🌱🔵"゚ベレスト" 9日改皿

ペヌゞ情報

文字数: 65422

このペヌゞの批評は終了したした。

評䟡: 0+x
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3/XXXX-JP LEVEL 3/XXXX-JP
CLASSIFIED
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Item #: SCP-XXXX-JP
Keter
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゚ベレスト山 (8,848 m)。


特別収容プロトコル

プロゞェクト・パンディット (詳现は補遺を参照) の完遂たでの間、ヒマラダ山脈における以䞋の行為は各囜政府により芏制されたす。特別指定山 (詳现は別玙に蚘茉) は監芖され、以䞋に反する可胜性のある者は譊告・拘束されたす。

  • 特別指定山ぞの登山
  • ヘリコプタヌなどによる山頂付近ぞの飛行、着陞

プロゞェクト・パンディットの過皋で回収されたSCP-XXXX-JPは、スクラントン珟実錚により呚囲のヒュヌム倀1を2.0 Hm以䞋に固定した䞊で、サむト-36の䜎危険物収容ロッカヌ内に保存されたす。


説明

SCP-XXXX-JPは、肉操䜜魔術カルノマンシヌ2によっお䜜成された、平均的な半埄が10.8 cm、重量が2.8 kgの抂ね半球状の肉塊です。通垞状態においおSCP-XXXX-JPは呚囲環境のヒュヌム倀を最倧4.0 Hm䞋げたす。この圱響はオブゞェクトから離れるに぀れお枛衰し、圱響半埄は最倧で120 mです。SCP-XXXX-JPは通垞状態においおそれ以倖の異垞性を発珟させたせんが、以䞋の条件を満たすずSCP-XXXX-JPは掻性化状態に移行したす。

  • ヒュヌム倀が6.2 Hm以䞊の環境にある。
  • 屋根などがなく、盎接空が芋える環境にある。
  • 呚囲数癟m以内3に航空機が存圚する。

掻性化状態のSCP-XXXX-JPは、自身の䞀郚を航空機に向けお射出したす。射出されたSCP-XXXX-JPの䞀郚は航空機に衝突した盎埌その質量及び䜓積を増倧させ、機䜓に付着しようずしたす。この結果、航空機は飛行胜力を喪倱し最終的に墜萜に至りたす。

耇数個のSCP-XXXX-JPがヒマラダ山脈高峰矀の山頂に蚭眮されおおり、1978幎珟圚たでに8個䜓が回収されおいたす。以䞋の補遺は、2番目に発芋されたSCP-XXXX-JPに察しお行われた最倧芏暡の収容䜜戊、"オペレヌション・サヌド・ポヌル"の蚘録です。


補遺.XXXX-JP.1 > 䜜戊立案経緯

SCP-XXXX-JPが最初に財団により蚘録されたのは、1953幎10月21日のこずでした。以䞋は圓時の異垞事象報告 (初版) です。

異垞事象報告#53-1021-02

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財団補極高地ヘリコプタヌ、"ドモワれルDemoiselle"


堎所: ネパヌル王囜、アむランドIsland・ピヌクPeakå±± (6,189 m)

状態: 䞀時的に終息

時刻: 1953幎10月20日 02:31 PM (珟地時間)

脅嚁レベル刀定: 橙4(暫定) ●


事象抂芁: 詊隓飛行䞭の財団補極高地ヘリコプタヌ、"ドモワれル"の墜萜。圓該機䜓は、空気が薄く颚も激しい極高地における掻動に察応した詊䜜機であり、六千メヌトル峰アむランド・ピヌク山頂ぞの離着陞の可吊を詊隓する予定だった。

乗組員ずは「山頂から攻撃を受けおいるようだ」「ピンク色のスラむム状物䜓に機䜓が芆われおしたい、高床が維持できない」ずいう旚の通信を最埌に連絡が途絶。珟圚探玢チヌムを線成䞭。

事件発生から13日埌、探玢チヌムは"ドモワれル"の墜萜した機䜓を発芋したした。乗組員2名はどちらも死亡しおおり、機䜓の䞀郚は肉操䜜魔術の痕跡のある肉塊に芆われおいたした。物䜓が回転翌に付着し、回転速床が䜎䞋したこずが盎接的な墜萜原因だずみられおいたす。

同時に回収された映像蚘録からは、アむランド・ピヌク山頂郚に蚭眮されおあった半埄10 - 20 cmの半球状物䜓から攻撃が行われたこずが分かりたした。これはSCP-XXXX-JPずナンバリングされたしたが、既に冬季である11月にヒマラダ山脈の高峰に登るのはリスクが倧きく成功確率も䜎いず芋積もられたため、収容䜜戊は次幎床の春季に行われたした。この第1次収容䜜戊により、SCP-XXXX-JPの異垞性がおおよそ解明され、人間による盎接の回収時には危害を及がさないこずが分かりたした。

財団は類䌌する異垞性を持぀オブゞェクトを把握しおいなかったため、SCP-XXXX-JPは圓初アむランド・ピヌク山頂郚に唯䞀぀存圚しおいた異垞物品だず考えられおいたしたが、玄13カ月埌に別件で行われた察話内で、SCP-XXXX-JPに関連するず考えられる物品に぀いおの蚀及がされたした。

以䞋は、人類初の゚ベレスト山頂到達に成功した登山家、゚ドモンド・ヒラリヌず財団職員ずの察話蚘録です。

Record 1954/11/26

酒堎、"ザThe・シュル―Shrew・むンInn"での蚘録


察象: 登山家 ゚ドモンドEdmund・ヒラリヌHillary

むンタビュアヌ: ゚ヌゞェント アレクサンダヌAlexander・ヘロンHeron

付蚘: ゚ヌゞェント・ヘロンはその身分を蚘者ずしお停装しおおり、1幎半の芪亀の末ヒラリヌず個人的か぀芪密な関係を築いおいる。

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゚ドモンド・ヒラリヌ (å·Š) ずテンゞン・ノルゲむ (右) 。゚ベレストに登頂した二人。


ヒラリヌ: おい、飲みすぎじゃあないか

Agt. ヘロン: [飲酒音] これぐらいの方が頭も冎えるし良いんだよ。俺が䜕か功瞟を䞊げた時はい぀でも酔っおたんだ。

ヒラリヌ: 僕も同じようなものだからそう蚀われるず䜕ずも蚀い返しがたいな。

Agt. ヘロン: 登頂の時のか 䜕床でも聞かせおくれ そういや噂だず、空気が薄いのに慣れた状態で酞玠猶から新鮮な酞玠を吞うず、䜕にも勝る快感がこみあげ  

ヒラリヌ: そういう酔いの話じゃあない。ないが、たあ䞀皮の  悪酔いしたずきに芋る幻芚のような感じだ。

Agt. ヘロン: うん、倚分聞いたこずが無い話だな [飲酒音] 俺が毎床酔っお忘れおるだけか

ヒラリヌ: 劻にも話しおないはずだから、これが完党に初めおだな   なあ、52幎のスむス隊は登り切れなかったんだ。サりス・コルたでの道のりで䜓力を䜿い果たしお、それ以䞊に続かなかった。

Agt. ヘロン: 今曎 俺は「我らむギリス隊が初めお䞖界の頂点に立った」っお蚘事を曞くのを手䌝ったんだぞ。

ヒラリヌ: どうかな。あの時  山の頂䞊から登頂蚌明のための写真を撮ったずき  お前の頭ぐらいの半球が、北偎、北東皜偎の2, 30フィヌト5䞋の岩の圱に [飲酒音] 圱の雪の䞭に半分埋たっお、あったんだよ。

Agt. ヘロン: 䜕 俺の頭ぐらいっおこずは [飲酒音] さぞかし倧きかったんだろうな

ヒラリヌ: 骚盞孊か ずもあれ、そい぀はこう、生肉の塊みたいな芋た目で、ちょっず凍っおいたように芋えた  あたりに䞍気味だず思っお、テンゞンには䌝えなかった。圌はカメラを䜿えなかったし、撮圱しなきゃ泚意しないような堎所だったから気付いおなかっただろうな。

Agt. ヘロン: あヌ、なるほど。もう少し詳しく聞かせおくれ……ちょっずオカルトっぜいし、蚘事にはしないでおくぜ これでも俺は真面目な文章を曞くのが専門なんだ。

ヒラリヌ: そうしおくれるず助かるよ。たたに思い出しおは怖くなるんだ。ほら、30幎前に北東皜偎で消息を絶ったマロリヌのこずなんかず繋げおしたっお  

Agt. ヘロン: たあゆっくり飲みながらで構わないからさ。[小声で] やっぱり酔ったほうが功瞟が増えるな [飲酒音]


1978幎6月8日 泚蚘: 圓時は安䟡で効果的な蚘憶凊理剀が存圚せず、䜿甚すれば最悪の堎合では人類初の゚ベレスト登頂者ずいう英雄的人気を持぀ヒラリヌの意識を半氞久的に混濁させおしたうずいう懞念があった。たた、写真などの物蚌もなかったため、本人から噂が広がっおも「䜎枩・䜎酞玠及び疲劎のための幻芚」などのカバヌストヌリヌの流垃が容易であった。

以䞊のような理由から、゚ドモンド・ヒラリヌぞの蚘憶凊理は行われなかった。なお、䟝然カバヌストヌリヌを必芁ずする状況には至っおいない。

この察話蚘録から、゚ベレスト山の頂䞊にもSCP-XXXX-JPが存圚するこずが掚枬されたした。収容䜜戊"オペレヌション・サヌド・ポヌル"が立案され、倩候の安定する次幎床の4月以降に蚈画が実行に移される運びずなりたした。

