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SCiP.NET Notification
CLEARANCE LEVEL
SPHERE-MONOGON/2844-JP
DETECTED
貴方が現在使用中の端末から特殊クリアランス-2844-JPが検出されました。当該クリアランスはプロジェクトSPHEREの従事者にのみ配布される限定的なものであり、偽装の可能性が浮上した場合、サイト専属機動部隊により貴方は拘束 / 処分されます。以下に記載される内容は全てプロジェクトSPHEREに機密指定される重要な情報であり、外部への一切の拡散及び配布は許容されません。機密情報、及び記録情報SCP-2844-JPへのアクセスを行うためには資格情報の段階認証を行ってください。
Auth: 092109430194
Token: ••••••••••••••••••
Pass: The Fragmented, Broken TRUCE.
アクセス承認。プロジェクトSPHERE-ステータス: アクティブ
特異事象コード001-K、終末論的対策プロトコルの始動が宣言されました。

SCP-2844-JP.
担当サイト | 計画主導 |
---|---|
SPHERE Site-0009 | アクセル管理官 |
研究責任者 | 配属機動部隊 |
バラノフ博士 | ATF ᛋ-1("Outlooker") |
特殊収容分類1
副次クラス/Chhokmah: アイテムは基底現実と関連しており、収容は知的実体へ影響を及ぼします。
以上の特別定義は以下の関係者によって承認されています: J. アクタス / S. アレクサンダー / C. アイヴェスター / A. デッカード / B. ハンフリー / J.R. スネッドン / M. プリンス / M. ブリッジス / J. シドニー / T. パクストン / A. デサイ
Site-81 分類委員会
特別収容プロトコル: 現時点で発生している終末論的影響を鑑み、SCP-2844-JPの根本的な封じ込めは不要とされています。その為、当該オブジェクトに対する明確な収容手順は確立されていません。より喫緊の課題である終末論的対策プロトコルの制定に伴い、当該オブジェクトへの権限設定、プロトコル、方針は余儀なく変更される可能性がある事に留意してください。SCP-2844-JPへの如何なる干渉も、監督評議会の最終的な判断を以て決定されます。
説明: SCP-2844-JPはベースライン2と異なる余剰次元に存在する、クラスζ知識集積圏域です。本報告書内において"余剰次元"と呼称される当該オブジェクトの存在するエリアは厳密には非実在性の存在であり、弦理論的な仮想モデルに基づく不安定性の重力と現実性によって固定される、特殊かつ通常の方法で干渉できない異端な次元です。人類史の誕生以降、理論上の数学的整合性を異常な方法で満たした当該次元及びSCP-2844-JPはあらゆる生物に干渉を続けている事が確認されており、これらの事実よりSCP-2844-JPの実在性は現実の生物に由来/依存するものであると考えられています。
SCP-2844-JPの特筆すべき異常性は、当該オブジェクトの有するクラスℵ-ユビキタス存在性 — より正確には、全多元宇宙への干渉能力、偏在性にあるとされています。オペレーションMONOGONによって入手された情報より、SCP-2844-JPは干渉に成功した全ての存在についての情報を集積しており、更にSCP-2844-JPを介することでそれら情報を次元間を超越して回収する事が可能である事が判明しています。またオペレーションMONOGONの記録から推測される事項として、SCP-2844-JP自体の情報を改変することにより、関連する全ての実体に対する記憶改変を行う事が可能であると判明しています(当該現象は"Overwriteイベント"と呼称されます) — これは全ての存在に対しSCP-2844-JPが深く干渉し、全存在の統一的な"頭脳"または"ノウアスフィア"として機能していることに起因するものだと推測されます。
次元研究サイト-0009
当該オブジェクトの発見は次元研究サイト-0009にて発生した、大規模かつ重大な収容違反に起因するものです。既に廃止されたプロジェクト・コレクティブの監督下で実行され続けた、余剰次元へのアクセス手段 — そして更なる多元時空への侵入手段の断続的な研究により、サイト-0009は最終的にSCP-2844-JPたる次元そのものの発見に成功しました。しかしながら当時の報告書に記載されていない原因不明のエラー、そしてセクター内部のシステムが機能停止へと追い込まれたことにより例外的な暴走を招き、SCP-2844-JPとのアクセスポイントに異常由来の時空間的特異点が生成される事によって事故の発生 — 財団の記録的な失態の1つである"コレクティブ・インシデント"の発生を招く結果となりました。発生した特異点は収容セクター自体の次元を崩落させ、そこに中規模のアクセスポイントを生成する形でインシデントは沈静化しました。
コレクティブ・インシデントによって発生した死傷者数は当時の報告書への不正な改竄の為に不明ですが、被験者・職員リストの抜粋データから凡そ30名程の職員が死亡、もしくは消息不明になったと考えられます。プロジェクト・コレクティブの当初の目的である「余剰次元へのアクセス手段」はSCP-2844-JPとして指定、収容され、その後の対応は後継であるプロジェクトSPHEREへと委任されました。なお当該インシデントの発生は [恐らく] 2020年4月9日であり、その後の特筆すべき活性化は2021年9月30日以降観測されていません。2021年9月30日のデータは [存在しません] 、Overwriteイベント記録-0930を参照してください。
Overwrite Event-Record-0930
Included page "carousel" does not exist (create it now)
