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Ambrose Under Tokyo
地底の食堂
例え地の底であれ、そこで暮らす人に空腹は訪れます。地下東京のレストランであるアンブローズ・アンダートーキョーが、この苦しい生活にひと時の安らぎを約束しましょう。地下から食文化の素晴らしさという灯が消えぬように、今日もお客さまに美味しい食事を提供していきます。多くの者が忘れてしまった地上の味を、地下でどうぞゆっくりと噛み締めて下さい。
現在のアクセス
後楽園駅で下車した後にエレベーターで地下537階に下り、そこから地下街をまっすぐ進んで下さい(徒歩80分)。
電話でお越しになる際は短縮呪言を唱えた後に当店の電話番号を公衆電話で入力すると当店に直接入店可能です。
※注文した料理に必ず感謝して食べて下さい。我らは駅の王の慈悲で活かされています。
※代金のモヤシは必ず払って下さい。我らは駅の王はレンズ越しに見護られています。
※レストランでの迷惑行為はおやめ下さい。駅の王より下水道を超える罰を賜れます。
前菜
モヤシのさわやかサラダ：0M
東京駅直送の新鮮なモヤシをオリジナルドレッシングでさっと味付けした当店の看板メニューです。毎日毎日の食事でモヤシに食べ飽きたお客様も多いでしょう。しかし、さっと湯通しすることでモヤシ本来の味と食感を引きだすことに成功しました。パキパキと心地よい食感と鼻を抜ける爽快感でモヤシの新境地を体験しましょう。
肉料理
ニクの壺焼き：10M
産まれてホヤホヤのニクを殻ごとじっくりと焼き上げたボリューム満点の1皿です。殻ごと火を通すことで旨味を余すところなく閉じ込めたニクにオオウツロの底から汲み上げた地獄の火粉を惜しみなく振り掛ける事でケバブを超える旨味と辛味が病み付きになるでしょう。地獄の業火に灼かれたと錯覚するほどの辛みと滴る肉汁に手が止まらないこと間違いありません。
採れたてコケと下水ワニのシチュー：5M
狭い下水道で容赦なく牙を向く下水ワニも私の手に掛かれば立派な食材に早変わりです。下水ワニは1匹から僅かしか採れないテールだけを使用し、コケは水耕栽培した物を惜しげもなく使う事で立派なシチューに生まれ変ります。鬼火式コンロで三日三晩じっくりと煮込んだワニ肉から溶け出した繊細な出汁が暗い地下の疑心暗鬼で冷え切った心の闇を優しく温め照らし出すでしょう。
魚料理
スシの天ぷら：3M
地下難民の中には死場で練習中の日本代表も存在しており、資源の限られた地下で死合を続行すべく編み出された食材がスシとして伝わっています。地下魚に寿司のモナドを憑依させることで寿司の再現を試みた生物であり、ニクの油でこんがりと揚げることで外はさっくり中はふんわりとした甘みが地下での探索疲れを吹き飛ばすでしょう。
紅鮪髄のカルパッチョ：時価
築地駅の築地地下冷凍マグロ鉱脈の最奥に眠る貴重な紅鮪髄を独自ルートで確保したた希少な一品です。非常に硬くて鉱物の様な赤身を薄くスライスしたシンプルな一品です。ゆっくりと口内の温度で溶け、その薄さから予想できない存在感を発揮し、食べ終わった後も濃厚な余韻が残ります。劣級鮪鉱滓とは比べ物にならない禁断の味を楽しんでみては如何でしょう。
ドリンク
天空樹の恵み：8M
大災の影響を受けて駅に組み込まれたのは駅舎や電車に限りません。東京の新名所として輝いていた東京スカイツリーさえも災害の渦中に巻き込まれて地下に埋もれました。その名前の影響から世界樹と混ざり合い、駅すら貫通する巨樹に変貌した様です。あらゆる自販機に根を伸ばして結ぶ果実は、無数の飲料水が混ざり合ったカクテルとして我らの喉を潤します。日々変化する一期一会の味を堪能すれば、代わり映えしない地下東京であっても同じ日は決して訪れない貴重なものだと再確認出来るでしょう。ただし緑の霧を幻視した際はすぐに呑むのを中止して下さい、そのまま帰って来れなくなるので。
デザート
常世の氷菓：10M
地下東京内での甘味不足は深刻なものであり、唯一の供給先は探京家からの果物や菓子など心細いものでした。ですが、食材調達にハナカゴ深淵部へと潜った際に発見した果樹のお陰で困ることはありません。果実を煮詰めたジャムを東京氷山から切り出した融けない氷に掛けた贅沢なデザートとなっています。日光浴で火照った体をキンキンに冷やす氷菓を是非ともご賞味あれ。
Ambrose Board
当店にて食事をしたお客様の意見を此処に残してOKです。
掲示板は開店以来一度も消去していませんので記録代わりにも。
★★★★★
”チラシの裏”に書かれていた料理店が時空間異常吹き荒れる地下に存在し続けている事は俄かにも信じられなかったけど本当に実在するとはね。食材も調理器具も限られた地下で飯を食ってると無性に地上が恋しくなるけど、ここの店の料理はそんな乾いた心を潤してくれる。
~ karkaroff
★★★★★