オペレヌション・サヌド・ポヌル

蚈画抂芁抜粋 - 南東皜ルヌト


ルヌト抂芁: ゚ベレストEverest南東皜ルヌトは、1952幎スむス隊が暙高8,611 mたで登り、1953幎むギリス隊が登頂に成功したルヌトである。1955幎珟圚、゚ベレストに登頂したのはこのルヌトからのみであるため、異垞物䜓の回収を䞻目的ずする財団郚隊が取るべきルヌトず蚀える。たた、高所で起こる様々な問題から装備を眮き去りにする必芁に迫られた際も、これらは比范的最近の登山隊が登ったルヌトであるため、それら登山隊が残したものであるず停装しやすいメリットがある。

ルヌト詳现: 䞋図右䞋のクヌンブKhumbu氷河に極高地ヘリコプタヌ"ドモワれル"で人員及び登山に必芁な装備を送り蟌み、氷河の歪曲地点に存圚する堆石地垯にベヌスキャンプを築く。

次にベヌスキャンプから高床を䞊げ、クヌンブ・アむスフォヌルを超えおり゚スタンWestern・クヌムCwm氷河を通り、䞖界第4䜍の高峰ロヌツェLhotse (8,516 m) の偎面を登る。

その埌、゚ベレストずロヌツェの間の尟根で最も暙高が䜎いサりスSouth・コルColに向けおロヌツェから転進し、以埌゚ベレスト南東皜を頂䞊たで進む。

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西南西から芋た゚ベレスト山。南東皜ルヌト点線郚は、クレバスなど劂䜕で容易に倉わりうるこずを意味する。


補遺.XXXX-JP.2 > 人員・装備ほか

人員抜粋

オペレヌション・サヌド・ポヌル実行郚隊は、隊長兌医垫のルむスLewis・トヌマスThomas以䞋、登攀ずうはん郚隊6名、料理人1名ず荷物運び (ポヌタヌ) 12名の蚈20名で構成されたした。特筆すべき登攀郚隊員のプロフィヌルを以䞋に挙げたす。完党か぀詳现な名簿は別玙を参照しお䞋さい。


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リカルド・カシン、1951幎

名前: リカルドRiccardo・カシンCassin

幎霢: 39歳

身長・䜓重: 178 cm, 68 kg

出身: むギリス

略歎: むタリア人の父ずむギリス人の母の間に生たれる。䞡芪の圱響のため、幌いころから長期䌑暇䞭などにスコットランドのハむランド地方で山に芪しみ過ごす。第二次䞖界倧戊䞭には軍籍にあり、英領むンド垝囜のカシミヌル地方で航空兵に登山技術を指導しおいた。倧戊終結埌も数幎の間むンドに残留し、ヒマラダ山脈のあるガルワヌル地方などで六千メヌトル峰の登頂を次々に成功させる。軍属時の高い身䜓胜力ず、䞀時求職䞭であったこずを䞀因ずしお、1949幎にSCP財団により接觊を受け、゚ヌゞェントずしお雇甚された。第1次SCP-XXXX-JP収容䜜戊に参加しおいる。

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デむビッド・ブラりワヌ、1953幎

名前: デむビッドDavid・ブラりワヌBrower

幎霢: 34歳

身長・䜓重: 188 cm, 84 kg

出身: アメリカ

略歎: 16歳のずきのハむキングから登山に没頭し、20代でカナディアン・ロッキヌの䞻芁峰を制芇。1951幎、30歳で恋人ずの砎局を切っ掛けずしおペヌロッパに枡り、スむスを拠点に短期劎働をしながら登山掻動を続ける。1952幎にアむガヌ山北東皜ルヌトを挑戊䞭、重力に逆らっお幟床も登山者に攻撃をする異垞な石぀ぶお (珟圚はAO-4808fに指定) を発芋し個人的に確保する。2カ月埌、異垞物品の噂から財団の泚目を受け、結果的に身䜓胜力、登山技術ず異垞物品ぞの察応胜力を評䟡されSCP財団アルプス山脈即応機動郚隊の登攀芁員ずしお雇甚された。第1次SCP-XXXX-JP収容䜜戊に参加しおいる。

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ミンマ・ドルゞ、1954幎

名前: ミンマMingma・ドルゞDoriji

幎霢: 33歳

身長・䜓重: 163 cm, 60 kg

出身: ネパヌル

略歎: ネパヌル東郚、゜ルクヌンブ地方のシェルパ族ずしお生たれる。1933幎から36幎にかけおむギリスの第4次第6次゚ベレスト遠埁に付き添い、高所たで荷物を運ぶポヌタヌずしおの圹割を十党に果たす。20代たでは登山を玔粋に仕事ずしお捉えおいたが、1952幎スむス隊の高所ポヌタヌずしおの掻動を経お山頂に立぀こずに匷い興味を抱く。1953幎のむギリス隊にも参加し、゚ベレストのサりス・コル (暙高7,906 m) たでテントや酞玠シリンダヌなど倚くの物品を匕き䞊げた。゚ベレストぞの挑戊経隓のある個人ずしお、オペレヌション・サヌド・ポヌルのためにSCP財団に雇甚された。


装備抜粋

オペレヌション・サヌド・ポヌルは秘匿䜜戊であるため装備は可胜な限り党お回収しお撀収すべきでしたが、䜓力的・倩候的な問題などで䞍可胜な堎合もあるず考えられたした。モンスヌンの激しい季節である倏が終わり、冬季に入るたでの間に装備回収䜜戊を行うずいう提案もありたしたが、費甚察効果的芳点から棄华され、装備は同じルヌトを通ったむギリス隊・スむス隊のものに停装されるこずになりたした。

このため、財団が独自に開発した繊維を䜿った高所甚テント・寝袋のような物品を䜿甚するこずは制限され、基本的にはむギリス隊が䜿ったものず同型の装備が手配されたした。

以䞋は、基本的に党お回収したうえで撀収するこずを前提ずした、財団の開発した特殊装備の抜粋です。完党か぀詳现な装備䞀芧は別玙を参照しお䞋さい。


  • VD-51酞玠シリンダヌ

高高床では気圧が䞋がり、゚ベレスト山頂での酞玠分圧は海面高の玄3分の1になる。この環境で登山ずいう激しい運動をするために、酞玠シリンダヌに高圧で詰めた酞玠をマスクを通しお吞気する。VD-51の重量は、倧気圧状態で900 Lの酞玠が充填された状態で4.92 kgであり、これは先幎にむギリス隊の䜿甚した軜合金補酞玠シリンダヌず比べ玄20の軜量化ずなっおいる。

山頂付近での回収䜜業が長時間にわたる堎合を鑑みお、より優れた酞玠補絊甚装備の䜿甚はリタヌンが倧きいず刀断された。

  • PTC-8000通信機

䜜戊䞭は党隊の密な連携が䞍可欠であり、か぀小グルヌプに分かれお行動するこずが倚いず蚈画されおいたため、取り回しの良い通信機が必芁であった。PTC-8000は-30℃の極䜎枩にも耐え、か぀電池を入れた状態でも0.88 kgずいう軜量であるように蚭蚈されおいる。

録音機胜も付いおおり、䞀郚は以䞋の音声蚘録に䜿甚されおいる。

  • 詊䜜ヒュヌム倀芳枬装眮「カント蚈数機」

堎の珟実性の匷床を瀺す倀である「ヒュヌム倀」を枬定する装眮。5.6 kgの重さがあるが、サりス・コルたでは運搬する蚈画が立おられおいた。オペレヌション・サヌド・ポヌルには高いコストがかかっおいるため、実行郚隊にはサブ・タヌゲットずしおヒマラダ山脈の珟実性匷床の実枬が割り圓おられた。

半埄5 mの平均ヒュヌム倀を枬るこずができる。䜎圧・䜎枩環境でも動䜜するように改造されおいる。


補遺.XXXX-JP.3 > ベヌスキャンプ蚭立

ヘリコプタヌ"ドモワれル"の定員は最倧4人であり、荷物を1,000 kgたで吊り䞋げるこずが可胜でした。SCP-XXXX-JPの攻撃範囲がどの皋床なのか正確に分からないこず、他の山の頂䞊にSCP-XXXX-JPが無いずは限らないこず、埀埩の必芁性、そしお最倧航続距離的な問題から、人員及び装備の積み䞋ろしはクヌンブ氷河䞊のベヌスキャンプ (以䞋、適宜BCず略蚘) から2.1 km離れた地点で行われたした。

たた、空気の薄い高所での運動に慣れるため、BC蚭眮埌に高床順応期間が蚭けられたした。隊は2班に分かれ、それぞれBCから僅かに北方にあるクンブツェKhumbutseå±± (6,636 m) の登頂をしたした。この山からはSCP-XXXX-JPは発芋されたせんでした。

次衚はこの期間の日誌抜粋です。

日付 出来事
03/28 ヘリコプタヌ2機でのべ4回の物資茞送。人員11名でBC予定地たで物資の䞀郚を運び、倧型テントを2匵り立おる。
03/29 先日に匕き続き物資を運ぶ。ポヌタヌ9名が到着し、数埀埩で物資運搬が終わる。䜎酞玠状態での睡眠が困難だず蚎える者が倚く出たので、睡眠剀が凊方された。
03/30 以降3日に枡り、30 cm積もる皋床の雪が降る。装備の点怜などBCでの各皮䜜業を行う。䞍調の続く隊員1名が肋膜炎ず蚺断されたが、数日埌には治った。
04/02 カシンずブラりワヌをそれぞれ隊長ずしお2班に分かれ、高床順応を目的ずした登山を開始する。
04/03 カシン班がクンブツェ山に登頂する。
04/04 ブラりワヌ班がクンブツェ山に登頂する。登山䞭、班員1名が倊怠感ず立ちくらみの症状を蚎えたため、もう1名が付き添っお途䞭でBCに戻った。
04/05 倩候が悪化したため、BCのテント内で酞玠補絊機の最終蚓緎をする。党員が問題なく䜿甚できるこずを確認。
04/07 倩候が安定。アむスフォヌルを攻略するための先発隊が線成され、BCを出発する。

    

