宵闇は明けず

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Project Sky-High is still ongoing.

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Item#:1360-JP
Clearance Level 4: Clearance
Containment Class: keter
keter-icon.svg
Secondary Class: {$secondary-class}
{$secondary-icon}
Disruption Class: #/ekhi
ekhi-icon.svg
Risk Class: #/caution
caution-icon.svg

特別収容プロトコル: SCP-1360-JPの存在を秘匿するため、各国に存在する主流な天文・宇宙科学関係機関及び世界気象機関の全てにミルグラム従順度検査で高得点を獲得した財団潜入エージェントを派遣する必要があります。アメリカ航空宇宙局を筆頭とする天文学データベースには各機関との機密協定の下、SCP-1360-JPに関する情報の削除を施行してください。隠蔽の破綻のリスクより、SCP-1360-JPに関する情報は確実に削除、秘匿される必要があります。世界気象監視計画にて収集される情報にSCP-1360-JPが含まれることは容認されません。財団による秘匿手順の全ての試みが失敗した場合、ENUI-5化合物の大量散布によって事態の収束が強行されます。

image

SCP-1360-JP(1987年更新)

説明: SCP-1360-JPは南極大陸上空の成層圏にて観測された時空間異常です。SCP-1360-JPはそれ自体を境界面として時空間が著しく湾曲しており、性質上は一般的な財団科学技術における「ポータル」「ワームホール」のそれに該当します。SCP-1360-JPの接続先は乱数的に選択された並行世界の地球であると考えられており、地球からの観測時は並行世界が地球を内包するように「裏返って」形成されているように見えます。この時空間の湾曲現象は境界面を超えることによって反転します。SCP-1360-JPを用いた時空間の移動は自由に行うことが可能であり、重力などの物理法則はSCP-1360-JPの境界面で完全に隔絶されています。惑星間の引力はこの性質のために機能していないようであり、並行世界の地球が直接衝突する、などの確率は限りなく低いものと推定されています。例外的に、電波などの波長はSCP-1360-JPを介して伝達可能です。現在SCP-1360-JPは急速にその規模を拡大しつつあり、この速度でSCP-1360-JPが拡大すれば10月上旬には南極大陸全土を覆う規模に達すると見られています。


発見経緯


SCP-1360-JPは1982年9月に財団南極観測サイト-672A("アムンゼン・スコット基地")にて確認されました。当該現象を確認したのは財団だけではなく、南極各地に存在する各国機関の拠点でも同様の現象が確認されていたものと推測されます。これを受け財団は急遽各国機関に渉外エージェントを派遣、幾つかの条件の下に機密協定を締結し、ヴェール維持とSCP-1360-JPの完全なる秘匿を最優先事項として行動を起こしました。

1982年10月、基底現実のサイト-672AはSCP-1360-JPの遠方に存在が確認された構造物に対し交信を試みました。


収容対応


サイト-672A調査報告

image

サイト-672A周辺区域。

送信元サイト: 672A("アムンゼン・スコット基地")

脅威レベル:

撹乱クラス: Ekhi


状況: SCP-1360-JPは10月現在、南極大陸の凡そ69%を内包するようにして展開されています。SCP-1360-JPが展開された領域は太陽光が遮断されるために非常に暗く、また気温も極端に低下しつつあります。先日の調査では南極に生息する生物の死体が確認されました。死因は凍死、もしくは衰弱死だと推測されています。SCP-1360-JPは拡大し続けています。この原理や安全な収容手順について議論するのではなく、先ずはSCP-1360-JPの無力化手段について起草する必要があるのではないでしょうか。


 

 

O5-Command EYES ONLY

動議: SCP-1360-JPの出現に対応し、ヴェール維持を大前提とした収容手順を実行すべきか。

: O5-1,O5-2,O5-4,O5-7,O5-8,O5-9,O5-11,O5-13

: O5-3,O5-5,O5-6,O5-12

結果: 動議可決

動議の可決に伴い、SCP-1360-JPの収容を最終目的とする全てのプロトコルはプロジェクト・スカイハイへと移行されます。

SCP-1360-JPは1982年10月現在、その規模を更に拡大しつつあります。SCP-1360-JPによって発生しうる様々な現象、及びヴェール崩壊の危険性に対処すべく、監督評議会によってプロジェクト・スカイハイが承諾されました。プロジェクト・スカイハイに指定されるプロトコルの主要な目的はSCP-1360-JPの完全収容、もしくは無力化、並びにヴェール維持を前提とした初期収容の研究です。現段階で以下のプロトコルは全てプロジェクト・スカイハイに定義されています。

