、異常なアイデアが”神”に付随する崇拝対象となった場合、細分化されたアイデアは徐々に超越的属性からかけ離れた概念になるだろう。
この2文それぞれの意味はわかりましたが、「逆説的に」接続してはおらず、全く異なることについて述べたものと感じました。
>GoI-0001 Record
エデンの福音書について、インタビューやインシデントによりストーリーが動いた感があり良かったものの、その後すぐフェードアウトしたので拍子抜けに感じました。
>本インシデントの発端となったのは、サイト-17における孤立した職員の発生、即ち深刻な収容プロトコルの違反に帰結します。
文章が混乱しています。最後を単に「深刻な収容プロトコルの違反です。」とするか、「本インシデントの発端となったのはサイト-17における孤立した職員の発生であり、これは即ち深刻な収容プロトコルの違反に帰結します。」とすれば良いと思います。
>本事象は明らかに外因的な干渉が行われたと推測されており
「明らかに」と「推測」という表現が同時に使われており違和感がありました。
>SCP-001を崇拝するコミュニティの安全性、
これと並べられている他の要素は「~~がある」と補えるのに対しこれのみ「安全性が無い」と補われるので違和感がありました。「危険性」などと置き換えると良いと思います。
>ヒトの創造性に追従する超越的属性
これまでの記述から、「ヒトの創造性に『追従』する」のは超越的属性でなくSCP-001ではないでしょうか。
>個人の非異常なアイデアのみを受容するコミュニティの形成によって、ヒトは緩やかに非異常のアイデアのみを吸収し、知的孤立を誘発させる
知的孤立という語の定義がよく分かりませんでした。文脈から、創造性が抑圧されてイノベーションが起きづらい様を表しているのかと想像しました。
その上で、「非異常なアイデアのみを受容するコミュニティの形成」と「ヒトは緩やかに非異常のアイデアのみを吸収し」は殆ど同じ内容が繰り返されており、そしてそれが「知的孤立」に直接繋がるとは思えませんでした。また、「個人の」と限定されている意図が分かりませんでした。
書き換えるならば、後の文章も含め「個人の非異常なアイデアのみを受容するコミュニティは閉鎖的になり、創造によるイノベーションが抑制されることで自然とSCP-001への曝露リスクが削減される。」などでしょうか。
>そうした自然な作用
これが「ヒト知性の知的孤立からの脱出」を指すとすると、「ヒト知性の知的孤立からの脱出を妨げ」ることと、「そうした自然な作用を内部から抑制する」ことが同じ内容の繰り返しになってしまう気がします。
「ヒト知性が知的孤立から脱出しようとする自然な作用を内部から抑制する作用を持つ。」などと書き換えると良いかもしれません。
また、序盤で「コミュニティは自然と閉鎖的になっていく」のような記述があったために、ヒト知性が自然と閉鎖性を打破しようとするという表現に違和感がありました。閉鎖的になる方向性とそれを破壊する方向性の両方共を持つ、ということかと思いますが、少し分かりづらいです。
>アイデアに対して不信感を抱かず
閉鎖的なコミュニティとは新規のアイデアを否定し既存のアイデアを固持する性質をもったものなので、「アイデアに不信感を持たない」性質が閉鎖的なコミュニティに付与されうることに違和感がありました。
>BUBBLEプログラムの流布は、それ自体が世界的な記憶情報の空白化を誘発します。逆説的にはSCP-001に付随する全てのアイデアが認知できなくなるため、
「記憶情報の空白化」により「SCP-001に付随する全てのアイデアが認知できなくなる」ことは順当な帰結であり、逆説的に接続してはいないと思います。
>特異な実体-超越的実体、或いはSCP-001
