特異点収容プロトコル


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SCP-XXXX-JP-Aの一例。


特別収容プロトコル: 絶対に、SCP-XXXX-JPの活動を停止させないでください。

SCP-XXXX-JPは、その内部に搭載されている機能によって実質的な自己収容状態にあると見做されています。しかしながら第三者による不当な操作および破壊を防ぐため、ミルグラム服従度検査によって選出された、財団に対する忠誠度が極めて高い職員をSCP-XXXX-JP周辺に配置します。

説明: SCP-XXXX-JPはグリーンランド諸島の地理位置座標83°09'44.6"N 26°03'05.9"W(グリーンランド最北端)に存在する、強力な反ミーム性質を帯びた巨大施設です。SCP-XXXX-JPの機能は、後述のSCP-XXXX-JP-Aの筆記によって収集されたエネルギーを変換・収束させ、上空に向かって放出する事です。

SCP-XXXX-JP-Aは、一般的に"数式"として定義される全ての文字列です。SCP-XXXX-JP-Aが知性体によって筆記・入力1された場合、入力者の体内から一定量のEVE2が抽出されます。上記に示す"数式"の範囲は、その文字列の内容がどのようなものであれ、一般的に数式として見做されるものを指します。例として、ある文字列の式が間違っていた場合でも、SCP-XXXX-JP-Aの対象となります。
また、入力されるSCP-XXXX-JP-Aによって、入力者から放出されるエネルギー量は異なります。以下はSCP-XXXX-JP-Aの種類ごとに大まかに分類された、EVE放出量の推移です。
レベル SCP-XXXX-JP-A EVE抽出率
Lv.1 初等教育レベル(小学校教育)の数式。 極めて低い。
Lv.2 中等教育レベル(中学・高校教育)の数式。 低い。
Lv.3 高等教育レベル(大学・専門学校)の数式。 中~高程度。
Lv.4 より専門的な分野で扱われる数式。 高い。

上記の表に示される通り、入力される数式がより難解であればあるほど、EVEの抽出率は高まります。
これに関して、個人差はあるものの、EVEの抽出は片頭痛や倦怠感などの体調不良や脳委縮を招く場合があります。軽微な影響として、身体が発達段階にある小中学生などは、SCP-XXXX-JP-Aを入力する事で頭痛や倦怠感を訴える場合があります。
最も深刻な影響として、航空宇宙工学やミーム学、魔術論といった専門的な学問を研究する際、そのほとんどがLv.4に該当するような複雑な数式を使用するため、研究者はSCP-XXXX-JP-Aを入力するたびに体調不良を訴える事が多く、その結果として研究の進行が著しく妨げられます。これによる研究進行度のスピードはSCP-XXXX-JP-Aによる影響が存在しない場合の理論値と比べて、年間約40%減少していると考えられ、大きな損害となっています。

抽出されたSCP-XXXX-JP-Aは、SCP-XXXX-JPの各階層にある機械内部に貯蔵されます。貯蔵されたEVEは何らかの手法によって可視レーザーに変換された後、上空に向かって不定期に射出されますが、その正確な意図は不明です。また、SCP-XXXX-JPの研究は、後述に示すインシデントを事由として進行していません。

補遺1: SCP-XXXX-JPはシルヴェスター・ドランスフィールド博士の研究によって発見されました。以下はシルヴェスター博士のオリエンテーション記録の抜粋であり、EVEに関する基本情報の理解と重ねて掲載します。

サイト-120 奇跡研究部門
シルヴェスター博士によるオリエンテーションの抜粋


<抜粋開始>

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シルヴェスター・ドランスフィールド博士。

シルヴェスター博士: EVEというのはですね、人間や犬などのあらゆる生命体に存在するエネルギーを指します。(笑い)アダムとイヴEVEは関係ありませんよ。正式名称は「第六生命エネルギー」、まだ研究初期段階ですが、これを利用する事で結界の生成や魔法の行使、霊体・思念体の操作が可能となるようです。

