最終改稿: 1/16 夢の中でマスクしてる人って誰もいないよね

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特に見て欲しい点:
・生物学的な整合性は取れているか
・オチが弱くないか、オチであると認識できているか

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 夢の中でマスクしてる人って誰もいないよね
著者: aaasaan777
作成年: 2023

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの収容および隠蔽は実質的に不可能です。現在、SCP-XXXX-JPの根絶を目的としたプロトコルが施行されています。

説明: SCP-XXXX-JPは、2019/██/██に発生したと考えられる、ヒトの夢を感染ファクターとする形而上学的ウイルスです。SCP-XXXX-JPはその影響下に置かれた人物(以下、罹患者と表記)の睡眠時に活性化され、脳中の海馬等の器官に作用し、フラッシュバックを引き起こします。この映像は主に罹患者の夢として再生され、罹患者は多くの場合、起床時に著しくネガティブな感覚を引き起こします。ほとんどの罹患者は長期間SCP-XXXX-JPの影響下に置かれることにより、急性ストレス障害(ASD)、もしくは心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに類する症状の発生を非異常の要因で促進します。その後、SCP-XXXX-JPによる症状は数ヶ月程度の期間を経て自然治癒しますが、SCP-XXXX-JPに対する抗体の生成は行われないため、既に完治した罹患者であってもSCP-XXXX-JPに再度罹患する可能性が存在します。

SCP-XXXX-JP罹患者は、その夢中の映像内において常に一般的な風邪に類する症状を発症しており、罹患者が映像中に存在する他の人物に対して一般的な病原菌が感染する程度の接触を行うことによって、SCP-XXXX-JPは当該人物の由来と考えられるヒトに対して感染します。これにより、現状ではSCP-XXXX-JP罹患者の人数は夥しいペースで増加し、20██年までに全人類に感染すると考えられています。

現在、感染は罹患者および罹患者と接触を行う人物が十分な"感染対策"¹を映像内で行うことによって予防可能であることが判明しています。

補遺1: 2019/12/██にCOVID-19の原因となる非異常のウイルス、SARS-CoV-2の発生が確認されました。財団は、各国政府およびWHO等の国連主要期間に十分当該ウイルスへの対処を名目に基底世界での十分な"感染対策"を実行するよう働きかけることで夢中での無意識にこれまでと異なる生活様式を反映させ、SCP-XXXX-JPの根絶を図るプロトコルを実行しました。

補遺2: 2022/██/██、プロトコルの元来の目的の達成は不可能であると判断されました。その主な要因として、各個人が独立して保持しているが、全体においておおむね共通している認識²は想定よりも著しく強固であり、後天的に変化させることが非常に困難であることが挙げられます。しかし、今後においても、新生児に対して先天的に目的のイメージを反映させることで、長期間において漸進的なSCP-XXXX-JPを根絶することを目標として当該プロトコルは継続されます。

脚注

1. 手洗い、うがい、マスクの着用、アルコール消毒等。

2. 無意識下での"夢中に登場する人物がマスクを着用していない"などのイメージに代表される。

付与予定タグ: jp keter scp ウイルス 概念 感覚 精神影響 生物学 非実体 未収容

+ スポイラー

私たちの夢の中の登場人物がマスクを着けている姿を拝むことはめったにありません。各々が持つ共通認識を後から書き換えることは難しいみたいです。

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  批評コメント批評コメント

  
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  Enginepithecus 17 Jan 2023 02:15

  拝読致しました。以下、批評文です。

  生物学的な整合性は取れているか

  + 詳細な回答

  ｢SCP-XXXX-JPによる症状は数ヶ月程度の期間を経て自然治癒しますが、SCP-XXXX-JPに対する抗体の生成は行われない｣という部分についてなのですが、これは｢数ヶ月すればこの形而上学的ウィルスは感染者の体内(意識内)から排除される｣という意味で宜しいでしょうか。もしそうだとすると、違和感があります。

