SCP-2731-JP『子宮荘』改稿

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強制審判プロトコル-第2部 "カラマーゾフの兄弟The Brothers Karamazov"

≪ 罪状 ≫
"II - 正常性と人道に対する罪"
"III - 重大な規律違反"

サイト-81DMの全職員に告ぐ。
諸君らは上記の容疑で審判対象となった。例外はない。

サイト-81DMの職員はあらゆる業務を中断し、その場に伏せろ。機動部隊の命令に従え。
命令に反した者は即座に執行する。

— 米国本部内部審判部門 日本支部監査局




無線番号-30: こちら機動部隊-第3チーム隊長、プランAを完遂。17歳以上のSCP-2731-JP-B全個体を検査した。しかし、該当個体はなし。これよりプランBに移行、地下区域に向かう。

無線番号-7: こちら Navyネイビー、了解。"子供たち"に注意せよ。




職員コード
パスワード
    • _

    ユーザ "navy.thousand" のログイン……完了

    特殊権限を確認。ようこそ、審問官様。希望されるコマンドを入力してください。

    該当データへのアクセスリクエスト受理……成功

    該当データを展開します。


    アイテム番号: SCP-2731-JP

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: SCP-2731-JPは財団のフロント企業が所有する社員寮として偽装されます。常に2名の武装警備員と必要な人数の看護師を配置し、関係者以外の立ち入りを禁止してください。

    SCP-2731-JPの各階にはUPS1が設置されます。SCP-2731-JPへの電力供給を常に確保し、SCP-2731-JP-Bが不要に生産される事態を阻止してください。

    SCP-2731-JP-Bの生産は各部屋のブレーカーに接続されたBPC2によって半自動化されています。SCP-2731-JP-Bの生産に問題が発生した場合は該当する部屋のBPCを停止させ、各部屋に設置されている照射機を用いてSCP-2731-JP-A内部を光で照らしてください。

    生産されたSCP-2731-JP-Bは運搬用保育器に収納した後、専用のサイト-81DMへと運搬されます。SCP-2731-JP-Bにはカバーストーリー"児童養護施設"を適用し、財団の存在及び自身が置かれている環境に不信感を抱かないようにしてください。

    説明: SCP-2731-JPは熊本県███町に存在するコンクリート製の3階建てアパートです。SCP-2731-JPには1階ごとに4つの部屋、合計で12つの部屋が存在します。現在はSCP-2731-A、ブレーカー、照明器具以外の設備は撤去され、SCP-2731-JP-Bの生産を安定化するための機械設備が設置されています。SCP-2731-JPが建設された経緯は明らかになっていませんが、第二次世界大戦時には既に存在していたことが判明しています。

    SCP-2731-JP-Aは各部屋に設置されているバスルームです。その内部には浴槽や白色の照明器具など、一般的な浴室と同様の設備が設置されています。また、SCP-2731-JP-Aの内壁には薄い桃色のタイルが敷き詰められています。SCP-2731-JP-A内部の照明器具は各部屋の壁にあるスイッチ、または各部屋の玄関上部にあるブレーカーによって操作が可能です。SCP-2731-JP-Aはその内部が光で照らされている間、活性化することはありません。

    SCP-2731-JP-Aは内部の照度が0.2lux3を下回っている間、"生産プロセス"を通じてSCP-2731-JP-Bを生産し続けます。
     

    SCP-2731-JP-B生産プロセス


    照明が消えた直後、SCP-2731-JP-A内部が琥珀色に発光する。以下、琥珀色に発光している状態を「活性化」と呼称する。


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    活性化したSCP-2731-JP-A

    活性化して3秒経過後、浴槽内は羊水と類似した液体で満たされ、SCP-2731-JP-Bの生成が開始される。生成過程は一般的な哺乳類の胎児の成長過程と類似している。へその緒から生成され、最後は肺の生成により完了する。

    一般的な哺乳類の胎児との相違点は、へその緒が浴槽内の排水口と繋がった状態で形成されること、そして活性化から40秒という異常な速さで生成が完了することである。

    SCP-2731-JP-Bの生成が完了して5秒後、再び生産プロセスが開始される。なお、浴槽内の液体は継続して使用されるため、生成する度に濁っていく。そのため、SCP-2731-JP-Bを1体生産する度に活性化を中断させることが望ましい。

    より詳細な生成記録、および記録写真は別資料に記載する。なお、これらの記録は照明の消灯・点灯を繰り返し、その度に生成途中のSCP-2731-JP-Bを回収することで記録された。