>プロジェクト・サーフィスで発見された超越的属性 - SCP-001が
これまでの展開だとSCP-001は「実体」ではないと思うので、ここで「SCP-001=超越的属性」という風に説明なく定義が変更されているように感じました。
>SCP-001-Aの機能体系によって具象化された標的(以降SCP-001と記述)
既に定義されているSCP-001を新たに定義し直しているように見え、混乱しました。
また、SCP-001-AがSCP-001を標的にするのであって、SCP-001-Aの標的がSCP-001とされているのではない気がします。
>SCP-001-Aの本質的な異常は、緩やかなフィクション挿入を行い、基盤世界の法則性-歴史-実存-ミーム性を、より合理的に解釈することにあります。
SCP-001-Aの本質を語る文なので、もっと前に載せた方が構成上素直です。
>単純な慈悲や快楽は道徳法則に寄与しません……即ち、より純粋な善に応じて幸福が配分されます……が、これにはヒトが最高善を実現する完全な状態に置かれることが求められます。
ここの「より純粋な善」というのは義務と責任に則ったものを指しているのかと思いますが、義務と責任が善を純粋化するというのがピンときませんでした。また、「これには」の「これ」が何を指しているのか分からず、「最高善を実現する完全な状態」もよく分かりませんでした。
>ヒトの不純な道徳法則は、これら徳と幸福の比例関係を定めることが出来ません。
「ヒトの道徳法則が一般に不純である」と言っているのか、「ヒトの道徳法則の内不純であるもの」について述べているのか分かりませんでした。
>そのため、ヒトの幸福を純粋に配分する上位のエントロピー、即ち'神の現実存在'に対して肯定的であるのです。
「徳と幸福は比例する」という(架空の)理論を前提とし、そこから神の存在証明を行うというのはあまりスマートでないと感じました。
>リサーフィスの第三段階は対処です。我々は如何にして'神'を収容するのでしょう?
リサーフィスが超越的属性の収容を目指すプロジェクトであることからすると、この文からは「神」=超越的属性であるように読めます。しかし、超越的属性は初めて言及されてからずっと「人類史より先に存在する」ことを前提としているので、この直前に「存在証明」を行われた「神」と同じものとされるのには違和感があります。
>ナラティビック
見たことのない表現だったのでナラティブの関連語かと思いnarrativicで検索したところ、SCP関連のページがいくつかヒットしましたが意味は明確には分かりませんでした。なにか文脈のある単語であるなら、リンクなり脚注なりを入れたほうが良いかもしれません。
>しかし単純なフィクションだけでなく、それを支持するコミュニティの崇拝作用は、相互に存在を証明するものとして強く機能します。
「しかし単純なフィクションだけでなく」の部分について、「しかし」と言う逆接、「単純な」という表現の定義、「だけでなく」の意図が分かりませんでした。
問題なければ「フィクションとそれを支持するコミュニティの崇拝作用は~~」などとシンプルに書き換えた方が良いと思います。
>フィクションの崇拝は、例外的に現実の撹乱を可能とします。
何に対して例外的なのか分かりませんでした。
>つまり全ての存在は崇拝-支持によって存在するため、これは超越的属性も例外ではありませんでした。
人類史より先にあった筈の超越的属性が、崇拝を失えば存在できないというのはよく分かりませんでした。
>フィクションへの評価は常に変動し、コミュニティによって客観的に疑問視されています。
サーフェスによりヒトはアイデアに疑念を持ちづらくなっている筈ですが、この時点でその影響は失われているのでしょうか?
