寧楽一族
サーキシズム系正常性維持団体。標語として「諸人に光を、我らに闇を」を掲げる怪しい宗教団体で、信者は全員にくにくしいアノマリーどもだが、正常性維持機関である。
蒐集院や財団のような「蒐集・収容」ではなく、GOCや五行結社のような「破壊」でもなく、「怪異を引き受ける」という独特の異常存在対策を行う組織。
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コンセプト
・原始サーキック時代の分派
・サーキシズムなりの「人類救済」
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歴史
紀元前18世紀: イオンによる反ダエーバイト革命の時代
後に寧楽一族を興すカルキスト・カステヘルミがクラヴィガル・サアルンの命で東方へ布教ための遍歴に出る。
「寧楽一族」の発端は、一人のカルキストにさかのぼる。
紀元前18世紀。オジルモーク・イオンによる革命の最中、クラヴィガル・サアルン率いる暗殺集団に所属していたカルキスト・カステヘルミは、ある日、師であるサアルンより命を受けた。曰く、「東方にも我らナラカの教えを齎すべし」と。
それに否やがあるはずもない。しかし、カステヘルミには疑問があった。己は暗殺者である。伝道者には不向きなのではなかろうか、と。その疑問を読み取ったのか、彼女の師はその相貌に微笑を湛え、カステヘルミを諭した。
「お前は、優しい。もちろん、お前に迷いなく敵を殺める腕前と覚悟が備わっているのは知っている。だが、死者の魂に安息あれ、その魂の来世に救済あれと夜ごと祈るお前の姿を、私が見ていないと思ったのか?」
師のその言葉に、カステヘルミはひどく赤面した。ナラカの教えを得て「邪悪な宇宙の根源」を垣間見た彼女は、確かに夜ごと、己が殺めた者の魂が混沌に食われぬように祈っていた。しかし、その祈りは寝床の中で行われる、ささやかなものだったのだ。
うろたえるカステヘルミを見て、微笑では我慢が効かなくなったのか、少女らしい鈴の鳴るような声で笑うサアルン。しかしそれもつかの間、少女は偉大なるクラヴィガルに戻り、重ねてカステヘルミに命じた。
「西方は程なく、我らがイオンによって邪悪より解き放たれる事だろう。しかし、東方の山脈の彼方にはいまだダエーワや邪神の息吹が満ちる地があるという。西方平定の後の事を考えるなど、今だ革命のさなかにあって考える事ではないのやもしれぬ。だが、念には念を入れるのは私の領分だ。お前が橋頭保を築いてくれれば、後に我らが東に至る足掛かりとなるだろう。往け、カルキスト・カステヘルミ。お前の力で邪悪を討ち、お前の優しさで民を救うのだ。それがやがては、我らを助けることになる」
カステヘルミにもはや、疑問はない。彼女は荷物を纏め、その日の内に、東へ向けて一人旅立ったのである。寧楽一族の家伝より引用
紀元前17~15世紀: カステヘルミによる遍歴の時代
カステヘルミは時間をかけて東に進み、寄る道すがらの集落に教えを広めつつ、山脈の迂回などの影響もあって中国に到達。当時は殷王朝のころ。殷の人々にはあまり歓迎されなかったが、長江の辺りで「倭族」に出会い、受け入れられる。
紀元前15~14世紀: カステヘルミと倭族の旅
倭族のうち、ナラカの教えに目覚めた者たちが旅に同行してくれることに。彼らとともに、長江を下り、カステヘルミ一行は丸木舟で海に漕ぎ出した。
紀元前15~14世紀: 日本漂着
東シナ海に漕ぎ出したせいで「全く陸地が見えない」状態でなおも東に進んだ結果、一行は九州に漂着。
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用語
人名に使われる漢字は、寧楽一族の組織化が進んで以降の当字。古い文書だと同音別字だったりするかもしれない。
