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O.Kent 20/10/17 (Sut) 21:19:01 #18101809
初めまして、ということになるかな。以前より色々読ませてもらっていた者だ。
10年前に起こったことをふと思い出したので、せっかくだしここに書き込みたいと思ってな。俺のことは音楽に憑りつかれたジャパニーズだと思ってくれ。
i7G10 20/10/17 (Sut) 21:23:09 #09142128
おお、今のご時世外に出て怪奇探検とかできないからな。ありがたい。
O.Kent 20/10/17 (Sut) 22:30:51 #18101809
見てくれる人がいたか。長い話になるが、そこはご容赦願いたい。
俺は音楽関連の仕事をしているんだが、仕事の関係上ヨーロッパに長期滞在することがあった。
あちこち歩きまわらなきゃいけなかったが、道中のカルチャーショックだったり人との交流が新鮮で楽しかったことを覚えている。ドイツに行ったときには知らない奴とビールを飲んで仲良くなったりした。
フランス、イギリス、ポーランドと渡り歩いていって、最後にイタリアに行ったんだ。ピザやジェラートを最後の楽しみとして置きたくてね。ローマやミラノを渡り歩き、もうそろそろで仕事が終わるといったころ。ジェノヴァという都市から手紙が届いた。差出人はジェノヴァ市の市長本人からだったかな。
内容はすっかり忘れたが、一文だけはっきりと覚えているところがある。我々の町の誇りである、パガニーニ公が愛用していたヴァイオリンを貴方に寄贈したいと考えています
なんで当時おかしいと思わなかったのか疑問に思うよ。なにせそれは非常に歴史のあるものでね、そう簡単に誰かに渡していいものなのかと。
だが、当時はまだ俺も若かったもんでね。貰えるのならば貰いたいという気持ちが強くて、すぐにジェノヴァ市へ行く支度を始めたんだ。続く
rousseau 20/10/17 (Sut) 21:34:14 #34122149
パガニーニのヴァイオリンといえば、カノーネのことか?結局貰えたのかい?
O.Kent 20/10/17 (Sut) 21:36:19 #18101809
ああ、カノーネで間違いない。
ただ、結局は貰えなかったよ。いや、貰うのを拒否したというのが正しいかね。
あの時貰っておいたほうが良かったと後悔しているよ。
O.Kent 20/10/17 (Sut) 21:45:01 #18101809
話の続きだ。カノーネに釣られた俺は、ジェノヴァ市にそのまま直行した。
上司にジェノヴァ市からカノーネを貰えると報告したとき、上司は喜びながらも、注意したほうがいいと言ってきた。なんでも、カノーネを展示している庁舎内にて小さいながらも色々と不自然なことが発生しているそうだ。
スマホの画面が割れたり、脱水症状を突然起こしたり。起こる要因が一切ないのにも関わらず、らしい。
そのことを知っている上司に対する謎が深まりながらも、その忠告を頭の片隅に置いておいた。
そして、ジェノヴァ市に到達。庁舎の窓口に例の手紙を見せたところ、奥から市長が出てきた。歓迎の言葉を受けた後に、ついてきてくれと言われた。まあ、そのまま馬鹿正直についていったよ。
ただ、その時の役人どもの目元に酷い隈が出来たのを覚えている。余りにも酷かったからまだ覚えているよ、目も死んでいた。
kassia 20/10/17 (Sut) 21:47:31 #09081299
カノーネに何か憑いているんでしょうか?