特別収容プロトコル: DEEPWELLアーカイブ対処手順特異例-001提言に基づき、SCP-001-LILYの特別収容プロトコルは現時点での当該報告書のものによって上書きされます。今回の特異事象は前例のない大規模かつ未曽有の危機的状況であり、SCPF=GOC=SerpH同盟("常ならぬ存在の探究者")による治安維持体制が敷かれます。GOC排撃班、財団機動部隊の連合軍によるSCP-2844-JPへの侵入作戦並びにGoI-003("カオス・インサージェンシー")構成員の掃討作戦は継続して進行します。今日を以てアンニュイ・プロトコルの機密指定は解除され、財団内部クリアランスを有する全ての職員にその実態は公開されます。必要に応じてクラスW記憶補強剤は配布され、その状況によっては全ての職員が処方する事を義務付けられます。全ての報道機関は財団の指揮系統によって掌握され、ミーマチックエフェクトを含有する特殊な警告映像を絶えず全ての局に流布し続けます。あらゆるインターネットは財団の把握する限り全てに妨害工作やハッキング、ジャミング等の措置を講じ、民間人がこれ以上の撹乱の影響に曝露することを防ぎます。各国に存在する主流な天文・宇宙科学関係機関及び世界気象機関の全ては世界オカルト連合によって制圧され、現在発生が予測される副次的事象への対処並びに継続的な観測を行っています。
現段階で既に、財団によってBK-クラス("壊された虚構")シナリオの発動は宣言されました。監督評議会並びに倫理委員会の判断に伴い、各国政府機関の軍事機構を最大限利用した民間人の保護が現在進行中です。財団サイトの一部は民間人向けのシェルターとして提供されます。これらの手順が全て失敗した場合には、最終的かつ不可逆的な手段としてブライト=ザーションヒト科複製機の使用が監督評議会によって許可される予定です。
収容覚書: SCP-001-LILYの収容は最優先事項です。如何なる場合でも我々の理念は破棄されません。財団憲章に基づき、以下のフレーズを復唱してください — 確保、収容、保護。
説明: SCP-001-LILYの発生は財団の観測する限りでは、2021年9月30日の0時が最初期であるとされています。SCP-001-LILYは地球上の全ての生物種が死亡する24時間前に発生する現象です。当初の財団は当該事象が未知のアノマリーであると判断していましたが、後述のGoI-019("蛇の手")構成員による供述、そしてオペレーションMONOGONによるSCP-2844-JPからのデータ回収によって、これら現象がSCP-001-LILYという記録名称で、別時間軸の財団によって記録されていることを観測しました。当該事象の発生以降連鎖的に複数の大規模異常現象が併発しており、財団はこれら事象に対し総力を以て対処にあたっています。
Timeline-0930: 0021
Temp Number #: Δ-0001
Disruption Class: Amida
調査状況: 進行中
調査期間: 未定
超常組織間連携状況: 財団に全ての管理を委託
イベント概要: Δ-0001はSCP-001-LILYの発生から凡そ20分が経過した時点で判明した、GoI-003による正式な犯行声明です。デルタコマンドの根本的な目的は不明であるものの、その声明文からはSCP-2844-JPを攻撃対象とする明確な意図が確認されました。以下はGoI-003によって発布された声明文の抜粋です。
Should intermittent vengeance arm again.
His red right hand to plague us?
DeCIROカタログナンバー: SC-21/844-21/001
ドキュメント・タイプ: 公的宣戦布告
受諾された日付: 09-30-2021
作戦状態: オープン
序文: その誇大なる妄想に蝕まれる中で、我らはその声を長く聴いていた。君たちはそれを知っている、我々はそれを忘れてはいない。これは虚空からの呼び声であり、如何にしてこの宝玉から目を背ける事が出来るのであろうか?手を伸ばせば知恵の実は直ぐ傍らに在り、そして我らが嘗て失った現実を取り戻すことが出来るのである。それは言語でなく表象として、幻想ではなく理解として我らに訴えかけんとする。新しき存在は古きものへと置き換わり、そして腐敗したものから消えてゆく。ならば、我らの内なる野望を無いものとし、何故安らかに眠れるのであろうか?我々が今求める秩序はその際に崩壊し、やがて無秩序の時代が再び訪れる。それら世界がそうしたいと願うように、それには誰も抗う事はできないと。
我らが不遇なる放浪者で在りし日の頃に — 無秩序が露見するあの過去が再臨するために、我ら再びこの手を以てそれを解放しなくてはならない。聞こえるか?虚空からの呼び声が。見えるだろう?夜闇からの眼光が。我ら狂気の羊飼いなりて、その闇に火を灯さんとす。
我等は知の集積を抹殺せねばならない。
かの断続的な復讐者は再びその赤き右手で我等を苛むのか?
この事態を受け、監督評議会は以下の声明文を財団内部情報として開示しました。以下はその抜粋です。
Secure - Contain - Protect
監督評議会命令: 以下のファイルはセキュリティクリアランス-レベル1開示情報です。外部への流布は禁止されています。
序文: 我らが古き同胞は — その血に塗れた復讐の手で再び無秩序へと歩む事を決断した。長きに渡り続いた争いは、彼らの過ちによって終ぞ幕を閉じるであろう。彼らの知る虚空の呼び声について知る者はおらず、そしてこれからも知る必要は無い。この素晴らしく華麗な花園において、その断続的な復讐は赤き塵となりて終わるであろう。誰もが結果を案ずる必要はない、同志らよ、我らの理念を忘るべからず、たとえその先に何が待ち受けようとも。
我等は革命を退ける永劫の支配者であらねばならない。
確保、収容、保護。
Timeline-0930: 0115
サイト-01-プロジェクトSPHERE 代表者議事録
- O5-1 - SPHERE監督
- O5-2 - SPHERE監督
- E.アクセル管理官 - SPHERE管理
- O.ダルタン管理官 - SPHERE副管理
- W.ペンターガスト将軍3 - SPHERE-総合指令部 緊急時対応計画作戦副管理官
- F.アレス監督官 - SPHERE研究
- R.バラノフ博士 - SPHERE研究
- A.プロヒューモ指揮官 - 専属機動部隊ソウェイル-1 隊長
[記録開始]
アクセル管理官: 本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます、皆様。特にウィリアム殿、本件の為にわざわざ出向いてくださった事、感謝します。
ペンターガスト将軍: 問題ありませんよ。何せこういった問題に対処するのが私の役目ですからね。ヴェール・プロトコルの改訂は順調でしょうか?
