SCP-XXX-JP - 手放せない(下書き)
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは低危険度収容ロッカーに保管されています。影響を受けたとされる暴露者は現在も捜索中であり、発見した際はSCP-XXX-JP発見時の改変を含む記憶処理を施されます。

説明: SCP-XXX-JPは様々な装飾が施された万華鏡です。素材に異常は確認されませんが、通常よりも強力な腐敗耐性及び破壊耐性を有しています。そのため、分解による詳細な分析には成功していませんがレントゲンを撮影したところ、SCP-XXX-JPの構造は通常の万華鏡と変わりませんでした。

SCP-XXX-JPの異常性は不正行為を行った経歴の親を持つ5~14歳までの子供(以下暴露者)に接触させることで発揮します。異常性の効果は他の暴露者が接触しない限り持続します。映像は基本的に暴露者の親目線で映され、暴露者も瞬間的に知ります。SCP-XXX-JPは万華鏡と同様に回して右回りで時間が進み、左回りで時間が戻ります。映像が再生される時間は1~12分と様々で限界まで回すとそれ以上回すことが出来ません。SCP-XXX-JPが映す映像には暴露者の親が行った中から罰が重い不正行為が選択され、路上に物を廃棄するといった軽微な犯罪から強盗を行うなどの重大な犯罪までと幅広いです。また、その映像を見た暴露者は総じて嫌悪感や不快感を示します。

SCP-XXX-JPは日本各地で行われていたイベントにて展示されていました。イベント自体に異常性は見当たらず、開催者などもSCP-XXX-JPの異常性について認知していなかったため、SCP-XXX-JPがいつ異常性を発現したかは不明です。複数の子供たちが「万華鏡を覗くと変なものが映る」と証言していたことが分かり、調査によって特定したことでSCP-XXX-JPが発見、収容されました。また暴露した子供が非常に多いと推察されたため、イベント内に配置された監視カメラなどで56人の暴露者を特定しました。イベントの関係者には記憶処理を施し、カバーストーリー『不良品の回収』を流布しました。

補遺1: 以下は当時11歳でSCP-XXX-JPの最初の暴露者であり、SCP-XXX-JPの映像に関して行われたインタビュー記録です。内容の詳細を記録するため、SCP-XXX-JPを用いることを許可されました。

対象: 平田慎介氏

インタビュアー: 狼谷博士

付記: 平田慎介氏が見た映像は暴力的なものが含まれていたため、万が一に備えて小児精神科医を別室で待機させています。

<録音開始>

狼谷博士: じゃあ今からそれを見て説明してくれるかな?

平田慎介氏: はい、最初からですか?

狼谷博士: うん。

(平田慎介氏がSCP-XXX-JPを手に取って回す。)

平田慎介氏: 最初は普通に歩いててあっちから男の子が来たんですけど、突然服を掴まれました。

狼谷博士: どっちの服が掴まれたの?

平田慎介氏: あ、歩いてきた男の子です。お父さんが男の子の服を突然掴んで壁にガンガンってぶつけてます。

狼谷博士: どうして服を掴んだのがお父さんって分かったの?

平田慎介氏: あれ、本当だ。でも何か、何となくこれはお父さんが見たものだって分かりました。何でかは分かんないけど。

狼谷博士: 分かった。続けて。

平田慎介氏: それで後ろにいたらしいお父さん以外の人が加わって、男の子を殴ったり蹴ったりして。ここからは初めてですね。男の子が二人に押さえられてます。あっ。

狼谷博士: どうしたの?

(平田慎介氏の手が震える。)

狼谷博士: 平田さん?大丈夫?

(平田慎介氏が嘔吐する。)

狼谷博士: インタビューを中止します!医療班!

(平田慎介氏の様態が安定し、インタビューが継続する。)

狼谷博士: ごめんね。辛かったね。別に他の日でもいいんだよ。

平田慎介氏: ごめんなさい。でも、もしこれが嘘だったらお父さんが可哀想だし(5秒の沈黙)本当でもこの子が可哀想だから。頑張ります。

狼谷博士: 気持ち悪くなったらいつでも言っていいからね。因みに男の子はどんな子なのかな?今見て説明出来るかな?

平田慎介氏: ちょっと待ってください(SCP-XXX-JPを回しながら)学生服を着てると思います。他の子も同じ学生服ですけど男の子の方がボロボロに見えます。

狼谷博士: 場所とか分かるかな?

平田慎介氏: (SCP-XXX-JPを回し続ける)うーん、基本的に壁ばかりで場所までは良く分かりません。でも学生服だし、学校だとは思います。

狼谷博士: ありがとう。それとあの時君が手を止めたのは何を見たからなの?

