私がついに着陸したこの場所は、故郷ではなかった バックアップ用
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マリファの子らは神の塔を駆け上がった。天国には太陽を拝む為の木は無かったからだ。

メム-エァ-ルゥ-アは神の塔へ昇り空が青から赤へ、緑へ、最後には黒へと変わっていくのを目にした最初の人々の一人であった。メム-エァ-ルゥ-アが目を覚ましたら最初にすべき事は、他の子供達のようにマリファの祝福を足へ受け、街を観光する事だ。

他の子供達と同じものを食べていたというのに、メム-エァ-ルゥ-アは、遺跡の至る所を観光するとき、小躍りする子もいるというのに、彼女はとても優雅であった。時代が違えば、子供達はメム-エァ-ルゥ-アの才能に嫉妬しただろうが、この世界は彼女を褒め称える事しか出来なかった。全てが天の支配下にある時、良いものと悪いものの性質とは一体何なのだろうか?

メム-エァ-ルゥ-アは素晴らしい街を見下ろしながら、建物から建物へと跳び移っていた。多くの地区が水没し、それを免れた地区も消える事の無い炎に包まれていたというのに、最悪にも、昔と変わっていないように見えた地区があった。そこはガイヤの狩人達が住んでいるのだ。人の肉を喰らい、その眼光で人を灰へと返すような死を招く危険な男達が住んでいた、なんていう話だ。

とうとう、彼女はこの街で気に入っている場所へと到着した。頂上付近には古代の言語で書かれた看板があった。神の都を訪ねたある旅人が言うには、メム-エァ-ルゥ-アと同じ発音をしているとの事だ。そして彼女は、その旅人が塔の名を「メットライフ」と発音した事を忘れてはいない。

メム-エァ-ルゥ-アは塔をよじ登っていると、空いている窓を見つけ、中へと入った。建物の中へは入ってはならない、外にいなければならないと言われていたのに。しかしながら、メム-エァ-ルゥ-アは古い建造物について学ぶのが好きであった。彼女は正真正銘のベラーであった。

古代人ベラーは、世界中を旅して一万もの不思議を捕獲したと言われている。彼はまだ水を泳ぎ、木が育っていたような時代に生きていた。一部の賢人達は、アビルトが最後の木を切り落とした時、ベラーは彼を殺し、マリファの世界に秩序をもたらしたという話を思い出した。 

メム-エァ-ルゥ-アは広大な廊下を通り抜けて部屋をちらりと覗く。多くのものは手付かずであり、太古の錠剤や他の遺物も残されていた。

突然、あちこちへと目線をやっていた彼女は、気付くと宝物に目を奪われていた。それは白く薄いシートで、下部には小さな絵が描かれていた。その絵は木のようだった。彼女はその絵を破り取り、すぐさま塔から出ようとした。

ドカーン!

メム-エァ-ルゥ-アは本能的に跳び上がり、オフィスデスクの後ろに隠れた。爆発の原因の全ては近くに、恐らくは上階か下階にいるのだろう。

彼女はボロボロになった木の床に横になり、額に汗を流しながら窓へと這い寄った。爆風は神、不思議、部族の人など何とだって出来る筈だ。天の偉大なる国では、司祭は若い神官達に、街で異常事態が起きたら、逃げるように言っていた。だが、メム-エァ-ルゥ-アは何年も前に宇宙の道理を辿る事はやめているので、ベラーの叡智に従う事を誓った。

メム-エァ-ルゥ-アは窓の端から階下迫り来る音の主を見た。彼女はガラスの破片へと足を踏み入れ、壁に沿うように歩き、窓の上から階下を覗き込んだ。

彼女は窓越しに爆発音の原因を見た。それは、旅をしている天使のように煙と火花を散らしていた。

カプセルからシューという音が鳴り、ドアが横から飛び出す。中からは白い服をまとった男が出てきた。メム-エァ-ルゥ-アはシャツの端に書かれたSCPというロゴよりも、彼の手に持っている武器よりも、彼の服の異質さよりも、彼の肌の澄み切った美しさに一番衝撃を受けた。彼のような柔らかそうな肌の持ち主は、マリファだけであった。

メム-エァ-ルゥ-アの目がキャビネットを覗いていたので、その男は振り返ってちらりと見た。彼女は見られないように引っ込んで隠れたが、既に遅かった。


一体全体何がどうなってやがるんだ?サムソン中尉はそう思った。彼は着陸船から顔を覗かせみる。ここは何処だ?見たところ、オミクロン・ヌルではねぇみたいだし。彼は部屋を見渡した。

サムソンはバックパックの中から拳銃を手探りで探した。彼は世界中の仲間たちに会う途中であったのだが、何らかの事情で、彼の送り込まれたエクストラバーサル・ジャンパーは放棄された建物のようなところへと墜落した。埃にガラス、それに哀愁のような感覚を至るところから感じた。机はひっくり返り、隅にはヒビの入ったガラス板があった。

