不完全犯罪

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3/2252-JP LEVEL 3/2252-JP
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Item #: SCP-2252-JP
euclid

特別収容プロトコル

SCP-2252-JPはサイト-8163の標準人型実体収容セルに収容されています。収容室はSCP-2252-JPが他者に危害を与えられないように家具類が配置され、異常性の行使による被害の発生を防ぐために基本的には直接的な接触が禁止されます。

説明

SCP-2252-JPは谷本 瞭たにもと りょうと呼称される人型実体です。
SCP-2252-JPの異常性は殺人を目的とした加害行為を行った際に発現します。SCP-2252-JPが自身の意志で殺人を行うと、その間に行われる一連の行為は反ミーム性質を帯びます。結果として殺人現場は他者から認識されなくなります。殺害完了から数時間後、被害者の肉体や周囲の物品は他者から認識できるようになりますが、加害者がSCP-2252-JPであることを示す如何なる証拠も反ミーム性質が継続的に発生するために他者からは認識不可能です。
これらの複合的要因によって、結果的にSCP-2252-JPは完全犯罪を達成することが可能となります。
特筆すべき点として、これらの異常性はSCP-2252-JP本人か、記憶補強剤を摂取するなどして反ミーム対策を行った人物には認識可能です。

補遺

SCP-2252-JPは数か月の間に連続的な殺人行為を働いていましたが、その性質によって警察は一切の証拠を掴めず、未解決事件として扱われていました。
財団はそれらの事情を把握して異常存在との関連性を疑い、独自に記憶補強剤などの異常技術を行使して調査を行い、その結果SCP-2252-JPの存在の発見に至りました。
以下はSCP-2252-JPが関わった殺人事件について纏めた記録です。

事例1 — 橋本 僚一

加害者: SCP-2252-JP

被害者: 橋本 僚一 (23)

死体発見地点: 東京都足立区 ████ 110号室 リビング

概要: SCP-2252-JPが関わったとみられる最初の事例。橋本氏の死体には28か所の刺し傷が確認され、死因は失血死と断定されたが、反ミーム性質のため、SCP-2252-JPに繋がるような指紋・血痕・足跡などを含む一切の痕跡は存在しているにもかかわらず認識されなかった。
SCP-2252-JPと橋本氏は同僚同士であり、両者の間には連帯保証契約に関連する軋轢が発生していた。

事例2 — 畑崎 美優

加害者: SCP-2252-JP

被害者: 畑崎 美優 (20)

殺人現場: 埼玉県川口市 ██通り

概要: 畑崎氏の死体には絞首による痕が確認された。痕の形状から、手指を利用したことが判明しているが、指紋などの物的証拠を指し示すいずれの痕跡も認識されなかった。
また、殺害時刻は23時前後と推定され、この際██通りには複数人程度が行き来していたことが確認され、殺害の瞬間を目撃していた可能性があるが、いずれにおいても反ミーム性質によって認識できなかったと推測されている。
SCP-2252-JPと畑崎氏との関連性はなし。

事例3 — 木崎 颯太

加害者: SCP-2252-JP

被害者: 木崎 颯太 (13)

殺人現場: 埼玉県川口市 ██通り

概要: 木崎氏の心臓部にナイフが刺さっており、これが原因による失血によって死亡したと考えられる。この時も一切の証拠が反ミーム性質を帯びていたために認識できなかった。
特筆すべき点として、死体の調査の結果SCP-2252-JPは殺害を人通りの多い12:14に実行したと推測される。
SCP-2252-JPと木崎氏との関連性はなし。また、この時点で財団は物的証拠から谷本氏をSCP-2252-JPとしてナンバリングし、確保のための捜査を開始した。

事例4 — 山本 加恋・山本 総一朗・山本 結衣

加害者: SCP-2252-JP

被害者: 山本 加恋 (20), 山本 総一朗 (36), 山本 結衣(15)

殺人現場: 東京都杉並区 ███ リビング

概要: 特筆すべき点として、この事件のみ一切の異常性が発現せず、反ミーム性質は初めから発動していなかった。SCP-2252-JPは山本 悠(9)を連れて山本一家が居住する家の中に侵入したのちに中に居た全員を包丁で刺殺。
その後、山本 悠 氏を連れて家から脱出、逃走しているところを確保作戦のために事前に配備されていた財団エージェントによってSCP-2252-JPは確保された。
SCP-2252-JPと山本一家との関連性はインタビュー記録を参照してください。

補遺2

SCP-2252-JPは確保されたのち、サイト-8163の収容チャンバーに収容されました。以下はその後に行われたインタビュー記録の抜粋です。

インタビュー記録.2252-JP

<記録開始>


SCP-2252-JP: あの子はどこだ?

灰原博士: ……山本くんの事でしょうか?

SCP-2252-JP: そう、そうだ。

灰原博士: あの子の事ならこちらが対処するので、心配は無用ですよ。それにしても……なぜあの子に肩入れしているのでしょう?

SCP-2252-JP: そうだな……こうなっちまった経緯を話さなきゃいけないな。まず、俺が殺人事件を犯すのは何回目なのか知ってるか?

灰原博士: 4回目ですかね。

SCP-2252-JP: そう。俺はな、まぁ……連帯保証契約の関係で借金を抱えてな。橋本って俺の同僚が騙したんだよ。騙された俺もまぁなんだが、借金の量も量だし逆恨みもあって、アイツを殺そうと思ったんだ。

灰原博士: なるほど。それで?

SCP-2252-JP: 今思えば俺は、気が動転していたんだと思う。人生の苦境ってやつに初めて遭遇して、安直な選択をしてしまった。それで……殺した。殺したんだよ。その瞬間、取返しのつかないことをしてしまったんだとそこで気付いたんだ。

灰原博士: あなたはその後どうしたのですか?