  抗体が生成されないという事は形而上学的獲得免疫が仕事をしていないという事であり、即ちこの形而上学的ウィルスは形而上学的自然免疫によって全滅させられた事になります。

  一般的に、自然免疫のみが動いている際に人体に出る症状は炎症とそれに伴う発熱や鼻水、頭痛等ですが、｢脳中の海馬等の器官に作用し、フラッシュバックを引き起こす｣というのは自然免疫のみでは止められなかったウィルスが引き起こすより重篤な症状の方にイメージが近い印象を受けます。

  + 上記回答の内容を簡潔に纏めると

  ・抗体が作られなくても自然治癒できる
  →なるほど、このウィルスは雑魚なんだな。

  ・脳中の海馬等の器官に作用し、フラッシュバックを引き起こす(何やら重篤な症状を引き起こしてる)
  →なるほど、このウィルスは強敵なんだな。

  という矛盾が発生してます。

  オチが弱くないか、オチであると認識できているか

  認識はできますが、現状弱いと感じます。

  
  
  上記を踏まえた上で、以下にその他の要素込みでの批評を纏めます。

  + その他の要素込みでの批評

  現状での改善点はどこかと考えた結果、恐らく｢ウィルスである事を活かせていない｣という部分が大きいように思います。

  ｢感染拡大を阻止するために、夢の中でマスクをする、ソーシャルディスタンスをする、といった対策が必要になる｣という展開は｢形而上学的細菌｣や｢形而上学的穢れ｣、｢人間を原木にする形而上学的キノコ怪人｣でも可能であり、ウィルスならではの展開とは言えません。

  また｢フラッシュバックによる精神症状を引き起こす｣という点も｢話の都合上とりあえず何か恐ろしい症状を付けてみた｣という印象になりかねないと感じます。そのように感じる理由は、｢形而上学的ウィルスが引き起こす症状がそれでなければならない必然性/納得感｣が薄いからです。

  その上で

  では、｢ウィルスならでは｣と言える要素はどのようなものが挙げられるのか？

  という事を考えていくと、

  • 人の細胞を利用して自分をコピーさせる
  • やたらと変異する

  の2点が挙げられると思います。

  (※補足として細菌との違いや増殖、変異の仕組みが分かりやすく纏められたページのURLを貼っておきます→ https://www.fmed.jp/cnt/kensa/topics_bacteria_virus.html )
  

  ｢自分の情報を勝手に人の細胞に埋め込んでコピーさせる｣のがウィルスなので、症状としては｢感染者の間で変なブームが流行る｣、より危険な症状を齎す変異株のウィルスでは｢感染者の間で暴力的な過激思想が流行る｣等の影響を引き起こすものだと "ウィルスらしい" 性質だと感じそうです。

  また治癒後に再度感染の可能性がある理由も抗体が作られないからではなく、｢抗体は作られるが、マイナーチェンジの変異株が次から次へと出てくるから｣とすれば "ウィルスらしい" 理由で説明付けられると思います。

  
  

  そして最後に｢現状だとオチが弱い｣という部分の対策ですが、例えばラストで｢財団と敵対する団体が形而上学的ウィルスを人為的に改造/変異させて利用しようとしているのでは？｣という疑念を出す等するとかなりオチが強力になるかなと思ったりです。

  ｢感染者の間で特定のアイディアや思想が流行る｣という性質を利用し、人為的に｢感染者の間で "社会から色々なものを隠そうとしているSCP財団、という秘密結社があるらしい、という陰謀論" が流行る｣という症状を引き起こす改造変異株を作り出す事ができたなら、それを用いて財団の活動を致命的に妨害したりベール政策を破綻させたりする事が可能なウィルス兵器となります。またそのような変異株を財団が発見したならば報告書のラストに追記で｢既知、または未知の団体が財団の活動妨害やベールの破綻を目的として、SCP-XXXX-JPを人為的に改造した変異株を拡散させている恐れがある｣と記載するでしょう。

  
  執筆推敲、応援しております！

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