▼プロトコル・フェイヒュー

各国政府との協定の下に、南極条約を完全破棄。南極の領有権を実質的に財団が管理できる状態へと移行し、反対派の全ての国家に対し渉外エージェントを派遣。各国に大幅に利権を譲渡する形で契約を締結、もしくはミームエージェントへの暴露による強行的な賛同を得る。この場合、如何なる人権的問題、倫理的問題に関しても配慮しないものとする。

▼プロトコル・ウルズ

南極観測サイト-672A("アムンゼン・スコット基地")に機動部隊オメガ-89("ホワイトナイト")及び特装部隊タウ-90("Crackdown")合計740名、車両64基の導入、及び財団研究部門、工学技術事業部門、科学部門、そして管理部門の人員を派遣する。サイト-672Aの拡張とともに軍事・研究サイトとしての側面を更に強化し、SCP-1360-JP封じ込めのためのプロトコルの確立に努める。

▼プロトコル・ウンジョー

南極大陸上空1.9kmの地点に財団製疑似人工太陽の配置。SCP-1360-JPの影響範囲内は太陽光が届かないため、光源・熱源の確保を主要な目的としている。人工太陽の寿命は凡そ3ヶ月であるため、全てのプロトコルの早急な解決が求められる。

▼プロトコル・ライゾ

南極大陸の監査、及びSCP-1360-JPの異常性に関する広域にわたる観察、調査。

<他12のプロトコルがエントリーされています>

更新: 1982年11月、プロジェクト・スカイハイは実行されました。タイムラインは以下の通りです。

プロジェクト・スカイハイは結果として成功に終わりました。SCP-1360-JPは部分的に残留しており、未だ発信される電波は微弱ながら観測されていますが、ヴェールの維持という面では完全に収容出来たと考えられています。SCP-1360-JPはKeterクラスを経てSafeクラスへと移行される為の評決が現在監督評議会によってなされています。
 


オブジェクトクラス再定義について


1982年、プロジェクト・スカイハイの実行によってSCP-1360-JPは収容されたものと見做されていました。しかしながら1983年8月、SCP-1360-JPは南極大陸上空に再出現しました。SCP-1360-JPが1982年のほぼ同時期に出現していたことを考慮し、サイト-672A研究員らは最終的にこれらが周期的な一連のプロセスであると判断しました。このため、ヴェール維持また拡張を抑制するための収容手順として毎年プロジェクト・スカイハイを実行する必要性が浮上します。しかしながらプロジェクト・スカイハイに導入できる費用には限度があり、プロジェクト・スカイハイの実行が可能なのは1990年までと予測されています。

現在SCP-1360-JPは急速に規模を拡大しており、南極大陸の74%を内包するまでに至りました。財団は各国機関、及び大衆の撹乱のリスクを防ぐべく、ENUI-5化合物大量散布を施行しました。当該データに関する詳細なデータはエントリより削除されています。南極大陸で発生している異常な因果が民間の関係者に露見するなど、過去に幾つかのヴェール崩壊可能性を含む事案は発生しましたが、この散布実験によって事態の鎮圧には成功しました。

一方で、プロジェクト・スカイハイでない手段を用いたSCP-1360-JP収容の試みもこれまでに実行されてきました。以下はその収容試行についての抜粋です。(別称: ハガラズ処置)

