立体交差 序章 ─打違、コンフュージョン、雲隠─

立体交差ジャンクション 序章 ─打違、コンフュージョン、雲隠─

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「こちら機動部隊丙-12、目標の制圧に成功。処理部隊戊-6に引き継ぎます。」


「了解。」


隊長である静波夕楓はサイトとの通信を切り、後ろで待機する人々に向かう。


「それでは戊-6の皆さん、後は宜しくお願いします。」


「任せな。お前らはさっさと帰って飯でも食っとけ。」


ニッと彼は笑い、廃墟へと入っていく。


「さて、帰るか!」


副隊長が言う。それを合図に丙-12の面々はサイトへの帰路につく。










(もうちょい書く)


















































──交差点を、へ。


















































の音が鳴り響く。


















































彼らの姿は、道路反射鏡カーブミラーには映らなかった。


















































α-0




















































他のメンバーより遅れて歩く男──影森桐麻はスマホを触る手を止め、前を歩く隊員達を見る。

隊員は自分を入れて6名、機動部隊の中ではトップレベルに少ないだろう。とはいっても、我々は人型実体──特に“元人間”の制圧が職務の為、大人数で行く必要は無いのだが。

それでも、局所的現実改変能力者2人相手に無傷。一人は神子沢のライフルで。もう一人は隊長が。残りの面々が廃墟に誘導してだ。他所の奴らが聞いたら驚くかもしれん。

そんな彼らの姿を見ると、嫌でも自身の無能さが良く分かる。他のメンバーは否定するだろうが、これと言って長所がないのが自分だ。

夕陽が眩しい。彼らの姿をもう一度見ると、まるで映画のラストシーン──主人公達が夕陽に向かって歩いているように見えた。

なんとなくだが、映える写真が撮れる気がした。スマホでカメラを開くと、写真を撮る。──中々良い写真だ。ここ最近で一番いいかも知れない。尤も、隊服を着ている為Twitterには載せれないが。

そんな事を考えていると、彼らが道を曲がる。置いて行かれない様に急がねば。

駆け足で交差点を左に曲がる。










──しかし、そこに彼らの姿は無かった。


「……は?」


可怪しい、さっきまでここに居た筈だ。ドッキリでも仕掛けようと路地に隠れたか?いや、そんな小道は無い。走って戻った?この一瞬では無理だろう。考えても仕方が無い


「……取りあえずサイトに戻るか。」


帰路を急ぐ。










約10分後、彼はとあるビルの前で足を止めた。そして中に入る。俗に言う“フロント企業”である。エレベーターを操作しB3に向かう(勿論そのような階のボタンは無い)。そこが彼らのサイト──サイト-8241である。

足早に進み、珈琲片手に報告書を読む男性を見つけると駆け寄る。


「櫻山博士、機動部隊丙-12の奴ら帰ってきてませんか?」


「いや、まだの様だけど……君と一緒に帰ってきたんじゃないのかい?」


影森は頭を抱える。それを見た櫻山博士は立ち上がる。


「嫌な予感がするんだけど……取りあえず事情話してくれるかな。」


「……わかりました。」










「なる……ほど、交差点を曲がったら突如消えていたと。」


「そうですね……」


「まぁ報告書漁ればそういうのは出てくると思うし。珍しい話では無いと思うよ。……で、朝比奈君そっちはどう?」


「駄目です。連絡もつかなければGPSも消えてます。現場に行ったエージェント二人からも、特に異常性は確認できなかったという連絡が来てますね。」


「やっぱりか……影森君。」


「なんでしょうか。」


「取りあえず本件は再発生するまで超常現象扱いで処理するよ。何か言いたいことは?」


「今のところは無いです。」


「ん、わかった。後処理もついでにやっておくから今日はもう休みな。」


「櫻山博士、朝比奈さん、ありがとうございます。」


手を上げる二人を背に、自分の部屋に戻る。

今日はどっと疲れた。……何か食うか。

湯を沸かし、テレビを付ける。






α-1










眠い。ひたすら眠い。今日は集中力を使いすぎた。いくら何でも一日に詰め込むスケジュール量じゃない。若干居眠りしてたけど。……ま、それでも自分の仕事はちゃんとやったし良いや。

神子沢がそんなことを考えていると、微かに鈴の音が聞こえた気がした。


「……ねぇ藍。」


「心露、どうしたの?」


藍と呼ばれた女性──菊月は振り向く。彼女の艷やかな長髪が夕陽を浴びて光る。


「今、鈴の音しなかった?」


「そう?私には聞こえなかったけど……」


「そ、なら良いや。」


そう言うと少し欠伸をしする。


「たいちょ〜、早く寝たいから先行くね〜。」


「気を付けてね。」


神子沢は駆け足でサイトへと向かう。その姿を見届けた後、菊月藍が口を開く。


「……すいません、隊長。」


「どうしたの?」


「交差点を曲がった時、心露が鈴の音がした、と言っていたんですが聞こえましたか?」


静波は少し考える。


「聞いた記憶は無いね。みんなはどう?」


(副隊長名)と(もうひとり)は首を横に振る。それを確認すると、隊長は後ろを向く。


「多分空耳だと思うけど……それより気になる事があって。」


「影森の姿が無い……ですよね。」


静波の代わりに(残り一人)が言う。


「そうそう。鈴の音と関係しているかはわからないけど……一先サイトに戻ろっか。」


帰路を進む。










約5分後、彼らはサイトの前で立ち止まる神子沢の姿を見つける。


「大丈夫か?」


(副隊長名)が呼びかける。その声に気付いた神子沢は唖然とした顔のまま、彼らの方を向く。


「いやぁ……うん。多分居眠りしてるだけ……これは夢だよ、うん」


何やら独言を言っている。


「ここは現実だぞ。」


そう言いながら彼らは神子沢の方へ向かう。そして気付いた。










サイトの入口となる筈のビルは、空き地へと為り変わっていた。


jp tale 財団のない世界



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執筆者: Wulf_XLI
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最終更新: 02 Mar 2021 08:37
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