聖人
氏御子:うじのみこ。オジルモークの訛り。
慈恩様:じおんさま。イオンの訛り。
玄御子:くろのみこ。クラヴィガルの訛り。
酪母様:らくぼさま。ロヴァタールの訛り。母性の象徴としてこの字があてられた。
難徳様:なんどくさま。ナドックスの訛り。受難と仁徳の人であったためこの字があてられた。
雄力様:おりきさま。オロクの訛り。雄々しい力を意味するこの字があてられた。
裁倫様:さいりんさま。サアルンの訛り。倫理を裁くことからこの字があてられた。寧楽一族において特に篤く信仰される。太祖:「寧楽一族」としての最初のひとり。カルキスト・カステヘルミ。
賀夜奈流美様:かやなるみさま。長年を経てカステヘルミが訛った結果。本人は存命だが、もう慣れたのか気にしていない模様。クラヴィガル・サアルンの直弟子。
役職
監儀師:かんぎし。カルキストの訛り。儀式を監督する師匠の意でもある。
嫗衆:おうなしゅう。ヴォルタールの訛り。年を経た女性が多いが、見た目がそうとは限らない。
仁徒:じんと。ゼンドの訛り。寧楽一族に所属し、教えを実行している家系の人々。仁義の徒。
与倫:よりん。オリンの訛り。倫理を与えられたもの。寧楽一族に新たに参加したもの。
技術
理魄道:りはくどう。リハクタァクの事。魄(肉体を司る気)の理に至る道。寧楽一族の技術のひとつ。異常存在の物理収容に使ったり、異常性を人間から取り除いたりするのに使う。
智慧蔵: ちえくら。寧楽一族固有の技術。理魄道による遺伝子改造で一族の者が共有する「集合知識」。ざっくりいうと「生物学的イントラネット」。嫗衆はこの智慧蔵の「サーバー」としての役目を担う。
神食: かみはみ。『神を食う』技術。寧楽一族が多用する。『異常存在を吸収する』ことで異常を収容する彼ら独特の正常性維持手段。霊魂や神の類にはかなり有効。
神話
悪魂:あくこん。アルコーンの意。ヤルダバオトに仕える邪神たち。寧楽一族の敵である「邪悪な神」のひとつ。無貌の邪神。
邪魔王:やまおう。ヤルダバオトのこと。宇宙の創造主であり、邪神。寧楽一族の敵である「邪悪な神」の代表格。盲目白痴の混沌。
異常存在について
神: かみ。いわゆる神様。神格実体ともいう。
霊魂: れいこん。霊的実体や物理的実体のない幻影などを指す。
現人神: あらひとがみ。いわゆる人型オブジェクト。
神器: じんぎ。いわゆる物品系のオブジェクト。
呪詛: じゅそ。精神汚染系オブジェクトのこと。認識災害やミーム、情報災害などを広範に含む。
妖怪: ようかい。生物系オブジェクトの事。
フォーマット素案
寧楽一族の今までの活動記録は「智慧蔵」に知識として保存されている。このため、記録としては「語る」形になるのが特徴。だが、語り口に一定の文法は存在する。
まず初めに、「誰が何について話すか」を言う。この時に「発言者の階級」「発言者の名前」「オブジェクトの善悪」「オブジェクトの形態」「オブジェクトの名前」が述べられる。その後端的な説明が行われ、最後に今現在の状況が語られる。
例(仮にSCP-173を寧楽一族が収容していた場合)
嫗衆の寧楽アリサが、悪しき神器「首狩り地蔵」について述べます。
首狩り地蔵は、正視されていない際に一人でに動いて人間の首を折る石像です。瞬きも「正視されていない」と見做し瞬時に襲ってきます。加えて摂食行動を行わないにもかかわらず、何故か排泄を行います。
現在は監儀師の寧楽ユリカの理魄道で生み出された、無数の眼球で出来た檻に封じられています。
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任意A任意B任意C- portal:6544094 (27 Aug 2020 11:07)
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