SCP-XXXX-JP 桜

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP 桜
著者: ©︎Suzuki Sun
作成年: 2021

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス:

特別収容プロトコル: 現在SCP-XXXX-JPは、思念性／精神影響／ミーム的アノマリーならびにSCP-XXXX-JP-2の封じ込めに有効なため、世界中に植生している「桜」の保護と監視を行なっています。またSCP-XXXX-JP-2の活性化が確認された際は、後述するサクラサク・プロトコルに従い対象のアノマリー（SCP-XXXX-JP-2の蔓延など）に対する抑制を行います。

説明: SCP-XXXX-JPは、人間が「桜」を直接視認した際に発生する認識災害、または認識災害を受けた人物が「桜」について言及した際に発生するレベル4情報災害です。

SCP-XXXX-JPの影響を受けた人物（SCP-XXXX-JP-1に指定）は「桜」という存在に対し好意的な印象を持つようになり、その多くは落下する「桜」の花弁を美的価値のある光景と認識するようになります。また「桜」の花弁を模倣した紙切れを落下させた場合にも同様の反応を示すことから、SCP-XXXX-JP-1は異常性を持たない別種の桜の花弁が落下する光景に対しても、美的イメージを受けることが判明しています。

SCP-XXXX-JP-2に指定されているアノマリーは、元々はSCP-████-JPにナンバリングされていました。SCP-XXXX-JPとの関連性が高く、サクラサク・プロトコルの収容対象に指定されているため、本報告書に統合されました。

以下は、当時財団データベースに登録されていたSCP-XXXX-JP-2の報告書です。

アイテム番号:

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル:

説明: SCP-XXXX-JP-2は後述する異常性を保有する、精神／概念／病的存在です。以下はSCP-XXXX-JP-2の影響を受けた人物に見られる症状の抜粋です。

・SCP-XXXX-JP-2の影響を受けた人物（以下、罹患者）は即座に消極的な態度を取るようになります。これは罹患前の本人の性格により多少の相違が見られますが、心理学的診断においては概ね内向的、基準値より高い誠実性、高い協調性、低い意思表示性を示すことが分かっています。
・SCP-XXXX-JP-2は罹患者に対し基本攻撃的であり、主に精神負担、体調の悪化、思考力の鈍化、コミュニケーション能力の著しい低下を引き起こすことがあります。これらの症状は時間経過とともに重度となり、最終的に活性化します。
・活性化状態へと移行したSCP-XXXX-JP-2は罹患者に重度のストレス、重度の体調不良などの症状を引き起こし、自殺行為へ誘引します。この際、罹患者の行動を強制的に阻害することは可能ですが、現状活性化したSCP-XXXX-JP-2を非活性化状態に移行させることは不可能なため、罹患者の自殺行為は永続的に実行されます。SCP-XXXX-JP-2が自己的に活性化するまでの経過時間にはばらつきがあり、数日以内に活性化するケースも確認しましたが、平均すると約█ヶ月です。
・罹患者の自殺体を目撃した人物は、SCP-XXXX-JP-2の影響を受けます。SCP-XXXX-JP-2の影響を受けていない自殺体を視認した際にも、SCP-XXXX-JP-2の影響を受けることがあります。病死、他殺、事故死などの死体を視認した場合においても、SCP-XXXX-JP-2を発症したケースが確認されています。
・また既にSCP-XXXX-JP-2の影響を受けている人物が自殺体を目撃した場合、即座に活性化するケースが多く見られます。

SCP-XXXX-JP-2は特定の思想、文化など共同体における一定の価値観、道徳観、理念に潜んでいます。SCP-XXXX-JP-2が潜伏している思想や文化に影響を受けている人物は、先述した症状を引き起こします。SCP-XXXX-JP-2が特定の思想、文化に潜伏する条件や要因は現在まで判明しておらず、 SCP-XXXX-JP-2が潜伏している思想、文化は全てSCP-XXXX-JP-3に指定されます。

以下はSCP-XXXX-JP-3の抜粋です。

・██████村（███年、山火事により焼失との記録が存在する。生存者は確認出来ていない）の伝承。
・██████・████村の独自な価値観。
・周辺に普及した風潮。風潮を既知であってもSCP-XXXX-JP-2の影響を受けていない人物が存在。SCP-XXXX-JP-3に対し無関心な態度を取ることでSCP-XXXX-JP-2の影響を受けにくくなることが判明した。
・██████教████派。また対立関係にあった他派閥の信仰者にはSCP-XXXX-JP-2の影響が見られなかったため、SCP-XXXX-JP-3に対し嫌悪的意識を持つことでもSCP-XXXX-JP-2の影響を受けないことが判明した。
・██の文化、思想に値する価値観。古来から存在する文化、思想的価値観であり、存在が確認されたSCP-XXXX-JP-3の中で最も多くの人物に伝わっており、SCP-XXXX-JP-2の影響を受けている。しかし、SCP-XXXX-JP-2による病状の進行が他のSCP-XXXX-JP-3より遅く、活性化に至らないケースが多数確認されたため、—現在原因を調査中—。新たなアノマリー（SCP-XXXX-JPである）を発見。これによりSCP-XXXX-JP-2の精神影響を妨害していることが判明した。

SCP-XXXX-JP-2がSCP-XXXX-JP-3の内容に干渉することはありません。また現在まで潜伏中のSCP-XXXX-JP-2が別の思想、文化に移動しSCP-XXXX-JP-3へと変化したという事例は無く、加えて新たに形成された思想、文化にSCP-XXXX-JP-3の兆候が見られたという報告も無いため、SCP-XXXX-JP-2自体が拡散することは無いとされています。→SCP-XXXX-JP-2による他の文化、思想への感染、また新たなSCP-XXXX-JP-3の発生が確認されました。これによりSCP-XXXX-JP-2のオブジェクトクラスはKeterからAppolyonへと変更されます。詳細は事案Aを確認して下さい。

以上の性質からSCP-XXXX-JP-3に指定される文化を持つ国、宗教などの集団組織は財団により強制的に隔離されます。→現実改変による基底世界からの完全消去が検討されます。

対話記録

実験記録

補遺: D-の自殺体を見た職員がSCP-XXXX-JP-2を発症した後、新たにSCP-XXXX-JP-3が確認されました。これにより財団職員の█割がSCP-XXXX-JP-2に罹患、死亡しました。この事態に対しO5評議会は、財団全体の記憶処理、財団の方針と理念を全て変更することで対応しましたが、結果的に財団は██日の機能不全に陥り、約██万人の被害が発生しました。

現在財団は、SCP-XXXX-2の蔓延を防止するため、SCP-XXXX-JP-3に該当する思想、文化を持つ集団組織の歴史的抹消を試みるプロトコルを策定していますが、一般社会への影響や機密性の保持などの理由から延期となっています。

SCP-XXXX-JPは上述のアノマリー、SCP-XXXX-JP-2の調査中に発見されました。これはSCP-XXXX-JP-2の影響を強く受けていると指定された地域の内、その地域に住んでいるSCP-XXXX-JP-2罹患者の重症化および活性化率が他より圧倒的に少なかったことから当該地域の調査を進めたところ、SCP-XXXX-JPの異常性がSCP-XXXX-JP-2の重症化に対する抑止力となることが判明したためです。

当該地域では「御花見」と呼称される独自の文化が形成されていること、国花が菊と桜であること、古来から春季の風物詩として浸透していることなどから、SCP-XXXX-JPの影響を強く受けている地域でした。そのためSCP-XXXX-JP-1の割合が高く、SCP-XXXX-JP-2罹患者の多くは重症化、活性化しなかったとされています。

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