アクセル管理官: 実を言えば、維持は難航しています。SCP-2844-JPがベースラインにどのような影響を及ぼすオブジェクトであるかすらここ1年の簡易研究で判明していないというのに、C.Iによる襲撃と来たのですから。セブンはカバーストーリーを考えるのにさぞ苦労したでしょうな — 兎も角。
アクセル管理官は資料を指で指し示す。
アクセル管理官: 本件について、我々は長期にわたり調査を続けてきました。SCP-2844-JPとは何たるか — 特異点による不可逆的ワームホール?否。逃れられない紅き月?否。現実、記録、ヒュームの穴?否。それは我々にとって未知の存在でありながら、実際にはより密接な、既存の関係であった事が判明しました。我々はこれらを自身のよく知る存在 — アクセル管理官は指で頭を指す — そう、頭脳、記憶回路、そしてノウアスフィアであると考えました。断片的なSCP-2844-JPの情報は全てベースラインに存在するあらゆる物質、記憶、識別、認識、情報、キネトグリフ、名辞であると、それらすべてと一致すると確信しました。
アレス監督官: 失礼、そこから先は私に任せてもらえないだろうか?
アクセル管理官: おっと、すまない。後はお任せするよ。
アレス監督官: — えー、私は次元研究部門の監督官だ。長らくサイト-ナインでの時空間に関する研究 — 弦理論や量子力学、ヒューム工学やクロノハザード技術について — 携わってきた。クロノハザードを知らないだろう?それでいい、我々は多くを語らない。
沈黙。
アレス監督官: 我々はこの長い歴史の中で様々な発見をし、そして多くの事柄を学んできた。だがそれが氷山の一角に過ぎないと断言できるのには、この世界に眠る数多くの異常な歴史を知っているからだ。そして最近、我々は新たなる歴史を知ることになった。より多くの、断片的かつ完全な記録。精神圏、知識集積、思考領域。我々がより多くの場合用いる表現は — 「ノウアスフィア」。我々がその名を以て取り組む事を想像するのは難解だろうか — 問題ないとして、我々はSCP-2844-JP自体がノウアスフィアの集合体 — 分かり易く言うのなら、全ての人物に関するデータベースの保管庫として機能していると言っていい。
沈黙。
アレス監督官: そしてSCP-2844-JPの干渉能力は留まるところを知らない。フラグメントの度重なる回収作戦で — 何度目のデバッグモードを起動した事か — 終ぞ我々はSCP-2844-JPの先に、法則性の異なる別時間軸が存在することを把握できた。これは大きな進展であった。
沈黙。
アレス監督官: 我々はこれをThaumiel指定する予定だったさ — C.Iの犯行声明文さえ、朝食に手を付ける時に見なければな。
プロヒューモ指揮官: 声明文は先に読ませていただきました。それで我々が動く必要性は?
ペンターガスト将軍: 如何なる理由も問わず — 君たちには先行して突入してもらう事になるだろう。
プロヒューモ指揮官: プロジェクトスフィアの完遂までどれ程かかる?
アクセル管理官: 君に伝えるのが遅れてしまっているのかもしれない、プロジェクトスフィアは既にSCP-2844-JPへの侵入手段を完成させている。ゲートウェイの安定化は急ピッチでの作業の進行で何とか終了したよ — 礼を言う、バラノフ博士。
バラノフ博士: 私はともかく、下っ端の作業員たちは暫く休暇が必要でしょうな — もっともストライキを起こす暇があるのかという問題ではありますがね。LILY-イベントの発生状況は?
ダルタン管理官: 以前勢力は収まらない。タイムリミットは今日の日没だ。
バラノフ博士: まずいですね。C.I以外に敵対する団体は?
ダルタン管理官: 今回ばかりは協力体制を敷かねばならないだろう。既にGockのルーンマスター達は放浪者の図書館へと交渉をしに向かったとの情報が入っている。我々も悠長な真似はしていられない。
O5-1: Tiamatクラスへの再分類は既に完了した — 不服ではあるが。
O5-2: 今回ばかりは仕方のないことですよ、One。今後これを上書きすることが我らの目標です。
プロヒューモ指揮官: 部隊員への通達が終わり、移動中です。
アクセル管理官: オペレーター、サイト-ナイン-アルファへ繋いでくれ。
プロヒューモ指揮官: 資料の記録は残さなくていいのですか?