ハガラズ処置-試行記録抜粋

実行内容
SCP-1360-JPに対する小規模機器を用いた現実改変の行使。
結果
即座に再生された。

実行内容
有質量物質の展開による物理的なSCP-1360-JP侵食の阻害
結果
阻害には至らず、物質は接触した瞬間に破壊された。

実行内容
Phy.EngineによるSCP-1360-JPの破壊
結果
SCP-1360-JPを貫通し、"向こう側"へと消失した。"向こう側"からの通信は無い。

<他9の手順が登録されています>

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<報告書が更新されました>

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Clearance Level 4: Clearance
Containment Class: keter
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Secondary Class: {$secondary-class}
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Disruption Class: #/ekhi
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Risk Class: #/caution
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特別収容プロトコル: SCP-1360-JPの存在を秘匿するため、各国に存在する主流な天文・宇宙科学関係機関及び世界気象機関の全てにミルグラム従順度検査で高得点を獲得した財団潜入エージェントを派遣する必要があります。アメリカ航空宇宙局を筆頭とする天文学データベースには各機関との機密協定の下、SCP-1360-JPに関する情報の削除を施行してください。隠蔽の破綻のリスクより、SCP-1360-JPに関する情報は確実に削除、秘匿される必要があります。世界気象監視計画にて収集される情報にSCP-1360-JPが含まれることは容認されません。財団による秘匿手順の全ての試みが失敗した場合、ENUI-5化合物の大量散布によって事態の収束が強行されます。

image

SCP-1360-JP(1987年更新)

説明: SCP-1360-JPは南極大陸上空の成層圏にて観測された時空間異常です。SCP-1360-JPはそれ自体を境界面として時空間が著しく湾曲しており、性質上は一般的な財団科学技術における「ポータル」「ワームホール」のそれに該当します。SCP-1360-JPの接続先は乱数的に選択された並行世界の地球であると考えられており、地球からの観測時は並行世界が地球を内包するように「裏返って」形成されているように見えます。この時空間の湾曲現象は境界面を超えることによって反転します。SCP-1360-JPを用いた時空間の移動は自由に行うことが可能であり、重力などの物理法則はSCP-1360-JPの境界面で完全に隔絶されています。惑星間の引力はこの性質のために機能していないようであり、並行世界の地球が直接衝突する、などの確率は限りなく低いものと推定されています。例外的に、電波などの波長はSCP-1360-JPを介して伝達可能です。現在SCP-1360-JPは急速にその規模を拡大しつつあり、この速度でSCP-1360-JPが拡大すれば10月上旬には南極大陸全土を覆う規模に達すると見られています。


発見経緯


SCP-1360-JPは1982年9月に財団南極観測サイト-672A("アムンゼン・スコット基地")にて確認されました。当該現象を確認したのは財団だけではなく、南極各地に存在する各国機関の拠点でも同様の現象が確認されていたものと推測されます。これを受け財団は急遽各国機関に渉外エージェントを派遣、幾つかの条件の下に機密協定を締結し、ヴェール維持とSCP-1360-JPの完全なる秘匿を最優先事項として行動を起こしました。

1982年10月、基底現実のサイト-672AはSCP-1360-JPの遠方に存在が確認された構造物に対し交信を試みました。


収容対応


サイト-672A調査報告

image

サイト-672A周辺区域。

送信元サイト: 672A("アムンゼン・スコット基地")

脅威レベル:

撹乱クラス: Ekhi


状況: SCP-1360-JPは10月現在、南極大陸の凡そ69%を内包するようにして展開されています。SCP-1360-JPが展開された領域は太陽光が遮断されるために非常に暗く、また気温も極端に低下しつつあります。先日の調査では南極に生息する生物の死体が確認されました。死因は凍死、もしくは衰弱死だと推測されています。SCP-1360-JPは拡大し続けています。この原理や安全な収容手順について議論するのではなく、先ずはSCP-1360-JPの無力化手段について起草する必要があるのではないでしょうか。


 

 

O5-Command EYES ONLY

動議: SCP-1360-JPの出現に対応し、ヴェール維持を大前提とした収容手順を実行すべきか。

: O5-1,O5-2,O5-4,O5-7,O5-8,O5-9,O5-11,O5-13

: O5-3,O5-5,O5-6,O5-12

結果: 動議可決

動議の可決に伴い、SCP-1360-JPの収容を最終目的とする全てのプロトコルはプロジェクト・スカイハイへと移行されます。

SCP-1360-JPは1982年10月現在、その規模を更に拡大しつつあります。SCP-1360-JPによって発生しうる様々な現象、及びヴェール崩壊の危険性に対処すべく、監督評議会によってプロジェクト・スカイハイが承諾されました。プロジェクト・スカイハイに指定されるプロトコルの主要な目的はSCP-1360-JPの完全収容、もしくは無力化、並びにヴェール維持を前提とした初期収容の研究です。現段階で以下のプロトコルは全てプロジェクト・スカイハイに定義されています。

