カウンセラー

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なんというのだろう、人の心とは、とても奇妙であると、改めてそう思うのである。

誰かに手紙というものを書くのは初めてであるから、多少変な箇所があってもどうか見逃してほしい。

私には、先生と呼ぶべき人物がいた。師匠と呼ぶには些か違和感のある彼を、私は先生と呼んでいた。
彼の名は
先生の名をここで記す理由がないことを失念していたことを詫びよう。

ただ、私に先生がいた、ということを誰かに伝えられればそれでいい。これは私に対しての備忘録であるから、この部分を見て破り捨ててくれても構わない。


彼はいつもワインレッドのコートを羽織っていた。曰く、赤色は健康にいいからであるということだ。嫌に既視感のある理由だった。
彼はいつもサングラスをしていた。曰く、生まれつき異常な視力を持っており、精神的疲弊を抑えるため。こちらは決して笑えない。

私がまだ君と同じぐらいの年令だったとき、私は先生と出会った。食堂にて、彼の落としたサングラスを、私が拾い上げたとき、私は初めて、彼と顔を合わせ、そして初めて、彼の目を見た。セピア色の、色素の薄い目をしていた。
何故か私は、その瞳にどこか既視感、言いしれぬ懐かしさ、そして、ほんの一筋の、細々とした、凝り───嫌悪感と呼ばれるもの、を覚えたのである。

一時間後に先生となる彼は、どうもありがとうと言い、私が拾い上げたそれを着け、悠々と、食堂を去っていった。
私はひとり何度もあのセピア色を思い出し、記憶をかき集め、あの懐かしさの正体を見抜こうと努めたが、結局一時間程度では辿り着くはずもなかった。そもそも、その時の私でそれを理解することなど不可能であったと、今の私は理解している。

 

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  1. portal:6620142 ( 06 Jul 2020 12:18 )
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