SCP-XXX-JP- 自分を守れるのが一番良い

現在このページの批評は中断しています。

評価: 0+x
blank.png
%E6%9E%9C%E7%89%A9%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%95.JPG

SCP-XXX-JP(発見時)

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは刃の部分にカバーを装着し、中危険度収容ロッカーにて保管されています。持ち運ぶ際は、カバーが外れていないか必ず確認して下さい。実験を行う場合、担当した職員はゴーグルを着用し、実験の対象は2人以下で行われます。暴露者を発見した際、事情聴取後に問題無いと判断された暴露者は、記憶処理を施して解放されます。

説明: SCP-XXX-JPは刃の長さが10cm、高さ2cmの果物ナイフです。素材や耐久自体に異常は無く、活性時にも通常の果物ナイフと同様に扱うことが出来ます。

SCP-XXX-JPは人に接触1させることで活性化します。接触した人(以下接触者)に対し、後述の異常性以外は特に影響を受けません。また、SCP-XXX-JPを隠すことで異常性を抑制することができます。ただし、刃の部分を露出すると再び異常性が活性化します。

接触中のSCP-XXX-JPを直視した人(暴露者)は、強い恐怖や危機感を感じ、接触者から即座に逃走します。逃げる際には身体能力が一時的に向上し、追跡されても逃げ切ることが出来ます。逃走後は自己防衛のため、犯罪に関わる可能性のある行動2や場所3を避けるなど、防犯対策を実践します。その後、通常の生活に戻ります。

手を離すことで、暴露者の接触者に対する異常性は抑制されますが、SCP-XXX-JPに対する恐怖感や自己防衛反応は変わりません。また、これらの影響を除去する試みは現在まで成功していません。

補遺: SCP-XXX-JPは██県で発生した殺人事件の凶器4として発見されました。証拠品回収中の警官が異常性に曝露し、周囲の警官が逃走したため、目を付けた財団によって回収されました。

後日、周辺の監視カメラによって、犯人と推定される男性とSCP-XXX-JPに最初に暴露された女性が映っていたことが判明しました。2人を写した監視カメラはこの1台しか無かったため、現場を目撃した可能性のある女性に対してインタビューが行われました。以下はその記録です。

インタビュー記録XXX - JP

対象: 谷優花子氏

担当: 笠松研究員

付記: 対象の混乱を避けるため、職員は警察官に扮しており、対象には殺人事件の事情聴取と説明しています。

<録音開始>

笠松研究員: この地域は監視カメラが普及してないのか、現場をハッキリと写せていないのが殆どだったんだ。だから、目撃者である貴方に色々と教えて貰いたい。良いかな?

谷氏: はい。

笠松研究員: じゃあ今から映像を見せるね。何かを思い出せたらすぐに言って。

(谷氏に監視カメラの映像を見せる。)

笠松研究員: 最初貴方が転んでいるけど、怪我とかはなかった?結構吹っ飛んでるように見えるよ。

谷氏: あ、大丈夫です。突き飛ばされてちょっと尻もちをついただけなので、怪我とかは全然。

笠松研究員: そう。細かいことは後で聞くとして、この男とは面識があるの?

谷氏: 全然知らない人です。……あとストーカーとかでもないと思います。前から誰かに見られているとかは無かったし、多分通り魔みたいな感じかと。

笠松研究員: なるほど。と言うことは、男は最初からナイフを持っていたのかな?

谷氏: いえ。確かカバンに右手をずっと入れてたので、多分そこから取り出したんだと思います。

笠松研究員: どうしてナイフを持ってると気付いたの?

谷氏: えっと、すれ違ったあと急に『おいっ!』って叫んできて、そのあと急に突き飛ばされたもので、ナイフを持ってたかはすぐ分かりませんでした。立とうとした時に持ってるナイフを見て、気付いたら身体が先に動いてました。

笠松研究員: 男はそのあとどうしたの?