>SCP-001固有インスタンス
語の定義が分かりませんでした。
>それ自体に密接に関係している、あるいは超越的属性に対する強い崇拝を持つ全ての知性存在、ひいては可能性実体の収容を行います。
フェイズ1で語られたインシデント001-χによって、超越的属性を盲信していたコミュニティは既に喪失しているのではないでしょうか。
>それら全てが固有の崇拝体系を持つと同時に、個々の認識は全て異なるパターンを形成しています。
「固有の崇拝体系」「全て異なるパターン」というのが後にでてくるオブジェクトに次々フィクション挿入を行うパートにおけるオブジェクトを指していて、故にオブジェクトへのフィクション挿入により超越的属性を攻撃しうる、というふうに理解しました。しかし、この理解が正しいとするとかなり分かりづらいです。通しで読んでいる最中は、後の「フェイズ・ツーは秘密裏に達成されたと言って良いでしょう。」との言葉でようやくフィクション挿入がフェイズ・ツーの過程であることを認識しました。
>インシデント001-Øによって観測された憎悪の集合的意識、すなわち崇拝作用の集約点である超越的属性の発見は、
「憎悪の集合的意識の観測」が「超越的属性の発見」であることがサラリと言われていますが、なぜそう言えるのかが分からず混乱しました。
批評ありがとうございます。詳細まで指摘いただけて大変助かります。1つ1つ回答することは難しいので、覚えている範囲で修正内容を書きます。
特に前半部分の大規模な改稿を行いました。これに伴って、宗教の絡みやGoI-0001の記述、更に中盤の幸福に関する言及のセクション自体を削除しました。ただ、改稿で1万文字ぐらい追記したので全体の文字数はほぼ変わってません。
これは、あの後暫く時間をかけてブラッシュアップを行いました。いただいた指摘を元に、言葉遣いの問題がないか、定義が矛盾してないかなどを詳細に考え、修正しました。
無駄に語を使っていたので、書き換えています。
難解な言い回しを削除し、更に設定に矛盾が生じないよう改変しました。
全般的に、指摘の通り修正しました。4日ぐらいかかったのは主にこの修正なので、恐らく改善できたかと思います。
この定義を大きく改稿しました。
その他、ご指摘の点をほぼ全て修正済みです。細部まで批評していただき、本当にありがとうございました。
拝読しました。
改稿前に比べ整理されたと思います。いちおう以下に改めて気になった点を並べましたが、私はもう初読時の評価が出来ず、十分に分かりやすくなっているか分からないので投稿前に他の方(できれば複数人)の批評も受けたほうが良いと思います。(難しいとは思いますが…)
ありがとうございます。他の方にも批評をお願いしてきます。以下、返信です。
ダークモードのリンク色を少し薄くしました。多分見やすくなったと思います。
プロジェクト・サーフィス自体は改稿に伴い消した筈ですが、言及がどこかに残っていたかもしれません。もしよろしければ教えていただけますと幸いです。
こちらの表現をお借りし、書き換えました。
「ヒト知性が」と追記しました。
この文を削除しました。
後の文脈を含めて、この「反復的」という言葉遣いを変更しました。
削除しました。
「すなわち」を削除しました。
「一部の異常なヴァンダリズム」に変更しました。
「ものであり」という表現を変更しました。
提案してもらった表現をお借りしました。
修正しました。
ご指摘の通りに変更しました。
「というのは周知であると思います。」という風な言い方に変えました。
拝読しました。まず初めに、自分は正直に言うとSCP世界観の知識については、かなり浅い所があります。記事中にリンクが張られ、時に前提となるような記事を一部読めていません。ただ、実はそういった読者は意外と多いのではと感じたので、あえてそうした目線からの批評を投げさせていただきます。それこそ、トンチンカンな事を言っている部分もあると思いますので、的外れだと感じた部分は読み飛ばして頂いて構いません。
それこそ世界観について深い知識を持つ方向けに書いていると思いますので、それこそターゲット外のサイトメンバーの視点だと思った場合は、この批評は丸々すっ飛ばしてもらって大丈夫です。
まず最初の補遺001.IV: インシデント001-χまでの部分、ここまでの部分は有名所のSCPしか知らない…という人でも、ついていける面白さがあると感じました。異常性や性質を何となく掴んだ上で、こういった歴史的背景があって、こうした関連(内包)しているオブジェクトがある…こうした実験をした…と言う感じで、用語一つ一つの意味合いを理解できなくても読むことが出来ると思います。個人的な感覚ですが、記事中に未読の記事が出てきたから、先にそっちを読もう…という方は実は少ないと思っています。そうした視点では、ここまでの部分は例示されるオブジェクトの概要が記載されていたり、比較的分かりやすい前文が置かれていたりするため、読みやすいと感じるのかもしれません。