サムソンはジャンパーの外へ出ると、倒れた戸棚の側から、移動する人影に気付いた彼は銃を構えた。

サムソンは前へと勢いよく飛び出すと、彼は自身を取り巻く周囲の全貌を理解する事へ重きを置いた。彼は戸棚に近付き、勢いのまま走って銃を向けるが……子供がいるなど予想外であった。

彼は辛うじてその子供が少女である事だけは分かった。汚れた服を着て、口から首までの顔の大部分を覆う布をつけていた。興味深いのは彼女の顔に刻まれた数カ所の彫られた傷である。額に「M」、左頬に「E」、右頬に「L」、鼻には「A」の四文字が彫られていた。

詳しい事は分かんねぇけど、俺はまだ地球上にいるのかもしれねえな」「よぉ嬢ちゃん。英語は話せるか?」その子供は彼を見つめたままであったが、その視線は恐怖よりも好奇心の方が勝っていた。

待てよ、俺なんか持ってたような。サムソンはリュックを下ろすと、ジッパーを開ける。それだけの単純な動作で子供が怖がってしまったので、それを後ろへやっておく。

「心配するなよ、しーっ」サムソンは穏やかな動きを心がけて話した。家に帰る少年たちをゾッとさせる何かであるように。

彼はカバンの中から堅パンを取り出すと、それを二つに折った。彼は片方を自分の口にくわえ、もう片方を子供の前へと差し出した。

その子供は堅パンを受け取ると、顔に巻いていた布を外した。サムソンが驚いたことには、その子供の唇は縫われており、喉には小さな傷があった。彼女は受け取った食べ物をとても小さく砕くと、ゆっくりと投げ入れた。サムソンからはこの場所がまだ彼の知る地球であるという考えはすぐに薄れていった。

子供は戸棚を飛び越えると、カプセルの近くへと向かった。しばらくカプセルを見つめていると、サムソンがやってきた。彼女はカプセルにちらりと目をやると、見覚えのあるイメージに目に留めた。二重の円に対して、三本の突起が内側に向き、その突起の縁は縁の外に飛び出していた。

「読めるか?」サムソンは書かれた文字を指でなぞりながら、「これはマルチ……バーサル……S……C……P……」と説明した。メム-エァ-ルゥ-アの耳はピンと立っていた。

彼女は何か言うよりも前に、サムソンの前に立ち、片手で矢を掴むと、あたりの空気を静寂で貫いた。

サムソンは自身らが攻撃されたことに気付くと、時間の流れを遅く感じた。サムソンはホルダーから銃を取り出し、しゃがみ込む。メム-エァ-ルゥ-アはサムソンの背中に飛び乗ると、窓のところまで案内をした。そこから、彼女はサムソンがはっきりと見れる階下を指さした。

そこには、獲物を捕らえる準備の出来た三人の狩人が待ち構えていた。

「とうとうか、楽しくなってきたじゃねぇか!」この中尉はそう言って笑った。

中尉が階下を確認すると、横転した車を発見した。地上からは二、三階しか離れていないので、彼は飛び降りれると判断し、そうしたのだ。


メム-エァ-ルゥ-アは彼が建物から飛び降りるなんて思ってもいなかった。彼の足は衝撃をそのまま受け、彼女は彼が祝福されていないと分かった。彼女は彼の背中のタイツ素材の生地を掴むと、地面にぶつかりながらもしがみついた。

その綺麗な男はたくさんの矢をかわしながら走り、複雑な構造をした機械の後ろへと隠れた。ずっとお飾りだと思っていたので、彼女はこれほど素晴らしい盾となるとは思っていなかった。

矢が機械を撃ち始めると、その綺麗な男は言葉を話し出した。しかし、前と同じく彼女は何一つ理解出来なかった。彼女は盾の上から、三人の狩人を覗き見た。彼らは皆黒いマントを羽織り、顔には暗赤色の塗料が塗られていた。そのうちの二人は弓を持ち、一人は素手であった。

意外な事にも、狩人達は射撃をやめ、武器を持たない狩人が話を始めた。

「見よ!世界には二つのものがある、神々と人間だ。もしあなたが人間ならば、あなたは死ぬであろう。もしあなたが神々ならば、我々が死ぬだろう。生きて、死す。その形式を永遠に繰り返そうではないか。我々はガイヤの息子で……」

綺麗な男は、防壁の先へ目をやると、不可思議な武器を狩人達に向かって放った。

……光よりも速い動き。それはメム-エァ-ルゥ-アが綺麗な男が撃った金属の塊を狩人のリーダーが掴んだのを見たものだった。

「ああ」素手の狩人は目を閉じてそう言う。「ガイヤは今日も我々を祝福なさっている。虐殺のために子羊が一匹増えたのだ」

綺麗な男は独り言を言って、そして走った。目を閉じたまま、本能の赴くまま、瓦礫の中を疾走した。

振り返ってみると、三人の狩人達が追ってきているのを男の背中にぶら下がるメム-エァ-ルゥ-アは目にした。一人は空を飛び、一人は地面を走り、そのリーダーは男が来るのを待っているかのように静観していた。

続く


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