闇寿司ファイルNo.342 "乗客のすし詰め"

現在このページの批評は中断しています。

rating: 0+x
blank.png
train

このようにして満員電車に押し込む

概論

通勤通学ラッシュ時、満員電車に押し込まれて生成するものが乗客のすし詰めである。この日本国において東京都市圏の人口過密は限界を遥かに超えており、サラリーマンや学生は列車の決して大きくない空間の中に過剰充填されて運ばれることになる。満員電車内の乗客は異常圧力による病的なストレス応答を起こし、自我が希薄化し融け合い、無感情な一個の集合意識1を形成する2
これをすし詰め=鮨詰、寿司と見立てる。そうすると線路は回転寿司のレーンであり、電車は鮨詰を詰めた箱であり同時に食器たる皿となる。そして乗客たる寿司を食べるのは会社、ブラック企業や各種学校であり、彼ら彼女らの人生を消費することが食事と同義と分かる。ならばループする環状線、山手線沿線の企業・学校は山手線回転寿司店の客なのだ。乗客のすし詰めは毎日電車に積まれて運ばれ、彼らに残されたもの、すなわち苦痛や絶望、そして死をそれらの組織がその場に坐したまま談笑しながら食べ尽くす。

このように捉えることで乗客のすし詰めを形而上学的スシブレード3と化すことができる。この場合、寿司を回す主格は企業となる。我々闇寿司が傘下に収めた回転寿司チェーン企業をスシブレーダーとして、乗客のすし詰めをスシブレードとして回すということは敵対組織への形而上学的スシブレード攻撃を可能にさせるということを意味するのだ。これらの概念をスシブレード形而上学とする。

形而上学的スシブレード運用

破壊力

耐久力

行動力

持久力

命の重さ

操作性

コスパ

隠蔽性

{$label9}

{$label10}

乗客のすし詰めは物理的なスシブレード化をせず、スシブレード形而上学概念化でのみスシブレード化させて運用させることを前提としている。
以下の記述は実際に乗客のすし詰めを形而上学的スシブレード化した際の実験データを参考に記述している。
私は闇寿司傘下回転寿司チェーン企業の役員名義を用いて、その会社概念をスシブレーダーとし本社社屋4を肉体として山手線の満員電車中の乗客のすし詰めをスシブレード化した。乗客のすし詰めをより高圧縮化するため日本政府に働きかけ、COVID-19パンデミック下の緊急事態宣言によるJR線の減便を要請させた。乗客の数は減らず電車の数は減るためより高密度な乗客のすし詰めができるという訳だ。結果生成された乗客のすし詰めの形而上学的スシブレードは形而下的、実際的、物理的にスシブレードではないが、企業・組織間の相関性を攻撃できる高レイヤー下でのスシブレードとなっている。従来の物理的スシブレードで人間を殺めるように形而上学的スシブレードは企業を殺めることができるという訳だ。乗客のすし詰めは物理的には回転しないものの彼ら乗客の回転の形而上学的実体、不幸の連鎖の悪循環は高速で回転し、全員がCOVID-19を発症。それをスシブレード操作し某寿司屋に撃ち込んだところ、集団クラスター発生としてその寿司屋は閉店に追い込まれた。つまりこれがスシブレード形而上学的概念レベルにおいてのスシブレード殺傷5ということになるのだ。

企業間抗争において非常に強力な破壊力を示した。一方、異常圧力に潰されたすし詰め達の肉体的耐久力は低く、型に嵌められた精神により自律的な行動はほぼできない。うまく使わなければスシブレードとして十分長い時間維持できず、命の重さは尊厳ある人間として低いと言わざるを得ない。虚ろな集合意識たる乗客のすし詰めの操作性は高く様々な働きをこなせる可能性がある。そして間接的な作用によって乗客をすし詰めとしてスシブレード操作する形而上学的スシブレードであるためその物理的スシブレーダー6を探し出すことは一定以上の困難を伴う。

他の活用法

あくまで形而上学的スシブレード化によるものだが、攻撃的な使用以外にも仕事が突発的に増えた際などに臨時雇用に利用することも可能かもしれない。
まだまだ研究途上のテーマであり応用は様々に考えられる。

