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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが発生する日時及び場所は予測、特定できていません。SCP-XXX-JPの発生を目撃した職員はできる限り正確に観測、記録してください。SCP-XXX-JP-αの出現及び消失の際に発生した混乱には、クラスA記憶処理を用いて対処してください。
説明: SCP-XXX-JPはある地点(以下、SCP-XXX-JP-A)で発生するイベントです。SCP-XXX-JPが発生する条件の共通点として、曝露者には以下の点が挙げられます。
- 配偶者が死去してから5年以上経過している。
- 配偶者に対して何かしらの未練がある。
- 現在結婚していない。
- SCP-XXX-JP-Aでは、配偶者との何らかの思い出がある。
SCP-XXX-JPが発生すると、曝露者の配偶者に酷似した人型実体(以下、SCP-XXX-JP-α)が出現し、曝露者との接触を始め、最終的にSCP-XXX-JP-αは消失します。SCP-XXX-JP終了後、曝露者はSCP-XXX-JP-Aでの記憶は保持したままですが、SCP-XXX-JPの発生及び配偶者に関する記憶を消失しています。何が要因となってSCP-XXX-JP-αが消失するかは未確定ですが、現在は時間経過ではなく曝露者の行動によって消失すると考えられています。
以下はSCP-XXX-JP発生の観測記録の抜粋です。なお全ての観測記録で、SCP-XXX-JP-αの出現及び消失の際に発生した混乱は、クラスA記憶処理によって沈静化されています。また、他にも34件のSCP-XXX-JP発生が報告されていますが、正確に記録されているものは少数です。
観測記録XXX-1 - 日付2015/8/10
曝露者: 山本 聡(静岡県在住、34歳)
観測者: エージェント・北沢(任務の休憩中)
SCP-XXX-JP-A1: カフェ███の屋外席
<観測開始>
[12:02] 曝露者が席に座ると同時にSCP-XXX-JP-α1が対面席に出現する。曝露者とSCP-XXX-JP-αが談笑を始める。
[12:05] カフェ店員がテーブルにアイスコーヒー1杯と伝票を置く。曝露者は、アイスコーヒー1杯を追加注文する。
[12:06] カフェ店員がテーブルにアイスコーヒー1杯と伝票を置く。
[12:08] 曝露者がアイスコーヒーを飲むSCP-XXX-JP-α1を撮影する。観測後の調査で、曝露者がアイスコーヒーのみを写した写真をSNS上にアップしていたのが確認されている。
[12:16] SCP-XXX-JP-α1がアイスコーヒーを飲み干す。曝露者がカフェ店員を呼び、アイスコーヒーを再び注文する。
[12:17] カフェ店員がテーブルにアイスコーヒー1杯と伝票を置く。その後、曝露者とSCP-XXX-JP-α1は談笑を続ける。
[12:31] 曝露者がアイスコーヒーを飲み干すと同時にSCP-XXX-JP-α1が消失する。
[12:32] 曝露者がアイスコーヒー3杯分の会計を済ませ、退店する。
<観測終了>
終了報告書: SCP-XXX-JPが観測された最初の事例です。
観測記録XXX-2 - 日付2015/12/25
曝露者: 高島 茂樹(東京都在住、51歳)
観測者: 佐鹿研究員(任務のために移動中)
SCP-XXX-JP-A2: JR武蔵野線東京駅-舞浜駅間
<観測開始>
[8:41] 曝露者が電車に乗り込む。他に曝露者の娘及び孫が同伴している。曝露者が席に座ると同時にSCP-XXX-JP-α2が隣席に出現し、対面席に娘と孫が座る。三人及びSCP-XXX-JP-α2が談笑を始める。
[8:42] 三人がおにぎりを食べ始める。曝露者がSCP-XXX-JP-α2におにぎりを一個手渡し、SCP-XXX-JP-α2がこれを食べる。
[8:46] SCP-XXX-JP-α2がおにぎりを食べ終わる。曝露者がSCP-XXX-JP-α2に紙パックのお茶を一本手渡し、SCP-XXX-JP-α2がこれを飲む。
