おはなさがし - SCP-JPサンドボックスⅢ

おはなさがし

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クレジット

タイトル: SCP-XXX - おなはさがし
著者: kentacom kisaragi 0827
制作日:2022/10/25

画像
ファイルページ: Haikyo no bashyo
ソース: https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:%E5%BB%83%E6%9D%91%E5%85%AB%E4%B8%81_02.jpg
ライセンス: CC BY-SA 4.0
タイトル: File:廃村八丁 02.jpg
著作権者: Indiana jo
公開年: 2020/10/24
補足:

以下の文字を、あなたは読むことができますか？

お花を探せましたか？

下線部の全てを読む、もしくは覚えていられなければ、この報告書を読むことはできないでしょう。恐らく、これの以下には、何も表示されていないように見えるはずです。

もし読めるようであれば、そのまま下へ

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SCP-000-JPによって更地になった一例である山梨県冨士元村

アイテム番号: SCP-000-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-000-JPを収容する担当職員は、記憶補強薬を服用することが義務付けられています。

SCP-000-JP群の出現エリアはそのエリアの外縁から500mの範囲が封鎖され、常に5人以上の職員によって監視されます。SCP-000-JPの出現エリア内部の調査は遠隔ドローンによるもの以外はいかなる方法でも許可されません。

既知の都市の人工物おいてSCP-000-JPが発見された場合、すぐにその人工物を隔離、封鎖し、半径10mにいかなる人工物も侵入しないようにしてください。それが建物であった場合、その建物が所属している地域一体を封鎖し、その村や町に繋がる舗装道路や電線を物理的に除去、切断してください。その一連の手順が終了した場合、市区町村コードやホームページなど、その地域に関してのあらゆる情報を財団データベース以外から削除してください。

SCP-000-JP群による影響が消失、もしくは消失が懸念される元市区町村に関しては、影響の消失時に近隣住民に対してカバーストーリー『拡張のための開拓』を流布し、事前に元市区町村に関しての知識を有している者に対してはAクラスの記憶処理を実行してください。

説明: SCP-2787-JPは日本の██県██市の██町が存在していた場所で初めて発見されたシロツメクサ（学名： Trifolium repens）と類似性を持つマメ科シャジクソウ属の植物です。現時点で、SCP-000-JP群の影響下にある市区町村はおよそ10程度であると見られます。

SCP-2787-JPは、未知の手法で人工物に対して異様な速度で自生、成長、増殖をする性質を持っています。SCP-2787-JPの自生、成長は人工物の浸食を招き、結果的に破壊、倒壊をもたらします。自生する人工物が植物性のものである場合、SCP-2787-JPの一連の増殖プロセスの進行速度は極端に低下します。

SCP-000-JPは以上の異常性に加え、SCP-000-JPとその周囲にある人工物に対してのあらゆる認識を阻害します。SCP-000-JP単体ではその影響は半径数センチメートル程度ですが、SCP-000-JPが民家全体に広がった場合、その民家と半径数百メートル程度の範囲が認識阻害の影響下に置かれます。SCP-000-JPの影響下にあるものは、既知、未知にかかわらず、影響下にあるものの名前、場所などの情報が未知の手法によって認識できなくなります。SCP-000-JPの影響下にあるものは外部から最初からなかった事として認識されるため、その発見、情報を認識阻害に耐性のない人間から収集することは困難です。SCP-000-JPの認識阻害の程度はその規模によって多少異なりますが、記憶補強薬の服用によって認識が可能です。

SCP-000-JPはエリア内の人工物が全てSCP-000-JPによって、もしくは何らかの要因で倒壊し、SCP-000-JPの自生が不可能な状況になった場合、通常のシロツメクサと同等の速度で成長します。この状態でのSCP-000-JPの新たな繁殖は確認されていません。エリア内のSCP-000-JPが全て死滅した場合、SCP-000-JPによる認識阻害の影響は全て消失します。この場合、SCP-000-JPの影響下に入る前にその市区町村などについての知識を持った人間はそれらの情報を再認識出るようになります。SCP-000-JPの認識阻害の影響とその強度は、SCP-000-JPの数が減ったとしても、SCP-000-JPの全てが消失するまでピークの状態が保持されると見られています。

SCP-000-JPのエリア内にはその認識阻害の影響によってほとんどの動物が侵入できず、かつエリア内はほとんどSCP-000-JPによって埋め尽くされているため、エリア内に新たに自生できるSCP-000-JP以外の植物は雑草などの小さなもののみです。そのため、最終的にSCP-000-JPのエリア内はほとんど更地になり、SCP-000-JPの影響が消失した場合影響下にあった人々には、突然に更地の土地が出現したように感じられます。また、事前にその市区町村についての知識を持っていた人は、その土地が元々その市区町村であったと認識します。そのような人々を全て発見するのは困難であるため、現状では近隣住民に対しての記憶処理のみ行われています。

異常の性質上、持ち込んだすべての人工物がSCP-000-JPの自生対象になるため、SCP-000-JPの影響下にあるエリア内の長期探索は困難です。

事案-000-JP-1-202█/██/██: 財団の認知していないSCP-000-JPのエリアの影響が消失しました。事案の元である今田津村は、平安時代末期に山梨県の富士山近辺に存在していた数十人規模の集落であると見られます。現代ではその情報を知るものがほとんどいない事から、封じ込めは容易に完了しました。今まで発見されなかった理由については、今田津村が小規模な集落であったことが主な原因であると思われます。

