SCP-2359-JP 夜伽話
rating: 0+x

アイテム番号: SCP-2359-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2359-JPは周囲150mに渡って隔壁が設置され、機動部隊て‐6「”星見る人々”」は周囲の巡回警備と監視カメラを用いたSCP-2359-JP内部の監視を行います。SCP-2359-JP内部の調査はレベル2以上のクリアランスを有する職員一名以上の許可が必要です。SCP-2359-JPに一般人が接近した場合は、カバーストーリー「撤去工事」を用いて退去させてください。内部に侵入した人物に対してはクラスA記憶処理を行い、速やかに解放してください。SCP-2359-JP内部から人が出現した場合は、対象の保護の後にインタビュー、精神検査を行ってください。

説明: SCP-2359-JPは島根県松江市に存在する「██会館」という看板が掛けられた葬儀場です。
SCP-2359-JPの異常性は、SCP-2359-JP内部で通夜が行われた後に発生します。通夜が終わった直後、通夜の参加者全員(以下、SCP-2359-JP-A群と呼称)が別の部屋に転送されます。同時に、SCP-2359-JPを中心とした半径100mの領域(以下、SCP-2359-JP-1)を覆う壁1が出現し、その領域内の時間の流れが著しく低下します。2
転送されたSCP-2359-JP-A群はある部屋内のスクリーンにて故人の人生を主観的にとらえた映像を閲覧します。この映像の長さは故人の寿命とほぼ一致していると推測されています。その映像を閲覧する間SCP-2359-JP-A群は一切の空腹感や疲労感を感じず、SCP-2359-JPの外に出ようとする行動も起こしません。そしてSCP-2359-JP-A群が映像を見終わると同時に、SCP-2359-JP-1内部に太陽が昇り壁が消失します。SCP-2359-JP-A群はこの時初めてSCP-2359-JP外部への移動を行います。この際、SCP-2359-JP-1外部でいかなる時間が経過している場合にも、SCP-2359-JP-1内部は1晩のみ経過した状態である点に留意してください。

経緯: SCP-2359-JPは2020/04/23に、SNS上にて「常にきれいな星空が見える場所」として写真付きで投稿されていたところをエージェントに発見されました。当初、SCP-2359-JPのナンバーはSCP-2359-JPが発生させている領域につけられていましたが、2066/09/11にSCP-2359-JP内部から出現した人々への調査により、SCP-2359-JPのナンバーの振り替えが行われました。

補遺1: 2066/9/12に、SCP-2359-JP-Aへのインタビューが行われました。以下は、その音声記録の一部です。

対象: SCP-2359-JP-A-1

インタビュアー: 天夜博士

付記: SCP-2359-JP-A-1は通夜が行われていた故人の妻に当たる。

<録音開始>

インタビュアー: おはようございます、██さん3。気分はいかがですか?

SCP-2359-JP-A-1: はい、なんとか…。…今でも信じられない気分ですが、本当に46年経ってしまったのですか?冗談などではなく?

インタビュアー: ええ、残念ながら。しかし、心配することはありません。あなた方を支えるために私たちはいるのですから、何か不安なことがあったらためらうことなく話してください。

SCP-2359-JP-A-1: ありがとうございます。

[以下、重要度の低い話が続いたため、省略]

インタビュアー: …なるほど。では次に、あの葬儀場の中であった事を教えてくれませんか?

SCP-2359-JP-A-1: …あの葬儀場の中では、通夜の終わりまでは普通だったと思います。通夜が終わった後、私たちはその部屋を離れてばらばらに行動していたのですが、気が付けばスクリーンが掛けられている部屋4に全員が集まっていました。どうやってその部屋に入ったかは覚えていませんが、何かあるのだろうと全員がその場で待っていました。しばらくたって部屋が暗くなると、スクリーンには…。[しばらく沈黙]

インタビュアー: ██さん?大丈夫ですか?もし話したくないことであれば気持ちが落ち着いてからでも構いませんよ。

SCP-2359-JP-A-1: …大丈夫です。少し思い出してしまって。ええ、スクリーンには主人の遺影が映っていました。その後に、ゆっくりと場面が切り替わって、「████様5の一生」とタイトルが出てきて映像が始まりました。…それは主人の一生をおそらく主人視点から映したものだと思います。最初その映像を見たときは全員が動揺していたと思います。まるでサプライズのようでしたから。

インタビュアー: もしや、その映像は彼が生まれたときから始まっていたのですか?

SCP-2359-JP-A-1: ええ。私たちはその映像を主人が生まれてから死ぬまでおそらくずっと見ていたのでしょう。主人は46歳で亡くなったように、私にとっても、その場にいたほかの人たちもあれを見終わったとき46年も経ってしまったようなそんな感覚でした。しかし、その場にいた全員がその映像をじっと見ていたのも事実です。あの人の声が、あの人の優しさが、あの人の強さが、もう二度と見ることも聞くこともないそれらがあの映像には確かにありました。誰一人あの部屋を出ることなく見入っていました。

インタビュアー: …なるほど、ありがとうございます。最後に、ご主人の映像で何か気になることはありませんでしたか。

SCP-2359-JP-A-1: …特にありませんでした。あの映像を見終わった後、少し嬉しい気持ちでした。あの人に出会えてよかった、あの人と同じ時間を過ごせてよかったと。ただ、今は違う気持ちがあります。

インタビュアー: 違う気持ちとは?

