<通信開始>
早川: 誰かいますか!?応答願います!
応答者: [聞き取れない音声]
早川: 誰かいるんですか!?声が聞き取れません!
応答者: [ノイズ音]か!管制塔の人なのか!?[ノイズ音]
早川: 私は今横で並走している偵察機のパイロットで、早川と申します!貴方はその飛行機のパイロットですか?
応答者: 違う[ノイズ音]俺はパイロットでも[ノイズ音]何でもない!
早川: パイロットじゃない?貴方は誰なんですか?
応答者: 俺はただの[ノイズ音]一般客だ!機長らしき人や本当[ノイズ音]のパイロットは気絶してる![ノイズ音]
早川: 貴方が操縦してるんですか?気絶って何が起きたんですか?
応答者: 分かんねぇ![ノイズ音]警告音で起きたけど皆は気付かず[ノイズ音]寝てるのかと思った。だけど乗務員まで寝てた[ノイズ音]んでおかしいと思ったんだ![ノイズ音]警告では与圧が何とかって![ノイズ音]
早川: 大丈夫ですか?ノイズ音があって、少し聞き取りにくいです。
応答者: こっちは大丈夫だが、[ノイズ音][ぶつかる音]これでどうだ!?だいぶ落ち着いてきたか?
早川: 少しノイズ音がありますが、さっきまでより聞き取りやすくなりました。そう言えば、貴方の名前は?何故その飛行機に?
応答者: 薫田辰衣くんだたつきだ。妻と子供とで旅行に行ってたんだ。そしたら事故に巻き込まれて、[ノイズ音]何故か俺が操縦してる。
早川: 貴方以外に起きている人はいないんですか?
応答者: 残念ながら俺だけだった。酸素マスクが降りて[ノイズ音]たけど酸素がもう尽きたのか…。[ノイズ音]だからそれからずっと俺がこの飛行機を操縦してる。
早川: 自動操縦には切り替えられないのですか?
応答者: それも試した!けど全く[ノイズ音]反応しない。凄くたまにしかならないんだ![ノイズ音]勝手に切り替わるんだよ。その間に何か出来ないかと手動に[ノイズ音]切り替わるまでの時間を測ったりしたんだ。30分きっかりだ。
早川: たまにしか?その30分の間に何か分かったことはありますか?
応答者: あぁ。皆が起きないか声[ノイズ音]を掛けたりしたけど起きなか[ノイズ音]った!他には操縦以外に何か動くものがないかとか。
早川: 操縦が出来るのに何で着陸しないのですか?
応答者: それがこの飛行機[ノイズ音]変なんだよ。左右や上下に行くことは出来るんだが、車輪を出せないからこのまま行くと墜落しちまうんだ。
早川: 海上への着陸は?非常口などの扉は開かないのですか?
応答者: [ノイズ音]それもマニュアルを見て、出来ないかと思ってやろうとしたんだが、そもそもこいつ減速しないんだよ。このままだとバラバラになる。非常口も自動操縦に[ノイズ音]切り替わった時に調べたよ。全然開かない。
早川: なるほど。では、機体が消える際に、機内では何が起きているんですか?
応答者: 機体が消える?黒い雲に突っ込む時か?
早川: 黒い雲、ですか?
応答者: あぁ。雲の中から住宅街や海の上に出てくるんだけど、[ノイズ音]しばらくしたら黒い雲に突っ込んでまた雲の中を飛んでるんだよ。
早川: その時どれくらい雲の中にいるんですか?
応答者: 時間はバラバラだよ。雲から出たときの方が、[ノイズ音]時間は雲の中より長いと思う。
早川: それだけの時間が経って、食事などはどうしてたんですか?
応答者: そう言えば[ノイズ音]操縦するのに必死だったから気付かなかったけど、空腹を感じたことがないな。待てよ?[ノイズ音]
早川: どうしましたか?
応答者: 今何月何日だ?この[ノイズ音]飛行機が行方不明になって何日経った?こっちは時計が壊れてて。
早川: 何日なんてもんじゃないですよ。もう何十年も経っています。
応答者: え、今なんて?
早川: その飛行機が行方不明になってから何十年も経っています。今は2006年ですよ。
応答者: 2006だと?19█じゃなくて?
早川: そうです。
応答者: [ノイズ音]
早川: 大丈夫ですか?突然こんなことを言われて、混乱してるかもしれませんが。
応答者: いや、まぁ、大丈夫。[ノイズ音]薄々気が付いてはいたんだ。ずっと操縦して燃料はもう無いはずなのに飛べているから。
応答者: でも、それでも、少なくとも一年くらいだと。だから、[ノイズ音]まだ探してくれていたなんて思って。
早川: 当時捜索はされていましたが、残骸さえ見つからなかったのもあり、既に打ち切られています。
応答者: [ノイズ音]そうか。あのさ。
早川: はい。
応答者: 俺は[ノイズ音]どうすればいい?