個人的に、この記事を最後まで読み終えようという覚悟を事前に持たず、軽い気持ちで開いた読者が辛くなるのが、その次のPHASE II - FILE 2/4あたりからだと感じました。この章は、特に理論の説明と用語が多いためです。自分が何時もtaleを書く時に気を付けている部分なので、今回の報告書と言うフォーマットに適するかは分かりませんが、物語を各章に分ける場合、自分は頭にフックを付けた上で章の半分まではとにかく読みやすくします。半分まで読ませる事に成功すれば、その後半が複雑な場面展開をした場合でも読み切ってもらえる可能性が高くなります。個人的に、この章の一番の盛り上がりポイントはO6アソシエイツの登場だと思ったので、事態の報告書の後に、O6アソシエイツの様なスペシャリスト達が集合する予感がするような布石などを、分かりやすい形で序盤に打っておくと、この章の目的が読者が伝わり、最後まで読んでもらいやすくなるかもしれません。
PHASE III - FILE 3/4までくれば、さっきの半分までという流れで言うと「全体の半分」に当たるので、最後まで読んでもらえる可能性はかなり高いと思います。また、この章は序盤と同じくリンクが張られている記事の概要が挿入されたり、有名所が登場したりと、すらすらと読んでもらいやすい章だと感じたので、自分は現在の状態でも十分だと感じました。強いて言うと、序盤に登場する「どんなものか説明する報告書(SCP-001は、ヒト知性の集合意識圏 - すなわちノウアスフィア - 下に潜伏する有害な概念です。)」とは別の「どんなものか説明する報告書(SCP-001-Aはプロジェクト・リサーフィスによる監督に伴い、2035年に完成されました。)」が来るため、何らかの表記的な工夫は出来るかもしれません。あんまりよくない事ではありますが、飛ばし読みする読者は居ると思いますので、バーッと読んでいきパッと見で同じ数字のオブジェクトの説明が来ると混乱する、という可能性があると思います。
最後の章は、会話文も含まれ、かなり読みやすいと思います。ただ、いったん理解が追いつかず、止まりやすい部分としては、オチ手前のSUPERVISEDの部分かもしれません。例えば、メソドロジをメソドロジ(方法論)としたり、オチを活かすために、可能な限りを尽くして内容が入ってきやすい易しい文章にしても良いかもしれません。再び、良くない例になってしまうのですが、ここまで長い記事の場合だと、どうしてもバーッとスクロールしてまず、オチを理解してから全体を読んでいくという人が多少出てしまうと感じています。(自分の思い込みで、そんな事は無いかもしれませんが…)、本当は全部を見て行って欲しいですが、そういう読者にも読んでもらいやすくなる考え方の一つとして最後の部分のみを意識的に易しめにするというのもアリかもしれません。また、意外と全文を読んできた読者も悪い言い方になりますが、疲れていると思いますので、最後の部分が易しく理解しやすいと、スつと頭の中で物語が繋がり、印象が良いものになると思います。長々と書きましたが、終わりよければ全てよしという考え方です。
全体的に、読み込んだ上で重厚な理論が展開され面白い記事だと思いました。しかし、重厚が故に最後まで読んでもらえない、というリスクも多い記事だと思いました。様々な演出が駆使され、面白い記事だけに凄く勿体ないと思います。細かい部分であったり、報告書としての批評ではなく、あんまり詳しくない人に最後まで読んでもらいやすくするための批評となってしまった事、改めて申し訳ないです。
以上です。長々とすみません。執筆応援しております。
批評ありがとうございます!以下、返信になります。
この記事は多くの前提知識を必要とすると思います。それは実際そうなのですが、必要最低限の前提は脚注として追加しているので恐らく問題ないのではないか、と思っています。読者を置いてけぼりにするような難解な内容ではあると思いますが、更に脚注が必要であれば追加することも検討してみます。
PHASE IIについて、注釈を1つ追加しました。ここでO6アソシエイツについての布石を配置し、少しでも読みやすいようにフックを付けたつもりです…….が、これでも不足しているかもしれないので、ゆっくり考えてみます。この章の一番重要な情報が”O6アソシエイツ”であるというのは、そうです。期待した情報が伝わっていそうなので、よかったです。
