SCP下書き: 重複空間上の密室

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アイテム番号: SCP-xxx-JP

SCP-xxx-JPの外観

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPは賃貸借契約を維持し、侵入者が現れないよう監視します。SCP-xxx-JPへの進入は常に2人以上で行われます。SCP-xxx-JP-1に関する実験を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得て下さい。SCP-xxx-JP-2の確保の試みは現在中止されています。

説明: SCP-xxx-JPは、██県██市にある一人暮らし向けアパートの201号室です。SCP-xxx-JPに1人で進入した人物（以下、対象）は不明な空間SCP-xxx-JP-1へと転移します。SCP-xxx-JP-1は、SCP-xxx-JPと同じ間取りの部屋であり、GPSの信号はSCP-xxu-JPの座標を示す事から、SCP-xxx-JPと重複空間上に存在すると思われます。SCP-xxx-JP-1は外部から施錠されており、対象の内部からの脱出は不可能です。また、外部の様子の確認は不明です。対象のSCP-xxx-JP-1への転移から約3日後、不明な実体SCP-xxx-JP-2が出現します。

経緯: SCP-xxx-JPは、入居者による連続失踪事件が発生し、警察による捜査が行われたものの不審な点は見つけられず、しかし失踪は続いたため財団により調査が行われ、SCP-xxx-JPに空間的異常が確認されたため、収容されました。

探査ログSCP-xxx-JP-A

以下は、SCP-xxx-JP-1の第1次内部調査記録です。

探査ログSCP-xxx-JP-A

担当者: 八幡研究員

進入者: D-9802

手順: 通信機を持たせたD-9802にSCP-xxx-JP内で生活させ、SCP-xxx-JPの異常性を調査する。

≪記録開始≫

D-9802: じゃあ、入るぞ。

八幡研究員: はい、どうぞ。

（D-9802が入室する。同時にD-9802は消失した。）

D-9802: あ？誰か扉を閉めたか？いきなり真っ暗になったぞ。

八幡研究員: いえ、こちらは閉めていません。既に異常が発生したと思われます。…GPSはさっきと同じ場所を指し続けていますね。内部の状態を報告して下さい。

D-9802: ああ…暗すぎてよく分かんねえ。目が慣れるまで待ってくれ。…なんか後ろにドアがあるのは分かるが、鍵穴もねえし開きそうに無い。

[3分22秒間、重要性が低いため省略]

D-9802: そろそろ行けそうだ。入ってすぐ横の壁にスイッチがあった。多分電気だと思うが？

八幡研究員: 押してみて下さい。

D-9802: 分かった。[沈黙] 何も起きねぇ。電気が通って無いのか？

八幡研究員: 分かりました。では先へ進んで下さい。

D-9802: はいはい。多分ここは玄関だな。ああ、やっぱり上がり口があった。気づかなかったらつまづいてたな。靴は脱いだ方がいいか？

八幡研究員: …ご自由に。

D-9802: じゃあ履いたままで行こう。なんか不気味だしな。今は廊下か？奥は暗くて見えねえが、右手に扉がある。いや、その奥にも…右手側に扉が２つあるな。

八幡研究員: では、手前から中を調査して下さい。

D-9802: 分かった。ここは…洗面所、か？右側に洗面台があって、こっちは…正面は何も無い空間だ。いや、左に引き戸がある。この感じ、風呂場か？じゃあここは脱衣所？

八幡研究員: 一つずつ、詳しく調べて下さい。

D-9802: ああ、悪い悪い。まずは洗面台だな。普通の洗面台と変わらねえが、何も物が置いてない。備え付けられたものだけだ。

八幡研究員: 分かりました。では次は脱衣所の方を。

D-9802: 脱衣所は本当に何も無い。普通は洗濯機とか置いてたりするもんだが。

八幡研究員: 何も手がつけられていない状態、ということでしょうか？次は風呂場をお願いします。

D-9802:かもな。[開閉音]何も無いな。洗面台と、シャワーと、浴槽があるだけだ。もう出るぞ。

八幡研究員: 待って下さい。その前に水が出るかの確認を。

D-9802: ああ、そうか。どれどれ…出ねえな。もういいか？

八幡研究員: 一応、洗面所の方もお願いします。

D-9802: わかった。[開閉音]だが多分、水道も通ってねえんじゃ…やっぱりな。こっちも出ない。

八幡研究員: 分かりました。では戻って、次の扉を調べて下さい。
D-9802: 分かった。そういやもう一つ扉があったんだったな。
D-9802: トイレだ。水はやっぱり流れねえ。他に調べることは？