財団に収容されているオブジェクトのうち、魔法を使う事が出来るようなアノマリーの大半は、このEVEを消費する事でそれを可能としています。逆に言えば、EVEを我々が自在に制御し、その理論体系を確立する事が出来るようになれば、我々財団は先程言ったようなアノマリーを解明Explainedできるだけでなく、科学以外に「魔法」という強力な武器を手に入れる事が出来る、というわけです。

どうです。魅力的でしょう?……これを研究するのがこのチームであり、私が研究主任のシルヴェスター・ドランスフィールド博士です。
ようこそ奇跡研究部門Dept. of Thaumatological Researchへ。


<抜粋終了>


シルヴェスター博士はEVEの可視化や抽出量による人体への影響の確認を目標として研究を行っていましたが、その研究途中にSCP-XXXX-JPを発見しました。以下は、シルヴェスター博士による、発見に至るまでの研究日誌の抜粋です。

補遺2: SCP-XXXX-JPの発見後、機動部隊シグマ-Δ(モーゼの奇跡)による内部調査が行われました。以下は調査記録の抜粋です。


階層を1階分下るたびに、進路を妨げる扉が設置されており、その扉にはいずれも数学的な問題が提示されていました。この問題を解き、扉の横に接続されているパネルに回答を入力する事で扉のロックが解除され、先に進めるようになっていました。しかしながら7階層降下した辺りで、財団の知識をもってしても回答できない問題が提示されたため、調査は中断されました。以下は提示された問題の一覧です。
階層 問題 回答
1F 4桁の素数の中で、それぞれ1桁自身も素数であるような数で最小の値。 2237
B1 4桁の素数のうち3つの桁が同じ数で、それ以外の数が素数でない最小の値。 1181
B2 4↑↑↑↑4 [削除済]
B3 超完全数の中で、奇数であるような数のうち最小の値。 [削除済]
B4 dit(450 + 5mez) [削除済]
B5 プレフィヴォ方程式の定数。 38
B6 3番目の完全数496が示す神の啓示である[削除済]を構成した日数。 67
B7 1 + 1 回答失敗3

また、目視での観察の結果、SCP-XXXX-JPは少なくとも地下20階程度あるとみられ、更なる研究が必要となっています。

補遺3: 更なる調査により、SCP-XXXX-JPの入口付近に制御室が設置されてることが判明しました。制御室には一切のトラップや鍵が無く、SCP-XXXX-JPの完全な制御が可能であったため、シルヴェスター博士によるSCP-XXXX-JPの停止が提言されました。

シルヴェスター博士の提言


O5評議会ならびに倫理委員会殿に申し上げますと、SCP-XXXX-JPが機能する事で人類に発生している危害は深刻なものです。計算するたびにEVEが奪われる、といえば軽いようにも思えますが、これによる体調不良者の発生、脳委縮を患う者の発生、何よりこれによる研究の大幅な遅延は人類の発展に深刻な影響を及ぼしています。

SCP-XXXX-JPの停止を提言します。観察した限り、SCP-XXXX-JPは収集したEVEを不定期に空に照射するのみで、何か有益な点があるようには思えません。

   奇跡研究部門 部門長
   シルヴェスター・D

O5評議会の返答


O5評議会および倫理委員会での会議の結果、SCP-XXXX-JPは無意味に人類の発展を阻害していると判断されました。
よってSCP-XXXX-JPの機能を停止し、無力化した状態で一般人から隠蔽するという方針に変更されました。

SCP-XXXX-JPの停止を許可します。

   SCP財団 司令部
   O5-1

補遺4: SCP-XXXX-JPの機能の停止を起因としてあらゆる研究のスピードが大幅に増加し、幾つかの不利益はあったものの、全体的に概ね良好な人類の発展が何年か続きました。
しかしながら機能停止から2年後、数多くの著名な研究者や学者が異常転移する事案が発生しました。以下は簡易的な転移者リストです。

  • ノーベル化学賞受賞者 - シュリー・アスクウィス
  • SCP財団 ミーム学 - 山本 菜月
  • ノーベル物理学賞受賞者 - シン・ジュンギ
  • 世界オカルト連合 奇跡論研究者 - エーミール・ベルノルト
  • SCP財団 サイト-21管理官 - ロビン・イェーガー
  • SCP財団 奇跡研究部門 ハイドリヒ・ラインハルト

