SCP-XXX-JP - 走馬灯(下書き)

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - 走馬灯
著者: ©︎hakuyou_shiro
作成年: 2021

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81█の10m×10m×10mの収容室にて保管されています。使用する際はレベル3職員の許可を取って行ってください。収容室にはカメラ機器が常設されており、入室すると同時に録画を開始して遠隔の電子機器に保存されます。

説明: SCP-XXX-JPは画面下に英語の曜日が書かれた██製の7つのモニターです。人間(以下対象)がモニターの電源を入れることで異常性を発揮します。モニターは対象の記憶または人生を実際に体験した曜日に映され、およそ10分で終了して次の年に切り替えて再び再生されます。映像は主に対象が一番印象に残っていた体験を映しているとされます。その映像は対象が忘れていた場合でも例外は無く、対象の現在の歳まで体験を再生出来ます。

SCP-XXX-JPの映像は対象以外の人間も確認することができ、その映像にカメラを通して撮影が可能です。しかし、送信機などが付属していないにも関わらず稀に何かしらの電波を送信し、人間の脳に影響を与えていることが判明しましたが、本人は既視感を感じる程度であるために危険性は無いとして放置されています。また、そこから記憶を抽出してクローンを作成することが提示されましたが、研究が滞ったことでクローンの作成は中止されました。

補遺: SCP-XXX-JPを用いた実験により、脱走を企てるDクラス職員や他団体の諜報員であった研究員が発見されたため、入室時に録画が開始されるようカメラを設置しました。その際、SCP-XXX-JPが何の異常性を有しているかは伝えられていません。以下は記録の一部抜粋です。

実験記録XXX - 3

対象: D-4255、強盗殺人罪
映像の内容: 基本的に模範囚として振舞っていたが、とある実験で研究員の机から薬品を窃盗していた。
供述: 殺したい奴がいた。

実験記録XXX -10

対象: D-3434、脱走の前科あり
映像の内容: トイレの床から穴を広げて脱走を企てていた。他にも共犯者がいることも判明。
供述: ここみたいに厳重な刑務所から脱走出来たから、今回もこの方法で脱走出来ると思った。

実験記録XXX -14

対象: D-1673、児童への連続殺人及び傷害致死罪
映像の内容: 以前から行方不明だった博士を殺害、死体を隠していた。映像を見るのは2回目。
供述: 最初子供を殺した映像を見て、そう言えばまだ人を殺してなかったことを思い出したんだ。だから博士を殺した。

実験記録XXX -18

対象: ██研究員
映像の内容: 必要の無い極秘資料のコピーを作成していた。後に他団体に送るためと判明。
供述: 黙秘。

+ SCP-XXX-JPの収容室で録画が開始されました

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<録音開始, [2025/03/25]>

(SCP-XXX-JPの収容室に誰かが入って来て鍵を閉める):

白桧博士: (息切れ)これで何とか。空いてる部屋がまだあって良かった。

(白桧博士は血塗れのまま辺りを見回す)

白桧博士: ここはどこだ？鍵が閉まってないなんて珍しいな。みんな逃げたからか？SCP-XXX-JP、知らないな。とりあえず何か外に繋がるものを。

(白桧博士は周囲のパソコンを触る)

白桧博士: 外には繋がらないか。財団内のネットワークならまだ繋がるけど、一応SCP-XXX-JPが何なのか調べるか。

(しばらくキーボードの叩く音が響く)

白桧博士: あったこれか。SCP-XXX-JP、電源を入れると自分の人生が見れるってことか？そ、それだけ？そんな。

(白桧博士は崩れ落ちる)

白桧博士: 監視カメラとかでもないのか。じゃあもう何も出来ることなんて無いじゃないか。俺は、死ぬのを待つだけなのか。

(6分後、白桧博士が立ち上がりカメラを見る)

白桧博士: 録画中なだけで、別に外に送られてる保証は無さそうだな。これも遠隔らしいし、やっぱり外に繋がってないとダメか。記録ぐらいは取れるか、収容違反だよ。要注意に指定された団体のせいでな。ここに載ってるけど、あの時の書類が既に漏れてたらしい。そうなる前に捕まえられたと思ったのにな。(ため息)

(白桧博士はSCP-XXX-JPの前にある椅子に座る)

白桧博士: ネットは繋がらないし、電話線も切られて助けも呼べない。(5秒の沈黙)良いか、もう。死ぬかもしれないんだし、許可なんていらないか。暇つぶしくらいにはなるだろ。

(SCP-XXX-JPの電源を付ける)

白桧博士: おー、凄いな。俺が産まれた時の映像なんて初めて見た。

(白桧博士は1時間ほど映像を見ている。時折笑う声や鼻を啜るような音が聞こえる。)

白桧博士: 本当に映画みたいな人生だったんだな。俺の人生なんてクソみたいな物だと思ってたのに、俺が見てもちゃんと面白いんだな。また切り替わったな、(3秒の沈黙)あれは？

(白桧博士が1つのモニターに身を乗り出して見ている。そのため何の映像なのか分からない。)

白桧博士: そうだ、これがある。これがあったんだ。思い出した。

(白桧博士は収容室から出る。20分後、"Tuesday"と書かれたモニターに白桧博士が自動販売機にパソコンを繋げて何かを入力している。白桧博士は物音に気付いて逃げるが不明な生物に捕まり、その後モニターは暗転した。)

<録音終了, [2025/03/25]>