SCP-2359-JP-A-1: …あの葬儀場を出た後に太陽を見て、あの人はもういない、という気持ちがふと出てきたのです。その気持ちは今もずっと残ったままです。…今、とても不安なのです。私にとって、主人は太陽のような人でした。そんなあの人がいなくなった今、私はどうやって一人でこの道を進めばいいのかと。

[しばらく沈黙]

…あの夜はもう明けてしまいました。しかし、私の夜はもう明けない気がするのです。…私はこれからどう生きていけばいいのですか。何を頼りに進んでいけばいいのですか。

インタビュアー: …それは私たちには何とも。しかし、この場所にいる限りはあなたが元の社会に戻れるよう手を尽くします。あなたの人生もまだ続くのです。たとえそれが暗い夜道だったとしても、いつか別の光で灯せばいいと思いますよ。

SCP-2359-JP-A-1: …そうですか。そうですね。まだまだ私は生きていかなきゃいけないんですね。あの人の記憶を、思いを背負って、これから一人で。

<録音終了>

インタビュー終了後、SCP-2359-JP-A-1の精神状態を調査したところ、軽度の鬱の症状が確認されました。以降に行われた他のSCP-2359-JP-Aに対するインタビューでも同様の傾向が見られており、SCP-2359-JPが関係しているものと見られています。それに伴い、より詳しい調査を行うために、SCP-2359-JPを用いた実験が現在審議されています。

補遺2: SCP-2359-JPを経営していた██氏6の調査が行われ、██氏の自宅より「天憶の窓」と名乗る団体に関する資料が押収されました。以下はその資料の一部です。

令和2年3月23日

██社社長 ██様

有限会社 天憶の窓

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、この度は弊社の「記憶抽出機」、「記憶投影装置(Type1)」のご購入誠に感謝申し上げます。
いつになっても、故人との別れはとても悲しい事でございます。そうである故に、「残された人たちの故人との思い出に寄り添う」という貴社のお考えに弊社の社員一同とても感服いたしました。
よって、弊社からのお気持ちとしていくつか追加オプションを無償で提供させていただきました。微力ではありますが、貴社の発展に役立つことを願っております。
万が一、弊社の商品に関してご不明な点がございましたら、ご迷惑をおかけしますがご連絡ください。

██社の今後一層のご発展を、心より祈念申し上げます。
                               謹白

この文書に記載されている「天憶の窓」と名乗る団体について調査が行われましたが、今に至るまで有益な情報は得られていません。

補遺3: 以下はSCP-XXXX-JP-Aに関する調査を行った天夜博士により提出された文書です。

昨日、SCP-XXXX-JP-A全員へのインタビューが終わりました。彼らの話には大きな差異はなく、おそらく彼らは「事実」を話していると考えて構わないでしょう。
この報告書を読んだ方なら分かると思いますが、基本的にSCP-XXXX-JP-Aは故人に対して「優しい人だった」「いい人を亡くした」という言葉を残しています。しかし、SCP-XXXX-JP-A以外の故人の関係者に対して行った調査では、真逆の言葉が確認されているのです。彼らはみな揃ってこう言いました。
「奴は死んで当然だった」、と。
彼らの話によると、故人は日常的に家族に対して暴力をふるっており、周囲に幾度も迷惑をかけるような人間だったそうです。また、暴力によって子供の一人が死亡しているという話も聞きました。しかし、それを示す客観的な事実を私たちは何一つ確認できませんでした。しかしまた、彼らの主観的な発言だけを信じることは財団職員として不適切だと思うのですが、彼らは嘘を言っているようには見えませんでした。実際、彼らのインタビューに際して使われた嘘判定機は一度も彼らの発言に嘘が入っていると記録しなかったのです。
この奇妙な結果が現時点で私が抱えている唯一の懸念です。SCP-XXXX-JP-Aとそれ以外の関係者の内、どちらが正しいことを言っているのでしょうか?もし、SCP-XXXX-JP-Aが言っていることが間違いであるとするなら、故人の身に何があったのでしょうか?
私たちは何かを見落としているような気がしてなりません。SCP-XXXX-JPに関する調査の続行が必要だと私は思います。

SCP-XXXX-JP担当チームチームリーダー 天夜 影芳 

以上の提案により、SCP-XXXX-JPの調査は続行されています。また、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスをEuclidに引き上げることについては現在審議中です。

ERROR

The tokoyo's portal does not exist.


エラー: tokoyoのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:6559206 ( 03 Aug 2020 04:09 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License