文書番号056 "アンノウン・オルガニズム"

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概要: 当文書は火星有人探査の際に発見されました。火星にかつて生息していた生命体(すでに絶滅済みと考えられる)により付けられた日記であると考えられており、複数ページが存在しています。英語に非常に酷似した言語が使用されており、解読は非常に容易でした。


1ページ目

4342年1月2日

今日から日記をつけることにする。
ニュースで見たことだが、どうやらUFOが首都に墜落してきたらしく、中にいた宇宙人を救出したらしい。
奇跡的に全員が軽傷だったらしく、病院で簡単な治療を施された後に政府の施設に送られたようだ。
にしても、こういうのはよく政府が隠蔽すると聞いたことがあるがまさか大々的に報道されるとは思わなかった。
このニュースの直後に政府も、ニュースの内容を肯定する声明を出した。
なんでも、彼らと友好な関係を築きたいんだそうだ。

にしても、こんな辺ぴな星によく墜落できたな。隣の星じゃないだけましかもしれんな、あの星には水こそあれど文明が存在していないようだ。
俺の住んでる国に墜落したってのも幸運だったな、他の国じゃすぐ殺されたりしてたかもしれない。

ともあれ、次のニュースが楽しみになってきた。
宇宙人だなんて、ワクワクするじゃないか。





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2ページ目

4342年1月3日

今日、政府から宇宙人についての発表があった。
なんでも、彼らはトラピストという40光年先の星系からやってきたらしい。
そのトラピスト星系は惑星のいくつかが自転と公転が一致しているらしく、生活できる範囲が狭かったようだ。
その状況から脱しようと必死に研究を行った結果宇宙関連の技術が発達、数光年を10日で移動できるほどに達したとか。
そして生活できる範囲を広げるために宇宙船をあちこちに派遣。そのうちの一隻があの墜落してきたUFOらしく、道中小惑星が衝突してそのままこの星へと墜落したらしい。
操作はわずかながらも効いていたそうで、この星か隣の星か、どっちに墜落するように操作するか迷ったものの文明の光が見えたこの星にしたんだと。
彼らは助けてもらった恩としてこの国に様々な技術を提供してくれるそうだ。

彼らが我々を蹂躙するようなことがなければいいのだが。






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3ページ目

4342年1月4日

どうやら政府が、トラピスト人の合意のもとに解剖を行ったらしい。
結果、どうやら彼らの体の仕組みは我々と非常に似通っており、我々の食料を食べても何ら問題はないらしかった。
さらに、この星はすごく住みやすいらしく、政府は技術提供と引き換えに永住権の付与を考えているそうだ。

こんな辺ぴな星が住みやすいだなんてなんだかありがたいな。
どこか赤じゃけたこの星を。











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4ページ目

4342年9月10日

無くしたと思っていた日記帳が見つかったので、再開することにする。
トラピスト人のお陰で、これまでの生活は大きく変わった!
空飛ぶ自動車、宇宙旅行、核融合炉、テレポート装置、超快速なネット、どれも素晴らしいじゃないか!
だが、彼らが食料としていたらしい超高カロリーの液体は苦手だ、やっぱり普通の飯が美味い。

でも、最近のこの国のトレンドは、その液体をがぶ飲みすることらしい。まあ、確かに味は結構濃いけど飽きない。でも、俺は薄味が好きだから3日間ぐらい試してすぐ捨てた。中毒作用でもあるんじゃないだろうか。
ともあれ、彼らのお陰で暮らしは大分便利になったと言えるだろう。町は常に明るいし、そして人でにぎわっている。

あと、どうやら彼らはいつの間にか他の国とも接触していたようだ。この前国境付近にあったロケット打ち上げ場から旅客宇宙船が打ち上げられるのを見た。

あと、トラピスト人は少しづつその数を増やしていっている。どうやら自己繁殖ができるらしく、そして他種族とは混血できないらしい。

しかし、さっきから妙な胸騒ぎがするんだ。トラピスト人は、本当に善意で技術を我々に提供したのだろうか?
今度独自のルートを使って調査しようと思う。

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5ページ目

4342年9月18日

調査に特に大きな進展はない。ただ、トラピスト人は最初5人だったのが30人ぐらいになっていると聞いた。成長速度が速いのだろうか。

最近、国際健康管理局が「世界的に肥満度が上がっている」と発表していた。理由は不明らしい。
まあ、どう考えても例のジャンキードリンクだろうな、あれをがぶ飲みするのが世界的流行になっているし、最近あれをドラム缶いっぱいに貯めて全部飲み干した奴を動画で見た。普通に死ぬと思うんだがな。

にしても、あの胸騒ぎはまだ収まらない。本当に嫌な予感がするんだ。
トラピスト人を疑っているのは俺以外にもいるだろうけど、少なくとも俺が住む町じゃ全員トラピスト人を信用しきっていやがる。

調査を続けることにする。






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6ページ目

4342年9月21日

今日、隣国の大統領が暗殺されたらしい。寝ている間に喉元を斬られたそうだ。
その国の大統領は元殺し屋、更に軍人上がりなため暗殺などは受けそうにないが。そういえばテレビに出た時、かなりブクブクに太っていたような気がする。元々はかなりマッチョでスキンヘッドな厳つい男だったんだが。
例のジャンキードリンクのせいか?

