SCP-JP「個性的なタンポポ(仮題)」

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• その他なんでも

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 個性的なタンポポ(仮題)
著者: ©︎MAKOdot-
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-815内の標準植物収容ロッカーへ収容されています。SCP-XXXX-JPによる影響を防ぐため、ロッカー内の水分、酸素、栄養量は常時SCP-XXXX-JPが生存可能な最低限に留められます。SCP-XXXX-JP-Aは3株のみを残し焼却され、同様の手順で収容してください。

+ アーカイブ済プロトコル

SCP-XXXX-JPの現実改変能力の行使や絶滅を防ぐため、2日に1度、担当職員はSCP-XXXX-JPの様子を観察し、肥料や植物を用いて送られる栄養の調節を行ってください。SCP-XXXX-JP-A個体は厳重に記録/管理され、新たなSCP-XXXX-JPの発生に対応してください。SCP-XXXX-JPの動向は遠隔カメラにより記録され、担当職員によって再配置されます。

現在完全な収容のため、プロトコルXXXX-JPが進行中です。

説明: SCP-XXXX-JPは、██県██山にて自生していた、異常性を有したカントウタンポポ(Taraxacum platycarpum)です。SCP-XXXX-JPは義務教育課程終了程度の知能と現実改変能力を保有していると考えられており、また、不明な原理による発声/会話¹での意思疎通が可能です。その他の特異点として、通常の個体に比べSCP-XXXX-JPは根が30%程浅く、また、葉が小さいことが挙げられます。これは、異常性の獲得による影響であると思われていますが、関係性は不明です。

SCP-XXXX-JPは通常のものと同様に成長し、繁殖します。この際、発芽に成功した個体(以下、SCP-XXXX-JP-A)の中からランダムな一個体に異常性が伝承され、その他の全てのSCP-XXXX-JP-Aに於いて異常性は確認されません。しかしながら、全てのSCP-XXXX-JPが活動を停止した場合、直近のSCP-XXXX-JP-AがSCP-XXXX-JPへと変化することが判明しています。

現在までの接触記録から、SCP-XXXX-JPは「無個性」や「普遍的」であることを極端に嫌い、常に他植物との差別化を図ろうとすることが判明しており、SCP-XXXX-JPは小規模な現実改変能力を用いることで上記の目的を達成します。しかしながら、その多くは生存戦略的に不利な物であり、また、SCP-XXXX-JPは現実改変能力を使用する際、多くの糖エネルギーを使用することが判明しています。結果として、SCP-XXXX-JPは多くの場合1ヶ月以内に活動を停止し、度々絶滅が危惧されます。

現在サイト外に存在しているSCP-XXXX-JP-A個体数は約 1,200 600 140 30株程度です。SCP-XXXX-JP、及びSCP-XXXXJP-Aは絶滅が確認されました。

以下は現在まで確認されたSCP-XXXX-JPの現実改変の記録(一部抜粋)です。

• 花弁を黒色に変化させる。
• ロゼッタの蔓状化。
• クモ²に酷似した4対の足を付与。
• 周囲の地形を爆発。
• 葉を直径2m程に変化させる。
• 花弁中央部に甘味のある果実を設置。
• 葉を針状化。
• 茎を伸ばし、毒のある棘を追加。

発見経緯: サイト-81██付近での度々の現実性の揺らぎの確認から周辺の調査が開始。探索中の職員へSCP-XXXX-JPが会話を仕掛けたことから存在、異常性が判明しました。

補遺1: SCP-XXXX-JP接触記録

接触記録XXXX-JP-1 - 発見

+ 音声記録XXXX-JP-1

音声記録XXXX-JP-1

日付: 19██/7/6

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<録音開始>

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[重要性の低いため省略]

SCP-XXXX-JP: おい、おまえさん。そこの背の高い人間さん。

Agt.██: 誰だ？何処にいる。

SCP-XXXX-JP: 足元だ、俺はちょいと変わったタンポポだよ。

Agt.██: タンポポ……話せるのか。

SCP-XXXX-JP: ああ、それだけじゃない。見てくれこの可愛らしいハート型の葉を。

Agt.██: それは珍しいですね。この辺りで話せるのは貴方だけなんですか？

SCP-XXXX-JP: ああ。つっても仲間はいるけどな。話せて色々出来るのは俺だけだ。

Agt.██: 色々、というのは？

SCP-XXXX-JP: 移動したり、形を変えたり、果実を実らせたり、とかだな。まあかなりエネルギーを使うがな。

Agt.██: なるほど。では、この山で起こる異常な現象は、全て貴方が引き起こしている、ということでしょうか？

SCP-XXXX-JP: 多分そうだろう。俺ほど独創的なやつは他にはいない。どいつもこいつも根を拡げろ、葉を伸ばせ、もっと高く。って無個性な争いばかりしてやがる。本当に奴らの生き方はつまんねえぜ。

Agt.██: ふむ…。[Agt.██はサイト管理官へ連絡を取る。] では、SCP-XXXX-JP、私達は貴方のような特異性のある存在を研究するのが目的なのですが、少しご協力頂けないでしょうか。