▼プロトコル・フェイヒュー

各国政府との協定の下に、南極条約を完全破棄。南極の領有権を実質的に財団が管理できる状態へと移行し、反対派の全ての国家に対し渉外エージェントを派遣。各国に大幅に利権を譲渡する形で契約を締結、もしくはミームエージェントへの暴露による強行的な賛同を得る。この場合、如何なる人権的問題、倫理的問題に関しても配慮しないものとする。

▼プロトコル・ウルズ

南極観測サイト-672A("アムンゼン・スコット基地")に機動部隊オメガ-89("ホワイトナイト")及び特装部隊タウ-90("Crackdown")合計740名、車両64基の導入、及び財団研究部門、工学技術事業部門、科学部門、そして管理部門の人員を派遣する。サイト-672Aの拡張とともに軍事・研究サイトとしての側面を更に強化し、SCP-1360-JP封じ込めのためのプロトコルの確立に努める。

▼プロトコル・ウンジョー

南極大陸上空1.9kmの地点に財団製疑似人工太陽の配置。SCP-1360-JPの影響範囲内は太陽光が届かないため、光源・熱源の確保を主要な目的としている。人工太陽の寿命は凡そ3ヶ月であるため、全てのプロトコルの早急な解決が求められる。

▼プロトコル・ライゾ

南極大陸の監査、及びSCP-1360-JPの異常性に関する広域にわたる観察、調査。

<他12のプロトコルがエントリーされています>

更新: 1982年11月、プロジェクト・スカイハイは実行されました。タイムラインは以下の通りです。

プロジェクト・スカイハイは結果として成功に終わりました。SCP-1360-JPは部分的に残留しており、未だ発信される電波は微弱ながら観測されていますが、ヴェールの維持という面では完全に収容出来たと考えられています。SCP-1360-JPはKeterクラスを経てSafeクラスへと移行される為の評決が現在監督評議会によってなされています。
 


オブジェクトクラス再定義について


1982年、プロジェクト・スカイハイの実行によってSCP-1360-JPは収容されたものと見做されていました。しかしながら1983年8月、SCP-1360-JPは南極大陸上空に再出現しました。SCP-1360-JPが1982年のほぼ同時期に出現していたことを考慮し、サイト-672A研究員らは最終的にこれらが周期的な一連のプロセスであると判断しました。このため、ヴェール維持また拡張を抑制するための収容手順として毎年プロジェクト・スカイハイを実行する必要性が浮上します。しかしながらプロジェクト・スカイハイに導入できる費用には限度があり、プロジェクト・スカイハイの実行が可能なのは1990年までと予測されています。

現在SCP-1360-JPは急速に規模を拡大しており、南極大陸の74%を内包するまでに至りました。財団は各国機関、及び大衆の撹乱のリスクを防ぐべく、ENUI-5化合物大量散布を施行しました。当該データに関する詳細なデータはエントリより削除されています。南極大陸で発生している異常な因果が民間の関係者に露見するなど、過去に幾つかのヴェール崩壊可能性を含む事案は発生しましたが、この散布実験によって事態の鎮圧には成功しました。

一方で、プロジェクト・スカイハイでない手段を用いたSCP-1360-JP収容の試みもこれまでに実行されてきました。以下はその収容試行についての抜粋です。(別称: ハガラズ処置)

ハガラズ処置-試行記録抜粋

実行内容
SCP-1360-JPに対する小規模機器を用いた現実改変の行使。
結果
即座に再生された。

実行内容
有質量物質の展開による物理的なSCP-1360-JP侵食の阻害
結果
阻害には至らず、物質は接触した瞬間に破壊された。

実行内容
Phy.EngineによるSCP-1360-JPの破壊
結果
SCP-1360-JPを貫通し、"向こう側"へと消失した。"向こう側"からの通信は無い。

<他9の手順が登録されています>

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5/1360-JP LEVEL 5/1360-JP
CLASSIFIED
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Item #: SCP-1360-JP
Tiamat
5SBZTl2.jpg