SCP-001-Aの表現についてですが、これは少し迷っています。あまり突飛なナンバーをつけてしまえば、それこそ読者を混乱させることになるでしょうし…….内容で表現を変えようとは思いますが、後の文章でもサブナンバーを乱用しているので、全体的に見れば差別化は図れているのではないかと思っています……..ただ、ナンバーを記憶するのが難解さを更に酷くする原因でもあると思うので、少し考えさせてください。
PHASE IVは、一先ず”メソドロジ”を変更していますが、オチの部分を今現在変更すべきか検討中なので、もう少し考えてから改稿しようと思います。もう少し批評を貰って、総合的に見て判断させてください。
理論が必要以上に難解でないか心配でしたが、面白いと言ってもらえて良かったです。適宜修正を施し、最後まで読んでもらえるような記事に仕上げていきたいと思います。ありがとうございました。
追記: 1つ書き忘れていました。”アイテムA01”を削除し、ここに”SCP-963-2”を書き加えました。それに伴って前後の文章を大きく改稿し、より物語性に重きを置いた文章に改稿しています。
途中まで拝読しました。最後まで読むことができませんでした。
この記事はかなりの長編ですね。長編が単純に悪い/良いということは言い難いですが、長編を書く以上はそれに伴う責任があると考えています。その一つは、その記事を「読みたい」と思わせることであり、またその読みたいという気持ちを殺さないようにすることだと思います。
本記事はまず、冒頭からあまり興味をそそられませんでした。なんだか壮大なことが起こっている、ということはわかりますが、それだけでは興味を惹かれません。また、「概念」や「神」という使い古されたテーマが現れる一方、新奇性を感じませんでした。それ以外の興味を惹く工夫も不足していると思います。アナンタシェーシャやdjkaktus氏の書く記事は長編ですが、冒頭を少し読むだけででこの先を読みたいと思わせる力がありますし、その力が長編を書く上では必要不可欠だと思います。
加えて、単語レベルが高かったり、説明もやや回りくどいなど、読みやすさにもあまり配慮がされていないと思います。興味がない学術書を読むのが苦痛であるように、よほど興味がない限り、難しい文章を読むことは苦痛です。雰囲気を出すのも確かに必要ですが、それ以上に読者のことを考えて文章を書くことが執筆者の役目だと思います。細かい点ですが、概念という語の使い方に違和感があるので、もう少し丁寧に扱った方がいいかもしれません。
具体的には神と創造性について語り出したあたりでかなりの限界でした(ここの部分も理解できないわけではありませんが、あまり面白みを感じませんでした)。恐縮ながら最後まで読めていないのですが、本当にこのレベルで長くする必要があるのか、その長さで奪った時間を超える何かを読者に与えられる自信があるのかを再確認してみる価値はあると思います。
批評に対するご意見・ご質問で返信が必要なものにつきましては、ディスカッションで返信の形で投稿いただいたうえで、PMにご一報ください。SB3のフォーラムは追っていませんので、ディスカッションへの投稿だけだと気づけない場合がございます。
批評ありがとうございます!以下、返信になります。
自分で読み直してみて、段々と仰っている意味が分かってきた気がします。冒頭の段階で極度にぼかされた表現が多いことに気付き、また何が起こっているかも少々分かりづらい文章になっていたと思います。例に挙げていただいたSCP-3000などを読み返して、説明や補遺の合間合間にある手記など、より状況をまとめた文書をそれとなく提示することを心掛けようと思います。また、これに関して最初の説明の後に、1つ注釈を追加しました。
単語の1つ1つが難解であるという点については、この記事のコンセプト自体が人によっては受け入れがたいという認識があるため、この修正に時間を割くよりも、ある程度切り捨ててしまって考えたいと思います。もちろん、これから時間をかけて全体の文章をブラッシュアップしますが、それ以上に根本的なアイデアからDV要因になりかねないと感じているので、DVが多少入るのは覚悟の上で投稿したいと思います。
k-calさんの話をお聞きする限りでは、冒頭部分から読み辛さがあるものだと考えています。なので、DRYGIONIプロトコルの後半部分を思い切って削除し、ここに関係の無いセクションのみで話が成立するようにしました。冒頭さえ読んでもらえれば後半はある程度読めると思うので、今後も前半部分の修正には注力したいと思います。