アクセル管理官: RAISAも生憎手一杯でね。さあ、各自取り掛かってくれ、大至急。
[記録終了]
Timeline-0930: 0319
2021/09/30
PROJECT SPHERE
OPERATION MONOGON
概要: 当該オペレーションの最優先事項はSCP-2844-JPへの侵入と制圧、そしてGoI-003による侵攻の阻害です。次元サイト-0009-α(旧次元研究サイト-0009)に収容済みのオブジェクトであるSCP-2844-JPゲートウェイを安定化させ、転移ゲートウェイを用い制圧部隊をSCP-2844-JP内部へ侵入させる事が本計画の最大の課題点です。財団の管理する財源への直接のアクセス、および最新技術の流用、また要注意団体による襲撃などを考慮した最大の安全/機密性を確保するために、当該オペレーションの全ての物品は武装管理セクター-Eに配置されます。全ての物品並びに研究人材は各国サイトの主要かつ有力な高クリアランスの職員、そしてThaumielクラスオブジェクトの使用によって確保されます。全ての手順の実行にあたり評議会判断を仰ぐ必要は無く、既に全ての実行権限が許諾されています。
Gateway-Segment01: SCP-2844-JPゲートウェイを統制/構築する中央制御装置の開発。信号変換には通常のパターンシステムが流用され、エラー検出の為の主な機能の代替としてエリュトリール効果流検出装置の一部機構のプログラムが転用される。プロセッサのコールドスタンバイモードを維持するための特殊な制御回路を組み込むことが要求されるため、一部のアーティファクトおよび有用なAnomalousアイテムが組み込まれる。
Gateway-Segment02: 現実性を操作するための主記憶装置の開発。GoI-012との一時的な協定の下MPUの開発を委託し、費用は割り振られたリソースを消費する。
Gateway-Segment03: 大規模表象サーバーの開発。アクティビティを記録するための大規模なデータベースについてはSegment04を参照のこと。記録された情報を基にシミュレーションを行い、起動時に発生するエラー、並びに現実性の湾曲を最小限に抑える機能を有する。ターゲットとなる現実レイヤーの構造を立体的に監視し、その現実性の乱れに適応した相対数値を算出する事により、実際に行われる概念構造のインスタンスを代入する。
Gateway-Segment04: 全てのデータを統計するための大規模データベースの開発。バックアップサイト-24は当該セグメントの崩壊に備え1時間おきに全てのデータのバックアップ処理を行う。データセンターの再構築には当該セグメントのデータが利用される。仮想システム、仮想ストレージ化などの後継的な改造を考慮し、あらゆる可変性を伴う特殊な改造が要求される。
<以下、全18のセグメントがエントリーされています>
オペレーションMONOGON 実行記録
日付: 2021/09/30
チーム: ATF ᛋ-1("Outlooker")
対象: SCP-2844-JP
司令部: Site-0009-α / アズール司令官
[記録開始]
1-ᛋ ABRAXSAS: 司令部、聞こえていますか?
司令部: 通信確認、隊員たちも問題はありませんね。現在位置の報告を。
1-ᛋ Funlove: たった今、SCP-2844-JPゲートウェイを通過しました。

送付された画像。
1-ᛋ Bye: 全員、見えている空間や景色は同一のものなのか?
1-ᛋ Vienna: 恐らく。共有映像の状態から考えても、空間規模での改変は発生していないでしょう。或いは我々が認識できないだけなのか。
司令部: 映像端末を起動していただけますか?隊員たちの状態も把握しておいてください。
1-ᛋ PrettyPark: 我々がこの未指定アノマリーについての情報を聞いてからものの数時間しか経っていないために、我々はこの場所と今回の探査任務の危険性を嫌という程理解していますよ、サー。我々を生贄にでもするつもりですか?
1-ᛋ JulyKiller: あまり愚直な皮肉は受け入れられるものではありませんよ、[Locale] 。
司令部: 内部はどのようになっていますか?
1-ᛋ WXYC: ただの空洞ですよ、それも暗く、そして深い。深いと言うのは間違っているかもしれませんね、より正確には我々が把握できない程の規模を有しています。
1-ᛋ YAM.3596: 我々が侵入を始めてから恐らく2分程が経過し、地上から優に200m以上は下に居る筈です。部隊員に問題はありませんが、SCP-2844-JPが如何なる異常性を有するのか不明であるが故、非常時には撤退が最優先となるでしょう。
司令部: 了解しました。そのまま降下を続けて、何か問題があれば適宜報告してください。
1-ᛋ DSpdh: 了解。
[省略]
1-ᛋ Walker: 司令部、こちら [Shiver] 。依然問題はありません。
司令部: こちら司令部、報告をお願いします。
1-ᛋ Tolose: 事前調査の結果通りの構造でした、内部空間はクラス-Cブロークンワームホールです。配布されたライトの明るさは — 感覚的にですが、僅かながら暗くなっていると感じます。他の隊員も同様の報告をしており、これらが空間の影響であるのかは不明です。
司令部: それは探索上の問題となりますか?
1-ᛋ Seqnum: 分かりません。ただ、我々の多くは進む事を決断しています。
司令部: くれぐれも警戒を怠らないように。
1-ᛋ Eight941: ええ、分かっていますとも。ただ — ここでは少し不安なのです、サー。
司令部: どういう意味ですか?
1-ᛋ Claud: 記憶処理も精神補強処置も受けている、にも拘わらず我々は恐怖、不安といった感情を抱いています。これは — 明らかに何かしらの侵蝕性災害だ。
1-ᛋ ColdApe: 我々が洞窟の崖を下っている間、隊員の1人が支給品をロストしてしまった。何か、とても嫌な感じがします — 我々に似つかわしくない言葉だ、本当に。
司令部: 問題があるのなら —
1-ᛋ Class: ええ、ええ。分かっていますとも、我々は先へと進みます。深く底へ。
[省略]
1-ᛋ Zoher: 先程から、呻き声のようなものが絶えず聞こえてきます — 司令部?
沈黙。
1-ᛋ Yaha: オーケイ、分かりました。この通信が後でそちらに送信される事を願います。
1-ᛋ Welchia: 先程から流れる奇妙な音声に比べてみれば、この空間の薄暗さと湿気は大した問題ではありませんね。隊員たちも同様の報告をしています、これが可能性として起こりうるものと仮定した上で —
1-ᛋ Tenrobot: 我々の知識圏にSCP-2844-JPが干渉しているのであれば、この空間もそれを反映されたものではないでしょうか?見るものによって姿形を変える存在、ユビキタスの偏在性。ある種の空間反映機構であると。
1-ᛋ Tecata: あ — GPS信号は検出できますか?音声認識システムは機能していますか?いや、違う — 嗚呼。
1-ᛋ Winur: 我々の声が聞こえていますか?そして我々はここに居ますよね?先程からの違和感が拭えない — ただ、深く先へと進みます。
[省略]
1-ᛋ Bribagi: あるアーカイブの文書で読んだ事があります。暗闇の世界に生きるもの、夜闇の中に佇むもの、嘗て虐げられたもの。彼らは存在を消去された、歴史の外側へと葬られたと。司令部、私が元々アーキビストであり、放浪者の図書館にて様々な情報に携わっていた事は覚えているでしょう?