エピソード

上記の実験時においてスシブレード形而上学の実証が得られた後、実戦使用を行った際のエピソードである。
私は同様の手法で、終電切り上げ時の夜ラッシュでの満員電車内に押し込まれた乗客のすし詰めをスシブレード化した。今度の目標は闇寿司の不倶戴天の敵、回らない寿司協会そのものである。私はその満員電車の車掌室にて、圧縮され一体の原形生物と化した乗客のすし詰めを観察していた。しかし同時刻、山手貨物線7から貨物列車が進入し乗客のすし詰めの載せられた満員電車の後ろにピッタリとついてきた。貨物列車の上には一人の男が仁王立ちしていた。それと同時に強力なスシフィールド反応、乗客のすし詰めのスシフィールドと別のスシブレードのスシフィールドの衝突が観測され、私の視界は突如、山手線をレーンとする巨大な回転寿司屋へと引き上げられた。

山手線回転寿司店内、大勢の雑多な様相の客が談笑しながら寿司を食べている。その中でスシブレード土俵を挟んで水棲妖怪がこちらを睨んでいる。
無論それは実際の、物理現実の光景ではない。形而上学的概念をスシフィールド交感作用によって脳内で映像として受け取っているに過ぎない。
満員電車に詰められた乗客のすし詰めはレーンを流れる回転寿司、そして後ろの貨物列車もおそらく同様の意味で寿司、線路はレーンで、山手線沿線に立ち並ぶ企業や学校は回転寿司を食べる客、ならばこの形而上学的風景こそノイズに溢れた物理現実よりも実体に近いという事が理解できる

そして物理現実において貨物列車上にいる眼光の鋭い男は、スシアカデミアでも名が知られるスシブレーダー、有田である。

有田: また闇寿司が食べられもしない寿司8を握って悦に入っている!ドーモ俺の名は有田だ!

リネーム: スシアカデミアの有田さんですね。お初にお目にかかります、私は闇寿司本社工場工場長にして闇寿司四包丁、食品機械用切断刃のリネームと申します。

有田: リネーム?変な名前9だな!リネーム!なんにせよ貴様ら闇寿司のやっていることは全てお見通しだ!無関係な通勤通学客を操り破壊工作を企むなど言語道断!俺の寿司で叩き潰してくれる!

リネーム: そういう事ならばスシブレード勝負という事になりますね。確かあなたはマグロの握りの名手と聞き及んでいますが、今回のあなたの寿司はそこの貨物列車に?

有田: ああ、これがその満員電車を倒す寿司、貨物列車に満載されたマグロの切り身、スーパー・マグロ・エクスプレスだ!

破壊力

耐久力

行動力

持久力

命の重さ

操作性

コスパ

隠蔽性

{$label9}

{$label10}

私の視界には世界の二つのレイヤーが同時に合わさり見えていた。一つは現実の、物理学上のレイヤー、満員電車の後ろを走る貨物列車、もう一つは形而上学レイヤー、山手線回転寿司店でスシブレード土俵越しに水棲妖怪がマグロの握りを携えて対峙している様子だ。そして直感した、スーパー・マグロ・エクスプレス10形而上・形而下、そのどちらの意味でもスシブレードであるということを。

こうなるとこちら側も方の意味でのスシブレードとして対抗しなければならない。
物理学レイヤーにおいて満員電車車掌室内の私と貨物列車上の有田が箸をそれぞれの寿司に添え、形而上レイヤーにおいては両傘下の回転寿司チェーン企業、闇寿司との関わりを暗示するくらやみから名を取られた寿司企業とスシアカデミア傘下の水棲妖怪をマスコットとしその名を持つ寿司企業が箸を持ち、寿司を構えた。

水棲妖怪の寿司はマグロの握り、対するくらやみを纏った男の寿司は携えた鮨詰めから取り出した一個の人肉の押し寿司。奇妙なことにその鮨詰めにはただ一つの押し寿司しか入っていなかった。

両者と両社: 3、2、1、

形而上レイヤーにおいて両社が放った寿司は土俵上でぶつかり合う。マグロの握りは人肉の押し寿司に弾き返されるが何度も反転して攻撃を重ねる。しかし人肉の押し寿司は攻撃に対して粘り付くようにほとんど動じず、少しずつ少しずつマグロの握りを土俵際に追い詰める。

物理学レイヤーにおいては、走行中の満員電車から乗客達がドアと窓をこじ開け、そのままそれぞれが回転しながら夜の東京上空に飛び出す。貨物列車からも大量のマグロの切り身が回転射出され、空中でぶつかった。
回転しながらマグロを貪り喰らう乗客たち。満員電車に物理的に入りうる容積の10倍を超える量の乗客は貨物列車に満載されたマグロの切り身を喰らい尽くさんばかりであった。

有田: なんだと…… なんだその量は!

リネーム: 満員電車に乗ったことがないんですか?あのように圧縮されて大量に輸送出来るようになっているんですよ。これは私の勝ち…… おや?

