姉弟

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えぇっと、国語の時間で『家族』について作文を書くことになったので、お姉ちゃんについて書きます。


僕のお姉ちゃん、猫舞 楓
とても僕に厳しい人だった。

「ぬ、傑。そんなところで何をやっているんだ?」

僕は当時、████という閉鎖された環境で暮らしていた。
とにかく遊び場もおもちゃもないから、野生の動物みたいに、木登りしたり、川遊びをよくしていた。
で、失敗してよくお姉ちゃんに怒られていた。

「お、お姉ちゃん……」

涙目で言う私。
お姉ちゃんは僕を見て、溜め息をついた。

「はぁ、その木は神木でもあるから手を出すなと言っただろう、だがあえて禁忌に挑むその気骨だけは褒めてやるよ」

そう言いながら、神木の周りに薪やら藁やらを置いていた。この木を燃やす準備をしてるかのように思えた。

「え?お姉ちゃん、何をしてるの?あの、降りれなくなったから助けて……」

「多少、勿体ないし罰当たりなことだけどしょうがないか。未熟な弟の修行の糧になればいいだろう」

「お、お姉ちゃん?」

「ファイヤー!!」

そう言った瞬間、神木は突如勢いよく燃えだした。

「きゃぁぁああ!?やっぱり燃やすのーっ!?なんで!?助けるどころかなんで実の弟を殺そうとしているの!?」

「獅子は我が子を千尋の谷に落とすものだぜ。これも練習だ、耐えろ我が弟…。それと実は言うと、その神木は敷地を大きくとるからな、いつか消そうと思ったところなんだ」

「いやぁぁあああ!?」


数分後、無事に救助された僕。死ぬかと思った…。

「おや、楓さん?弟さん、どうかしたんですか?」

不思議に聞いてくる我が家の使用人。

「なに、幻覚とも知らないで火に怯えて大木から落ちた未熟な妹を、寝所に連れていっているだけよ。この子はいつも退屈そうだからな、たまに遊んでやって」

「その程度なら、お任せください……。あの、重かったら私が運びましょうか?」

使用人の気遣いを、お姉ちゃんは優しく断った。

「実の弟とのスキンシップなのよ。こういう時じゃないと優しく頭を撫でてあげられない面倒な間柄よ……。せめて夢のなかにいるときぐらいは姉らしいことを──母親らしい真似をしてやりたいのよ」

そう言って、お姉ちゃんはすこし寂しそうに笑った。


僕はほんとうはもう起きていたけど、お姉ちゃんの背中は温かくて、ずっと眠ったふりをしていた。




お姉ちゃんは、厳しい人だったけど。




僕は、不器用でほんとうは優しい、お姉ちゃんが大好きだった。


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  1. portal:6546777 ( 02 Jul 2020 10:48 )
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