谷氏: 追い掛けられたけど逃げ切れました。火事場の馬鹿力って言うのか、男の人も家まで来れなかったです。でも、自分としては男が怖くて逃げたと言うより、持ってたナイフに一番恐怖を感じてましたね。

笠松研究員: ……その後は特に何も?

谷氏: はい、全く。鍵も全部閉めましたけど、翌日はいつも通り仕事に行きました。あ、でも前よりは戸締りをちゃんとするようになったかな。だから、今では良い経験だったと思ってます。

笠松研究員: そうか。……あの、一つ聞いてもいいかな?もし嫌だったら言ってね。

谷氏: はい、何でしょう?

笠松研究員: 監視カメラには写っていないけど、男のすぐ近くに被害者の遺体があったんだ。なら、貴方は時間的にも被害者が刺されたのを見たはず。私が知りたいのは、このカメラの死角で起きたことなんだ。

谷氏: (沈黙)

笠松研究員: かなりショッキングな光景だから、自分から話そうとするまで待ってみたんだけど、不自然なくらいそれを避けて話すよね。そう言えば突き飛ばされたから転んだって言ってたけど、もしかして男に突然突き飛ばされたから、それがショックで覚えてないとか?

谷氏: 覚えてますよ!……でも、私を突き飛ばしたのは男じゃなくて刺された人です。その人は逃げてって言ってました。

笠松研究員: じゃあ、刺された人は貴方を助けてくれたってことだよね。でも、どうしてその人の話を避けようとするんだ?通報もしなかったし、それは何かの後悔から?

谷氏: 私は刺されてないから関係ないと思ったんです!すぐ逃げることも出来た!それなのに通報とか捕まえるとか、それってまるで被害者みたいですか!防犯って被害を受けないことですよね!?

笠松研究員: ……だけど刺されたのは、貴方のお姉さんじゃないか。他人だったとしても何で通報さえしなかったの?私達に話して、犯人を捕まえた方がお姉さんの無念を晴らせるし、貴方にとっても1番安全な方法じゃない?

谷氏: そんなことして人に頼るより、自分で出来ることをやった方が良いでしょう?後悔も何も……あ、でも1個だけ後悔してます。

笠松研究員: 何を?

谷氏: (ため息)監視カメラに映らなかったら、こんなこと話さなくて良かったのにって。

<録音終了>

終了報告書: 谷氏は異常性に暴露していたことが判明しましたが、姉の谷沙奈絵氏は眼鏡を着用していたことで異常性に暴露せず、男から逃げ遅れたのでは無いかと推測します。谷氏は、記憶処理を受けてもなお除去出来ない影響があるものの、周囲への多大な影響は無いとして現在は解放されています。しかし、遺体が1日以上放置されていたこと、また犯行時刻が休日の昼間であったことから、SCP-XXX-JPの暴露者は谷氏以外にも複数人いると推測します。元所有者である男性は現在も逃走しており、SCP-XXX-JPの情報収集を目的とした捜索と、他に暴露した人物が居ないかを現在調査中です。


scp jp euclid



ページ情報

執筆者: hakuyou_shiro
文字数: 4694
リビジョン数: 87
批評コメント: 0

最終更新: 21 Apr 2023 02:21
最終コメント: 批評コメントはありません

ページコンソール

批評ステータス

カテゴリ

SCP-JP

本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

GoIF-JP

本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

Tale-JP

本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

翻訳

翻訳作品の下書きが該当します。

その他

他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。

コンテンツマーカー

ジョーク

本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。

アダルト

本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。

既存記事改稿

本投稿済みの下書きが該当します。

イベント

イベント参加予定の下書きが該当します。

フィーチャー

短編

構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

任意A任意B任意C

ERROR

The hakuyou_shiro's portal does not exist.


エラー: hakuyou_shiroのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:6593510 (25 Jun 2020 16:28)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License