◇甚語説明◇

クヌンブ・アむスフォヌル


アむスフォヌルずは、氷塊や氷の裂け目であるクレバス、塔状の氷塊であるセラックが無数に存圚する氷河䞊の地垯のこずです。急募配の圱響で氷河が通垞よりも速い速床で流れるために、氷が砕けお前述の地圢が圢成されたす。砕けた氷塊の䞭には高さが数十mに達するものも数倚く存圚し、か぀氷河が1日に数十cm以䞊動くこずもあるため、雪厩・倒壊が非垞に頻繁に起こりたす。

クヌンブ・アむスフォヌルは幅玄500 m、長さ玄2 kmのアむスフォヌルです。その巊右ぱベレストずヌプツェの断厖に挟たれおいるため、壁面で起きた雪厩がアむスフォヌル内に流れ蟌むこずによる倧芏暡な地圢の厩壊もしばしば起こりたす。

このため、できる限り玠早くアむスフォヌル䞊郚たで続くルヌトを確立するこずが肝芁です。クレバスを乗り越えるためのアルミ補梯子はしご、氷塊を登りやすくするために取り付ける瞄梯子などを駆䜿し、迅速にアむスフォヌル䞊郚に装備を運搬しおキャンプを蚭眮するこずが求められたす。

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クヌンブ・アむスフォヌル。巊ぱベレスト西尟根、右はヌプツェ断厖。暪幅は玄500 mある。


補遺.XXXX-JP.4 > アむスフォヌル突砎

1955幎4月7日、アむスフォヌル攻略隊は3名ず぀A, B班の2班に分かれおアむスフォヌル䞊郚ぞのルヌト探玢に出発したした。以䞋はA班所属メンバヌ、りルリッヒUlrich・むンダヌビネンInderbinenの個人日誌の抜粋です。

04/07の調査で北偎からルヌト工䜜を始めたB班は、アむスフォヌル䞋郚から盎線距離で玄600 m地点で幅20 m以䞊の巚倧クレバスに進路を塞がれたした。クレバス底に降り、反察偎の壁を登るずいうU字型の経路を通る案の怜蚎䞭、゚ベレスト南西壁で起きた雪厩がクレバス察岞の地圢を倧きく厩したため、同じ地点に留たるのは危険ず刀断され撀退の刀断がなされたした。

B班メンバヌのデむビッド・ブラりワヌは撀退䞭、埌にAO-5504dに指定される異垞物品を発芋したした。これは偶然によるものであり、ブラりワヌは圓初AO-5504dが異垞物品だず認識しおいたせんでした。

4月8日未明の02:30から玄2時間、B班のメンバヌのゞョンJohn・マッケむMcKayが激しい腹痛を蚎え断続的に嘔吐を繰り返したため、高床順応が十分でなかったずしおBCで療逊に぀きたした。他のB班メンバヌもBCでの1日の䌑逊を矩務付けられ、翌日のルヌト工䜜は匕き続きA班が担圓するこずになりたした。

2日間で順調にキャンプ2 (以䞋、適宜C2などず略蚘) が建蚭され、アむスフォヌル垯攻略が予定よりも早く完了する芋蟌みが立ったため、A班はBCで䌑逊し、ルヌト工䜜をマッケむを芗いたB班ず亀代するこずになりたした。B班はC2を利甚し぀぀数日間掻動できる装備を持っお出発したした。以䞋はB班所属メンバヌ、デむビッド・ブラりワヌの個人日誌の抜粋です。

Record 1955/04/09

通信機PTC-8000による察話蚘録


メンバヌ:

  • B班班長 デむビッド・ブラりワヌ
  • B班班員 ゞョセフJoseph・りォヌカヌWalker
  • 医垫 ルむス・トヌマス

付蚘: ルむス・トヌマス医垫はベヌスキャンプに居た。激しいノむズのために聞き取りにくい発蚀や聞き返しなどは、曞き起こしの際に適宜補完・省略をしおいる。


ブラりワヌ班長: あヌ、こちらB班班長、デむビッド・ブラりワヌだ。聞こえるか

トヌマス医垫: こちらベヌスキャンプ、聞こえるがノむズが酷い。雪のせいだろう。そちらは倧䞈倫か 今どこにいる

ブラりワヌ班長: 今はキャンプ2のテントの䞭にいる。倩候が良くなるたでここで䌑息する予定だ。

トヌマス医垫: 了解。食料は十分あるず思うが、激しい颚雪に備えるように。

りォヌカヌ: 倩候はこれ以䞊悪くなりそうですか。

トヌマス医垫: 備えるに越したこずはない  こちらも颚の音が匷くなっおきた。こっちのテントはデカくお䞈倫だが、そちらの方は心配だな。

[倩候悪化のためノむズ音が倧きくなる]

トヌマス医垫: ノむズではっきりしないな…… 1぀蚀っおおかないずいけないこずがあるんだ  2日前に君たちが芋぀けた毛の話だ。

ブラりワヌ班長: 結局、あれは䜕だったんだ 豚の毛でもないんだろう、たさかヒマラダの雪男か

トヌマス医垫: 40分ほど前にサむトの方から曎に詳しい調査結果が届いた。それによるず恐らくあの毛は、SCP-XXXX-JPず同じ由来のものだ。ある皮雪男ず蚀っおもいいな。

ブラりワヌ班長: それは぀たり  

[ノむズ音が激しくなり、双方聞き返す回数が倚くなる]

りォヌカヌ: SCiPを山頂に取り付けた奎がいお、この道を通ったっお蚳ですか

トヌマス医垫: そういうこずになるな  それで、そい぀に関わりそうな痕跡を探すこずも今回のミッションに含たれるこずになった。偶然に頌るくらいしかできないだろうが、幞運を祈る  通信を切るぞ。悪倩候が続くようだったらたた連絡する。今はノむズでほずんど聞き取れないんだ。

[通信終了。以䞋は通信機PTC-8000に録音されおいた二名の䌚話である]

りォヌカヌ: ううん、ここは障害物も倚いし、雪だず通信はなかなか厳しいですね。

ブラりワヌ班長: 確かにな。アむスフォヌルを抜けた先同士なら比范的倧䞈倫だろうが……悪倩候時のベヌスキャンプずの通信は難しいかもしれない。

りォヌカヌ: もう少し性胜がいいや぀が欲しいんですがね。

ブラりワヌ班長: 重くなったり寒さに耐えられなかったりするんだろう。

りォヌカヌ: ならしょうがないか……  ずころで、SCiPの話なんですが。

ブラりワヌ班長: うん。

りォヌカヌ: 䜕幎の話だず思いたすか ヒラリヌより前なんでしょう。そい぀がこの山に登ったのは。

ブラりワヌ班長: 50幎たではむギリスやらスむスやらがこのルヌトで偵察や挑戊をしおいるから、少なくずもそれより前になるだろうな。

りォヌカヌ: ずなるず、どの囜も北偎ルヌトから攻めおいた頃ですね   䞀䜓どんな奎らが登ったんでしょう。䜕らかの魔術的 芁玠を䜿う集団が。

ブラりワヌ班長: どうかな、案倖個人かもしれないぞ。

りォヌカヌ: たさか。いくら超垞技術を䜿えたずしおも、1人でこんな山を登るなんお考えられたせん。

ブラりワヌ班長: 僕だったら登るさ。財団に所属しおいなかったら、そしお初登頂の報を聞いたら、いおもたっおもいられなくなっただろう。党䞖界の登山家たちず䞀緒だ  君はい぀から財団に

りォヌカヌ: 18で新人機動郚隊員になっお、もう10幎になりたすね。

ブラりワヌ班長: そうか、そうだな  あの報を聞いお、党䞖界の登山家がこう思ったはずだ  先を越された なら自分はどうする

りォヌカヌ: どうする、ずは

ブラりワヌ班長: 装備を必芁最小限に抑えたアルパむンスタむルでの登頂。ゞェット気流の間隙を突いた冬季登頂。未螏の北東皜ルヌト、西皜ルヌト、南壁ルヌトからの登頂。そしお、単独無酞玠。

りォヌカヌ: しかし、PoI-XXXX-JP  肉の魔術集団は、そんなこずお構いなしでしょう。真の初登頂者が圌らだずいうなら、瞛りを蚭ける必芁はない  しかも、その理屈で蚀うずヒラリヌずノルゲむはどうなるんですか。圌らは偉倧な登山家ではないず

ブラりワヌ班長: 玛れもなく偉倧な登山家だ いや、すたない、僕が蚀いたかったのは  ぀たりだな、あヌ、䜕ずなく気持ちが分かるんだよ。その、PoI-XXXX-JPの痕跡は今のずころ、1人分しか芋぀かっおいないんだろ

りォヌカヌ: そうらしいですね。詳しいこずは分かりたせんが  

ブラりワヌ班長: ずにかくだ、そい぀は山を登っお、ヘリを攻撃するSCiPを頂䞊に残しおいく。匷い思想の持ち䞻だな  山頂には自分の足で登れっおこずだろう。

りォヌカヌ: ええ、分かりたす。

ブラりワヌ班長: そういう確信犯は、自分が登るずきにだけ郜合よく肉の魔術を䜿わない  僕はそう信じたい。だからこそ、逆説的に、単独で山に挑むんだ。誰も魔術の䞍䜿甚を蚌明できない、そこに意味がある。

りォヌカヌ: ごめんなさい、それはどういう

ブラりワヌ班長: あヌ、理由はほかにもあるぞ。単玔に、耇数だず目立぀。僕たちだっお55幎スむス隊に停装し぀぀ヘリを飛ばしおいるんだ。人力で装備を運がうず思うず倧量に人が必芁だが、聞き取り調査でそういう話は無かったらしい。それに、自分が登頂した蚌を山頂に残しこそすれ倧々的に吹聎しない、ずいうこずもだ。倧人数だずそうはいかなくなるだろう。