SCP-2252-JP: 人殺しなんて初めてで、何をどうすればいいのか分からなくて、そのまま死体を放置して現場を離れたんだ。河川敷の下でガタガタ震えながら一夜過ごして…朝起きた時、自分が死体処理も何もしてない事に気付いた。警察は有能だから、俺は何をどうする暇もなく逮捕されるって思って泣いてたんだよ。

SCP-2252-JP: でも……でも違った。家に帰ってテレビを見たら、殺人事件についての報道がなされていたけど、「一切の証拠がない」って報道されていた。証拠はいくらだって残っていたはずなのに……

[SCP-2252-JPは笑う。]

SCP-2252-JP: テレビ画面には血痕が映っていたのに、警察もアナウンサーもそれを認識していないようだった。それで、「一切の証拠がない」と言っている。そこで俺は、自分がこういった能力か何かを持っているんだと気付いたよ。

灰原博士: 幻覚か何かだったとは思わなかったんですか?

SCP-2252-JP: いや。そう信じたかった。何か自分が能力を持っていて、それのおかげで犯罪がバレなかったんだと。

灰原博士: なるほど。

SCP-2252-JP: で、自分にそういった能力があると気付いた瞬間、俺は「誰かを殺さないといけないんじゃないか」と思い始めたんだ。

灰原博士: な…なぜですか?

SCP-2252-JP: 才能があるなら、それを活かそうと思う。それと同じで、何か、人を殺すことが自分の責務なんじゃないかと思って…

灰原博士: 目的と手段が乖離した、と。よくあることですが……

SCP-2252-JP: きっとそうなんだろう。俺は……俺はただ1人殺せばよかっただけなのに、ありもしない責務を果たそうと、2人も多く殺してしまったんだ。俺は…俺はもう…

灰原博士: 落ち着いてください。まだ話は終わってません、4回目の殺人について話してください。なぜ貴方は3回の殺人では完全犯罪を達成したのにも関わらず、4回目の殺人では証拠が残ったのでしょうか?

SCP-2252-JP: それは…ああ、俺は本当にダメなやつなんだ。クソ野郎で…

灰原博士: [ため息をついて]では、別の事を聞きましょう。貴方はなぜ山本一家を殺害したのですか?

[SCP-2252-JPは頭を抱えている。]

SCP-2252-JP: 俺は…3人目を殺し終わって、次のターゲットを探していたんだ。町を歩いていたら…鼻血を出して、すごい形相をした少年が素通りしていってな。昔の俺なら避けてたけど、「どうせ何かあっても殺せるか」と思って、話を聞いてみることにしたんだ。「どうしたんだ」って。そしたら…そいつ、なんて言ったと思う?

灰原博士: いえ…

SCP-2252-JP: 「家族を殺してくれる人を探しています」ってさ!僥倖だよ。殺し屋を探している子供、そして目の前にいるのは何でもかんでも完全犯罪にしちまう殺人鬼。全く、その子供は相当家族を恨んでいたんだろう、後先考えていないようだった…あの時の、初めて人を殺した俺みたいに、錯乱した顔でさ。殺す事しか考えてなくて。

SCP-2252-JP: もうな、ある種のロマンチックささえ感じたよ。そいつに「俺が殺してやるよ」と言ったら、すごくいい顔で笑ったんだ。それで、談笑しながらそいつの家族がいる家まで向かった。家族ぐるみでそいつは虐待されていて、今朝死にかけたんだとさ。そりゃあ…殺したくなるよなぁ?

灰原博士: 実際そうかは分かりませんが…ともかく続けてください。

SCP-2252-JP: それでな、そいつに愛着が湧いて…最初は自分の責務のために人を殺そうと思ってたんだが、いつの間にかそいつの幸福のために殺そうと思い始めていた。そして…玄関前に2人で立って、「待ってろよ」って捨て台詞を吐いて、玄関をぶち破って家族全員を滅多刺しにしてやったんだ。

[SCP-2252-JPは笑う。]

SCP-2252-JP: 俺は…誰かのヒーローになりたかったんだ。そいつの父親を指しながらあの子の方を見たら……本当に、きらきらした目で俺を見ていたんだよ。嬉しかった。

灰原博士: そうでしたか。……では、どうして完全犯罪にはならなかったのでしょう?それとも、意図的に完全犯罪にしなかった?

SCP-2252-JP: それなんだが……何となく、あ、これは正解って訳じゃないぞ?ただ…俺の予想として、今までは自分の意志で殺人をしてたんだけど、4回目の時、初めて他人のために人を殺したんだ。だから……だからこうなったんだと思う。

灰原博士: 理論的に否定は出来ませんが、そう断定するにも早いのでは?

[SCP-2252-JPは机を叩く。]

SCP-2252-JP: 違う、違うんだ!俺は…心の中で何となく、そう確信しているんだ。信じたいとかそういう事じゃなくて……ああもう理論じゃ説明出来ないけど、ともかくそうなんだよ!なぁオイ、俺は…俺は殺人をしても完全犯罪に出来るからそいつの幸福と未来のために殺人を犯したのに…アイツはどうなってしまうんだ?俺のせいでアイツの人生はメチャクチャになってしまうのか?

[SCP-2252-JPは泣く。]

SCP-2252-JP: 俺は自惚れていたんだ…他人のために何も出来ない無力で…孤独なんだよ…….頼む、俺を殺してくれ……

[灰原博士はため息をつく。]

灰原博士: それは出来ません。それを望む権利すら、貴方にはありません。


<記録終了>


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