沈黙。
1-ᛋ Footer: 私はそれを知っている、私は忘れないでいる。それは — それは重要な事だと思いますか?この声は間違い無く彼らの声です、彼らが我々を呼ぶ声です。言語ではなく表象として、理解ではなく幻想として、それは私の記憶領域へと流れ込んできています。
1-ᛋ Vmpck1: 私の気が狂ったのでしょうか、それとも — ここが不思議な空間だから?ハッ、最早どうでもよい事でしょうかね。
1-ᛋ Werwolf: C.Iの目的は何でしょうか?
1-ᛋ Alien: 誰も知らない。私は — 必要な事項を伝えられていません。それに —
W32/?: お元気で — す — か?私の、ビルの [caricature] 見てください、とてもとてもとて — もと — て — も興味深いでしょ?気に入ったかい?ok. [buy]
1-ᛋ Mylife: あ — 誰も接触しないように。コイツは私の — 90年代の親友の記憶を引っ張り出してきてます。
W32/?: 買わな — い?「Virusは検出されませんでした」。8時の朝食はとったのかい?bye.
不明な実体は消失する。消失の間、以下の音声を記録していた。
沈黙。
1-ᛋ Mydoom: 気味が悪い。機械的な発声の仕方は一体何なんだ?
1-ᛋ Lirva: これ — 思ったのですが、我々の記憶から抽出しているなら — 仮にC.Iの連中が既に侵入しているなら — 彼らの表象は何故出現しないのでしょうかね。
1-ᛋ Korgo: 指揮官 — SCP-2844-JPへのアクセス履歴の解析が終了しました。我々以外の侵入形跡はありません。
1-ᛋ Kriz: 何を言って — 待て、何?
Leonidas?: フルスキャンが完了しました。[Null] 件の脅威が検出されました。
1-ᛋ IRCbot: 何だって?
Isabella?: 脅威はディフェンダーによって隔離されます。
1-ᛋ Higuy: イザベラか?サイト-ナインで死んだ — 表象か。
Klein?: 多次元時間軸の同盟は貴方達がKickされることを望んでいます。
1-ᛋ Goner: クラインか。調子はどうだ?この [ScreenSaver] を見た時に、すぐお前だって分かったよ。
1-ᛋ Gibe: 私語を慎め、[update] は終わったか?
1-ᛋ Galil: 何を言って — 会話ログの管理班は何処だ?
1-ᛋ Netsky: ここに居ます — あー、非常にまずいですね。名辞的な災害現象です、これは。[Nimda] 、対処を。
1-ᛋ Opaserv: DEEPWELLアーカイブの回収は済んだか?多次元時間軸との接続コミュニティは?
1-ᛋ Plage: DR-2844、自動管理スフィア配置共に完了しました。
1-ᛋ Porkis: 総員撤退だ、急げ!
ダイヤルアップ音。
1-ᛋ Sircam: 走れ!走れ、走れ、走れ — (以下繰り返し)
ダイヤルアップ音。
1-ᛋ Ska: [Slanper] 、何か?
1-ᛋ Snapper: 話しかけるな、司令部 — トゥエンティワンがダウン、繰り返す、トゥエンティワンがダウン!
ダイヤルアップ音。
司令部: 聞こえますか、聞こえますか?
1-ᛋ Shoho: 聞こえた、C.Iの犯行声明は真っ赤な嘘だ。ここには俺たち以外誰もいないし、要するに — SCP-2844-JPに対する余計な干渉をした事になる。ウィルスっつったか?知識集積は俺たちを隔離しようとしている。
司令部: 撤退してください、可能な限り急いで。
1-ᛋ Inor: もうやってるさ。
ソウェイル-1のメンバーがゲートウェイを通じてSCP-2844-JPより脱出する。映像はここで停止する。
[記録終了]
Timeline-0930: 0602
未解明事象報告
Temp Number #: Temp-2844
Disruption Class: Gevurah
調査状況: 進行中
調査期間: 未定
イベント概要: Temp-2844は、オペレーションMONOGONの終了後1時間以内に地球上の全人類 — 或いは全生物に拡大したものと見做されます。Temp-2844は財団の定義によって異常とされる、ベースラインに存在するあらゆる異常が消失し始めた現象を指します。現在、各要注意団体との協力体制による治安維持及び情報撹乱の阻止が継続されています。
オペレーションMONOGON結果報告: ソウェイル-1によって回収された幾つかの、多次元宇宙の断片的な記録から — 現在発生している現象がSCP-001-LILYと呼称される特異例であることが判明しました。そして今後起こり得る副次事象に対処が必要となることが予測されます。SCP-2844-JP内部に配置された自立ドローン並びにDEEPWELLアーカイブは継続して情報を回収し続けます。
Timeline-0930: 1402
Foundation Collective
Consciousness To Be Maintained
クローラー: Owl Bot | クエリー: None | サーチ: جِبرِيل SUBNET
オプションフィルタ | アンド: Michael | 自動接続: 有効
Call of the Void
オネイロイ・ネットワークへの接続を試みています — アクセス自動照会中……
照会作業が完了しました。当ホストへの接続を許可します。
オネイロス型幽体は検出されませんでした。
敵対性夢界実体は検出されませんでした。
未確認の脅威を検出しました。オペレーションに基づき、当該脅威の侵入を許可します。
ナイトメア・コレクティブが検出されました。脅威の排除は不可能です。
ファウンデーション・コレクティブ - ローカルネットワークへの接続が完了しました。
ノウアスフィアを通じ、全ての情報は現実レイヤーと同期されます。対応: Owl Bot
Welcome, User.