    活性化している間、SCP-2731-JP-Aの扉4は自動的に施錠されます。なお、生産プロセスの途中であってもSCP-2731-JP-A内部を直接光で照らすことによって活性化は中断され、扉が解放されます。このとき、SCP-2731-JP-Bのへその緒は羊水と類似した液体の中で溶解し、その直後に液体は浴槽内の排水口に吸い込まれて消失します。吸い込まれた液体は下水道から検出されておらず、消失後の行方は判明していません。

    SCP-2731-JP-Aが活性化している間、SCP-2731-JP及びSCP-2731-JP-Aは破壊耐性を有します。なお、SCP-2731-JP-Aが活性化していない間は通常の方法で破壊が可能です。

    SCP-2731-JP-Bは人間と極めて類似した生命体です。生成されるSCP-2731-JP-Bは東アジア、東南アジア系の人種と類似した容姿を持ちます。SCP-2731-JP-Bの成分及び構造は人間と一致し、相違点は見られません。また、SCP-2731-JP-Bは通常の人間と同様に成長し、運動能力や学習能力、人格の形成に個体差があります。現在まで過去に生成されたSCP-2731-JP-Bと同一人物であると思われる個体が再生成された記録はありません。

    特筆すべき事項として、これまでの間、生成されてから19年以上生存した個体は確認されていません。死因は個体によって異なり、様々なケースが報告されています。予期しないアクシデントの発生を防ぐため、生成されてから18年が経過したSCP-2731-JP-Bはサイト-81DMの地下区域へと移動され、安楽死が施されます。

    死因が異常性によるものなのか確認するために、今現在、地下300mに位置するシェルターにて生命維持装置と接続し19年以上生存させる計画が進行しています。


    補遺1: 赤居あかい博士の提案により、"Disposableディスポーザブル.Childrenチルドレン"が始動されました。

    未成年の子供を標的とするSCPオブジェクトは数多く存在する。

    SCP-956("子供割り人形")は未だに子供たちを虎視眈々と狙っているし、SCP-565-JP("手のひらヒーローズ")は人類のために毎年一人の子供を捧げる必要がある。
    これらに限らず、我々は常に多くの子供を必要としている。しかし、子供の被験体を確保することは決して容易ではない。

    そこで、SCP-2731-JP-BをDクラスとして動員するプロトコル"Disposableディスポーザブル.Childrenチルドレン"を提案する。
    SCP-2731-JPの管理は不可欠である。しかし、コントロールは容易い。SCP-2731-JPを用いれば、未成年の子供を安定して生産することができる。
    そして何よりも、これ以上罪なき子供たちを犠牲にしなくて済むのだ。

    — SCP-2731-JP研究主任 赤居あかい誠一せいいち

    赤居博士が作成したガイドラインのもと、倫理委員会の監視下においてSCP-2731-JP-Bの生産、生育、教育、そして実験への導入及び収容プロトコルへの組み込みが許可されます。

    このガイドラインにはBPCの運用方法及び、"Dクラスとして動員されるまで、SCP-2731-JP-Bには健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が保障される"等の倫理的規定が含まれます。

    上記以外の規定及びガイドラインの詳細は"SCP-2731-JP運用ガイドライン"を参照してください。


    補遺2: 以下はSCP-2731-JPの元所有者である█████教授に対して行われたインタビュー記録です。

      • _

      インタビュー記録2731-JP


      対象: █████教授

      インタビュアー: 千青ちはる研究助手


      <記録開始>

      インタビュアー: こんにちは、インタビューを担当する千青と申します。ではまず、あなたのお名前とご職業を教えてください。

      █████教授: 熊本大学で文学部を担当しております、█████です。

      インタビュアー: █████さんですね。あのアパートの所有者とのことですが、所有することになった経緯を教えてください。

      █████教授: はい……えー、あのアパートは、去年亡くなった祖父から譲り受けたものです。私の家系では、代々あのアパートを受け継いでいるそうで。土地なら分かるのですが、使われていないアパートを引き継ぐのは、正直、乗り気ではありませんでした。

      インタビュアー: 引き継ぐとき、何か他に言われていませんでしたか?

      █████教授: 「私には勇気がなかった。いずれかお前が壊せ」と……祖父の遺言でもあります。業者に依頼して取り壊そうともしたのですが、費用が掛かり過ぎるので放置していました。

      インタビュアー: なぜそのように言われたか、ご存知ですか?

      █████教授: いいえ……いや、あー。実のところ、祖父は気付いていたと思うんです。あのアパートが、異常だって。

      インタビュアー: どうして、そう思われるのですか?