rousseau 20/10/17(Sut)21:48:57 #34122149
ありそうだな、それ。
だが、個人的には「貰うのを拒否した」と「あの時貰っておいたほうがよかった」というのが気になる。
O.Kent 20/10/17 (Sut) 21:53:30 #18101809
おっと、レスが来ていたか。まあ、それについては後で分かると思う、今は少し待っていてくれ。
そんで、市長についていった先は、カノーネが展示されているメインルームだった。
何だろうな、空気がかなり重く感じた。湿気っぽいわけじゃない、どこかどんよりとした感じだった。
市長は少しカノーネを睨みながら、「一応触ってみますか?気が変わってしまうかもしれませんが」と俺に提案したよ。触って気が変わることなんてあるのか?と思いながら頷いた。
そして市長はカノーネに近づき、ポケットから鍵を取り出した。その時、鍵が弾かれたかのように俺の足元に飛んできたんだ。
市長は苦笑いしながら、こういう事がたまにあるんだと説明してくれた。上司の言っていた通りだった。
せっかくだし開けてください、と言われてな。少し嫌な予感を感じながらも鍵穴に鍵を入れた。
今度は弾かれることもなく、すんなりと入ったよ。鍵を捻ると、ゆっくりとケースが開いた。この時、中の空気から甘そうな臭いがしたことを覚えている。
そして俺は、震える手でカノーネに触れた。そしたら
i7G10 20/10/17(Sut)21:56:07 #09142128
そしたら?どうしたんだい、随分と気になるところで切ってくれるじゃないか。
O_kent 20/10/17(Sut)22:10:37 #18101809
すまない、頭痛がしたもんで途中で投稿してしまった。収まったからもう大丈夫だ。
そしたら、急に手に痛みが走った。焼けるような痛さだったもんで、思わずカノーネを手放してしまったよ。中途半端に出したものだから、カノーネは音を立てて床に落ちた。
焦って手を見ると、火傷していた。触れる直前までカノーネからは熱を全く感じなかったし、ヴァイオリンがそこまで熱くなるわけもない。だが、はっきりと握ったところだけが火傷していた。
奇妙なことに、火傷した箇所には極端なムラがあった。全体的にヒリヒリして痛いんだが、どうも一部分だけ異様に痛くて。なんかの記号みたいな形をしていた記憶があるが、今じゃすっかり消えて覚えていない。
市長はギョッとしながら、俺に大丈夫かどうか聞いてきた。大丈夫だというと、市長は心底安心したかのような顔をしたのを覚えている。
結局、カノーネを貰うのはやめた。上司にそのことを報告したところ、火傷云々については分からないが記号については何か知っているようで、帰ったら見せるように頼まれたよ。ただ、如何せん残念そうな声だった。よっぽどカノーネが欲しかったんだろうな。さて、10年前の話はここで終わりだ。聞いてくれてありがとう。
kassia 20/10/17(Sut)22:12:01 #09081299
お疲れ様でした……というわけでもなさそうですね。10年前の話"は"ですし、まだ続きがありそうですね?
O_kent 20/10/17(Sut)22:21:04 #18101809
御明察、その通りだ。この話には続きがある、というより未だに続いている。
ヨーロッパから日本に帰っ数か月後、突然酷い頭痛が襲ってきた。頭痛薬を飲んでも全く収まらないし、むしろ余計酷くなった。だが、その日は少し無理して会社に行った。滅茶苦茶痛かったが、業務内容上頭痛はそんなに障害にならないからな。
次の日からは頭痛があっさり収まっていていた。あんなに苦しんだ頭痛が、嘘みたいに。その日も普通に言って、家に帰った。まあ、暫くは普通の日常を過ごしていた。
だが、ある日のことだった。いつも通り目を覚ますと急に音楽が聞こえてきた。聞いたこともないヴァイオリンの曲だった。テレビでもつけっぱなしにしてたかとリビングに降りてみても、テレビはついていなかったし、そもそも2階にまでテレビの音は聞こえてこないということに気付いた。
まあ特に最初は問題なかった。むしろ作業用BGMの代わりとして使っていたぐらいには重宝していたよ。