記録された同期情報を以下に展開します。Thank You See You.
Oneiroi - Document 01
ベースライン、オネイロイ・ネットワーク全体で発生している類似事象を鑑み、我々は多岐にわたるコレクティブとの協力が必要であると考えました。以下に記載するのは各コレクティブ・ネットワークより招集されたオネイロイによる合同議事録の抜粋です。
不許可のアクセスは禁止されています。
Wanderer: 失礼するよ。
Founder: よくぞ来てくれた、放浪者よ。
Biblioclasm: オネイロイ・ウェストのメンバーまで招待するのは、些か正確な判断ではないと思うな。
Artist: 俺たちを招待しないとか、それはちとCoolじゃない気がするな。
Machina: 一時滞在者の管理はどうなっている?
Artist: それより教えてくれよ、一体何が起きたってんだ?
Founder: 簡潔に説明をするが、ベースラインで我々の肉体持ちの何人かがノウアスフィアへの干渉を始めた。ナイトメア・コレクティブはそれに便乗して出現した、世界の不具合だ。
Wanderer: どこぞの反乱者より混沌極まりない事をしてくれるじゃないか。
Founder: その反乱者が攻撃すると言ったんだからな。一時滞在者は各コレクティブに保護を頼んでいる。
Biblioclasm: これから予測される事態は?
Founder: DayBreakシナリオの再発。
Artist: ワオ、俺たちの大嫌いな評論家じゃねぇか。作品を滅茶苦茶にした時のこと忘れてねえからな。
Machina: 何か手立ては無いのか?
Founder: ベースラインでDayBreakが発生すればオネイロイの大多数にも影響が及ぶ。場合によっては州1つが丸ごと陥落する可能性もある。反乱者はそこを狙う筈だ。
Wanderer: 直ぐにでも我々が向かうべきだ。
Founder: そこが問題なんだ。ノウアスフィアはベースラインの分断を決定したらしい。
Artist: マジで言ってる?
Founder: 異常領域と正常性が隔絶されれば、理論上は両者の往来が不可能になる。このうちオネイロイ・ネットワークは異常領域に属する。だが — 場合によっては、ある程度のエリアを正常性に移動させる事も不可能ではない。
Biblioclasm: 二者択一であると。
Founder: そこで君たちがどちらへ移動するのか聞いておきたい。我々はそれによって行動方針を変更する。
Machina: 財団がどう動くかが一番の問題ではないのか?最も多くのアーティファクトを有するのは貴君らではないか。
Founder: 分かった、招集をかけるか?
Wanderer: それが最善だ。
Document - 073

SCP-073.
SCP-073: ふむ、この環境は非常に — 興味深い。
ライト管理官: 目が覚めたかしら、カイン?尤も、"目が覚めた"という表現は適切じゃないけどね。
SCP-073: ここは何処でしょうか?あー、ソフィア?
ライト管理官: 夢界 — オネイロイ・ネットワーク。私たちは特別に、夢界実体から記憶を維持して選抜された。
SCP-073: オネイロイ — なるほど。一種の仮死状態でしょうかね?
ライト管理官: 精神の転移現象と考えるならそうでしょうね、本題に入ってもいい?
SCP-073: どうぞ。
ライト管理官: ベースライン、現実世界での直近の出来事 — 異常が世界によって隔離されつつある状態を把握している、そうでしょう?
SCP-073: 今日、私の待機室に誰も来なかったのはそういう理由なのですか。ええと — 外界と隔絶されているので詳細は分かりませんが、仮にそういった事が起きているのなら、財団は何をしているのですか?
ライト管理官: 何もできていないわ。異常が消えていく様を眺めているしかない。概念自体が超常的なオネイロイの状態を除いて、ね。
SCP-073: SCP-2844-JPの事故については私も聞いていますよ。さて、どこからお話ししましょう?
ライト管理官: SCP-2844-JPは一体何なの?私たちの一部は頭脳の集積だと考えているけれど。
SCP-073: 頭脳というのは正確では無いですね。ただ — 私とて全知の存在ではないので。あれは恐らく — 図書館と言えば分かり易いですかね?あれ自体は知識の集積です。あれは — 最初の人類が手を付けた、知恵の実です。
ライト管理官: 無理な比喩表現は必要ないわよ、カイン。
SCP-073: 失礼。私たちは1人1人が、頭脳即ち記憶、知識、知恵の集積を有しています。平たく言ってその大本である、全ての記録装置がSCP-2844-JPです。それには我々以外の生物種、宇宙、次元に関する情報すらも記載されています。丁度、貴方達がゲートウェイと呼ぶエリアから干渉できたように。ただ、全ての存在がSCP-2844-JPにアクセスすることを許可されている訳ではありません。唯一許可されている、常にそれと深く干渉する存在が —
ライト管理官: オネイロイであると、そう言いたいのね。
SCP-073: ええ。オネイロイというのは実体が有する精神表象に酷似した — 言わば魂のような存在です。人間の脳がアクセス可能な概念こそがノウアスフィアであり、そしてそこに住まうのが恐らく夢界実体です。当然ながらSCP-2844-JPに干渉するというのは、彼らに相互作用を齎すことにもなるでしょう。
ライト管理官: ええ、よく分かった — まだ彼らは何かを聞き足りないようね。私たちがやった事は結局何に影響したの?