SCP-1360-JPによって内包される地球の衛星画像。

特別定義/Tiamat: アイテムは人類に対し喫緊の脅威となりますが、ヴェールを破るような方法によって「収容」することはできます。

特別収容プロトコル(2000年改訂): BK-クラス"壊された虚構"シナリオは既に発生したものとみなされ、現在SCP-1360-JPに対する明確な収容手順は開示されていません。詳細はプロジェクト・スカイハイ関係者にのみ公開されます。これまでに施行された全ての回避の試みに関しては記録文書1360-JP-Ωを参照してください。

説明: SCP-1360-JPは現在南半球を中心として拡大を続けている時空間異常です。SCP-1360-JPは8~9月頃に発生し、その規模を拡大させながら11~12月頃に収縮、軈て消滅するという一連のプロセスを毎年繰り返しています。現在、SCP-1360-JPが収縮する傾向は確認されていません。特筆すべき事に、SCP-1360-JPの規模は年月が経過するごとに徐々にその最大規模を拡張しつつあります。SCP-1360-JPは地球上に存在するオゾン層の崩壊によって相対的にその規模が拡大する傾向にあり、オゾン層を「埋め合わせる」様にして展開されます。これらの主たる原因は産業的に生産されたフロン、ハロンによるものであり、紫外線によって分解され発生した塩素ラジカルが南極や北極、アフリカ大陸や南アメリカ大陸などの低温な地域南半球で極成層圏雲を媒体にすることにより不均一反応が発生し、オゾンが急速に破壊されることによるものです。

SCP-1360-JPが一連のプロセスを経て拡大するという結論に至った当時の監督評議会は、カバーストーリーの下各国政府との機密協定(後にモントリオール議定書として知られる)を結ぶこととなりました。これによりオゾン層破壊物質の削減・廃止への道筋が定められましたが、2000年現在に至るまでヨーロッパなどを除いて実行に移す国家は少なく、フロン・ハロンの生産は増加傾向にありました。結果的に発生した大量のフロン・ハロンはSCP-1360-JPの拡大を促しました。

これらの根本的な原因として、財団の流布するカバーストーリーが極端に拡散された事によって虚偽の情報に依存する関係者が多発し、SCP-1360-JPのその主たる脅威を考慮できなかった、また当時財団が実行した数々の不祥事案(プロトコル・フェイヒューを筆頭とした政治への極端な干渉、及び基底現実における軍事行動など)が結果的に不信と見做され、財団の当時告発したSCP-1360-JPに関する脅威(付属資料「南極大陸における時空間異常の及ぼす脅威についての抜粋と警告」を参照)を初期の段階で却下された事などが挙げられます。監督評議会では当該事案に対し意図的にヴェールを棄却する動議がなされましたが、動議は否決されました。ヴェール維持が当該事案に対する最優先事項であったためだと推測されます。

以下は財団が2000年までに行ってきたSCP-1360-JP収容の試み、もしくは回避の試みです。

Project Sky-High

[試行済みプロトコル一覧]

[プロトコル・フェイヒュー] 潜入エージェントがフランス政府によって逮捕される。その後の尋問によってプロトコル・フェイヒューの全貌がフランス政府に露見。この情報は各国政府へと拡散され、財団の信頼性が損なわれた。プロトコル・フェイヒューは現在凍結されている。

[プロトコル・ウルズ] 異常なし。依然として南極大陸の管理権は財団の制御下にある。

[プロトコル・ウンジョー] 無意味。

[プロトコル・ライゾ] これ以上の捜索は無意味だとして凍結された。

 

[プロジェクト・スカイハイ] 各国政府からの支援が打ち切られたために財団はヴェールの棄却を宣言。部隊の増員や鎮圧に費用が導入され、プロジェクト・スカイハイは最早効力を有さないものとされた。現在の財団の最優先事項はSCP-1360-JPの収容ではなく、BK-クラス"壊された虚構"シナリオへの対処である。

SCP-1360-JPの有する副次的な異常性として、太陽光を完全に遮断する事が挙げられます。これにより現在南半球は完全に日光を遮断されており、部分的に最低気温は-200℃に達します。太陽光の遮断によって影響範囲は異常な極低温を維持するようになり、それが原因となって発生する高気圧は周囲の気圧を抑圧し、世界的な気候変動を引き起こしました。また、寒冷化が進んだ地域で極成層圏雲が発生することにより、更にオゾン層を破壊しSCP-1360-JPの拡大へと連鎖的に繋がっています。