      █████教授: だって、そうでしょう。停電の翌日はいつも、祖父はワンボックスカーにバケツと高圧洗浄機を詰め込んでアパートに向かっていたんです。きっとその度に、私が見たものと同じ光景を見ていたのだと思います。

      インタビュアー: ……では、あなたが見たという光景について、詳しく教えてください。

      █████教授: はい……。地震5が起きた翌日の早朝、アパートの状態を確認するため、町に向かいました。町の住宅やら石垣やら、建築物の大半が倒壊しておりましたが……一軒だけ、ポツンと立っているのです。

      インタビュアー: それが、例のアパートですか?

      █████教授: そう、例のアパートです。白いコンクリートの壁にひび割れが走っているものの、そいつだけが倒壊を免れ立っているんです。そいつだけが妙に……目立ちました。まるで地震が起きた直後に、その場所だけ、時が止まったような……。

      インタビュアー: アパートに辿り着いてからは、どうされたのですか?

      █████教授: ああ、はい。それから、アパート周辺を観察していると、何かこう、嫌な臭いが。ガスの臭いではありません。なんというかこう、いや、違うな……例えるのは難しいんですけどね。"鉄のにおい"とでも言うのでしょうか。

      インタビュアー: 臭いがして、それからは?

      █████教授: どうもアパートから臭ってくるようなので、中に入りました。アパートの入口から外廊下に入って、一番近い部屋、101号室の玄関を開けました。

      インタビュアー: 何が見えましたか?

      █████教授: 最初は暗くて、よく見えませんでしたが……中に一歩足を踏み込むと、ピシャリと水が跳ねるような音がしました。なんだろうと思い足元を見ると、そこには……血溜まりがありました。私が開けた玄関から朝日が差し込んで、そこでやっと、現状を  目の前の惨状を、理解することができました。

      █████教授: [目の動きが落ち着かなくなる]

      █████教授: 玄関を開けてすぐそこには、すりガラスの扉が……バスルームがあって。

      █████教授: [息が荒くなる]

      █████教授: 赤く……いや、黒く  そう、赤黒い液体が、扉の隙間から噴出しているのです。まるで脈を打つように、一定間隔で、ドシャァ、ドシャァと。噴き出しているのです。私はその光景に、見とれておりました。

      インタビュアー: 先生、落ち着いてください。少し休憩を  

      █████教授: あの扉の向こう側に居たのは、だって、そうなのでしょう? 人として不謹慎なのは分かっております。ええ、分かっていますとも。でも、あの日、あの光景に目を奪われたことは確かなのです。生命の内なる力が圧で噴出し  

      インタビュアー: ███先生![█████教授の両肩を掴む]

      █████教授: [数秒間の沈黙] ああ、いや、あぁ……すみません。

      インタビュアー: 大丈夫ですか、先生。

      █████教授: はい、大丈夫です……。申し訳ない。ただ、あの光景を……毎晩、夢で見るのです。……千青さん、子供たちは、元気ですか?

      <記録終了>

      █████教授は現在、SCP-2731-JPの起源解明に繋がる唯一の参考人として拘留されています。

      █████教授の家系図を精査した結果、大日本帝国陸軍特別医療部隊(通称"負号部隊")に所属していた█████氏の名前が発見されました。このことから、SCP-2731-JPの建設に負号部隊が関与していた可能性があるとして、調査が進められています。また、SCP-2731-JPには幾度に渡り異なる手法で改築された痕跡があることから、複数の要注意団体が関与した可能性が浮上しています。












    無線番号-45: こちら機動部隊-第4チーム隊長、赤居博士らしき遺体を発見。3番倉庫の床下だ。胴体に3発、額に1発撃ち込まれている。白骨状況からして、殺害されてから3年は経過しているだろう。

    無線番号-7: やはり……そうか。凶器は見つかったか?

    無線番号-45: 拳銃が共に埋められていた。ルガーP08……失礼、十四年式拳銃だ。ところでNavy、第2チームが静かすぎないか?

    無線番号-7: 何? こちらNavy、第2チームは状況を報告せよ。サイト管理官は拘束できたのか?