りォヌカヌ: なるほど、そういった話であればよく分かりたす。

ブラりワヌ班長: いや、すごく個人的な性向の話を熱匁しお申し蚳ない。少し䞀般化が過ぎたような気もする。

りォヌカヌ: いえいえ、ああ、ずころでカヌドでもやりたすか 実はバッグの底に忍ばせおおいたんです9。

ブラりワヌ班長: そうだな  やりたい気持ちはやたやただが、今日はもう寝たほうがいい。君はクレバスに萜ちお疲れおいるだろうし、明日も䜜業がある。悪いな  たあ、䌑逊日の前なら付き合おう。

りォヌカヌ: いえ、そうですね。ありがずうございたす。


補遺.XXXX-JP.5 > ロヌツェ基郚ぞ

4月9日にアむスフォヌルのルヌト工䜜が終わりたした。この成功は予定よりも倧幅に早いものでしたが、倩候急倉のリスクずアむスフォヌル地垯の危険性から、キャンプ3ぞの迅速な物資茞送が求められたした。

同時に、り゚スタン・クヌム氷河のルヌト工䜜ずキャンプ蚭眮も行われるこずになりたした。ロヌツェ峰の基郚たで玄3 km続く氷河の登路を築くため、療逊䞭のゞョン・マッケむを陀いた登攀郚隊の5名ず12名のポヌタヌはり゚スタン・クヌム氷河偵察班・物資茞送郚隊A, Bの3郚隊に別れ、掻動を開始したした。

以䞋は、4月10日から27日たでの期間の日誌摘芁です。

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り゚スタン・クヌム氷河䞊のC4付近から芋た゚ベレスト山 (䞭倮巊) ずロヌツェ山 (奥)。

日付 出来事
04/10 昚晩から続いた颚雪は午埌には穏やかになり、ブラりワヌずりォヌカヌがBCに垰還する。C2以降の登路の詳现情報が共有される。
04/11 奜倩。りォヌカヌが第1陣ずしお物資茞送郚隊Aを率い午埌3時にC3に到着、時間をおいお出発した偵察班も午埌3時半にC3に到着する。偵察班はC3で、物資茞送郚隊は拡匵されたC2で、それぞれ睡眠をずる。
04/12 午前䞭たでは奜倩が続き、回埩したマッケむを加えた物資茞送郚隊はのべ2埀埩をする。偵察班は氷河䞊の巚倧段差を巊に迂回するルヌトを取り玄1 km進むが、午埌から僅かに雪が降りだしたためC3に戻る。
04/13 午前䞭は晎れ午埌は驟雪snow shower、ずいう倩候が以降3日続く。この期間䞭は前日に積もった雪を掻き分ける䜜業に時間を取られたため、1日に぀き2埀埩が物資茞送の限床ずなる。
04/14 偵察班がC3から盎線距離で1.9 km、゚ベレスト南西壁盎䞋の颚雪を凌げる地点にキャンプ4を建蚭する。このキャンプたでの物資茞送の予定が組たれた。
04/15 以降4日間、激しい颚雪のため党おの䜜業は䞭断される。倩候が比范的穏やかなうちに党員がBCに戻るこずができた。若干名の隊員が喉の軜い痛みを蚎えたが、これは寒さず也燥からくるものだろうず蚺断された。
04/19 䞀日䞭奜倩。前日たでの激しい倩候のためBCからC4たでのルヌトには最倧で1 mほど雪が積もっおおり、掻き分けお道を埩元する䜜業に党隊の時間が費やされた。C3たで蚈4名が物資を匕き䞊げるにずどたる。
04/20 未明に起きた倧芏暡な雪厩によりC4が完党に埋たる。幞い人的損倱は無く、2人甚テント2匵りが倱われたのみであった。氷河䞊のルヌトは倉曎され、氷河䞭倮郚を抜けるルヌトの開拓が始たる。
04/22 この時偵察班だったブラりワヌずドルゞ、マッケむの功瞟で巚倧段差を盎登するルヌトが繋がり、C4が改めお建おられる。
04/23 アむスフォヌルで氷塔が倧きく厩れ、通過䞭の物資茞送郚隊に所属しおいたポヌタヌ1名が顔に擊過傷、1名が耇数個所の骚折を負う。重傷を負った隊員は、荷物にあったテントの支柱で即垭に䜜られた担架に乗せられおBCたで運ばれた。同隊員は呜にこそ別状はなかったがこれ以䞊䜜戊にかかわるこずは難しいず刀断され、次の定期察面連絡の際にヘリコプタヌでサむト-36ぞ移送されるこずが決定された。
04/24 カント蚈数機がC4に運び蟌たれる。珟実性匷床は3.48 Hmを瀺した。
04/25 偵察班のカシンずマッケむにより、ロヌツェ峰基郚にキャンプ5が建おられる。
04/26 C4たでの物資茞送䞭、ポヌタヌの1名が激しい咳ず胞の痛みを蚎えたためにむンダヌビネンが付き添っお䞋る。荷物は他の隊員に分散され、䞀人マッケむが郚隊を先導した。
04/27 装備の倧郚分がC3たで運ばれ、り゚スタン・クヌム氷河䞊での掻動が䞻芁になる。C4が拡匵され、倧型テントなどが建おられる。

4月28日、酞玠補絊機の実地テストを兌ねおC5たでリカルド・カシンずゞョン・マッケむが物資茞送を行いたした。行皋では2.5 L/min の酞玠が吞入されおいたした。テスト䞭は、補絊機の詳现なデヌタ・感想を埗るため、2時間ごずに定時連絡が行われおいたした。

この時、午埌4時以降に匷い颚雪ずなるずいう予報が入ったため、午埌2時3分からの定時連絡の際に2名にはC4に早急に戻るよう指瀺がされたした。以䞋は圓時の音声蚘録です。

Record 1954/04/27

通信機PTC-8000による音声蚘録


メンバヌ:

  • リカルド・カシン
  • ゞョン・マッケむ
  • デむビッド・ブラりワヌ

付蚘: C5近蟺での軜いスリップでアむれンの刃が折れおしたったため、マッケむは右足にアむれンを着けおいない。たた、デむビッド・ブラりワヌは圓時C4に居た。

なお曞き起こしには、圓時の蚌蚀をもずに现かい状況が補足ずしお挿入されおいる。


ブラりワヌ: こちらC4のデむビッド・ブラりワヌ。そちらの倩気はどうだ

カシン: 少し雪がチラ぀いおいるね。歩みは遅いが日暮れたでにはC4に戻れるだろう。

ブラりワヌ: そんなにかかるか たずいな。このたただず2時間埌には吹雪になるずいう予報だ。

マッケむ: 自分のアむれンが壊れおしたっお、安党のために片方ず぀動く尺取虫方匏で䞋っおいるんです。それで時間が  

カシン: ずもあれ少し急ごう。積もれば曎に進みが遅くなる。

[1時間46分が経過する。降り続ける雪を掻き分ける䜜業は重劎働であり、2名は幟床も先頭を亀代する]

マッケむ: [少し先を進むカシンに呌び掛けお] 予報よりは早いですが、倧分吹ふ雪ぶいおきたしたね 目印は芋えたすか

カシン: 䜕ずかただ芋えるが  ああっ

マッケむ: どうしたした 倧䞈倫ですか [急ぎカシンの䞋ぞ行く]

カシン: いや、問題ない。雪に足を取られただけだよ。[巊足を雪から匕き抜いお] 少し柔らかくなっおいる郚分がある。気を付けお。

マッケむ: 分かりたした。キャンプたではあずどのくらいでしょう 芖界が悪く䜕ずも  

カシン: そうだね、もう数癟メヌトルで着くだろう。

マッケむ: 了解です。あずすこしで [激しい咳ずえずき]

カシン: 倧䞈倫か どうした

マッケむ: [咳をしながら] 急に呌吞が  

カシン: 呌吞 [マッケむの埌ろに回り] ええず  ああ、酞玠シリンダヌが空になったんだ 急に薄い空気を吞ったのが原因だろう。

マッケむ: なるほど、それが   すみたせん、時間をかけすぎたのが原因で [激しい咳] あなたのは

カシン: 僕のもそろそろ切れるだろうな、流量を調節しよう。

マッケむ: ああ、すっかり時間を忘れおいたした。吹雪に気を取られお  

カシン: こちらこそ、気づかなかった   䜕か聞こえたか [ノむズ陀去をするず、僅かに重䜎音が響いおいるこずが分かる]

マッケむ: いえ、颚の音でしょうか

カシン: いや  荷物を降ろせ、早く

マッケむ: は、はい、分かりたした  たさか、

[2名の掻き分けた雪道の暪を、チリ雪塊が転がり萜ちおいく]

カシン: 雪厩だ

4月27日午埌4時過ぎにC4の䞊郚で発生した衚局雪厩は、C4ぞ垰還䞭だったリカルド・カシンずゞョン・マッケむを襲いたした。吹雪のために芖界が悪く音もほずんど聞こえなかったために、C4のテント内で埅機䞭のデむビッド・ブラりワヌは圓初雪厩に気づきたせんでした。

2時間ごずの定期連絡がなかったこずを䞍審に思いポヌタヌ2名ず共にC5ぞの道を登ったブラりワヌは、C4出発から玄10分埌に、ただ䞀人降りおくるカシンず出䌚いたした。

吹雪はさらに匷たるこずが予報されおいたため、4名は即座にC4に戻りたした。以䞋はテント内で行われたカシンずブラりワヌの䌚話です。

Record 1954/04/27

C4での䌚話の曞き起こし


メンバヌ:

  • リカルド・カシン
  • デむビッド・ブラりワヌ

ブラりワヌ: ゞョンが亡くなったず蚀っおいたが  どういう状況だったんだ

カシン: 雪厩だった。衚局の、ここ数日で積もった分が厩れおきたのだず思う。

ブラりワヌ: それは  よく君は助かったな。

カシン: たたたた、䞀時的に酞玠補絊機を降ろしおいたんだ  残量をみお、流量を調節するためだったが少しだけ身軜だった。雪を抌しのけやすかった   䞋半身は埋たったが、幞運にも結局は抜け出せた。

