現在このページの批評は中断しています。
アイテム番号: SCP-2567-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-2567-JP群はサイト-8181の収容ロッカーに保管されます。ヴァイオリンを受講させたDクラス職員を一カ月ごとにSCP-2560-JP群に接触させ異常性を発現、転移を防いでください。転移した場合、対象者を即座に捕捉、非活性化時に再収容してください。現在人員の消耗を減少させるために音楽部門が中心となってSCP-2567-JP群の活動を制限させる方法を研究しています。 SCP-2567-JPは無力化されました。詳しくは事案記録2567-JPログを参照してください。現在は音楽部門が管理しています。
説明: SCP-2567-JPは、かつてニコロ・パガニーニ1が愛用していた物品群です。イル・カノーネ2本体であるSCP-2567-JP-1と弓であるSCP-2567-JP-2、楽譜台であるSCP-2567-JP-3で構成されています。
SCP-2567-JPは、SCP-2567-JP群の何らかにヴァイオリンの演奏技能を持つ人物(以後ヴァイオリニストと表記)が接触することで異常性が発現します。SCP-2567-JP群の何れかに接触すると、接触したヴァイオリニスト(以後対象者と表記)は演奏を開始します。この際、SCP-2567-JP-3にヴァイオリン曲の楽譜が出現します。対象者が複数いた場合、その中から無作為に選ばれます。また、異常性が発現した時点で対象者とのあらゆる接触は不可能になります。対象者は、対象者自身の意思に関係なく強制的に演奏を始めます。
対象者が楽譜通りの演奏を出来なかった場合、対象者は音楽に対し一切の興味及び演奏技術を失った状態で異常性から解放されます。これは再び教育などをすることで回復可能です。こうなった対象者がSCP-2567-JP群に接触しようとした場合、即座に未知の力によって弾かれ接触が不可能になります。演奏が成功した場合は新たな楽譜がSCP-2567-JP-3に出現し、対象者は再び演奏を開始します。このプロセスは対象者が疲弊して楽譜通りの演奏ができなくなるまで繰り返されます。また、対象者が一度演奏した曲は対象者が変更されるまで演奏はされません。
楽譜に記される曲は、対象者のヴァイオリンの練度によって難易度が上下します。練度が低い場合は簡易な曲3となり、逆に練度が高い場合は非常に複雑で演奏困難な曲4になります。曲の難易度が上昇するほど、ニコロ・パガニーニの曲が選曲される傾向にあります。
SCP-2567-JP-1及び-2はヴァイオリニストと接触していない状態になると、ニコロ・パガニーニの曲を無作為に演奏し続けます。この際の音色はパガニーニの演奏のそれと一致しており、これを聴取したヴァイオリニストに対し、SCP-2567-JP群に接近したくなるという認識災害を発生させます。
対象者は自身がヴァイオリンを開始したきっかけやヴァイオリンのために行った練習、ヴァイオリンに対する思い入れなどを演奏中に陳述します。詳しくは補遺1の対象者記録を確認してください。
SCP-2567-JP群は対象者が一カ月間5現れなかった場合、半径20m以内の無作為な人間のもとに転移し異常性を発現させます。この範囲内にヴァイオリニストがいない場合、範囲外から最も近い人間(この際のみヴァイオリニストであるかは関係無い)に転移します。転移した際、対象者に選ばれた人間は前述の異常性通りのプロセスを取った後に異常性から先述の状態で解放されます。その後、SCP-2567-JP群は最も付近にいたヴァイオリニストのもとに転移、再び異常性を発現させます。その後SCP-2567-JP群は2時間非活性化し、直接接触が可能になります。
SCP-2567-JP群は、ヴァイオリニストの度重なる引退を不審に思った財団による調査の末、引退したヴァイオリニストである門山氏の自宅より発見されました。
SCP-2567-JPは過去にも様々なヴァイオリニストの引退に関わっていると考えられています。しかし、SCP-2567-JPが関与したと思われる引退は予想される数よりも明らかに少ないため、一時的にSCP-2567-JPの活動を制限する方法があると推測されています。
補遺1: 音楽部門の指示により、対象者の演奏曲、陳述内容、演奏回数、ヴァイオリン歴を記録したリストが作成されました。