平田慎介氏: 骨が、折れて。

狼谷博士: 男の子の腕が?

平田慎介氏: はい。2人に抑えられてお父さんが跨ったと思ったら抑えてた腕に、足を思いっきり踏み付けたんです。腕が変な方向を向いてて、血だらけで。男の子は凄く痛そうでした。

狼谷博士: (3秒の沈黙)そうだったんだね。また同じ物を見せてごめんね。そこで万華鏡を回す手は止まったのかな?

平田慎介氏: (5秒の沈黙)いえ、最後は顔を蹴られてから止まります。それで終わりです。

狼谷博士: ありがとう。お陰で助かったよ。もう見なくていいからね。

平田慎介氏: あ、それと。

狼谷博士: ん?まだ何か?

平田慎介氏: あの、お父さんは逮捕とかされるんでしょうか?

狼谷博士: 今のことで父親に事情聴取はするでしょうが、それがどうかしたの?

平田慎介氏: 出来れば警察には言わないで欲しくて。

狼谷博士: それはお父さんが怖いからなの?

平田慎介氏: それもあります。この事を話したら僕もあの子みたいに殴られるかも。だから、出来るならお父さんがやったことは警察に言わないで欲しいんです。

狼谷博士: 私もあまり口に出したくはないけど、警察に言わなかったらもっと危ないかもよ?

平田慎介氏: 良いんです。殴られるのは怖いですけど、凄く怖いですけどもし逮捕されちゃったら僕は一人ぼっちになります。お母さんは事故で死んじゃったのでずっと2人で過ごしてきたんです。一人になるのは殴られるより怖いし、だから言わない方が良いんです。

狼谷博士: お父さんが好きなんだね。

平田慎介氏: はい、大好きです。変ですけど、この事を知るまでは本当に良いお父さんだったんです。僕が良い子にしてればきっとこの先も良い親のままだし、もし殴られたら僕のせいかもしれないし。

狼谷博士: そっか。でも君が自分を責めるようなことじゃないよ。とりあえず、今は警察に話すようなことはないから安心してね。

平田慎介氏: ありがとうございます!(3秒の沈黙)ごめんなさい。

狼谷博士: 良いですよ。それに実はこれから今までの記憶を消すから、その内容は忘れられると思う。心配しないで。

平田慎介氏: そうなんですか!?じゃあ本当に元に戻れるんだ。

狼谷博士: でも本当に大丈夫?今のところその事を覚えている子は確認されないし、今後も苦しむことは無いだろうけど。(5秒の沈黙)もし君が良ければ私から[不明瞭な音声]

平田慎介氏: (首を横に振る)大丈夫です。あと、これだけ庇っておいて言うのもあれなんですけど、僕は全く気にしていないという訳じゃありません。正直僕はあれを見てとてもガッカリしましたし、お父さんの過去は綺麗なままでいて欲しかったと思ってます。今じゃなきゃこんなこと言えません。凄く裏切られた気持ちですけど、もし覚えていても僕はずっと隠し続けます。気にかけてくれてありがとうございます。

狼谷博士: ごめんね、変なこと言って。分かった。今日はインタビューに協力して頂いてありがとうございます。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー後に平田慎介氏の父親である平田正人氏へ事情聴取が行われ、映像の内容と事実が一致しました。事情聴取の情報を元に調査し、平田氏は以前一人の学生に対して暴行などを行っていたことが判明しました。しかしこの暴行に対して当時の学校は把握しておらず、被害者の不注意による事故だったと報告しました。現在2人には記憶処理が施され、解放されたあとも経過観察が行われましたが異常はありませんでした。

補遺2: これまで暴露者は記憶処理を施すことでSCP-XXX-JPに関連する出来事を除去することが出来たと思われましたが、暴露者はSCP-XXX-JPで見た映像のみ記憶を除去出来ていなかったことが判明しました。しかし特筆すべき事項として、暴露者の56人中42人が見た内容は被害無しの信号無視と言った不正行為が殆どであり、その中で記憶処理が施されたあとも暴露者が見た映像を他者に告白した事例は12件でしたが、暴露者は基本的に実際に体験したか夢と混合しています。したがって、見た映像が重大な内容であったとしても記憶処理を施したことによって、暴露者は映像の内容が事実だったと認識することは非常に稀です。この事から暴露者の収容は必要ないと判断され、暴露者は以後SCP-XXX-JP発見時の改変を含む記憶処理を施して解放される方針です。


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執筆者: hakuyou_shiro
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最終更新: 25 May 2022 12:13
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