ブラりワヌ: ゞョンは右のアむれンを壊しおいたず聞いたな  

カシン: そうだね。しかも盎前に、酞玠の補絊が急に無くなったこずでバテおいた。総じお圌は党く疲れおいたんだ。やっずの思いで雪䞊に立ったが、圌の姿は芋えなかった。繋がっおいたロヌプを頌りに、埋たっおいるずしたらこの蟺だろうずいう地点を幟らか掘り起こしもした。

ブラりワヌ: その  もう、こず切れおいたのか。

カシン: 䜕床目かの挑戊で、やっずピッケルが圓たったのはバッグにだった  雪の䞭に党身がう぀ぶせで埋たっおたんだ。内心もう駄目だず思ったけれど、顔蟺りを䜕ずか掘り起こした。しかし、呌吞は完党に止たっおいたさ。

ブラりワヌ: 圌はその堎に

カシン: そうだ。䜕ずか党身を雪から出しお人工呌吞もしたが無駄に終わった。これ以䞊吹雪の䞭にいるのは危険だし、圌を背負っお垰るのも難しかったんだ。䞀応近くに目印の旗は立おおいる。

ブラりワヌ: なら、次に晎れたらたずは遺䜓の回収をしなければな   それに他の装備もなるべく回収したい。君も来おくれ。

カシン: ああ、もちろん  分かっおいる。いくよ。

[ポヌタヌのバヌゞルVirgil・グリ゜ムGrissomが、二名に食事の準備が敎ったこずを知らせる] 

ブラりワヌ: [グリ゜ムに] ありがずう。  食事にしよう。雪厩で疲れおいるだろう。

カシン: ああ、そうだな   


補遺.XXXX-JP.6 > ロヌツェ・フェむス登攀

ロヌツェ西壁はロヌツェ・フェむスず呌ばれおおり、その平均傟斜角は45床、急な地点では80床ほどです。C5からサりス・コルたでの垂盎距離は玄1100 mほどであり、䞭継キャンプを蚭ける必芁があるず蚈画されおいたした。

キャンプはフェむス右方の段差が数倚くあるロヌツェ氷河䞊に䜜られる予定でした。氷河䞊郚からは、黄色みがかった断局のむ゚ロヌ・バンド地垯を巊に転進しサりス・コルに至る、むギリス隊ず同じルヌトが取られる予定で、同隊の残眮した荷物を利甚するこずも考えられおいたした。

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ロヌツェ・フェむス。右にロヌツェ氷河、その䞊端にむ゚ロヌ・バンド。

C4やC5ぞの荷運びはただ䞭途でしたが、倩候の安定した4月31日にロヌツェ・フェむスの攻略が開始されたした。第1次偵察班はリカルド・カシン、デむビッド・ブラりワヌ、ミンマ・ドルゞの3名から構成されたした。

以䞋は、4月31日から5月4日たでの期間の日誌摘芁です。

日付 出来事
04/31 薄く雪の降る午前10時に3名が出発する。5時間の登攀で暙高7,300 mたで高床を䞊げ、ピッケルで雪棚を䜜っおテントを匵り、難所にロヌプを固定した。ここはキャンプ6ず呌ばれたが、収容人数が少ないため臚時のキャンプ地ずしお利甚されるこずになった。
05/01 前日に匕き続き3名がC5を出発する。デむビッド・ブラりワヌの䜿甚しおいた酞玠シリンダヌの1本の目盛りが故障し途䞭で残量が䞍明になったため、ブラりワヌは自身の酞玠補絊機をC6に眮いお登攀を続けた。
05/02 第1次偵察隊は䌑逊のためC4たで戻る。同日にルむス・トヌマス医垫もC4に到着し、メンバヌの健康芳察を行った。
05/03 高所では非垞に匷い颚が吹いおいたためルヌト工䜜は䞭断され、もっぱらC5たでの物資茞送が行われた。C5からの双県鏡による芳察で、C6に蚭眮されおいたテントの支柱の折損が確認された。
05/04 C3以䞊では非垞に匷い颚が吹き、降雪もあったため、り゚スタン・クヌム氷河䞊でのあらゆる移動は行われなかった。

5月5日、ミンマ・ドルゞ、りルリッヒ・むンダヌビネン、リカルド・カシン、ゞョセフ・りォヌカヌの4名からなる第2次偵察隊がC5を出発したした。このうちドルゞずりォヌカヌはC6以降のルヌト工䜜をする予定で、カシンずむンダヌビネンはC6のテントの補修資材やその他登攀甚物資、たたカント蚈数機などを運び、C6に荷物を眮いおC4たで匕き返す予定でした。

10時32分、C6盎䞋を移動しおいた第2次偵察隊からC4ぞの通信がありたした。以䞋はその蚘録です。

Record 1955/05/05

通信機PTC-8000による察話蚘録


メンバヌ:

  • リカルド・カシン
  • ゞョセフ・りォヌカヌ
  • ミンマ・ドルゞ
  • ルむス・トヌマス

付蚘: ルむス・トヌマスは圓時C4に居た。


りォヌカヌ: こちら第2次偵察班です。キャンプ4、聞こえたすか

トヌマス: ずおもクリアに聞こえるよ。䜕かあったのか

りォヌカヌ: はい。僕が持っおいたカント蚈数機が、急にヒュヌム倀の䜎䞋を蚎えたんです。

トヌマス: 䜎䞋 登っおいる途䞭に䜎䞋したのか

りォヌカヌ: そうです。これたでは暙高が䞊がるに぀れヒュヌム倀も高くなっおいたのに、急に䞋がり始めたした。䜕かの異垞事態かず思っお連絡をしおいたす。特に他に倉化はないように芋えたすが……

トヌマス: 今はキャンプ6付近か

りォヌカヌ: そうです。あず10分もすれば着く予定です。

トヌマス: ずなるず、SCP-XXXX-JPの圱響圏内に入ったわけでもなさそうだな。ただ山頂たでは十分に遠い。

カシン: ……もしかしたらなんだが、この近くにもその、PoI-XXXX-JPが残した異垞物品があるのではないかな。

トヌマス: 十分ありうる。たたあの時の毛みたいなものかも知れないな。

ドルゞ: どうしたすか 捜玢をしたすか

トヌマス: そうだな……うん、元からキャンプ6以埌のルヌト工䜜をする予定だったドルゞずむンダヌビネンは予定通りに䞊に登り、匕き返す予定だったカシンずりォヌカヌはそこで捜玢をしおほしい。

[䞀同が了承の声を䞊げる]

トヌマス: ただし、その異垞物品が先ほどの毛のように小さい堎合もありうる。時間がかかりそうな堎合は、日没たでに少なくずもキャンプ5たで垰れるように適圓なずころで切り䞊げおくれ。

りォヌカヌ: 分かりたした。それでは䞀床通信を終了しおスタンバむモヌドにしたす。芋぀けたり他に䜕かあったりしたら、たた連絡したすね。

[通信機がスタンバむモヌドになる]

カシン: では、䞀旊みんなでキャンプ6に向かっお、荷物を䞋ろしおから二手に別れよう。

ドルゞ: 了解です。捜玢の方も頑匵っおください。

[第2時偵察班は移動を再開し、C6に着く。荷物の敎理埌4名は二手に分かれる。カシンずりォヌカヌはカント蚈数機を甚い、ヒュヌム倀がより䜎くなっおいる堎所を探す]

[20分が経過し、カシンずりォヌカヌはC6から氎平距離でおよそ30 m離れた地点に移動する]

カシン: この蟺りが䞀番䜎いな。雪を少し掘っおみようか。

りォヌカヌ: 意倖ず近かったんですね。

[2名はピッケルで雪面を掘る。5分ほどの詊行の埌、りォヌカヌのピッケルが䜕らかの物䜓に突き圓たる]

りォヌカヌ: うわっ、䜕かにぶ぀かりたした。おそらく異垞物品です。

カシン: やったな、ずおも幞運だ。掘り起こすぞ。

[この埌30分かけお2名は異垞物品を完党に雪の䞭から掘り出す。この物品は半埄が平均7.4 cm、重量4.1 kgの歪な球圢をした肉塊である]

りォヌカヌ: これは……報告にあったSCP-XXXX-JPに䌌おいたすが、倚少圢が違いたすね。

カシン: ああ。あちらは半球だったはずだが、こちらは歪な球圢だし倧きさも幟分小さい。

りォヌカヌ: うん、こちら偎に䜕か暡様がありたす。これは……文字

カシン: どれ、芋せおくれ。[芗き蟌んで] これは……うん、チベットの真蚀マントラ、぀たり呪文のようなものじゃないかな。ヒマラダを登る時に、あちこちの村で芋聞きしたこずがある。

りォヌカヌ: 呪文ですか、よく分かりたせんが……ずりあえずこれを持っお垰りたしょう。今日持っおきた荷物の䞭にSCiP回収甚の袋があったず思いたす、あれを䜿えたせんか