以下、リストより抜粋
対象者: D-11212
ヴァイオリン歴: 1か月
演奏回数: 1回
演奏曲: バッハの「メヌエット」
陳述内容: ヴァイオリンを始めたきっかけは、ここの博士どもにやれと命令されたからだ。最初はやりたくもねえことをやらされて腹が立った。だが、やってみると意外と楽しくてな、そのために左手のストレッチもしたし、何とか脱力の方法も覚えた。大変だったが、ヴァイオリンをより楽しめるのならば、苦とは思えなかった。
対象者: 大川研究員 誤って接触し対象者に
ヴァイオリン歴: 半年
演奏回数: 4回
演奏曲: バッハの「メヌエット」「G線上のアリア」バッヘルベルの「カノン」葉加瀬太郎の「情熱大陸」
陳述内容: 私がヴァイオリンを始めたきっかけは、突発的なものでした。研究ばかりの毎日の中、急に思ったんです。そうだ、ヴァイオリンをやろう、って。当時の私はヴァイオリンをなめていました。でも、やってみると想像以上に難しかったんです。逆にそれで火が付きました。どうにかして1曲弾けるようにしてやるって。そのために、ずっと左手のストレッチばかりをしていました。食事も睡眠もさらには仕事も忘れて。勿論凄く上司から怒られました。ヴァイオリンよりも研究が優先だろ、と。でも、ようやくメヌエットが弾けたときの達成感と満足感が忘れられなかったんです。
対象者: D-42123 女性
ヴァイオリン歴: 3カ月
演奏回数: 2回
演奏曲: ジェームズ・ホーナー作曲の「My Heart Will Go On」ヴァイオリン編曲 バッハの「G線上のアリア」
陳述内容: 私は、小さいころから「タイタニック」を見て育ってきたの。大体2年くらいかな、暇なときや忙しい時は「タイタニック」を見たり、ラジオ代わりにしてた。ある日、また「タイタニック」を見ていて思ったの。タイタニックの主題歌を歌いたいって。その日から、ずっと歌を練習したの。ネットで調べて、腹式呼吸とか肺活量を増やすトレーニングとかをして。でも、私は天性の音痴だったみたいで、どうしてもだめだった。そんな時、強盗殺人をしてここに入れられた。その時に言われたの。ヴァイオリンをやれって。私は、最初は乗り気じゃなかった。でも、ふと思ったの。ヴァイオリンで「タイタニック」の主題歌を演奏すればいいんじゃないかって。だから、私はここの人たちに頼み込んで、ヴァイオリン編曲されたのをもらったのよ。そして、読めない楽譜を必死に読んで、練習して。ようやく弾けるようになって、思わず泣いてしまったわ。2カ月も練習してきた成果が報われたんだなって。
対象者: D-19843
ヴァイオリン歴: 5年
演奏回数: 3回
演奏曲: モンティの「チャールダーシュ」タルティーニの「悪魔のトリル」サラサーテの「カルメン幻想曲」
陳述内容: ヴァイオリン、ねぇ。俺はそもそも音楽が嫌いなんだ。特に聞く意味もないのに、なんでわざわざ聞く必要があんのか。俺はやれって言われてやらされただけだ。
対象者: 八幡博士 転移の際に対象者に
ヴァイオリン歴: 40年
演奏回数: 1回
演奏曲: パガニーニの「24の奇想曲」全集
陳述内容: 私は幼少期より、ヴァイオリンの英才教育を受けてきた。最初は面白くなかった。不快な音が耳をなぞるだけで、何回もやめてやろうかと考えた。だが、10歳ぐらいの時、それはパガニーニを聞いて変わった。美しい曲の中に盛り込まれた、超絶技巧。それをうまく使い、曲を美しく仕上げていたのだ。それに私は憧れ、必死に練習をした。左手を猛ストレッチし、両手の分離や技術向上のために練習曲を1日に何回も演奏した。高難易度の曲が弾けるようになっても、それは忘れなかった。基礎を忘れてしまっては、ヴァイオリンなど演奏できないからだ。私は、パガニーニを超えるためにここまで来たのだ。ここで止まってたまるか。
補遺2: SCP-2567-JPは、2020年3月1日に発生した事案2560-JP以降、無力化されました。詳しくは事案記録2567-JPログを参照してください。
後の調査により事案2567-JPは、一ヵ月を31日と誤認していた██研究員が、Dクラスによる接触を行わなかったことが原因と判明しました。
事案後、SCP-2560-JPを無力化した八幡博士に対し、インタビューが行われました。