[8:50] SCP-XXX-JP-α2がお茶を飲み終わり、おにぎりのゴミと一緒に曝露者に渡す。
[8:55] 電車が停車し、三人とSCP-XXX-JP-α2が電車から降りる。
<観測終了>
終了報告書: その後のインタビューで、曝露者の娘及び孫もSCP-XXX-JPの発生及び曝露者の配偶者の記憶を保持していませんでした。また、この電車内では現在までにSCP-XXX-JPが他にも3件観測されています。
観測記録XXX-3 - 日付2016/10/8
曝露者: 新島 朱里(神奈川県在住、31歳)
観測者: エージェント・喜多川(任務の休憩中)
SCP-XXX-JP-A3: 横浜中華街 善隣門
<観測開始>
[11:48] 曝露者が善隣門をくぐると同時にSCP-XXX-JP-α3が隣に出現する。
[11:49~12:13] 談笑しながら横浜中華街内を歩き回る。
[12:14] ███に入店する。注文は全て二人前で、曝露者が支払いをした。
[13:03] ███を退店する。
[13:04~13:22] 再び談笑しながら横浜中華街内を歩き回る。途中、肉まんなどを購入する。
[13:23] 善隣門下へ移動する。曝露者が泣き出し、SCP-XXX-JP-α3が曝露者の涙をハンカチで拭きながら宥める。
[13:27] 泣き止まない曝露者を、SCP-XXX-JP-α3が善隣門の外側へ押し出す。SCP-XXX-JP-α3が消失し、曝露者が泣き止む。
<観測終了>
終了報告書: その後のインタビューで、曝露者は泣き出した理由について説明をすることができませんでした。また、曝露者の自発的な行動以外でSCP-XXX-JP-αが消失した初めての事例ですが、曝露者が善隣門の外側へ移動したことがSCP-XXX-JP-α消失の要因であると考えられます。
補遺: その後の調査の結果、観測された曝露者全員がSCP-XXX-JP発生から一年以内に再婚していることが判明しました。これが異常性と関連しているか現在調査中です。
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- portal:6568589 (20 Jun 2020 11:11)
読ませていただきました。
記憶から消えてなくなるあの人、というわけですね。
異常性はシンプルで、内容も簡潔で情緒あふれるいい記事だと思います。
その分、やはりオチが読めてしまうところはありますね。もっとも、この記事の場合、読めてしまってもいい気はするので、そこは好みかもしれません。読ませない方向に持っていこうとすると、描写がホラー気味になりそうですし、それは作者さんがおそらく望むことではないでしょうし。
それ以外の点で気になることとしては、同様の事案が同じ個所で確認されたようですが、この時系列は同時に発生したのでしょうか? それとも別の日時で発生したのでしょうか? おそらく後者だとは思いますが、今の書き方であれば同じタイミングで発生したようにも思えました。
また、細かいですがオブジェクトクラスが少し気になります。Ticonderogaは"収容不能ですが、その必要もありません"とあります。その場合、第三者がこの消滅現象を見ていることによって発生する混乱は度外視なのでしょうか? カフェ等の描写を見るに、SCP-XXX-JP-αは第三者にも認識できているようですし。もし、第三者にも記憶改変等の影響があるなら財団職員に発生しない理由などを付ける必要があるかもしれません。
以上、個人的な意見でしたが記事作成の一助となれば幸いです。
批評していただきありがとうございます。
この点に関しては、この直後にkyougokuさんがおっしゃっている通り、読めてしまっても構わないと思っています。
確かにそのように読めてしまいますね。書き方を工夫して変えたいと思います。
正直、自分でもここが現在最も頭を悩ませている問題点です。オブジェクトクラスや特別収容プロトコルを変更して記憶処理を行うようにするか、一定の条件で周りに認識災害などを起こすかなど、色々検討して決めていきたいと思います。
最後に、情緒あふれるいい記事と言っていただきありがとうございます。今後、批評していただいた点を含め、更にいい記事にしていこうと思います。