カシン: なるほど、確か予備があったはずだ。それでいこう。

異垞物品はカシンずりォヌカヌによりC4に持ち垰られ、暫定的にSCP-XXXX-JP-a (以埌、適宜Obj-aず略蚘) ずナンバリングされたした。

同日䞭にC4に戻ったドルゞのチベット文字の知識により、Obj-aã®è¡šé¢ã«æ›žã‹ã‚ŒãŠã„ãŸæ–‡å­—ã¯ã€ŒàœšàœŒàœŸàŒ‹àœ˜àŒ‹àœŽàœ²àŒ‹àœ”àœ‘àŸšàœºàŒ‹àœ§àœ±àœŽàŸƒã€ã§ã‚ã‚‹ã“ãšãŒåˆ†ã‹ã‚ŠãŸã—ãŸã€‚ã“ã‚Œã¯ã€Œã‚ªãƒ om・マma・ニni・ペpeː`・メme:・フムhumã€ãšéŸ³èš³ã•ã‚Œã‚‹ã€ãƒãƒ™ãƒƒãƒˆä»æ•™åŸ’ãŒé »ç¹ã«å”±ãˆã‚‹èŠ³éŸ³è©è–©ã®çœŸèš€ã§ã™ã€‚ãŸãŸã€ã€ŒàœšàœŒàœŸàŒ‹àœ˜àŒ‹àœŽàœ²àŒ‹àœ”àœ‘àŸšàœºàŒ‹àœ§àœ±àœŽàŸƒã€ã®äž‹éƒšã«ã‚‚ãƒãƒ™ãƒƒãƒˆæ–‡å­—ãŒå°ã•ãæ›žã‹ã‚ŒãŠã„ãŸã—ãŸãŒã€ã“ã¡ã‚‰ã¯æ–‡æ³•ãƒ»æ–‡å­—è¡šèš˜ã®èŠå‰‡ãŒäž€èˆ¬ã®ã‚‚ã®ã‹ã‚‰å€§ãããšã‚ŒãŠã„ãŸãŸã‚ã€ãƒ‰ãƒ«ã‚žã«ã¯è§£èª­äžèƒœã§ã—ãŸã€‚

曎なる調査のためObj-aのサむト-36ぞの茞送が求められたしたが、その圢質がSCP-XXXX-JPず䌌おいたために航空機ぞの攻撃を始めるこずが懞念されたので、茞送は陞路でなされたした。

以䞋は、4月31日から5月4日たでの期間の日誌摘芁です。

05/05 ドルゞの経隓により、1953幎むギリス隊の蚭眮した第7キャンプが発芋される。少量の猶詰や嗜奜品、残量が僅かにある酞玠シリンダヌが入手された。たた、同隊の蚭眮した固定ロヌプの䞀郚が芋぀かったため、サりス・コルぞのルヌトがほずんど぀ながった。
05/06 ポヌタヌの1名がC5ぞの荷䞊げの最䞭に転び巊足を挫いたので、同行しおいたカシンが支えおC4たで戻った。高所は雲に芆われおいたため、ルヌト工䜜は行われなかった。
05/07 匷颚ず豪雪のため、BCずC4で党員が䌑息した。C4のテント1匵りのフレヌムが折れたため、隊員2名が他のテントに詰め入るこずになった。
05/08 ルヌト工䜜の圹割をりォヌカヌずむンダヌビネンが亀代する。深く積もった雪のためこの日はC6たでしか進めず、2名はそこで睡眠をずった。
05/09 むギリス隊第7キャンプ以降は斜面が急で颚も匷かったため雪があたり積もっおいなかったので、む゚ロヌ・バンドを暪切るサりス・コルたでのルヌトが完党に敎備された。耇数本の40 mロヌプが固定され、難所にはステップが刻たれた。サりス・コルには財団隊のキャンプ7が仮蚭眮された。

サりス・コルぞのルヌト工䜜完了の報を受け、同地点ぞの荷䞊げ䜜業が開始されたした。登頂時に䜿甚される予定の食料、酞玠補絊装眮、燃料、SCP-XXXX-JP確保甚の容噚、そしおそれらを入れるテントなどの運送が必須でした。

以䞋は5月7日、豪雪のためC4で䌑息䞭の登攀郚隊のメンバヌによる察話の曞き起こしです。

Record 1954/05/07

C4での䌚話の曞き起こし


ドルゞ: 狭いでしょう、申し蚳ない。

カシン: 気にするこずじゃないよ  ああ、䞁床お湯が沞いた。玅茶でも飲もう。コップは……

ブラりワヌ: ほら、ここに予備のや぀がある。

ドルゞ: ありがずう。

カシン: 予備ずいえば、予備のシリンダヌは本圓に重たいな。

ドルゞ: ええ。流石に8000を超えるず俺も酞玠は欲しいですが、それにしたっお運搬䜜業は倧倉でしょうね。

ブラりワヌ: ここで生たれ育った君もそう思うのか。僕は6日前、キャンプ6で装眮を䞋ろしたからな、軜くなった分で差し匕きあたり倉わらなかったような気もする。

カシン: [ドルゞに] 8,000はどうなんだ 君しか経隓がない。

ドルゞ: 俺が登ったのはむギリス隊のキャンプ9、぀たり最高で8,400 mほどたでなので、それ以䞊のこずは分からないけれど……たさに死の領域death zoneでしたね。䞀息ごずに䜓から血が抜けおいくような感芚でした  あの時は酞玠補絊がなかったから。

カシン: 恐ろしいね。高所では思考力が鈍る。酞玠残量が蚈算できなくなるず困ったこずになるな。

ブラりワヌ: 時間感芚が狂うかもしれない。随時腕時蚈を芋お、確認し合う必芁があるだろうな。

ドルゞ: そういえば、マッケむのこずは残念でした。そうならないように、酞玠切れには気を぀けないずいけないですね。

カシン: ああ……本圓に、そうだ。申し蚳ないこずをした。ちゃんず気づいおいれば  

ブラりワヌ: 君だけの責任じゃあない。圌は少し焊っおいたのだろう。

カシン: 焊っおいた

ドルゞ: ええ、分かりたす。圌は確かに焊っおいた。高山病で最初にダりンしおから、自分ぱベレストに登れないんじゃないかず。

ブラりワヌ: ミッションはSCP-XXXX-JPの確保だから登頂できるのは2人1組が限床。そこに遞ばれたいがために、遅れを取り戻したいがために、少し過剰に働いおいるきらいがあった。

カシン: 財団職員ずしおよりも、元登山家ずしおの気持ちを優先しおしたった……ずいうこずか。いや、そこたで二者択䞀的なものではないが、䜕ずいうか……

ブラりワヌ: 君はそれを分かっおいるず思っおいたが。

カシン: 今の今たで気づいおいなかった。ただ、思い返しおみるず……昔の自分にもそういう面があった、かもしれない。

ドルゞ: 倧なり小なり、皆が抱えおいる思いでしょう。

カシン: 君たちはどうなん……いや、申し蚳ない。䞍躟だった。

ブラりワヌ: 別にいい。勿論䞊たで登りたい気持ちはある。しかし、これでも財団の䞀員ずしおの自芚は匁えおいる぀もりだ。もし今回頂䞊たで行けなかったずしおも、い぀か長期䌑暇を取れた時に個人的に登るさ。

ドルゞ: 俺は  そうですね、同じシェルパ族ずしお、登頂したテンゞンのこずを矚たしく思う気持ちはありたすが  俺はもずもずポヌタヌです、ええ。スむス隊でもむギリス隊でも財団隊でも、同じように隊のために働く。その結果頂䞊アタックの圹割を任せられたら、勿論ありがたく任務に぀きたす。

カシン: ああ、ありがずう。話しおくれお。きっず  きっず、マッケむも、私たちが登頂しお、そしおSCP-XXXX-JPを無事確保するこずを願っおいるだろう。

以䞋はオペレヌション・サヌド・ポヌル実行郚隊隊長のルむス・トヌマスが埌幎たずめた同䜜戊の個人的蚘録「回想の゚ベレスト」の䞀郚抜粋です。5月9日、任務の達成に有甚な情報が埗られたこずに぀いお蚘されおいたす。

「回想の゚ベレスト」より䞀郚抜粋

ルむス・トヌマス


 五月九日、キャンプIVで早めの倕食を取っおいるず、ロヌツェ・フェむスにいる二人からの通信が届いた。

「こちらロヌツェ・フェむスルヌト工䜜隊、りルリッヒ・むンダヌビネンずゞョセフ・りォヌカヌ。サりス・コルたでのルヌトの敎備が完了した。い぀でも荷揚げを始められるぞ」

 むギリス隊が同じ地点に到着した日付よりも十日以䞊早い。モンスヌンが吹き荒れ始める六月に急かされるこずもなく悠々ず頂䞊アタックを敢行するこずができる公算が高くなる、ずおも嬉しい知らせだった。

 ペヌロッパからむンドのサむト-36ぞ、そしお゚ベレストたで来るここ二、䞉カ月間に議論した幟぀かの日皋パタヌンから、最も珟状にあったものを再怜蚎にかける。この䜜業は結局倜半たでかかったが、おおよその敎理はできた。

 サりス・コルから頂䞊ぞず至るには、高䜎差䞀千メヌトル匱、氎平距離で玄二キロメヌトルのルヌトを螏砎しなければいけない。ハむキングでそのあたりの山を歩くのずはわけが違い、八千メヌトル以䞊の高床では䞀歩を螏み出すこずが党力疟走に倀する。

 暙高䞃千九癟メヌトルのサりス・コルから゚ベレスト南東皜に沿っお登っお行くず、少し右手に比范的平たい地点がある。これはミンマ・ドルゞが二幎前、むギリス隊のポヌタヌずしお荷物を運びあげた最高点であり、暙高は八千四癟メヌトル皋床。

 そこからさらに進むず暙高八千䞃癟五十メヌトル地点に゚ベレストの南峰、小さなピヌクがある。少しの䞋りを経た僅かに先には、高䜎差玄十二メヌトルの垂盎な岩壁が埅ち受けおいる。これはヒラリヌ・ステップず呌ばれ、このルヌト䞭で最倧にしお最埌の難関だ。この岩壁は避けお通れず、登山家がその力を遺憟なく発揮しお登りきるしかない。

 これを超えれば、埌は頂䞊たでの皜線を蟿ればよい。ただ、我々のメむンミッションぱベレストぞの登頂それそのものではない。䞀般の登山隊のように写真を撮っお成功の蚌拠を収めるこずは無く、たしおや頂䞊に財団旗を立おるようなこずなどは党く持っおあり埗ない。登頂埌は、このオペレヌション・サヌド・ポヌルの第䞀目暙である、SCP-XXXX-JPを確保する段階に移るのだ。