事案記録2567-JP以降行われた調査により、Neutralizedに再分類されました。
また、八幡博士は精神鑑定の結果自己喪失状態にあることが判明しました。現在八幡博士は無期限の休職を言い渡されています。
補遺3: 2020年10月27日、八幡博士が自室より消失、同時にSCP-2567-JPが収容ロッカーより消失していることが判明しました。監視カメラには突如として消失したように移されており、現在捜索活動が行われています。
また、八幡博士の自室には以下の文書が残されていました。
初めまして、財団の皆様。
今回、イル・カノーネに見合う素晴らしいヴァイオリニストを選定していただき誠に感謝いたします。
勝手ながら、イル・カノーネとヴァイオリニスト様はこちらで回収させていただきました。
パガニーニ様は、新たなヴァイオリニストの体を「非常に馴染む」と高評価しており、こちらとしてもうれしい限りです。
また、今度はベーゼンドルファー製のグランドピアノを贈らせていただきます。
今度は素晴らしい超絶技巧のピアニストが選定されることを祈っております。超越芸術連合 ヴァイオリン部門副部長 フリッツ・クライスラー
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C-
- _
注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。
- portal:6717718 (07 Nov 2020 15:59)
全体的なことについて
異常性は面白いものだと思いましたが、以下の点について気になりました。
1.具体性が足りない
全体的な内容に対しての具体性が足りないと感じました。説明パートの異常性のみに焦点が当てられすぎた説明になっていて、他の部分があまりにも簡素すぎるなといった印象を受けたためです。また、「収容出来ません」といった結論に至るには理由が足りないのではないか、と感じました。オブジェクトを個々に分けて保管すればいいのでは?と思ったのですが、そもそも個々にすることが出来るとも出来ないとも書かれていなかったので、そこに説明がほしいです。
2.演奏曲について
この部分で、過去どのような曲が演奏されていたのかといった記録があると良いかと思いました。同じ曲を演奏することはない、とある作曲家に関わる楽曲のみである、などがあるとストーリーの深堀りが出来るかなと思いました。
それと個人的な事なので無視していただいてもかまわない意見なのですが、ヴァイオリンが床や道などに直置きされているイメージで読んでしまったので、「楽器の直置きは楽器に良くないぞ…」と思ってしまいました。
細かい部分
取り消し線のある文章部分は不要かな、と感じました。もし、取り消し線ありのままにする場合は「組成は通常のヴァイオリンと一致することが判明しています。」とした方が良いかと思います。
表記を統一しましょう。
余計な情報かと思います。
前述の事案記録ログで「異常性を喪失したと判断した機動部隊は」とありますが、その後最大9年間調査をするのは長いなと感じました。█年間の部分が無くても「調査を行ったんだな」ということは分かりますので、年の部分は省いても良いかもしれません。
脚注で訳が欲しいです。
ご指摘ありがとうございます。訳以外は修正いたしました。
・良かった点
・好きではない点
批評
理不尽な存在には変わらないのですが、別に無理難題を課す訳でもなく楽器を個人に合わせているのは面白いと思いますし。配達員には効果が発揮されないという謎を含ませているのも良いと思います。
しかし、申し訳無いのですが私には「殺人バイオリン」以上の面白みを感じませんでした。
個人的には「まるで練習用のバイオリンのように振る舞うこと」や「正体不明の配達員」が面白さの掴みとして機能していると感じます。なので完奏した後にSCP-XXX-JP-3の楽譜が拍手するように動いた等の細い動作があったりすると良いと思います。ついでにストーリーを弄って██研究院は練習用のバイオリンとして購入した等のバックストーリーがあれば良いです。
個人的な好みで恐縮ですが、最後のメモはSCP-XXX-JPとは無関係な、超常的な第三者が収容の一部始終を見ており、無力化する様子を見て感極まり財団に手紙を送った等のオチの方が面白いかなと考えております。
ご指摘ありがとうございます。一部分修正いたしました。