SCP-XXXX-JP: SCP-XXXX-JPってのは、俺のことか？俺は嫌だね。こんな小さな山じゃなく、もっともっと色んな物や場所を見て回りたいんだ。

Agt.██: では、どうでしょう。協力して頂けたら、安全と栄養に困ることは無くなります。もちろん多少の自由はありますし、エネルギーがないと自分を更に磨くことも難しいでしょう。

SCP-XXXX-JP: いいや、俺は一人で自分を見つけるんだ。それに、あんたらが無理矢理捕まえても、俺は逃げられる術をもってるしな。

Agt.██: そうですか…。わかりました。その気になったら、いつでも読んでくださいね。では。

SCP-XXXX-JP: ああ、じゃあな。

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<録音終了>

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接触記録XXXX-JP-2 - 対話

+ 音声記録XXXX-JP-2

音声記録XXXX-JP-2

日付: 19██/7/12

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<録音開始>

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Agt.██: こんにちは、SCP-XXXX-JP。一週間で随分と離れた場所まで来ましたね。

SCP-XXXX-JP: おお、また来たのか。だろう？他のタンポポとは違って、ツルにした葉っぱを伸ばしてここまで来たんだ。そういえば、今日はどんな用事でここに来たんだ？

Agt.██: いえ、貴方の様子を見に来ただけですよ。以前と何か変わったことはありましたか？

SCP-XXXX-JP: んー、特にはねえかな。ああ、そういえばこの季節になると、みんなぐんぐん背が伸びていって、なかなか太陽が当たりづらいんだよ。

Agt.██: なるほど、植物ですから光合成が出来ないと大変ですね。肥料、必要そうでしょうか？

SCP-XXXX-JP: おお！ありがとうな。ただ、俺の根っこはまだ前の所にあるんだ。済まねえけど、そっちに指しといてくれないか？

Agt.██: わかりました。次の目標は何か決めてるんですか?

SCP-XXXX-JP: んー、取敢えずは、冬が来る前に山の外へ出たいかな。そういえば昨日、そこら辺の雑草に言われたんだけど、植物にとって広いこの世の中、この山で土地の奪い合う意味ってあるのか？

Agt.██: 我々も植物の声が聞ける訳ではないので詳しくはわかりませんが、根の張る位置という意味ではあるんじゃないですかね。少しでも大きく強く成長しようという考えは、理解できます。

SCP-XXXX-JP: なるほどなぁ。でも、つまんねえよな。そうやって競って何になるんだか。平和にのほほんと個性を持って生きていこうぜ。なあ？

Agt.██: まあ、そうできたら幸せでしょうね。

SCP-XXXX-JP: だろ？じゃあな。またいつでも来ておくれよ、ただ、実験台にはならねえからな。

Agt.██: わかりました。では、また。

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<録音終了>

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接触記録XXXX-JP-16 - 突然転移

+ 音声記録XXXX-JP-16

音声記録XXXX-JP-16

日付: 19██/12/21

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付記: カメラから突然のSCP-XXXX-JPの消失を確認。その後の創作によりSCP-XXXX-JPが発見された。

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<録音開始>

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SCP-XXXX-JP: お、どうしたんだい？そんなに慌てて。

Agt.██: SCP-XXXX-JPいました。いえ、見ていたら、突然貴方が消えたものですから。

SCP-XXXX-JP: ああ、すまねえな。ちょっと他の木の枝の上に乗ってみたかったんだ。テレポートって楽しいけど、だいぶ疲れたなあ。

Agt.██: 相当なエネルギーを使いますし、あまりやらないほうがいいかと。

SCP-XXXX-JP: それもそうだな。そういえば、最近ちょっと息苦しいというか、ぼーっとすることが多くなったんだよ。また後で、根っこの方見といてくれねえかな?

Agt.██: わかりました。そういえば、SCP-XXXX-JP-A…貴方の兄弟達については何か知っていたりしますか？

SCP-XXXX-JP: ああ、あいつらのことならある程度の感覚は共有してるから、大体わかるぞ。って言っても、最近は大分数が減って来たんだよ。前年に綿毛を自動回転させたりして色々いじったせいだろうなぁ。

Agt.██: ふむ。今年は増やせそうですかね?

SCP-XXXX-JP: まあ、俺の個性があればなんとかなるだろう。競ってばっかの奴らとは話が違うからな。

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<録音終了>

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接触記録XXXX-JP-27 - 開花

+ 音声記録XXXX-JP-27

音声記録XXXX-JP-27

日付: 19██/4/2

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付記: SCP-XXXX-JPは根の部分へ移動していた。

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<録音開始>

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Agt.██: SCP-XXXX-JP、大丈夫ですか?元気が無さそうですが。

SCP-XXXX-JP: ああ、何とか開花は出来たものに、周りを見てくれ。この雑草の中、大丈夫だと思うか。栄養が殆ど取れねえんだよ。ちょっと周りの引っこ抜いて、栄養剤を少しでいいから撒いてくれねえか。

