████第3工場
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A██████ S█████、財団が認知した最初のSCP-2453-JP-A実例。

アイテム番号: SCP-2453-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2453-JPを抑制する方法は、現在まで発見されていません。

そのためSCP-2453-JPの収容は、カバーストーリー「非異常性の精神疾患」を用いたSCP-2453-JPの社会への受け入れによる実質的なヴェール崩壊の防止を基本方針とします。

説明: SCP-2453-JPは、対象者(以下、SCP-2453-JP-Aと呼称)がおそらくは先天的に有している異常な精神疾患です。現在までに確認されている最年長のSCP-2453-JP-Aは19██年に出生しており、実例の年齢分布はSCP-2453-JP-Aの増加率が年々上昇している事を示しています。

SCP-2453-JP-Aは常時重度の鬱状態にありますが、睡眠下においてその症状は顕著なものとなります。SCP-2453-JPは睡眠下において常に重度の悪夢をを経験しており、睡眠下のSCP-2453-JP-Aからは起床時の約█倍に及ぶコルチゾール1の分泌が確認されています。

SCP-2453-JPが一般の精神疾患と明確に異なる点として、いかなる方法を用いてもポジティブな感情の発生を行う事が出来ないという事が挙げられます。具体的には、投薬のみならず洗脳性ミーム・情報災害・認識改変・精神干渉等の異常な手段を用いた場合においてもSCP-2453-JP-Aからポジティブな感情を発生させる事には成功しませんでした。ポジティブな感情の発生以外においては、SCP-2453-JP-Aはこれらの事象に耐性を有していません。

SCP-2453-JPの初期発見は、強制的に笑いを誘発するミーマチックオブジェクトの発生・民間への一時的な蔓延に際して、SCP-2453-JP-A個体であったA██████ S█████が例外的にミーム汚染の影響を受けなかった事が注目された事により発生しました。複数回の実験を経てA██████ S█████がオブジェクト指定された後、性質究明の追加調査において類似の精神疾患を有する人物らに同様の性質が確認された事から、該当の精神疾患に対してオブジェクト指定の再定義が行われました。

以下は調査段階において、A██████ S█████に対して行われたインタビューの書き起こしです。

インタビュー記録: 2453-JP

対象: A██████ S█████

インタビュアー: エージェント・████

付記: 当該インタビュー時には有用性ミーマチックオブジェクトを用いて、A██████ S█████の鬱症状を一時的に会話が可能なレベルまで抑制している。


インタビュアー: それでは聞き取りを始めていきますね。あなたの両親の方から伺っているのだけど、生まれてから一度も笑った事が無いというのは本当ですか?

対象: 多分覚えている限りでは。少なくともここしばらくの内はずっと。

インタビュアー: 何か面白い事があったり、嬉しい事があったりした時にはどうするのですか?

対象: 分からない。僕は常に苦しさと辛さでいっぱいだったから、そういった気持ちを感じる余裕が無かったせいだと思う。

インタビュアー: 病気の事は本当に大変だと思います。ただ、今あなたはそれらからある程度ど自由になる事が出来ていますね。私たちは多分先程あなたを落ち着かせた方法で、今後もずっとあなたの病気を抑え込む事が出来ます。どうでしょう?

対象: [数秒の沈黙] どうでしょう、とは?

インタビュアー: もう苦しまなくて済むと聞いて、何か思いませんか?

対象: 特には。

インタビュアー: [数秒の沈黙] 今のように落ち着いた状態でも嬉しさを抱けないのならば、これまで笑えなかったのもおそらく病気のせいではないのでしょう。

対象: [数秒の沈黙] 確かにきっとその通りですね。だとするならば、僕は最初から喜びや愉快さを持ち合わせていないのかもしれません。


財団はSCP-2453-JPの性質が一般社会において明確に異常であると認識される類のものでない事から、暫定的な措置としてSCP-2453-JPを非異常性の精神疾患と認知させる事によるヴェール崩壊の防止を基本方針として定めています。


























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