早川: そうですね。乗客がまだ生きているとなると、貴方にはこれからも操縦をしてもらう必要があります。
応答者: そう[ノイズ音]だよな。それは国から言われたものなのか?
早川: 国と言うよりは組織ですね。私はその組織に所属しており、その飛行機のような異常存在を確保、収容、保護をしているんです。
応答者: 組織?かなり怪しいけど、こんなことが起こってるしな。今はそういうのも[ノイズ音]存在してるのか。
早川: 実際はもっと前からあるのですが、機密情報なので普通はまず知らされません。
応答者: ってことは、この飛行機や俺のこと[ノイズ音]も秘密になるのか?
早川: (二秒の沈黙)そう言うことになります。
応答者: なるほどね。[ノイズ音]あっ。
早川: どうしましたか?
応答者: 黒い雲が近付いてる。
早川: こちらからはその黒い雲は見当たりません。
応答者: やっぱりそうなのか。少なくとも、そろそろ[ノイズ音]お別れってことなのは分かる。[一秒の沈黙]なぁ。
早川: はい、何でしょう?
応答者: また通信が出来るか分からないから聞いて欲しいんだけど、あ、別に独り言だと思って聞き流してくれてもいい。
早川: 良いですよ。
応答者: 実は俺、パイロットになりたかったんだ。勉強も頑張ってやっててさ。でも事故に遭って、試験に受けることすら叶わなかったんだよ。
早川: そうだったんですか。だから最低限の操縦が出来たんですね。事故でどこか障害でも負ったんですか?
応答者: うん。パイロットにとって重要な目に怪我を負ってしまったんだ。視力は大丈夫だけど、片方の目に視野障害を患ってね。
早川: 視野障害とは、見える範囲が狭まるといったものですか?
応答者: そんな感じだよ。しかし、こんな形で飛行機を操縦出来るとは思わなかったな。
早川: 私も、貴方みたいなパイロットに会うのは初めてですよ。
応答者: [笑い声]そうだろうね。[一秒の沈黙]さて、そろそろだ。
早川: ██さん。
応答者: ん?何だ?
早川: 乗客を守るために何十年も飛行機を操縦してくれたこと、私はパイロットとして誇りに思っています。
応答者: あ、今、コックピットから君が敬礼してるのが見えたよ。
早川: 見えましたか?
応答者: 本物のパイロットに褒められた上に、敬礼までされるなんて光栄だよ。まだ頑張ろうって思えた。
早川: それは良かった。では、良い空の旅を、健闘を祈ります。
応答者: ありがとう![ノイズ音]
<通信終了>
終了報告書: 通信の後、応答者はパイロットの早川に敬礼を返しながら、SCP-XXX-JPは応答者と共に消失しました。SCP-XXX-JPは着陸するために減速することが不可能であり、SCP-XXX-JPに搭乗していた乗客と乗務員は、意識を喪失しているだけで生存していたことが判明しています。意識を喪失した原因は現在調査中です。また、機外からは確認されていませんが、消える際には黒い雲(以下SCP-XXX-JP-1)が機内から確認されています。
現状dvです。
文法上の問題もありますが、大きな問題として内容が面白くないように感じます。
永遠に飛び続けるという題材は基本的には恐怖寄りの感情を引き起こしますが、このインタビューではどちらかと言うとパイロットの爽やかさ、夢の実現といった前向きな印象があり、実際にこの状況になった時に僅かなインタビュー時間でこの言葉が出てくるかは疑問に思います。
上空では基本的には自動操縦を行いますが、それは基本的に着陸と離陸以外の工程で細かい操作が不要になるからであり、この状態で操縦桿を握っても特に面白い挙動は出来ないため、被害者の男性が楽しんでいるのは単純に疑問です。いい景色だとは思いますが…
また、空中給油等の技術も発達しており、財団の技術であれば飛んでいる飛行機から人を助け出そうともできるのでは、と考えます。
総合して、前向きな展開が唐突であり感情移入できず面白くないこと、財団が手を尽くしていないのに感情的な話を始める部分などが気になりました。
文法的には
SCP-XXX-JPは3〜10年に2回の頻度で出現し、30分~1時間は空中を飛んだ後、SCP-XXX-JPは跡形もなく消失します。
等、主語のSCP-XXX-jpが同じ文に2回出てくるなど、推敲が甘いように思います。
違和感と文法を指摘していただきありがとうございます。確かに危機感無く前向き過ぎました。また、救助方法を模索するなどの行動を増やしてみます。