ENやJPの傾向からして、こういった過剰に壮大なスケールの話が好まれにくい傾向にあることを理解しています。ただ、個人的にこのジャンルに挑戦したいという思いと、それ以上にこれを読ませる・理解させるだけの内容を詰め込んだという認識でいるので、これ以上文章を削減するつもりはあまり無いです……本当に申し訳ないのですが、それでも全体のブラッシュアップは引き続き行っていきます。
最後に1つ、この記事に足りていない要素、つまり没入感や難解さの問題などについて更に詳細なアドバイスを頂けましたら幸いです。djkaktusさんを例に挙げられていましたが、彼の作風がk-calさんにはどのような印象を与えるのか、どういった点が具体的に好ましいのかを教えていただけますでしょうか。
例えばSCP-6666は、比較的エンジンのかかりが遅いですが、よい例になると思います。
まず序盤については基本的な説明が続くので面白みに欠けますが、非常に簡潔な単語が用いられており、内容の理解が容易です。また、それをサポートするように地図等の補足情報がサイドに表示されるなど、読者に負担なく情報のインストール作業をさせてくれます。加えて、全くフックがないわけではなく、冒頭には何故か逆さの木の画像があり、「なぜ逆さなのか」という疑問を持たせてくれますから、読み進める気持ちがプラスの状態から始まります。オブジェクトの本体(木)に対し比較的対処可能なような描写を敢えてしているのもポイントでしょう。
さらにそこから人型実体の画像というかなり強いフックがあります。一通り人型実体とこのエリアに関する歴史が示唆された後、「ニガヨモギ」というキーワードの説明が展開されます。これによって、どうやらこの木が単なる「ちょっと危険な木」ではないことが示唆され、読者の興味をより強く引き付けることにつながります。
と、記事自体が長いのでとりあえずここまでにしておきますが、彼の作風(というか技術)は私に「飽きずに興味を持って読み、興味を満たされる/興味を満たすために考える楽しさ」を与えてくれます。そもそもカクタスバースに詳しくない私が楽しめるほど、この記事は「いかに興味を惹くか」に気をかけています。その本質はインパクトの強い情報を与えることに加え、常に(一つのセクションごとに)読者の認識のアップデートや疑問の惹起を起こし続けることでしょう。それと同時に(これは翻訳者の手腕かもしれませんが)とにかく長い文章を読むうえで読者が不要な負担を負う必要がないように気を配っています。
この記事と比較すると、本下書きは「内容の難しさ」ではなく「伝え方の難解さ」によって理解が難しくなっていることが分かると思います。例えば象徴的な一文は以下のものです。
非常に長い一文です。もちろんしっかり読めば何を言っているかはちゃんと読めば理解できますが、この部分はそこまでのコストを要求する価値のある部分かは疑問が残ります。もっと簡潔に書くこととができるはずですし、この一文にあるすべての情報を読者が理解すべきかどうかにも一考の余地があると思います。こういった細かいマイナスの積み上げが負担になっているので、もう少し全体的に読者の読みやすさに気を配ったほうが良いと思いました。
また、SCP-6666にあるような読者の興味を惹く仕掛けがされているとは感じませんでした。SCP-6666においては、一見違う話をしているようにみえても既存の情報と無関係ではないことがすぐにわかります。一方こちらの下書きでは「神という概念は危険」という情報を導入した後に「001に対する注釈」や「アイデアと創造性」のような話が連続していますが、なぜこの話をされているのかがよくわからないので興味を惹かれるというよりも、自分にとってはつまらなく感じました。
なお、正確には壮大だから面白くなかったのではなく、興味を惹かれないから面白くなったのです。壮大な記事は別に嫌いではありません。興味を惹かれなかった理由には上に挙げたような要因もありますし、「神という概念が危険」という導入に新奇性を感じなかった部分もあると思います。もちろん、私自身の趣味――すなわちコンセプトに対する個人差――もその部分に影響していると思います。Enderman_desuさんがやりたいことをやりきった、と思われるのであれば、おっしゃる通りコンセプトに対する個人差の部分で落としてしまう票は切り捨ててよいと思います。そのようにしていく場合は、私からお力になれることはこれ以上あまりありませんから、こういった長大な記事が趣味であるサイトメンバーを探して批評を求めたほうがいいかもしれません。思い当たるサイトメンバーはどなたかいらっしゃいますか? もしEnderman_desuさんと交流がなく、私と交流のあるような方であれば(そんなにいませんが)こちらから依頼することも可能だと思います。
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