Agt.██: それはできません。それよりも、綺麗な黒い花ですね。光合成には邪魔でしょうが。

SCP-XXXX-JP: だろ？まあ、多少生きづらくなっても、しょうがない。それが個性ってもんだからな。

Agt.██: まあ、確かにそれはそうですね。つまり、貴方の今の状況も、仕方のないことなんでしょう。私が貴方に何かして上げられることはもう無いんです。

SCP-XXXX-JP: なんでだよ…。ああくそ、いつの間にこんなに根がここまで。丈や根ばかり伸ばしてきやがって。自分を持って、個性を伸ばしてるやつが良いんじゃねえのかよ。なんで、なんで……。

Agt.██: ……それは、貴方が正当な努力…根を伸ばさずに、ただ無闇矢鱈に個性を伸ばすと言って、非現実的な方向へと遊びつづけていたからではないでしょうか。

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<録音終了>

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補遺2:

[実行済] プロトコルXXXX-JP概要

プロトコルXXXX-JP

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目的: 最大影響力の不明な現実改変能力を有したSCP-XXXX-JPの早期の完全な収容。

方法:

1. SCP-XXXX-JPとの複数回の接触により、信頼関係を得る。
2. SCP-XXXX-JPに対し、低度の現実改変を繰り返すよう誘導する。
3. SCP-XXXX-JPが根から1km以上離れた場合、肥料/栄養分の提供を中止。
4. SCP-XXXX-JP-Aを一株のみ残し、全て焼却する。
5. 開花時期に合わせSCP-XXXX-JPの周囲に植物を繁殖させ、吸収を妨害し活動を停止させる。
6. サイト-815の収容ロッカーへ最低限の水分、空気、栄養を残しSCP-XXXX-JP-Aを保管。異常性の転移を待機。転移後、状況を維持し収容を続ける。

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ページ情報

執筆者: MAKOdot-

文字数: 6704

リビジョン数: 10

批評コメント: 2

最終更新: 20 Mar 2022 12:12

最終コメント: 20 Mar 2022 12:11 by MAKOdot-

Footnotes

1. 日本語もしくは日常的な英会話のみ。

2. 品種不明。

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  批評コメント批評コメント

  
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  Kajikimaguro 20 Mar 2022 09:53

  拝読いたしました。

  同様の手順で収容してください。

  〜される。などの言葉遣いから〜してください。というのは少々言葉遣いが少々変になっている様に感じます。個人的な感覚ではあるのですが同様の手順で収容されます。とした方が良さそうに思います。

  SCP-XXXX-JPの現実改変能力の行使や絶滅を防ぐため、2日に1度、担当職員はSCP-XXXX-JPの様子を観察し、肥料や植物を用いて送られる栄養の調節を行ってください。

  現実改変という異常性を持っているのにも関わらずスクラントン現実錨(SRA)が組み込まれていないというのは少々違和感があります。

  SCP-XXXX-JPの動向は遠隔カメラにより記録され、担当職員によって再配置されます。

  何処にどう、いつ再配置されるのかが読み取れず違和感があります。

  義務教育課程終了程度

  国によって義務教育過程の長さは異なりますので人間で言う10代程度、または人間で言う15歳程度とした方が良いかと

  また、不明な原理による発声/会話¹での意思疎通が可能です。

  何と会話が可能なのでしょうか、オブジェクト同士なのか、人となのか、それともまた両方ともなのか分かりづらいです。

  通常の個体

  個体というよりは種とした方がわかりやすいです。

  異常性の獲得による影響であると思われていますが、

  思われています。よりも考えられています。とした方がそれっぽいです。

  通常のもの

  名称は統一した方がいいです。

  カメラから突然のSCP-XXXX-JPの消失を確認。その後の創作によりSCP-XXXX-JPが発見された。

  捜索の誤字でしょうか？

  Agt.██: SCP-XXXX-JPいました。いえ、見ていたら、突然貴方が消えたものですから。

  SCP-XXXX-JPいました。の部分がSCP-XXXX-JPに対して話している様に見えるのでこの部分を[通信機を通して捜索隊本部にSCP-XXXX-JPの発見の報告をする]に置換してみるのはどうでしょう。勘違いであった場合申し訳ありません。

  あまり面白みが感じられず、意外性などの要素もあまり見受けられないことから現状DVです。また、「現在サイト外に存在しているSCP-XXXX-JP-A個体数は約 1,200 600 140 30株程度です。SCP-XXXX-JP、及びSCP-XXXXJP-Aは絶滅が確認されました。」という表記はSCP-XXXX-JP、及びSCP-XXXX-JP-Aが世界から完全に絶滅したと勘違いしそうな表記だと思います(自分は少なくとも勘違いしちゃいました)「現在未収容のSCP-XXXX-JP-Aは約 1,200 600 140 30株程度です。プロジェクト・ウィーディングの実行により処理されました。」と言うのはどうでしょうか

  記事作成頑張ってください。

  最後の編集 20 Mar 2022 09:54 by Kajikimaguro さらに表示

  MAKOdot- 20 Mar 2022 12:11

  コメント有難うございます。
  全体的な文章や表現についてのご指摘に関しては、全て修正させて頂きます。また、現状意外性を生み出す事ができていない、との事なので大きく展開を変更してみようかと思います。批評ありがとうございました。

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