今田津村は現状で確認されている最古のSCP-000-JPの認識阻害エリアです。

事案000JP-2-203█/██/██: 事案-000-JP-1とは別のSCP-000-JPのエリアの影響が消失したことによって、少数の一般市民の目に触れた事案が発生しました。事案の元である今田季村は、平安時代中期初期に富士山近辺に存在していた今田津村と同規模の集落であると見られます。今田津村は今田季村と同じく古い村であったため、封じ込めは容易に完了しました。今田津村と今田季村は数キロメートルほどの距離を隔てた近い場所にあり、事案000-1発生時点でSCP-000-JPのドローンでの捜索を半径数キロメートルの範囲で行っていたにもかかわらず、今田季村を発見できなかったことから、SCP-000-JPの認識阻害性についての認識が間違っている可能性が懸念されています。そのため、付近のSCP-000-JPの捜索が機動部隊ん-1（"雉打ち"）によって半径数十キロメートルの範囲で行われました。結果は以下です。

これより下の文章は、機動部隊ん-1（"雉打ち"）の職員によって書かれています。

注意: これより以下の部分は、従来の記憶補強薬を服用している職員であっても、認識阻害の影響を受ける部分です。あなたがここに戻ってきた時、これより下を認識しなくても、心配しないでください。この部門の人間であれば、それをよくわかっているはずです。

もしかしたらこれを読むのは数回目かもしれないので、最初から読まないことをお勧めします。それでも読み進みたいのならば、まずは読み進み始めた時間をメモすることをお勧めします。

事案-XXXX-JP-2を受けての、今田津村及び今田季村付近の調査の終了報告書 - 日付20██/█/██

以下の文字を、あなたは読むことができますか？

お花摘みは済みましたか？

下線部の全てを読む、もしくは覚えていられなければ、これを読むことはできないでしょう。

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今田津村と今田季村は、SCP-000-JPのほんの一部です。正直びっくりしました。富士山の麓から北数キロにかけての土地は、全部SCP-000-JPの餌食でした。と言う事は、そこらへんには村がありました。いや、村と言うか、都市がありました。私にはセキュリティクリアランスの制限をかける権限はないので、強い反ミームで守られていて安心しました。詳細は以下です。

説明: 今回調査した、富士山から北にかけてのSCP-000-JPのエリアを、エリア000-1として話します。

エリア000-1は、富士山北北西部五合目から東部にかけての25平方キロメートルの範囲に存在します。この部分は世界では富士山の麓の森であると認識されていますが、実際は平安時代中期に存在していたと思われる都市です。航空写真（といっても誰にも認識できませんが）によると、円弧を描いているように存在していることから、富士山を取り囲むように存在していた都市の一部のようです。都市の名前は、構造物から推測するに『今立』であると思われます。地面は平城京のように石によって舗装されており（かろうじて石と分かるくらいにはボロボロですが）、SCP-000-JPは専らそこに自生しています。円弧の他の大部分は、とっくにSCP-000-JPによって腐食されつくしたのか、それともこの都市が未完成だったのか、SCP-000-JPに気づいた当時の御方々の努力によっての努力でこの街だけ隔離されていたのか。正暦 1年、西暦990年には存在していたようです。

今田津村及び今田季村は、このエリア000-1の、離れの村です。多分この都でSCP-000-JPが発生したときに、何らかの形で種子などが紛れ込み、餌食になったのかもしれません。

これを収容するにあたって、二つ厳しい状況があります。

まず、このエリア000-1のSCP-000-JPは、範囲の一割程度しか現存していません。頼みの綱の石畳は、ほとんどがSCP-000-JPによって朽ちています。現存しているSCP-000-JPも、多くが既に朽ちた建物から『落ちた』状態で存在しています。これらをどうにかする方法は、エリア内に森林移植して航空地図との辻褄を合わせ、この平城京を超える大都市の文献を我々72人のみで血眼で探し、全て燃やしきる事。それか、反ミームの壁を作っている彼らにエサをやって、この忌々しい花どもの養殖をするか。この部門に全自動で空中から水をやれる機械があればの話ですが。

二つ目は、そもそもこれだけの大規模収容を、我々72人だけでどうすればいいかと言う事です。そもそも、我々のような反ミームに先天的な耐性を持っている人間を日本支部中からから探し当てて、この数です。我々が他の職員に、理由を言わずに何々をしろと言って実行するための部下はいますが、この領域の対処だけは、我々が独断で行わねばなりません。何しろトップですら、このお花畑を知らないのですから。

以下、20██/█/██加筆。

それで、あなたはこのお花畑を知っているようですね。とてもうれしい事です。あなたがこの報告書以外に、疑問に思っていることを当てて見せましょう。

日本はどこに行った？

合ってましたか？　いえ、合っているかどうかは、もうこの際どうでもいいのです。もはや多くの人にとって、日本列島はこうなってしまいました。

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現在人々によって認識されているであろう日本地図

これが、今全世界の人間が認識している日本です。彼らにはこう見えているのです。都道府県は最早47ではなくなり、そもそも「都」は消えました。そこに元々居た人は、全ての記憶を失った傀儡となりました。そして、歴史は改変されたわけではありません。明らかに整合性のないものです。誰かが思うでしょう。「なぜ日本に首都ってないんだろう？」と。『47都道府県』と言う文字を見て、実際に都道府県を数えて、「47もないぞ？　そもそも都がないぞ？」と思う人も出てくるでしょう。人口統計、家系図、連絡先の数、「どこか」で買ったもの。もはや、反ミームの壁は、中途半端な半透明なベールとなってしまいました。

最早、我々72人ではどうしようもないのです。

もし、あなたがこれを読める/読んでいるのならば、そして日本を戻したいのならば、我々の仲間に加わってください。我々72人では、母国が少しずつ、世界の認識から消えていくのを見るほかないのです。このページは忌まわしい反ミームの壁に守られながら、全ての国々へと発信されています。どうか、10000人に一人の、正常を保っている方々。我々の仲間になってください。

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