土俵際ギリギリで粘っていたように見えたマグロの握りがじわじわと人肉の押し寿司を押し返してきている。よく見ると人肉の押し寿司を構成するシャリがボロボロになって周辺に弾き飛ばされ、形を崩している。マグロの握りの方も回転数が落ちてきているように見えるが、人肉の押し寿司は回転数よりも回転自体の軸がかなりブレ始めてきていた。

物理学レイヤーに視界を移すと乗客たちの食べる速度が目に見えて鈍ってきたのがわかる。
すし詰めは次々と上空から落とされていく。限界を超えた食べ過ぎによって意識を失ったようだ。
満員電車における極度のストレスがもたらす食欲不振の影響を過小評価しすぎていたようだ。マグロの切り身に味付けがなかったことも敗勢の一要因か。

ならばと私はスシブレードを操作し消化器官内容物を廃棄させようと試みるが、その操作が受け付けない。
なるほど、乗客のすし詰めは社会性により満員電車の中に押し込まれて生成されたもの。そういった意味で社会性に縛られるすし詰めは食事中に、服を着たまま、そのような行為など出来はしないわけだ。考えればわかることであった。


人肉の押し寿司はバラバラに破壊され、くらやみを纏った男がそれを食べている。その対面で水棲妖怪が勝利の雄たけびを上げた。

マグロの切り身はあと少しといったところだが、すし詰め達は全員が地に落ち、倒れ伏せていた。
私の負けである。

有田: …… ハハハ!どうにかだが俺が勝ったぞ闇寿司!

山手線回転寿司店長: ああ、お前の勝利だ。よくやったな坊主。

有田: !?何者だお前!

この瞬間、形而上・形而下両面スシブレード勝負は終わり、形而上学的山手線回転寿司店スシフィールド空間は消え去った。
有田が狼狽している間にちょうど電車が駅に着いたので、私はそのまま降りてタクシーで直帰した。


スシブレード形而上学は非常に興味深いテーマであり乗客のすし詰めは企業間抗争に有用なスシブレードであったが、満員電車一両の乗客のすし詰めのコストは高く、また今回対抗手段も開発されたこともあり常用する手段としては問題点が浮かび上がった形である。

しかし、形而上学的スシフィールドにより形成されたと思われる山手線回転寿司店、その店長。最後の瞬間現れたあの存在をどう解釈するかは判断が分かれるところだが、彼をあるいは形而上学的精神酢飯漬けといったモノにより闇寿司の味方につけることでの勝利の追求など様々な方策が考えられ、この分野は未だ開発途上であると言える。

そして、有田は気づいているのだろうか?スーパー・マグロ・エクスプレスが闇寿司の範疇であることを。寿司職人は闇寿司の思想に触れることで精神が拭えない闇で汚染される。彼が闇に堕ちるのも時間の問題だろう。
自分が戦うだけが闇寿司の戦い方ではない。敵や第三者を闇寿司へと導いていくのもまた闇寿司だ。これらを以て乗客のすし詰めの成果としたい。



形而上学的スシブレード勝負に要する時間は通常のスシブレードと比べ非常に長い。
夜は明け、放り出されていた元乗客のすし詰めはまた電車にすし詰めにされるために起き上がり駅を目指す。
灰色の空からは雨が降り始めてきた。

この世界を作り動かしているのは食べる側か食べられる側か。客が食べて寿司を支配しているのか寿司は食べられることにより客を支配しているのか。それらは何者にも答えることの出来ない問いである。


関連資料

闇寿司ファイルNo.041 "手裏剣"
圧縮加工により高い硬度を得た寿司。乗客のすし詰めはこれ以上圧縮すると重力崩壊を起こしブラックホールになる可能性が指摘されている。

闇寿司ファイルNo.911 "広末孝行のたたき"
ヒトのスシブレード化においては様々な先行研究がある。

なぜ何もないのではなく、何かがあるのか - Wikipedia
形而上学の領域で議論される有名な問題。ドクタートラヤーは漁師力学的解釈によりその理由を追求した。

ニクデンシャ属の種間形態的差異から見る進化概念歪曲現象の圧力
パラレルワールドから入手された文章。ニクデンシャと乗客のすし詰めの詰まった満員電車は奇妙な相似を見せる。

人員増員稟議書の書き方
今回の形而上学的スシブレードに負けた結果、すし詰め達の人生を消費するため大幅な人員増員を余儀なくされた。

文責: リネーム

ERROR

The tateito's portal does not exist.


エラー: tateitoのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:6719937 ( 09 Aug 2020 13:25 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License