[他、3518名の転移者]


転移の要因は地球から約178000km離れた空間に突如発生した空間の裂け目に吸い込まれた事によるものでした。裂け目は約167km存在し、裂け目の向こう側は完全なる空白な空間が広がっています。しかしながらこの特性上、一般社会で大きく注目され、財団は大規模記憶処理を施さざるを得なくなりました。
また、大規模記憶処理プロトコルの最中、SCP-XXXX-JPは機能を停止させていたにもかかわらず、突如再起動を開始、機能停止される前に貯蔵されていたEVEを可視レーザーに変換して裂け目に射出しました。これは結界の効果を有しており、このEVE結界が張られて以降は転移事案の発生が一切確認されなくなりました。それに伴って裂け目も少しずつ塞がっていき、現在は塞がっています。

当該インシデントを受け、SCP-XXXX-JPの重要性が注目され、再度SCP-XXXX-JP内部の調査が行われました。
その結果、SCP-XXXX-JPの初期調査では機械の監視カメラ映像を映していた制御パネルの画面がノイズを映すのみになっていた事が明らかになりました。そのノイズを調査した結果、ノイズの波長を利用した暗号になっており、暗号解読チームによって文章が解析されました。以下は文章の抜粋です。

さて、この自動メッセージを読めるという事は、この建物にある機械が停止されて2年経った、という事です。
機械を停止させたのが誰なのかは存じ上げませんが、少なくとも悪意を持ってこれを行ったのでは無いでしょう。むしろ、人類の発展を妨害するのを阻止するため、崇高な目的をもって停止させたに違いありません。

それでは本題に入りましょう。この機械の機能を全てお話し致します。これは、技術的特異点シンギュラリティの発生を食い止めるための機械です。
シンギュラリティと聞くと、AIが人類の知能を越える事だと思っているでしょう。ですがそれは違い、ある存在がその上位層にいる存在の知能を越えてしまう、これを包括してシンギュラリティと言います。
今の人類の発展スピードはあまりにも早すぎるのです。全ての生命体には然るべき進化のスピードがあり、それに沿って発展を続けています。しかしながらこの地球上で、人類のみが異常なスピードで発展を続けています。
このまま発展し続けると、人類は上位存在を越えてしまいます。
これが発生しかけると、宇宙は平衡性を保つため、知識の量が上位次元に存在する知性体と同じレベルに達した知性体は高次元に連れ去られます。ここに示す次元というのは、点や線で分けられる次元ではなく、知識量で示される次元です。一般的に、高次元であればあるほどその次元にいる知性体は頭脳明晰で、それに伴って数が少なくなります ― ピラミッド型です。
このメッセージが表示されている時、恐らくは宇宙に"裂け目"のようなものが出現したはずです。あの裂け目は、頭脳明晰な限られた人類を連れ去る境界であり、その向こうは高次元となっています。沢山の人が転移されたと思います ― これだけならまだ良いのですが、次元間を繋ぐ事は、時として両方の次元に良くないものを送り込んでしまうのです。科学では推し量れない、異常な事象や物品が。

これを防ぐため、このシステムを開発しました。
この機械は、数式として見做されるありとあらゆる式を書いた人物から一定量のEVEを抽出し、それによって発生する微細な体調不良などで間接的に研究の進行を遅延させます。その結果、人類の発展スピードを正常に保つことが出来る、という事です。

そしてこの機械にはもう1つの機能があります。今回のように次元と次元の壁が緩んだら、それを阻止するために貯蓄したEVEを奇跡論的儀式によって射出し、一時的に結界を張ります。これにより、次元間の緩みを元に戻します。

どうか、これを止めないでください。私の目的は人類の保護であり、不本意ながらこのような手段を取らざるを得ないのです。ですが私が人類を愛している事を、どうか理解して下さることを期待しています。


更なる研究の実施は審議中です。


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執筆者: ponhiro
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最終更新: 14 Aug 2021 17:59
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