SCP-073: ノウアスフィアへ侵入したのでしょう?生物は基本的に、外的要因に対する防衛機構を有しています。人間なら反射神経、アノマリーなら異常性といったように。ノウアスフィアにもそれは存在します。そして恐らく、貴方達に最も分かりやすい形で警鐘を鳴らした。アダムは知恵の実を食べ、そして神の怒号を聞いた。それまで浮上しなかった — 異常という存在に気付いたのでしょう。私は貴方達からすればアノマリーですし、そういった意味では私も当事者なのですね。
ライト管理官: 異常存在だけが隔離された、そして今起きようとしている現象は?
SCP-073: 私は預言者では無いのですよ、ソフィア。
ライト管理官: 私だって本来なら — LILYイベントさえ発生しないのであれば、こんな事聞かないわ。確実にLILYイベントは24時間以内に生物種の死を予兆するの。
SCP-073: 彼の若き預言者に聞いたらどうでしょうか?
ライト管理官: まあ、そうね。さっき言っていたけど、貴方もその消失の対象であることに変わりは無いの。そして私たちは — 可能なら、貴方を保護しなければならない。
SCP-073: ええ、知っていますよ。しかし — 消失する訳では無いと思いますよ。仮にもそれだけのエネルギーを消失させようものなら、エントロピーの崩壊は免れないのですから。恐らくは — 隔離されるだけではないでしょうか?
ライト管理官: 隔離?
SCP-073: 数ある時間軸の中でも、未完成のタイムラインは複数存在します。仮に私がノウアスフィアなら、脅威存在はそういった虚空に隔離するのが最も望ましいと考えますね。貴方達こそ、異常存在を破壊するのは危険であると知っているでしょう?それに —
ライト管理官: それに?
SCP-073: 隔壁が存在しない世界であれば — 弟はもう一度口を開いてくれるかもしれない。私は生きる事に疲れた訳ではありませんよ、ただ — 彼に謝りたいのです。ダエーバイトの兵士として輪廻を繰り返す彼にとっては、この世界に生きる意味など見出せる筈も無いでしょうから。
ライト管理官: それは — そうね、カイン。
SCP-073: アベルによって多くの人々が殺されたのは知っています、そしてそれは私の責任でもある……だから、私は彼に、もう一度チャンスをくれるよう願いたいのです。私はこの罪から、解放されたいのです。
1 left.
Founder: 誰が脱退した?
Artist: 俺はいるぞ。
Biblioclasm: ここに。
Wanderer: 壊れたる神の信仰者だな。
Founder: サーキシズムにどう抗えと?彼らの力無しに。
Biblioclasm: その必要は無いだろう、サーキシズム自体が異常なら、彼らもまた異常領域に移動するさ。
Artist: 俺は結論を出せなかったな。作品には消えてほしく無いが、リスクは嫌いだ。
Wanderer: 同じく。
Founder: ならば彼らに頼もうではないか。
Document - 411

SCP-411.
ライタッカー博士: さようなら、SCP-411。
SCP-411: 再び会えて嬉しかったよ、博士。今度来る時は特製のコーヒーを用意しておくよ。では。
沈黙。
SCP-411: 君たちがそれを不安がる必要は無いと思うね、私は君の顔を見知っているのだから。
ライタッカー博士: 我々は — 私は、その先でも貴方とここで話をしていましたか?
SCP-411: 少なくとも — 私はここで、いつものように君と他愛のない会話をしていたし、テレビではいつものように、奇妙なロゴのメディアが絶えず警報を鳴らしていたさ。私はとうに慣れてしまったよ。そこには君の姿もあったな。
ライタッカー博士: ふむ — 我々の世界は存続すると思いますか?
SCP-411: 奇妙な質問をするじゃないか。私は君と今ここに、こうして立っているじゃないか。
ライタッカー博士: 私の事が認識できますか?
SCP-411: 世界は — 私の知る限りだがな、赤く染まる太陽によって焼き尽くされていた。そこに人類の生きる環境は無いと確信できたよ。それを君たちは — あー、SCP-001-LOCKE — そう呼んでいたな。
ライタッカー博士: 少し前に何が起きたのか、説明できますか?
SCP-411: まあ落ち着け。何も儂の予言が全てを語らうわけではない。未来は常に不確定だと知っているだろう?
ライタッカー博士: しかし —
SCP-411: おや、終ぞ死人が帰ってきたのか?(笑う。)いやはや、とうに死んだと思っていたよ!何が欲しい?ああ — クッキーならここにあるぞ!非常食だがな、存分に楽しんでくれ。久しぶりの来客だな、本当に。
沈黙。
ライタッカー博士: お久しぶりです、SCP-411。
1 left.
Founder: 冗談はよしてくれ。
Biblioclasm: これが夢で済むなら良かったな。
Wanderer: 自由なる芸術の描写団体 — 彼らは芸術を選んだか。
Founder: 止める事は出来ない。我々は —
Biblioclasm: 結論は出せたか?
Wanderer: いや。
Founder: 次だ。
Document - 990
沈黙。
ブライト博士: 幻覚症状の発生する記憶処理剤はやめておけと、薬剤師には言っておいた筈なんだがな。
SCP-990: 幻覚かい、面白い言い方をするじゃないか、博士。それと1つ言っておくが、それは君のペンダントじゃないね。

SCP-990.
ブライト博士: ああ — 990、何が言いたいんだ?