八幡研究員: いえ…ありませんね。では先へ。

D-9802: はいよ。

八幡研究員: ところで現在までに窓や、何か外の様子がわかるものはありましたか？

D-9802: いや、そんなものは無かったな。相変わらず真っ暗だしよ。次からは懐中電灯とかが必要だろうな。

八幡研究員: そうですね。次回からは所持品に、[沈黙]待って下さい。入ってすぐ後ろにドアがあると言ってましたね？

D-9802: そういえば言ってたっけか？

八幡研究員: 覗き穴は？アパートのドアなら覗き穴が付いているはずです。

D-9802: そうだな、そこはまだ見ていなかったな。確認してくる。

八幡研究員: お願いします。

D-9802: 確かこれぐらいの位置だったな。…だめだな。何かで塞がれてやがる。外は見えねえ。

八幡研究員: そうですか。では、探索を再開して下さい。

D-9802: 分かった。[沈黙]今思ったんだが、なんか徹底して外が分かんねえようになってるな。ドアの隙間からも光は漏れて来ねえし、音も何も聞こえねえ。防音でもしてんのか…っと、正面に扉が見えた。廊下の終わりだ。多分そこまで長くはなかったんだろうが。

八幡研究員: なるほど。その扉に特徴はありますか？

D-9802: いや、今までのと同じ木製の片開き扉だ。入るぞ。

八幡研究員: どうぞ。

D-9802: リビング、だな。正面にデカい窓があるんだが、全面が板を打ち付けられて外は見えない。剥がせそうも無いな。ただ、隙間から光が漏れてるから、部屋の様子は今までよりは判る。右側に部屋が広がっていて、キッチンと押し入れがある。

八幡研究員: 他に何か気がつくことはありませんか？

D-9802: 何も無いな。ただ、変な臭いがする。この押し入れからか？

八幡研究員: 中の確認をお願いします。

D-9802: まぁ、だよな。開けるぞ。[沈黙]うおぉ。まじかよ、これは…凄いな。

八幡研究員: 何がありますか？報告してください。

D-9802: ああ…死体だ。5人くらいのな。腐っては無い。多分保存かなんかがされてんだろうな。どれも綺麗なもんだ。

八幡研究員: [沈黙]他には気が付く事はありますか？

D-9802: そうだな。特にこれ以上は無いな。綺麗な死体があるだけだ。

八幡研究員: わかりました。キッチンの方を調べてください。

D-9802: これはもういいのか？

八幡研究員: 現時点では判る事が少ないです。詳細は次回からの調査で行われるでしょう。

D-9802: わかった。キッチンの方だな。といっても、こっちも何にも無いぞ。冷蔵庫も食器もない。誰も住んでないどころの話じゃないぞ、これは。

八幡研究員: 探索は終わりましたか？

D-9802: ああ、もう終わった。何も無いからな。

八幡研究員: では今回の調査は以上です。部屋からの脱出方法はわかりますか？

D-9802: いや、わからん。とにかく入り口まで行ってみる。

[D-9802が玄関まで移動する]

D-9802: やっぱりだめだな。鍵がかかってやがる。どうしたらいい？

八幡研究員: 他に外に出られそうな窓などはありましたか？

D-9802: リビングのところに窓はあったが、あっちは何かの板で塞がれてた。

八幡研究員: わかりました。ではこれより職員をSCP-xxx-JPへ進入させ、救出を試みます。

D-9802: ああ、わかった。

八幡研究員: 職員が到着するまで待機して下さい。

[D-9802はしばらく室内を歩き回る]

八幡研究員: お待たせしました。では今からSCP-xxx-JPへの突入を開始します。

[D-6528、及びD-2772がSCP-xxx-JPに突入する]

D-9802: …誰も来ないぞ。

八幡研究員: [D-6528への通信]ええ、SCP-xxx-JP-1への転移は確認されていません。はい。では、引き返して下さい。D-9802、聞こえていますか？

D-9802: ああ、聞こえてたぜ。俺はもうここから出られねえって事がな。

八幡研究員: そうと決まった訳ではありませんが。脱出方法を含め、再度室内の調査を行なって下さい。

D-9802: わかったよ。

—
以下、メモ

八幡研究員: 人の痕跡があったんですか？

D-9802: いや、そういうわけじゃ無いんだけどな、入口の鍵とかあの死体とか、あと廊下に埃が少なかったな。誰も入れない部屋とは思えない。

メモここまで
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探査ログSCP-xxx-JP-B

以下のは、SCP-xxx-JP-1の第2次内部調査記録です。

探査ログSCP-xxx-JP-B

担当者: 八幡研究員

進入者: D-3549

インタビュー記録SCP-xxx-JP-B

以下は、SCP-xxx-JPの初期収容時に実施されたSCP-xxx-JPの隣の部屋に居住する宇多川 玲太氏に対するインタビュー記録です。

対象: 宇多川　玲太

インタビュアー: エージェント・██

付記: 対象はSCP-xxx-JPによる失踪事件が発生するたび警察に容疑をかけられています。円滑な進行のため、エージェントは依頼を受けて調査中の民間人としてインタビューを行っています。

<録音開始>

エージェント:

宇多川氏:

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