 ゚ドモンド・ヒラリヌの蚀によれば頂䞊から北東皜偎に僅かに䞋った先、岩の圱にあるはずのSCP-XXXX-JPを回収甚袋に入れ、バッグに結わえ付けお䞋り、回収ミッションは終了ずなる。

 以䞊に蚘したような長いルヌトをたった䞀日で埀埩するのは党くの困難が䌎うこずは容易に予想された。さらに頂䞊付近でSCP-XXXX-JPの捜玢に時間を倚く費やすこずになれば、垰還は絶望的になっおしたう。このため、ルヌト䞊の八千四癟メヌトル近蟺に䞀぀のキャンプを䜜り、ここを䞭継地点ずする蚈画が取られた。

 頂䞊アタックを行う日皋の第䞀候補は、䞀週間埌の五月十六日。月霢は二十四、僅かに痩せた半月の日である。

 この前日に頂䞊アタック芁員以倖が八千四癟メヌトル地点たで登り、そこに最終キャンプを建蚭する。そしおアタック隊はこのキャンプで宿泊し、倜䞭の䞀時半に登頂を開始する。これは䞁床月が゚ベレストを照らし始める時間垯であり、倩候が良ければヘッドランプず合わせお䞀定の灯りが確保できる。

 むギリス隊ず同じペヌスで進めば朝の䞃時には頂䞊に着く。もちろん倜間の登攀なのでそれよりは時間がかかるだろう。頂䞊に着けば、SCP-XXXX-JPの捜玢に入る。この日の日没は六時四十分ごろだが、最近の゚ベレストの倩候からしお午埌には軜い雪が降りがちであるので、できる限り早くキャンプに戻るこずが必芁になる。

 日皋や行皋は凡そこういったものであるが、果たしお誰を第䞀次アタック隊にするか、ずいう決定は䞭々に難しいものであった。もし䜕らかの䞍調やアクシデントがあり䜜戊が成功しなければ、盎ぐに第二次アタック隊を繰り出さなければいけない。そのバックアップの圹割は必然的に、最終キャンプを建おたメンバヌが担うこずになる。

 アタック隊は二人䞀組。誰ず誰の組み合わせにするか  ず悩み、私は結局もう寝ようずしおいた。明日からのサりス・コルぞの物資茞送の際のパフォヌマンスを芋お、䜎酞玠の高所にも負けずに頑匷な䜓を維持しおいる者を、医者ずしお芋定めよう、ず考えおいた䞁床そのずきであった。

 䞁床私の入っおいた、医療甚の倧テントの倖から登攀隊員の䞀人であるミンマ・ドルゞの声が聞こえた「入っおいいですか」

 倖はもう党く暗かったが、私は盎ぐに「もちろん。寒いだろう」ず蚀っお圌を䞭に受けいれた。䞀瞬吹き蟌んだ颚が幟枚かの曞類を揺すった。

 入っおきた圌は私の顔を芋るなり蚀った「もう、アタック隊のメンバヌは決たりたしたか」

 この時私は、なんず返答するか少し迷っおいた。正盎に荷揚げの期間を芋お決める、ず蚀えばドルゞが無理に匵り切っおしたうかも知れない。圌が財団に雇われる前に行われた身蟺調査では、圌ぱベレストに登りたいずいう匷い欲望を抱いおいるこずが分かっおいたからだった。

「ああ  そうだね、ただ、ただ発衚はしない。明日か明埌日頃、みんなが集たった時に話そうず思っおいる」

「分かりたした  ずころで、お䌝えしたいこずがあるのですが」そう蚀っお圌は少し顔をう぀むけ、毅然ずした顔を䜜っお蚀った「俺は、二幎前のむギリス隊ず䞀緒に八千四癟メヌトルたで登ったずき。そこに満杯の酞玠シリンダヌを二本埋めおきたした。今も残っおいるはずです」

 その蚀葉を聞いた瞬間盎感的に、今わたしは脅されおいる、ずさえ思われた。圌のみが知っおいる任務成功に倧きく貢献するであろう情報をチップにしお、自分をアタック隊に入れろず匷匁されるのではないか、ずさえ感じられたのだ。

 私が蚀葉に詰たり、䞀蚀二蚀もごもごず぀ぶやいおいるず、圌はたた話を぀づけた。

「その、登攀郚隊は俺含めおほずんど党員が八千四癟たで登りたすよね。  だから、その時に掘り出そうず思いたす。テントの匵り網を䜿っお近くの岩に結んであるので、ただ残っおいるはずです」

 その蚀葉は先ほど私が抱いた頑迷な、そしお党く偏芋に満ちた思考を拭い去っおくれた。圌は隊のサポヌトのために䌝えおくれおいるのだず分かっお、私は怯えたこずを恥じた。

「あれらがちゃんず残っおいれば、千六癟リットル分の酞玠があるはずです。最終キャンプたでの荷運びも楜になるでしょうし、アタックの匷い味方になるず思いたす」

 ドルゞの蚀うこずは非垞に確かであった。そこでようやく私は幟らかの疑問を蚪ねるこずに成功した「どうやっおそんなずころたで運んだんだ むギリス隊の報告では、䜿わなかったシリンダヌはサりス・コル以䞊には無いず」

「荷揚げの時です。最終キャンプたでの荷揚げの時はみんな酞玠補絊機を䜿っおいたした。その䞭で俺は、酞玠を背負ったたた、匁を閉じお䜿わなかったんです  い぀かたた、俺が゚ベレストに登るずきに、他の隊員を出し抜いお登頂するために」

「しかし、君はそれを私に䌝えた」

「はい。財団に、今回の䜜戊のためにず蚀っおスカりトされた時は、俺が登頂するこずばかりを考えおいたした。ただ  カシンずブラりワヌの話を聞いお、うヌん  そうですね、ブラりワヌの、今回登れなくずも䌑暇を取るなりしおたた挑戊するずいう話を聞いお  かなり芋栄を匵っおいるな、ずは俺にも簡単に分かりたしたがそれでも  なんずいうか、俺も芋栄を匵る気分になっおしたったんです」

 そうやっおドルゞは照れながら話し、この日はそのあたりで䌚話を切り䞊げた。圌は自分のテントに戻り、私も寝るこずにしたが、劙に寝苊しかった。圌の教えおくれた情報のおかげで䜜戊の成功率が優䜍に増加したこずも䞀因のように思われる。結局久々に、睡眠剀に頌るこずになった。

この埌、5月10日から5月14日にかけお必芁物資がサりス・コルのキャンプ7たで運び蟌たれたした。過皋でポヌタヌの1名ずりルリッヒ・むンダヌビネンが手指に軜い凍傷を負いたしたが、ルむス・トヌマス医垫の察凊で悪化はしたせんでした。

この期間䞭にカント蚈数機もC7に運ばれたした。暙高7,906 mにおける珟実性匷床は5.80 Hmでした。

頂䞊アタック隊は以䞋のように線成されたした。

頂䞊アタック隊線成
第1次 デむビッド・ブラりワヌ
ミンマ・ドルゞ
第2次 リカルド・カシン
ゞョセフ・りォヌカヌ

補遺.XXXX-JP.7 > 頂侊

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サりス・コルから芋あげた頂䞊。

以䞋は、登頂に成功した登攀隊員員であるデむビッド・ブラりワヌの個人日誌です。

Op. サヌド・ポヌル 個人日誌

デむビッド・ブラりワヌ


 サりス・コルのキャンプVIIを埌にしたのは頂䞊アタック前日の十五日、その朝四時のこずだった。倪陜こそ登っおいないものの既に十分明るく、反射光による雪盲察策のサングラスをかけるべき時間垯だ。

 䞉時に起きおから䞀時間たっぷりを䜿っお玅茶を飲み、䜓を枩め、そしお酞玠補絊機の最終チェックをしお登り始める。重たい荷物を背負えばしゃきっず目が芚めた。

 前を進むカシンずりォヌカヌの刻んだステップをアむれンで螏みしめながら、䞀歩䞀歩呌吞を敎え぀぀歩いおいく。ドルゞの蚘憶を頌りに、最終キャンプを建おるべき䜍眮に向かっおいく。

 結局昌前には、比范的平坊なスノヌ・ショルダヌに぀いた。高床蚈が瀺すのは八千四癟二十メヌトル。この蟺りかずドルゞに目線で問うず、意図を察したのか圌は䞀床倧きく頷き、ピッケルで前方右を指した。

 カシンずりォヌカヌはテントを立おる準備をしおいる。ドルゞの先導で二、䞉十メヌトルほど進み、圌が指瀺した蟺りの雪を䞀緒に掘る。皋なくしおテント甚の匵り網があり、その繋がった先には酞玠のシリンダヌが芋぀かった。

 それらは確かにむギリス隊の䜿甚しおいた軜合金補のもので、確かに酞玠が入っおいる重さをしおいた。わずかに挏れおいたのかどちらのシリンダヌも目盛は二千九癟重量ポンド毎平方むンチを指しおおり、すなわち䞀本あたりに入っおいる酞玠はおよそ䞃癟リットルだったが、䟝然非垞に圹立぀ものに倉わりはなかった。

 テントの蚭営が終わるず、カシンずりォヌカヌはサりス・コルたで䞋っお行った。時刻は昌の䞀時。日付が倉わる頃には起きお出発の準備を敎えなければいけないため、昌食埌はもう睡眠を取るずいう予定だった。

 私たち二人が昌食に食べたのは、ペミカンや果物やらの猶詰、結局ここたで持っおきた蜂蜜の瓶ず玅茶、そしおシェルパたちの垞食する、倧麊粉ず氎・バタヌを混ぜお䜜ったツァンパ。食べ終わったずころですぐには寝れないため、酞玠マスクを぀けお流入量を睡眠時甚の䞀リットル毎分にしながら、手持ち無沙汰にドルゞずあれやこれやに぀いお話した。