……臨時ニュースだ、うちの国の政府関係者が全員首を斬られた状態で発見されたようだ。
そういえば政府関係者も全員太っていた記憶がある。まさか、太ったやつを狙っているのか?なら、何故国民は狙われないんだ。外は太ったやつが7割ぐらいいるんだぞ。政治家限定なのか?

今考えている中で、最悪の可能性がある。
トラピスト人が政府関係者を暗殺して、この国を乗っ取ろうとしているんじゃないか?隣国の大統領を殺したのも、国民の士気の低下とかを考えてやった可能性がある。




嫌な、予感がする。

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7ページ目

4342年9月30日

くそが。嫌な予感が的中した。

トラピスト人の奴らが政府関係者を抹殺したことを公表した。そして、世界征服を宣言しやがった。
同時に、ドローンみたいな奴らが世界中で暴れまわっているというのをメディアが報じていた、
太ったやつらと若い男女は全員どこかへ連れ去られ、残った細いやつらは虐殺されているらしい。


この星を墜落先に選んだのも、宇宙船が墜落したのも、技術提供も。
始めから奴らはこうするつもりだったんだ。
絶大な信頼を得て、ぶくぶく太らせた後に食う。奴らには感謝の気持ちなんて一切なかった。この星を植民地にして、食料生産地にでもするつもりだったんだろう。
俺は逃げることにする、洞窟ぐらいは見つかるだろう。





偉大なる神マーズよ、どうか我らを救い給へ。

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8ページ目

4342年10月15日

何とかいい洞窟を見つけられた、綺麗な湧き水もある。食料も数カ月分ぐらいは持ち込んだので大丈夫だと思いたい。

外には大量のドローンが飛んでいる、見つかったら最後、そこまで太ってなくそして歳を食った俺は殺されるだろう。
何処からか受信しているラジオによると、若い男女は強制的にヤりあわされて、子供を「生産」させられているらしい。
もう、この星はダメなんだろうか。希望の光も見えてこない。全ての国の政府関係者は漏れなく暗殺されたらしい。










マーズよ、何故我らを見捨てた。

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9ページ目

4342年10月29日

今日は妙な爆発音で目が覚めた。
外を除いてみると、遠方に奇妙な雲が見えた。まるできのこみたいな形をした雲だ。
そうか、思い出した。昔テレビで見たことがある。あれは……。

核爆弾だ。

トラピスト人か?いや、あいつらは核爆弾を使ったら食料が減ることぐらいわかるだろう。どこかの軍隊の生き残りか?


ラジオによると、どうやら最後に残った名もなき小国が溜め込んでいたものらしい。地図でもあまりに小さすぎて書かれるのが省かれるぐらいだ、トラピスト人は存在に気が付かなかったのだろうか。
核爆弾は本来恨まれるべきものだ。しかし、今回はあの雲が、爆発音が頼もしく聞こえてきた。

どのみち、この星の崩壊はもう避けられないだろうがな。それでもいい、せめてもの反撃を。

マーズよ、貴方は我らを見捨てたわけではなかったのだな。

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10ページ目

4342年11月1日

今も、核の雨が降り注いでいる。俺がいる洞窟の近くには落ちていないようで、こうして生き長らえている。
正直言うと生きることに疲れてしまった。だが、もしかしたら俺が最後の生き残りかもしれない。仲間がどこかで生きていることを願うばかりだ。

先ほど、大きな爆発音が聞こえた。
なんでも、トラピスト人が乗っていた宇宙船が爆発したらしい。火星に宇宙からでも目視できるような大きい谷が出来たとか。
はは、この星はもうボロボロだな。でっかい傷も作られて。先ほど、隣の星に向かって一隻の宇宙船が飛び立っていくのを見た。仲間が乗っているとのことだ。
よかった、我々は絶滅しないようだ。生き残った仲間が、あの青い星で生き延びてくれることを切に願おう。

あの青い星が、我らの新しい揺り籠となるように。
二度と同じ事が起きぬように。



幸運を。そして、新たな星で生きる仲間に祝福を。

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補遺1: 当文書の発見により、TRAPISST-1星系に何らかの生命体が存在している/いた可能性が浮上しました。現在TRSPISST-1星系に対する調査が行われる見通しです。

補遺2: 20██年12月11日、マリネリス峡谷1を調査した結果、爆発により形成されたものだと判明しました。同時に多量の放射線が検知されたことで当文書の信憑性が向上し、大規模な発掘調査が行われる予定です。 行われました。詳細は補遺3を参照してください。

補遺3: 20██年8月10日、発掘調査が行われました。その結果、以下の物体が発見されました。

  • マーズ2を模したと思われる彫刻。
  • 紫色の液体が貯められたタンク。後の調査により高カロリーの液体であることが判明した。
  • 何らかの施設の一部分。ロケット発射場であると推測される。
  • チタン合金の箱に収められたスペースシャトルの設計図。
  • ヒト(Homo sapiens)と思われる人骨。強く加熱された痕跡がある。

スペースシャトルの設計図は"黄金スペースシャトル"とされるオーパーツと形状が酷似しており、関連性が疑われています。

想定タグ 死せる星の観測 tale-jp


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