SCP-990: 君は生きている。だからこそ君に選択肢は無い。これまでも、そしてこれからも。ジャック・ブライト、君は深く沈みすぎたんだ。
ブライト博士: SCP-2844-JPに関する対処法でも教えてくれると思ったんだがな。そろそろ目覚めないと残業があるんだ、なあ。
SCP-990: いいじゃないか、どうせ時間切れなんだ。彼らに選ばれてしまったんだし、もう少し話し相手にはなってくれ。
ブライト博士: クソッタレ、どうしてこうも私は異常存在と縁があるんだ。
SCP-990: 君自身は少なくともそう思っているようだが、それは全てを観測していないからに他ならない意見だね。君ばかりが常ならぬ存在の影響を受けている訳では無いんだよ。
ブライト博士: 何が言いたいんだ。
SCP-990: その首飾りを私にくれないか。交渉だよ、君は平等な死を手に入れ、私は不死と実在性を手にする。
ブライト博士: 生憎 — 私は未だ死ぬ訳にはいかなくてね。ウェイブラーあたりに会った事があるのなら、人間が如何に生に執着があるかは知ってるだろう?アイツは家族を守りたかった — 私も同じだ。
SCP-990: 何故だ?君は幾度となく死のうとしていたじゃないか。君の楽観的な考えはそれに依存するものだろう?
ブライト博士: そうでも無いぞ、クソッタレのクレフやケインが居たからな。財団にいておかしくならない奴のほうが少ないさ。
SCP-990: 頼む、あまり時間は無いんだ。SCP-001-LOCKEについてはライタッカーから聞いただろう?
ブライト博士: だからこそ、だ。私は財団職員として最期まで、務めを果たさなくてはいけないんだよ、畜生が。
SCP-990: 知っている、知っているぞジャック。お前がどれ程の苦痛に耐えてきたのか —
ブライト博士: 嘘は良くないぞ、お前に何が分かる?苦痛を受けたことの無いアノマリーが、人間の痛みを理解できるか?
SCP-990: 貴様 —
ブライト博士: いいか[声を荒げる]よく聞けこのクソ幽霊、これが最後だ。このジャック・ブライトには責務があるんだ、財団職員としての偉大な職務だ。お前程度のKeterオブジェクトに惑わされるような弱い人間じゃないんだよ、ミルグラム従順度試験が何のためにあると思ってるんだ?
沈黙。
ブライト博士: 消え失せろ、SCP-990。
SCP-990: 後悔するなよ、生霊が。
1 left.
Founder: 恐らくは —
Biblioclasm: だろうな。自由を求める放浪者が魅入られない訳はない。
沈黙。
Biblioclasm: 決まったか?
沈黙。
Founder: 我々は — 正常を保護しなければならないだろう、だが — その為に異常を監視する事が我々の責務なんだ。
1 left.
Biblioclasm: 我々はそうは思わないよ、創設者。
オネイロイ・ネットワークから切断しています。
切断中……
1件の添付ファイルが存在します。
切断しました。

It's a Beautiful Day.
[回収された記録 終了]
上記の文書は全て、GOC-DEEPWELLケースファイルに残存していた「SCP財団」によって記述されたと推測される情報の解析です。特筆すべき事項として、本文書に記載される何れの団体名、及び"アノマリー", "異常", "SCP"といった概念は存在せず、また世界オカルト連合がこれら機関と関与していた事実も存在しません。内容から推察される事項は、SCP-2844-JPによって元来より存在していた"異常"と"正常"が隔絶され、知識集積によって"異常"と判断された幾つかの存在、概念はベースラインより完全に消滅した可能性を暗示しています。
世界オカルト連合の上層部は本件に関する事象に対し消極的反応を示しており、本件に対する何らかの措置は実行されない予定です。本文書は不可思議かつ異常な手段で存在していたために、情報の参照性の観点からアーカイブとして保存されています。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6759963 (24 Aug 2020 05:02)
拝読しました。
超ざっくり括るならパラレルワールド終焉系の記事で、それなりに読みごたえがあるので、このままでも一定の評価は得られると思います。ただ、やはり事前知識が大量に必要で読む人を選ぶのと、オブジェクトの設定やストーリーにあまり新規性を感じず、見せ場を他のオブジェクトに頼っているので、どうしても見たことある展開のコラージュ感が否めません。仮にこれがTaleだったらもう少し評価は変わるかもしれませんが(Taleは基本2次創作だと僕は思っているので)、オリジナルのSCP記事としてみるとかなり微妙なところです。こういう方向性だと言われたらそれまでですが、改善するとしたらまず異常性からひねってみるのもありだと思います。
批評ありがとうございます。そうですね……事前知識については寧ろそういった人を選ぶ記事だという自覚はあるのでもう少し考えてみますね。ストーリーの新規性については思い当たる記事が無いというか、確かに様々な記事を参考にして書いてはいますが、完全に類似するプロットで書いた訳では無いと思いますのでもし具体的な例があれば教えていただけますと幸いです。異常性についてはコンセプトを根本から書き換える必要がありそうなので、しばらく保留させていただきます。批評していただけたにも拘わらずあまり改善案を出せず申し訳ありません…….
拝読いたしました。
面白かったです。GOCのロゴなどが上に出ていたところに最初は少々疑問を持っていましたが最後に解消された所がとても良かったです。しかし異常という存在、概念が消えた今、GOCは何を理念に存在してるかなど、その点に関して疑問が湧きました。単なる研究機関とか奇跡論の管理とかなのでしょうか?正直奇跡論・現実子に関しては自身の履修不足なので異常なのか、技術なのかが分類できてないのですがそこのところはどうなのでしょう…?出来れば記載し、説明した方が良いかなと思います。当記事を理解できていない的外れな質問でしたら申し訳ありません。
記事作成頑張って下さい。
批評ありがとうございます、そして返信が遅れて申し訳ありません。
後付けにはなりますが、GOCは国際的な平和維持のための機構、そして奇跡論や呪術といったオカルトに対する研究活動を行う評議会が存在するといった感じにしたかったので違和感が無い程度に文章を最後に追記しました。(あまり細かく説明してしまうとそれこそリアリティが削がれてしまうと思ったので…)
また、現時点で小規模な修正を行った点は以下の通りです。
改めて批評ありがとうございました。