ようこそ、新人職員。あるいは、改めて資料を読みに来たマメな職員。
研修時に説明を受けただろうが、改めて。我々は人類を異常存在から遠ざけるために設立された。
我々人類はかつて強大な存在に怯え、その姿を洞窟などの闇へと隠し、そして炎を頼りに生活していた。
今では我々は食物連鎖の頂点に立ち、世界を支配している。
しかし、一般市民は知らない。その可能性が覆される可能性が十分にあることを。
異常な生物、空間、土地、物質、ウイルスなどが表の世界に広がることだけは避けねばならない。
我々は表を支えるために押さえつけ、突破されぬように何度も交換されながら消えていく裏だ。
表の世界の住人が、我々に、異常存在に気が付かないよう。
異常存在が表の世界にあふれ出ないよう。
我々の理念が果たせなくならないよう。
我々は裏の世界で生き、そして死んでいくのだ。その覚悟を持ち、そして職務に励んでほしい。
_AG-1
ICPというのは我々の理念の略称であり、収容しているアノマリーの総称でもある。これら全てを基準にしてアノマリーを管理するように。_AG-7
I……Isolation 隔離
人類よりアノマリーを「隔離」し、接触を避けさせる。
隔離収容プロトコルの隔離
C……Contain 収容
人類に広まりかけたアノマリーを「収容」し、広まらないように管理する。
隔離収容プロトコルの収容
P……Protection/protocol 防護/プロトコル
非常に脆い/弱いアノマリーを人類より「防護」し、無力化しないために管理する。
機構はアノマリーを無力化するわけではない、時には守らなくてはならないのだ。
隔離収容プロトコルのプロトコル
また、正規のものとしては使われていないものの、別の略称が存在している。目を通しておくように。_AG-7
I……International 国際的
C……Central 中央
P……Panacea 万能薬
これらは我々のフロント企業である、”国際中央薬局”の掲げている、「国際的に活躍し、医学・薬学界の中央になる。それこそ、万能薬の代わりになれるように」というモットーに使われている略称である。現在”国際中央薬局”は世界最大の多国籍企業となっており、世界中の人々に比較的安い値段で、それこそ万能薬のように種類が豊富な薬品を販売している。我々の収入源でもある。
我々だけがアノマリーを扱っているわけではない。数えきれない団体がアノマリーを破壊したり、利用したりしている。だが、その全てが敵というわけではないことに留意せよ。_AG-18
国際対異常防御機構 IAADO
IAADOは国際連合上層部にのみその存在が伝えられる国際組織である。
彼らは我々の理念とは正反対であり、アノマリーの徹底破壊を理念としている。
そのため時折彼らとは衝突することがあるものの、警戒団体の中では後述の”財団”に次ぐ程度には話が通じる相手である。
規模は我々と同規模かそれ以上であり、一部の職員は彼らを”ライバル”と称することもある。
彼らは666意思決定機関と呼ばれる、666の団体が加盟した最高意思決定機関により運営されている。
異常芸術同好会
異常芸術同好会は異常な音楽、絵画、文芸などを作成する、指揮系統の存在しない団体である。
彼らは時に異常芸術をばら撒くことがあり、我々とは敵対している。
しかし、時には有益な異常芸術を作成することがあり、その中には我々が利用しているものもある。
不特定の場所で定期的に集会を行っているものの、集会所への襲撃は全てもぬけの殻という結果で失敗に終わっている。
現在、A.A.と称される人物が彼らに大きな影響力を持っていることが判明している。
財団
財団は別宇宙に存在する、我々と非常に似通った理念を持つ組織である。
彼らとは限られた異空間ポータルでのみ接触しており、良好な関係であると言える。
彼らの理念は確保、収容、保護であり、時には彼らと協力することもある。
技術的には、兵器関連では我々のほうが進んでいる。しかし、彼らは現実改変と呼ばれるものに関する技術を保持しており、相互の技術提供に関する協議が進められている。
しかし、相互とも互いの技術に警戒心を抱いており、積極的な交流は今のところ行われていない。
彼らはO5評議会と呼ばれる13人及び倫理委員会により運営されている。
魔術協会
魔術協会は、世界中に魔術と呼ばれる技術を広めている教育機関である。
世界各地で認知されており、表面では普通の教育機関として存在している。
しかし、その実態はアノマリーを利用し、教育と称して拉致した人間で人体実験を行っている組織である。
だが、彼らは我々に協力しようとしているらしく、アノマリーとその性質を記した文書を何らかの手段で我々に送り付けてくることがある。それでも警戒対象であることには変わりないだろう。
彼らは魔術王と名乗る存在により運営されている。
O.K.
O.K.は、恐らく個人と考えられているネットユーザーである。
彼は不特定の掲示板投稿サイトにて体験談と称したアノマリーとの遭遇記録を投稿し、一定以上の評価を得ている。
どうやら音楽関連の仕事をしているらしく、体験談の大半は音楽に関連するものである。
しかし何らかの技術により特定を不可能にしているため、現在までその正体は明らかになっていない。
特に恐ろしいのは、彼が我々を認知している可能性があることだ。
我々が使用している用語の中には一般社会では使われないものもある。目を通しておくように。_AG-4
AG 管理者集団
ICP機構を管理している集団。その情報は全て削除されており、更に匿名性を高めるため一人一人に番号が付与されている。18人で構成され、アノマリーとの接触は完全禁止されている。
アノマリー
我々が収容している、異常な物品、生物、場所、空間、ウィルス、言語、記号などのこと。安全なものもあるが、危険なものも存在している。
警戒団体
何らかの理由により警戒が必要であると判断された団体のこと。
情報が完全に割れているものから未知のものまで存在している。
危険度クラス
アノマリーが脱走した際に発生する被害を段階的に示すクラス。
脱走しない/脱走しても被害が皆無である「Safe」
軽微ながらも被害が発生する「Normal」
中程度の被害が発生する「Denger」
大規模な被害が発生する「Out」
世界規模の被害が発生する「Death」
に分けられる。
難易度クラス
アノマリーの収容難易度を段階的に示すクラス。
収容が容易である「Light」
恒久的な収容方法が不明である「gray」
収容が非常に困難/不可能である「Dark」
隔離収容プロトコル
略称ICP。アノマリーの収容方法を示す。
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