    無線番号-19: [応答なし]

    無線番号-7: ……第4チームは隊員2名をその場に残し、管理室に向かえ。状況を確認せよ。

    無線番号-45: こちら第4チーム隊長、了解。





    メールデータへのアクセスリクエスト受理……成功

    該当データを展開します。


    "Disposable.Children"の停止、およびSCP-2731-JP収容プロトコルの改変を要請する。

    我々がSCP-2731-JPを発見し、"Disposable.Children"を実行して以降、日本における流産・中絶の件数が急増しているという統計データが報告されている。
    我々は今まで、大きな勘違いをしていた。SCP-2731-JPは、単に胎児を産み出す便利なアパートではない。あれは人の子を奪い、再び産み直す怪物なのだ。

    もちろん、流産・中絶の急増をSCP-2731-JPによるものであると断定するのは難しい。
    だが私は、数か月前に決定的な証拠を掴んだ。

    私の妻は15年前、交通事故で流産した。女の子だった。
    サイト-81DMが建設されて以降、数多くの子供たちを見てきた。その中に一人、妻によく似た15歳の女の子がいたのだ。最初は気のせいだろうと、そう考えるようにしていた。しかし、見れば見るほど、亡くなった妻に本当によく似ている。笑ったときのえくぼは妻にそっくりで、目元は私と瓜二つだ。

    あり得ないとは思った。思ったのだが、どうしても「違う」という証拠が欲しかったのだ。
    私は仏壇から娘のへその緒を取り出し、あの女の子の頭髪と共にDNA鑑定を行った。
    鑑定結果は、私を裏切るものであった。無断でDNA鑑定を行ったことは謝罪する。しかし、あの女の子は、間違いなく私の娘なのだ。

    SCP-2731-JPは新たに生命を産み出すのではなく、過去から命を奪い、再び肉体を与えて産み直す怪異なのではなかろうか。

    "Disposable.Children"の発案者として、許されないことは承知している。
    「罪なき子供たちのために」とは言いながら、所詮はすべて、私のエゴに過ぎなかった。少年兵の機動部隊だって、本当は必要なかったのだ。なぜ承認されたのかすら、不思議でならない。

    すまない、サイト管理官。共に最後の仕事を果たそう。


    — SCP-2731-JP研究主任 赤居誠一
    赤居さん、やはり本気なのですね。
    分かりました。あなたに敬意を示し、私も協力しましょう。

    しかしながら、発案者であろうと1つのプロトコルを停止するには、大規模な調査が必要になります。調査計画を練る必要があるので、明日の業務終了後に管理室にまでお越しください。私から調査部門に提出しましょう。

    また、くれぐれも他の職員には内密にお願いします。混乱は避けるべきですから。

    博士、最後の仕事を果たしましょう。お待ちしております。


    — サイト-81DM管理官










    無線番号-30: こちら機動部隊-第3チーム隊長、プランBを完遂。地下区域で保存されていたSCP-2731-JP-B全遺体を検査した。しかし、該当個体はなし。繰り返す、該当個体はなし。審問官、次の命令を求む。

    無線番号-7: こちらNavy、第3チームは地下シェルターに向かえ。

    無線番号-30: 地下シェルターだと?

    無線番号-7: 赤居博士が失踪してから……いいや、殺害されてから既に3年が経過している。ここに潜入して以降、出荷されるすべての個体を検査してきた。しかし該当個体は検出されていない。18歳を迎えれば終了されるはずだが、遺体すらない。もし生きているならば、残るは地下シェルターのみだ。それに、赤居博士は地下シェルター計画の指導者でもある。そこに娘を隠した可能性が高い。

    無線番号-30: 理屈は分かった。しかし、地下シェルターには防衛機能が付いている。貴官の権限で無力化できそうか?

    無線番号-7: サイト管理官の権限譲渡がまだ済んでいない。しかし待つ時間もないだろう。いつ19歳の誕生日を迎えるかも分からない。

    無線番号-30: 了解、強行突破する。

    無線番号-45: こちら機動部隊-第4チーム隊長、機動部隊群あ-1"子供たち"の襲撃を受けた。"突貫ねずみ"であると思われる。セクター9にて交戦中、繰り返す、セクター9にて"突貫ねずみ"と交戦中。 [無機質で幼い複数の笑い声] 数が多すぎる、応援を求む。
    突貫工事! 突貫工事! 突貫工事! 突貫工事! ハハハハハ![シャベルの金属音]
    無線番号-7: 了解、第1チームは私と共に地上へ向かえ。第4チームに加勢する。

    無線番号-30: 地下シェルター経路口を爆破完了。これより突入……そこの貴様! ここで何を [不明なノイズ] ……サイト管理官、なぜここに [通信途絶]

    無線番号-7: 第3チーム? 応答せよ、第3チーム! 命令を変更、第1チームは地下シェルターへと向かう。第4チーム、耐えろ!

    無線番号-45: ああ、了解!


    ユーザ "navy.thousand" の退席を認識。自動ログアウト……完了

    情報端末のシャットダウンを開始します。

    お疲れ様でした。


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