また、太陽光が遮断された事は以下に列挙した様な副次的な悪影響を人類、生命、植物全てに及ぼしました。

  • 紫外線が遮断されることにより世界的にウイルス、雑菌が蔓延。
  • 植物が光合成を行わなくなった事により、酸素濃度が低下。
  • 単純な不可視状態、全世界的な極夜の恒久的な維持。

結果的に地上は全ての生命が生存不可能な環境へと変化し、 GH-0"デッドグリーンハウス"シナリオ、BK-クラス"壊された虚構"シナリオの併発に至りました。現在のプロジェクト・スカイハイの主たる目的は人類文明の再興、及び地上環境が改善されるまでの人類種の保護であり、最低限の生存に不要と判断された地上の技術は全て放棄されました。これらのロストテクノロジーに依存していた民間人らは依存症候群を発症するなど、精神的な異常を発現しています。現在多くの民間人は各国サイトに用意されたシェルター内部で隔離生活を行っており、その精神状態は極めて不安定だと推測されます。この状態がいつまで維持できるかは不明です。

全ての起因となったのはSCP-1360-JPを通して接続されていた並行世界との通信の途絶です。最初期のプロジェクト・スカイハイの実行以降、基底現実ではSCP-1360-JPの生成プロセスが繰り返されていますが、その接続先に存在するであろう並行世界との連絡は不可能でした。並行世界で何らかのシナリオにより財団が機能を喪失した、或いは"向こう側のSCP-1360-JPは完全な根絶に成功した"等であり、可能性としては後者が挙げられます。SCP-1360-JPがヴェールの維持が不可能な段階まで拡大した時点で財団はヴェールの棄却を宣言、各国政府の指揮権を掌握し、民間人の抑圧、及び収容・保護に移行しました。以降の凡そ10年間、財団はインフラの整備、及び文明の再興、技術の進展の為あらゆる手を尽くしました。結果として各サイトのシェルター間での簡易的な通信媒体は完成、ガスや電気などのライフラインの普及にも至りましたが、地上の汚染の完全な回復の目途は立っていません。

君がこれを見ているのなら、未来もまた極夜に包まれているのだろう。

我々は過ちを犯した。恐らくは、もっと早く隔壁を取り去れば良かったのだろう。或いは、我らに歩む道など無かったか。つまるところ我々は、虚飾だけを眺めていたのだろう。今ならアレが忌まわしいと言い、彼が全てを治せると言った意味も分かるのだろう。最も彼らは変わってしまったが。彼らは存在意義を失ったかのように。毎日を牢獄の中で過ごしている。此処には悪疫も忌まわしい存在も居ないのか、或いは手遅れだったのか。

我々は未だ諦めない。我らの体を燃やし、軈てそれが朽ちる時まで闘う。

……だが、懐かしくも思うのだ。溶鉱炉の明るく燃える火を、灯篭に灯る黎明の光を、我らを照らす女神を。何もかもが風前の灯火だった。我々はそれを自ら消してしまったのだ。残り僅かの油もいつまで保てるか分からない。今日も、明日も極夜だ。我々にとって明日を気にすることなど不要だったが、こうも酷いと明日を眺めたくなるものだ。こうなる事など、八目先を読もうが、誰が予想できただろうか。

月は昇らず、宵闇は明けず。我々は闇夜を歩み続ける。

 

極夜が我らを支配する。

   監督者

財団は現在もSCP-1360-JPの収容を放棄していません。監督評議会はSCP-1360-JPをTiamatに特別定義し、各サイトは更なる収容のための研究を行っています。

image

現在のSCP-1360-JP。

—]


scp jp esoteric-class 三題噺言霊競演21 時空間 k-クラスシナリオ 破壊不能 ポータル 未収容



ページ情報

執筆者: Enderman_desu
文字数: 19691
リビジョン数: 53
批評コメント: 4

最終更新: 04 Jun 2021 06:28
最終コメント: 04 Jun 2021 02:39 by Enderman_desu

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