SCP-XXX-JP-猶予(下書き)

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - 猶予
著者: ©︎hakuyou_shiro
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、サイト-81█を建設して一般人の目から隔離しています。破損が連鎖しないように点検、又はワイヤーや接着剤を用いて修繕することで、SCP-XXX-JPの崩壊を防いでいます。その際、SCP-XXX-JPに接触しないようにしてください。SCP-XXX-JPの影響が、周辺の住居に拡大化した場合はカバーストーリー『老朽化』を流布し、住人を強制退去して避難させています。

説明: SCP-XXX-JPは和歌山県██市にある日本家屋です。SCP-XXX-JPの外見は修繕が繰り返し行われた形跡があり、非常に劣化していることが確認されています。SCP-XXX-JPの異常性は、時間が遅延する時空感異常が発生しており、SCP-XXX-JPに人や物が接触するだけでも影響を受けます。人物や物体が接触した際、一見停止したように見えますが非常に遅緩なだけであり、時間をかけることでSCP-XXX-JPから離れることが出来ます。SCP-XXX-JPから離れられる時間は、SCP-XXX-JPに加えられた力と比例します。

SCP-XXX-JP付近には、SCP-XXX-JPの時空感異常の影響を受けたとされる地割れ(SCP-XXX-JP-A)があります。SCP-XXX-JP-Aの規模は非常に大きく、通常の速度であれば被害予想は建物が半壊もしくは全壊が260万戸以上、それに伴う死者数が約3█万人以上であると推察されています。またSCP-XXX-JPに接触した地割れ以外で、他の場所での地震による地割れの出現はありませんでした。しかしSCP-XXX-JP-Aの進行は停止しておらず、その進行度からSCP-XXX-JPは30年以内に崩壊し、非異常性となったSCP-XXX-JP-Aによる大規模な災害が発生する可能性が示唆されます。

SCP-XXX-JP内には、元々住んでいた山鷲透、山鷲佳奈美、山鷲知沙、山鷲健人、山鷲小雪の計5名が存在します。山鷲氏は先祖代々、SCP-XXX-JPを現在の家庭まで所有しており、引越しをすることなく修繕を繰り返して居住していたことが、近隣住民の事情聴取によって判明しました。また、SCP-XXX-JP由来の素材が破損した場合は時間が遅延したままですが、山鷲氏が行った修繕跡が破損すると、時間の遅延が通常に戻ることが確認されています。

補遺1: 20█年█月に震度6の地震が観測されましたが、震度に対して突然停止したように振動が短かったことと、その後も余震が確認されなかったことから財団が目を付けました。財団はこの異常な地震に対して、震源地から振動が止まったとされる場所を特定し、SCP-XXX-JPが収容されました。その後の調査で、地震で起こった地割れによって落ちた破片から、非異常性であった地割れが最初にSCP-XXX-JPに接触したことで、SCP-XXX-JPは異常性を有したと推察されます。

SCP-XXX-JPが崩壊しない限り、物体が接触することで影響が拡大化してしまうため、他の住居にも同様の異常性を有してしまいます。また、SCP-XXX-JP周辺は密集した住宅街であることから、住民を全員避難させることは不可能です。したがって、被害が最小限に抑えられるよう現在のプロトコルを確立しました。しかし、時間が遅延してもSCP-XXX-JPが破損し続けていることから、SCP-XXX-JP内にいる山鷲家は時間が遅延したまま、長い苦痛を受ける可能性があります。それは周辺の人達も同様です。

仮にSCP-XXX-JPが崩壊して、異常性を喪失した場合は山鷲家全員の生存が見込めません。また異常性が喪失した際、地震や地割れ自体は非異常性であるため、財団が手を付ける範囲を超えているのではないかとの見解もなされています。また本来この地震は、南海トラフ沿いで発生していたことから、過去の災害を超えた大地震が発生するはずだったことが判明しました。

その後も研究班から様々な提案がされましたが、明確な対策方法は現在も未定となっています。

補遺2: SCP-XXX-JP内の状態を確認するため、ドローン探査機を用いたSCP-XXX-JPの内部探査を行いました。以下はその記録です。

映像記録

日付: 20█/█/█

注記: 接触させると回収が不可能になるため、完全に閉まっている戸などは無視しています。

[記録開始]

00:46: ドアの破損した箇所から玄関に侵入する。内部にも繰り返し修繕された形跡がある。

01:26: 少し進んで左側に母親らしき人が、キッチンの前で立っている様子が映される。しかし地震に気付いたのか顔は客室の方に向いている。コンロには火が付いておらず、蓋が空いた鍋が設置されている。

03:11: キッチンの向かい側には客室がある。戸が開いており、ドローンは客室に侵入する。客室では男児と女児が炬燵の周りを走っている。女児は揺れの影響か、転けそうになっている。

05:33: 客室に入って左には和室がある。和室には父親らしき人と、2人の姉らしき人がいる。長女は転けそうになっている女児を助けようと立ち上がっている。

07:02: 和室に入る。天井付近には先代たちの遺影が飾られており、2つの遺影が落ちかけている。長女のすぐ後ろには父親らしき人がいて、地震で降ってくる物から守ろうと長女に覆い被さろうとしている。父親の近くには小さな机があり、様々な書類が置かれている。書類には『引越し・解体工事』や『建物のお別れ式』などが書かれていた。

09:02: その後、侵入出来る箇所を探すが見当たらず、ドローンが帰還する。

[記録終了]

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執筆者: hakuyou_shiro

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最終更新: 23 Jun 2022 12:04

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