だが、段々と耳障りになってきた。テレビを見ていても、音楽を聴いていても、寝るときにもずっと聞こえてくるんだ。しかも段々と音量が大きくなってきているんだ。
テレビや寝るときについてはまだいい。だが、音楽を聴くときに最悪だった。音楽の調によっては、不協和音になって耳がやられるんだ。もう我慢できなくなって上司に相談すると、上司はいつものニヤついた顔をやめ、「俺に任せろ」と言ってきた。聞いてみても特に答えてはくれなかった。
暫くして、上司が瓶詰めされた桃色の薬を持ってきた。まあ飲めと半ば強制的に飲まされたんだが、少しして音楽が聞こえなくなった。上司にどういうことかと問い詰めてみても、のらりくらりと質問を交わして直帰させられた。
どうしても気になったので、飲み会の時に上司を酔わせて情報を引き出すことにした。
上司が酒にクソ強いことを忘れていたせいで、俺がアルコール中毒になりかけて終わったが。薬を飲んでから3週間後ぐらいかね、その時から異変が起き始めた。
音楽は聞こえなくなってきてはいたんだが、声が聞こえてきたんだ。俺を作れ、俺を書け。
最初はそんなもんだった。幻聴として聞き流すくらいには本当に小さな声だった。
だが、薬を服用すればするほど声は大きくなった。俺に体をくれ。俺の価値に気付け。俺を演奏しろ。
段々とそれが訴えであることに気付いた。いい加減ここらへんで幻聴ではないことに気付いたが、どうしてもうるさかった。だが、薬の服用をやめると今度は音楽がうるさくなってくる。どうしても薬の服用をやめるのは無理だった。
俺を音楽史の表に戻せ。
最終的に声は明確な訴えになった。今でも、耳元で強く。ずっと俺に訴えてくるんだ。
rousseau 20/10/17(Sut)22:23:39 #34122149
まさか、最初のあれは……。
O_kent 20/10/17(Sut)22:24:53 #18101809
多分、今rousseau氏が考えていることで合っていると思う。
ただ、つい最近上司がこんなことを言っていたのを聞いた。なんでもカノーネは昔パガニーニが死ぬ前に自身でぶっ壊したらしい。今ジェノヴァ市に飾られているのはただの安物だそうだ。
それが本当だとしたら、俺には何が憑いているんだ?
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6717718 (07 Nov 2020 15:59)
拝読しました。呪いのアイテム、それも楽器といういかにも曰くのありそうな物品と呪いの話、というのはパラウォッチにぴったりな題材だと思います。
・UVかDVか
現状で投稿された場合DV寄りのNVです
・パラウォッチとして読んでいて面白いか
海外BBS的なやり取りは悪くないと思うのですが、少し語るに落ちているというか、語りすぎ、わかりすぎ、怪異のディティールが明確すぎる、という印象を受けます。
・話の展開は面白いか
・序盤の伏線を上手く回収できているか
・オチはしっかりとついているか
現状では呪いのアイテムとの縁によって幻聴が聞こえるようになった話、という「よくあるマジックアイテムの話」と感じてしまい、盛り上がりに欠ける感があります。後半の呪いの声が迫る演出で文字サイズが大きくなるのもあまり個人的には好みませんでした。
全体として「語りすぎ」「怪異が明確すぎ」という要素によりパラウォッチとしても怪談としてもあまり怖さを感じませんでした。
パラウォッチハブの執筆ガイドを(ガイドはあくまでガイドという前提のもとに敢えて)引用するなら「彼らは決して全体像を把握できない。」「アノマリーは尻切れトンボである。」の2点に留意すべきかもしれません。
注意すべきは今の作品の一部をマスクすれば良いという訳ではない点です。例えば「実は件のヴァイオリンは中国製の大量生産品だった、じゃあいま起きてるこの呪いの由来は何?」という「ズレた要素」というエッセンスを混入すれば途端にパラウォッチ的な不穏さが生じると思います。あくまで一例です。
批評有難うございます。
語りすぎでしたか。個人的に少し情報を明かしすぎではと思っていたので、直接そう言ってもらえるのは助かりました。
とりあえず、少し不気味になるようにズレを挿入しようと思います