現在このページは批評中です。
幸せなことばかりじゃなかったよ。
お兄ちゃんは昔は今よりもっとやる気がなくて、人生っていうものに疲れきっていて、いつもぼんやりしている人だったよ。お姉ちゃんも笑うどころか喋ってくれないこともおおくて、『何か』に怯えているみたいで、どんな時でも見えない敵と奮闘しているみたいだった。
……
だから、私は笑顔でいなきゃ。
……
私だって悩みはあった。お兄ちゃんやお姉ちゃんに比べれば、小さい悩みだけど。学校に通いはじめてからはからかわれた。勉強もできなくて、怒られてばかりだったから、つらかった。何もできないから、せめて私は幸せなふりをして、お兄ちゃんやお姉ちゃんが私みたいに笑ってくれるみたいに。うるさいって言われても、どれだけ怒られても、私ができること全てやって、この人生が嫌いにならないように、努力して──頑張ってきた。
……
私のおかげじゃないと思うけど、昔よりお兄ちゃんやお姉ちゃんが笑うようになって、『家族』として触れあうようになって、大騒ぎして、あの時の寂しさや胸がつらくなる冷たさも、全部なくなったと思った。
……
だけど、全部──壊れちゃった。
……
みんなが頑張って、協力して、保っていた『平和な』日常が、あっけなく壊された。許さないなんて私は思わない。私は誰かを憎んだり、恨んだりしちゃだめだから。けど、取り戻さなきゃ。笑うことしかできない私だけど…。
……
お姉ちゃんに怒られそうだなぁ。何もできずにいる私に「この能無し」とか「馬鹿」とか「泣いているだけじゃないでしょ」とか言いたいほうだいになりそう。自分こそが苦しかったのに…。
……
私には分かっている。お兄ちゃんやお姉ちゃんは死んでしまった。私だけが生きている。私だけが生きているから、私は行かなくちゃ。怖いし、涙もでるけど。諦めずに前に──生きていかなくちゃ。もしもこの世界に『神様』みたいな存在がいたら、私の願いを──祈りを聞いていたら、私の願いを叶えてさせて──。
タグ tale-jp
- portal:6546777 ( 02 Jul 2020 10:48 )

最初は無理して笑顔になってる少女(物語でよくあるやつ)を
1374-JPにこじつけてるだけの話のように思いましたが、
この話を1374-JPを何度も読み返して見比べている内に、
この物語の立ち位置や深い意味が読み取れるようになって、
最終的には面白いと思いました。良い短編taleだと思います。
(ただ、私の評価はかなり甘ちゃんなので、
他の人にも批評してもらうともっと良いと思います。
これくらいさらっと読めるtaleなら土曜の批評会でも沢山コメントをもらえそうですし、
批評会でなくてもチャットで誰か捕まえるのでも、この短さなら十分な批評をもらえる気がします)
サンドボックス3オペレーターです。
ジャンルタグ「コンテスト」の要件を満たさないと判断したため、この下書きの当該ジャンルタグを解除しました。ルールの詳細はこちらを参照してください。