Day-JのtaleR03/08/28
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バケツ四杯分くらいのクソをしたあたりで血便が出た。頭痛に吐き気、目眩もひどい。学生の頃に馬鹿みたいに焼酎浴びて死にかけたことがあったが、これはあん時の比じゃねえ。家に帰してくれ。

朝、シリアルに使ったあの牛乳、あれが腹に来た。いつ買ったかも覚えてねえようなやつだ無理もねえ。そんで、道端で情けなく腹抱えてた時に見つけたのがあの廃ビルだ。いつから廃ビルなのかは知らないが、俺がガキの頃からずっと空っぽだった…と思う。それまで気にも留めてなかったからハッキリとはわからんが。ふとそのビルの中を見ると、ガラス越しに便所のマークが見えたんだ。廊下の奥の方に。ラッキーと思ったよ。近場の公衆便所まではケツの穴の筋肉が保ちそうになかったからな。ちり紙は持ってるし、入らない理由がなかった。まあ、勝手に入るのは気が引けたが、こちとら緊急事態なんだ。便所の一室をほんの数分拝借するくらい、構わんだろう?今思えばこれが悪夢の始まりだったわけだが。

便所には個室が5つあったが、入り口から見て手前の3つには鍵がかかってた。さっさと入りたいってのに。そのせいで俺が奥から2番目の個室に入る頃にはブツが少し漏れかけてたが、数秒後にはそんなことはどうでもよくなることになる。

下を脱いで、便座に腰掛けた瞬間。それはもう、経験したこともねえような痛みがケツを襲ってきた。焼け付くような熱さだった。鉄板にでも座っちまったのかと錯覚した。咄嗟に立ち上がろうとしたが、それは出来なかった。信じられるか?俺のケツは、便器に溶接されちまっていた。溶接とは言っても、肉が溶けて便器にへばり付いたわけじゃねえ。俺のケツは無傷だった。火傷もなければ溶けてもねえ。けど、離れられなかった。どんなに立ち上がろうとしても便座はピクリとも動かねえ。何故かなんて俺にはわからんが、とにかく俺はパニクっていた。

「おい!誰か!助けてくれ!!」

当然、誰も来てくれやしねえ。ここは廃ビルだ。もっと全力で叫んだら、外を歩く連中には聞こえるかもしれない。けど、何でか、力が出ねえ。ケツの痛みが引くと同時に今度は頭痛やら吐き気やらがして、一気に疲労が襲ってきたような、そんな感じになった。叫ぶ気力は到底無い。携帯を見た。圏外だ。……圏外?この大都会で?もうわけがわからない。目が眩む。息切れがしてきた。帰りたい。ベッドで横になりたい。俺が何をしたってんだ。俺は善人じゃないが、こんな目に遭うほどの悪さはしちゃいねえ。

俺はうなだれながら、ここに来た目的を思い出した。いや、思い出させられた

ブリョロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

俺の意思とは関係なしに、ケツの穴からクソが溢れ出た。今まで溜め込んでたのが出ただけかと思ったが、どうも様子がおかしい。止まらねえ。一通りクソを出したかと思ったら、またドバドバと湧き出て来やがる。確かに俺は腹を壊してたが、ここまで蓄えたつもりはねえ。しかも腹の痛みは収まるどころか増すばかりだった。どうなってやがる。

どうにかして助けを呼ばねえと……あれ?待てよ?俺は何かを直感した。頬を冷や汗が伝うのを感じた。

どうして手前の3つの個室は鍵がかかってた?ここは廃ビルなのに…?誰かいるのか?俺の横に?……3人?

なんで初めから気づかなかったのか。廃ビルの便所に鍵が掛かってる時点で普通じゃないだろうが。

「誰か、誰かいるのか…?」

返事はない。俺は黙りこくって耳を澄ました。下の穴は相変わらず雄弁だったが。

「ゔ……ぁ………ゔぁ…………」

人だ。人がいる。確かに人の声が聞こえた。多分、3人いる。助かるかもしれない。けど、この声は…

ブロロロロ……ロロロ………リョロロ………

これは、この音は………俺の背筋は凍りついた。こいつらは、こいつらはもう………


…ロロロ………ブリョロロロ……ロロ……

あれから何日経ったのか、もうわからねえ、ここでは疲労は溜まるが眠ることはできないらしい。食事もいらない。必要なのは出すことだけってわけだ。俺は未だに際限無くクソを垂らし続けている。クソだけじゃねえ。30分に一回は吐き気に耐えられなくなってゲロっている。幸いなことに目の前に便器があるからな、股の間から便器にゲロを落とすのにもすっかり慣れた。この便器に水は流れないが、ある程度ブツが溜まると蓋が開いて奈落に落ちていく。けどよ、水で流してないなら、下水道までは行かずに詰まるんじゃねえのか?この有り余るクソは一体どこに消えてやがる?

でもまあ、そんなことはどうだっていい。そうだろう?考えるべきは、どうやってこの肥溜めから抜け出すかってことだ。他の3人は壊れちまったが、俺は諦めねえ。1分後か10年後か…いつか誰かがやって来る。あの時の俺みたいに泣きそうな面して下痢腹抱えてな。そん時俺はそいつに言ってやんのさ。お前は5人目になるんじゃねえ、ずっとお前を待っていた。俺たちをこのクソ塗れの独房から助け出してくれってな。


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