同業者から地下でもふらりと来れるレストランの話を聞いて同業者と立ち寄ったけど凄く美味しいね。特に紅鮪髄のカルパッチョは宝石箱のように眩く美しさと未体験の旨味に私の好奇心もくすぐられたね。単なる奇跡論の触媒と思ってたけど、これほど美味なら近々ヴァルハラで開催予定の酒宴で出すツマミとして酒好きの神々も気に入ってくれそうだ。仕入れに訪れた築地冷凍鮪鉱脈に住む半魚人もミイラの干物に興味を持って新しい商機を見つけたし、こんな手土産ならトートも喜んでくれるだろう。
~ Hermes
★★★★★
この険しい地下で何所から食材を確保しているのか、この狭苦しい地下でどうして店を開けているのか。この店に足しげく通うようになって疑問は増える一方でしたが、なんとかシェフの独占インタビューを漕ぎ付けました。次回の恋昏崎地下新報のネタも決まったし、今日は社員とパーッと飲む予定です。地上の皆さんにこの旨さを伝える術が無いのが本当に口惜しい限りです。
~ Hirosue
アイテム番号: SCP-387-UT
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オブジェクトクラス: Euclid
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特別収容プロトコル: SCP-387-UTに関する情報は財団によって検閲・改竄されます。機動部隊β-9("5つ星レビュアーズ")がSCP-387-UTを利用した敵対的要注意団体排除作戦を立案・実行します。
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説明: SCP-387-UTは地下東京で不定期に消失と再出現を繰り返す飲食店です。SCP-387-UT内部は駅構造保持力を逸脱した快適な店内環境と新鮮な食材の供給を不明な手段で維持し続けています。東京難民の証言から大災以前に東京地下に存在した『アンブローズ・レストラン』が概念歪曲現象に暴露した事で異常性を獲得したと考えられています。
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SCP-387-UTの異常性はSCP-387-UTで食事した客(以下対象と呼称)が店内に60分以上滞在し続けた際に発現します。対象は自身が不明な存在に捕食される内容の幻覚を発症し、極度の恐怖状態に陥った対象は数時間掛けて不明な手段で溶解し、消失します。一連の現象は生物の消化プロセスに類似した振る舞いを見せます。研究員によってSCP-387-UTが類似の異常存在と同じく『駅の王』の臓器であり、獲物を捕食して消化する『口と胃』の役割を果たしているのではないかという仮説が立てられています。
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補遺: SCP-387-UTの詳しい異常性が判明していく中でSCP-387-UTの異常性を利用した地下東京内の敵対的要注意団体の排除計画が立案されました。以下は財団が排除作戦を実施した対象のリストです。
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・GoI-001-UT『地下財団』 構成員 3名(未遂)
・GoI-014-UT『電車賊』構成員 25名
・GoI-026-UT『銀座同盟』構成員 10名
・GoI-037-UT『モグラ』構成員 7名
ページコンソール
批評ステータス
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6543543 (01 Aug 2020 05:32)
ファイルページ: 東京
ソース: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Transfer_Gate_of_Toei_Kasuga_Station.JPG
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: 顎
著作権者: ほっち
公開年: 2012年
補足:
画像を編集しています。
構文的批評
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アイデア的批評
総合評価: UVよりNV
現状だとNVかなあという感想です。
原材料がアレやコレやソレなのは面白いんですが、如何せん料理自体が（永久氷菓除き）あまりにゲテモノすぎて、さもありなんという気持ちになってしまうのはあまり良くない気がします。「ニクデンシャを長時間煮だして搾り取った油」が美味しいとは一切思えないですし、karkaroffがこんな料理を褒めているのも笑う前に困惑します。オチもちょっと弱いと思います。
改稿案としては、とにかく料理自体をもっと美味しそうに描写することと、オチにニスロクを引っ張ってくる理由を（地獄の料理長だから意外で）付け加えるあたりでしょうか。