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コロンビア未承認国家樹立事件から20年 ボゴタの禁域指定が解除の方向へ
公開日 2026年12月15日20:30
▲かつての街並みを取り戻しつつあるボゴタの市街地
12月15日、コロンビア共和国の禁域指定が解除された。コロンビア未承認国家樹立事件(通称:オルタナティブ・コロンビア事件)以来禁止されていた民間人の立ち入りも段階的に緩和される見通しだ。国際連合はコロンビアの信託統治から独立を承認する指針を示し、国際社会のコロンビアの平和を取り戻す援助を呼び掛けた。
防護服が無ければ数分で死に至る緑の毒霧は今や跡形もなく消え失せ、コロンビアの首都ボゴタの青空はどこまでも澄み切っていた。深刻な土壌汚染を引き起こしていたパラドラックの降雨をSCP財団の援助の下に導入された玄妙除却施設が浄化しているからだ。二大陸正常化事件を契機に国交を断絶して以降、長らくコロンビアの現状は不透明であった。2026年8月19日に世界オカルト連合及び国際連合の仲裁の下で南米統合管轄局とSCP財団本部の間でパナマ協定が結ばれたの事を契機にコロンビア政府は消極的ながらも超常部族とパラテックの融和政策を推し進めている。
現コロンビア大統領のペトロ氏は同日会見を開き、「7年前に悪夢から目覚めてから、我が国を餌食にしようとする多くのテロ組織と戦ってきた。コロンビアがもう一度国際社会と関われるようになった功績を穢さぬように我々が麻薬戦争の勝者になる所存である」と述べている。コロンビア政府の報告書によれば19年以降悪化していた犯罪率や失業率も国土の浄化と海外からの支援もあり、緩やかに改善している。日本政府も同日の記者会見で「コロンビアを麻薬から解放する事が先進国の義務である」と述べコロンビアに対する経済的支援を強化する方針を示している。
「今まで観光客と言えばジャンキーの悪魔か、麻薬カルテルの残党かの二者択一だったけど、普通の観光客を相手する機会も少しづつ増えてきた。国内観光ができる余裕が生まれたんだろうね」ボゴタで観光ガイドを営むアントニオ・クアルタス氏(52)は語った。7年前からSCP財団より分裂した南米統合管轄局によって鎖国政策が強行されていた南米だったが、オルタナティブ・コロンビア崩壊後の余波で生じたパラドラックの雨が国土を汚染していたコロンビアは早期から多くの組織の干渉を受けていたからだ。管轄局の支援があったとは言えコロンビア政府とカルテル残党との戦闘は熾烈を極めており、経済活動や治安も悪化の一途を辿っていた。そんな混迷の最中で各国の支援を受け少しづつ立ち直っていく母国に安堵しつつも、男性は不安を零した。「コロンビアを訪れた時はベールに包まれた時代遅れな国という色眼鏡を掛けずに、どうかありのままのコロンビアを観て欲しい」
財団は語る
「前近代的なヴェール主義を掲げる南米財団が消極的とは言え国際社会との協調路線を歩む方針転換を取った背景には昨年のカイロ戦争における夏鳥連合軍の敗戦と今年のイエローストーン蜂起の鎮圧があるのは間違いないでしょう」と財団日本支部外交部門職員は語る。19年の二大陸正常化事件を経て夏鳥勢力は2大陸に大きな勢力圏を構築するに至ったが、昨年のカイロ戦争と今年のイエローストーン蜂起によって夏鳥勢力は多くの場所で一掃され始めている。南米財団が危機感を感じ、国際社会との協調を選択したのも想像に難くない。反異常を謳う南米財団にとってコロンビアが"目の上の瘤"であり、パラドラッグを一掃する事で南米財団の正当性を強調する事もコロンビア解放の判断材料になっただろう。
国際社会がコロンビア解放に沸き立つ中で「現状は決して楽観視できない、オルタナティブ・コロンビアが復活する可能性を私達は否定しきれない。電子ドラッグが撲滅されたからと言って安心してはならない」と財団日本支部夢界部門の職員は指摘する。2019年の二大陸正常化でオルタナティブ・コロンビア自体は消滅したものの、コロンビア・コレクティブ自体が消滅した証拠は発見されていない。コロンビア・コレクティブが夢界深層(ディープドリーム)に沈没した可能性があると指摘する専門家も存在する。事実、オルタナティブ・コロンビアが掲げた全世界楽園化を標榜する夢カルト団体「エデンズ・ラダー」による集団自殺事件が日本国内でも発生している。オルタナティブ・コロンビア事件の再発防止策の為にも予断を許さない国際社会の協力関係が必須である。
コロンビアが二度と悪夢に堕ちない様に国際社会には手綱を握る力が求められるだろう。
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ファイルページ: オールド・ボゴタ
ソース: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Panoramic_view_of_Bogota_04_2012_1147.jpg
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: Panoramic view of Bogota
著作権者: Mariordo
公開年: 2012年
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