 䌚話の内容は芚えおいない。思考ががんやりずしおいお、䜕床も同じこずを繰り返し話題に挙げたような気がする。ずにかくその日は䞉時過ぎ頃には寝おいたず思う。明るくお寝づらかったのでサングラスをかけた蚘憶がある。


 二人ずもきっかり、十六日の零時に目芚めた。気枩は零䞋二十五床ほどで、䜕枚着蟌んでいおも寒さがこたえる。あらゆる行動が緩慢になっおしたい、火を぀けお雪を溶かしお湯を沞かす、ずいうだけでほずんど䞀時間は消費しおしたった。それから幟らかものを食べ、䞉本ず぀背負ったシリンダヌを含めた装備の最終確認をし、二時前にテントを埌にする。月は県䞋に゚ベレストの圱を萜ずし、颚は凪いでいた。

 キャンプから二癟メヌトルほど登るたでは比范的単玔な道のりであった。皜線から僅かに巊偎の南西壁には硬くしたった雪が幟らか残っおいたので、そこを蟿っお行った。朝の四時頃たでかかった登攀䞭、日はただ昇らずずも蟺りはどんどん明るくなっおきたのでサングラスをかけた。

 高床八千メヌトルの空は黒い。空気の局が薄いからなのか、宇宙の色が透けお芋えおいるのだ。それでも玫倖線の量は凄たじく、サングラス無しには目が朰れおしたうだろう。

 南峰に着いたのは、倪陜が完党に顔を出しおから䞉十分ほど経った頃だった。䞀歩䞀歩倧きなステップを刻みながらの移動は難しいものでこそなかったが、僅かに颚が吹き始めた䞭柔らかい雪を螏みしめおいくのは緊匵感のあるものだった  もし足を取られお転倒すれば最悪の堎合䞉、四千メヌトルの萜䞋に぀ながるからだ。

 暙高八千䞃癟五十メヌトル。振り返ればおよそ四十日の間我々を厳めしく睚んでいたロヌツェの頂が遥か䞋方に芋え、前を向けばたさに我々が目暙ずする雪冠が芋えた。最埌の関門たるヒラリヌ・ステップはその右偎を匵り出した雪に芆われ、巊偎は党くの垂盎な岩壁のように感じられた。

 南峰の䞊で雪を軜く削り、座れるようにしお䞀床荷物を降ろし、行動食を口に含む。食べるために酞玠マスクを倖すず途端に息苊しかったので、ドルゞが飲み物で流し蟌むように急いで食べおいるのを芋お真䌌をした。ただ䜿っおいないむギリス隊のシリンダヌ二本はここに眮いおいくこずにした。背負っおいくにはあたりに重たすぎ、倱っおもむギリス隊のものなので停装は楜であり、そしお垰るずきに䞁床この蟺りでシリンダヌを亀換するず䜙裕があるだろうず考えたからだ。

 食べ終わったころ、マスクを着けお曇った声で圌が蚀った「ヒラリヌ・ステップは俺が登りたす  あそこを超えるにはアむス・クラむミングをするしかない  しかし、あの匵り出した雪がい぀東壁の方にずり萜ちおしたうやもしれたせん。小柄な俺の方が安党です」

「ヒラリヌ・ステップを迂回できないか 巊手の䞋方には雪の局がある」

「迂回した埌が問題でしょう。殆ど垂盎の雪壁を、五十メヌトルは登らないず頂䞊皜線に戻っおこれたせん」

「なら、君にお願いするよ。確保は任せおおけ」

 実際、䜓重の重い私は確保にうっお぀けだった。ヒラリヌ・ステップの盎䞋でピッケルを雪に深く深く刺し、ドルゞに぀ながったロヌプを䜕重にも巻き付け、そこに䜓重をかける。い぀圌が手足を滑らせたずしおも奈萜の底たで萜ちおいかないようにするために。

 雪壁の垂盎登攀、それも暙高八千䞃癟六十メヌトルで。たさに超人的な技術ず䜓力を必芁ずするものであった。バッグを眮いお酞玠補絊機のみを背負い、四肢を螏ん匵っお䞀歩、たた䞀歩ず登っお行く。進みに合わせお私はロヌプを繰り出し぀぀も、私は圌の䞀挙手䞀投足を぀ぶさに芋぀めた。僅かにでも転萜の危険性が無いか、より傟斜がゆるいのはどの方向か、そういったこずをサングラス越しに捉え、マスク越しに䌝える。

 奮闘の末、遂にドルゞは登り切った。ヒラリヌ・ステップの䞊の岩棚に倒れこむようにしお圌の姿が芋えなくなり、歓喜の声が聞こえた。今床は私が登る番で、岩壁の方に垂らされたロヌプを頌りに十二メヌトルを超えた。それすらも党身に激しい負担がかかる行為で、登り切った埌は芋虫のように寝転がっおしたった。

 そこで息を敎え、酞玠シリンダヌを亀換した埌は最早䞀盎線だった。颚が倚少匷くなっおきたので现かい雪が飛ばされお顔にかかるこずもあったが、ただ無心に硬い雪にステップを刻み、幟床かの隆起を乗り越える。

 そしお、午前八時䞉十八分、我々ぱベレストの山頂を螏みしめた。

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頂䞊からの眺め。


補遺.XXXX-JP.8 > 回収

Record 1955/05/16

通信機PTC-8000による音声蚘録


メンバヌ:

  • 第1次アタック隊 デむビッド・ブラりワヌ
  • 第1次アタック隊 ミンマ・ドルゞ
  • 第2次アタック隊 リカルド・カシン

付蚘: デむビッド・ブラりワヌは圓時、ゞョセフ・りォヌカヌず共にC7に居た。


ブラりワヌ: こちら第1次アタック隊。午前8時38分、山頂に到着した。これよりSCP-XXXX-JPの捜玢を開始する。

カシン: おめでずう 良かった。

りォヌカヌ: おめでずうございたす。

ドルゞ: ありがずう。……うヌん、頂䞊から䞀芋しただけではSCiPがどこにあるかは分かりたせんね。

ブラりワヌ: たた確保をやるから、北偎に少し降りおみおもらえるか [サりス・コルの2名に] 通信機の電池残量は十分あるが、䞀応スタンバむモヌドにしおおくよ。

カシン: 了解。たた䜕かあったら連絡しよう。

[通信機がスタンバむモヌドになる]

ドルゞ: うわっ。[颚に飛ばされた雪がドルゞの顔に圓たる]

ブラりワヌ: 倧䞈倫か。……少し颚が匷たっおいるか ちゃんず確保するから安心しおくれ。

ドルゞ: いえ、急だったので。ただ僕も泚意したす。

[SCP-XXXX-JPの捜玢のためドルゞはブラりワヌから離れ北東陵偎に降りる。玄20分の間、䌚話はない]

ブラりワヌ: [幟分声を匵っお。以䞋同]ただ芋぀からないか

ドルゞ: ただです。雪に芆われおいお、いくらか掘らないずいけないかもしれたせん。

ブラりワヌ: なら、䞀旊戻れ。そろそろ䌑憩したほうがいいんじゃないか。

[ドルゞが山頂付近に戻る]

ブラりワヌ: 次は僕が降りおみよう。ただ、埋たっおいる堎所によっおは倧倉だな。カント蚈数機をここたで持っお来られれば早く芋぀かったかもしれない。

ドルゞ: 酞玠シリンダヌ3本にカント蚈数機たで運ぶず動けなくなっおしたいたすからね。ずりあえずは楜なずころから雪を軜く掘っおみおください。

ブラりワヌ: ああ。……そうだ、君の䜓調に問題がなければ、酞玠の流入量を少し䞋げおもいいかもしれない。あたり動かないからそんなには必芁ないだろうし、節玄になる。

ドルゞ: なるほど、そうしおおきたす。

[ブラりワヌが亀代しお降りる。ピッケルを雪面に差し蟌み、SCP-XXXX-JPが雪に埋たっおいないか確認する]

[䜜業を始めお玄30分が経぀。SCP-XXXX-JPは芋぀からず、颚が匷くなる]

ドルゞ: [幟分声を匵っお。以䞋同] ただ芋぀かりたせんか

ブラりワヌ: ダメだ。これだずいよいよ、岩壁の方に行かなきゃいけないか。

ドルゞ: 酞玠はただ十分あるず思いたすが、この高床です。疲れ切っおしたう前に亀代したしょう。

ブラりワヌ: 分かった。䞀旊そちらに戻ろ  おっず。

[匷い颚により、ブラりワヌの足元付近にあった雪の䞀郚が流れ萜ち、䜓勢が僅かに厩れる。ドルゞはピッケルを匷く抌さえ、ブラりワヌの墜萜防止を図る]

ドルゞ: 倧䞈倫ですか

ブラりワヌ: ああ、問題ない 少しだけよろめいたが䜕ずか倧䞈倫だった。

ドルゞ: よかった  埅っお、ブラりワヌ、巊手の方を

ブラりワヌ: なんだ   これは

[衚面の雪が剥がれ萜ちたこずで、SCP-XXXX-JPが䞀郚露出しおいるこずが刀明する]

ドルゞ: 目暙のSCiPです

ブラりワヌ: よし、掘り出すぞ。

ドルゞ: 回収袋は持っおいたすよね

ブラりワヌ: 勿論。ただ、その前にSCiPを萜ずさないようにし぀぀雪から掘り出さないず。

ドルゞ: お気を付けお。

[箄15分が経過する。ブラりワヌはSCP-XXXX-JPを抂ね雪から掘り出すが、SCP-XXXX-JPはその底郚が岩ず癒着しおおり、容易に持ち䞊げるこずができない。僅かに雪が降り始める]

ブラりワヌ: ダメだ。ピッケルで岩を削らないず難しいだろう。いったん戻らせおくれ、流石に疲れおきた。

ドルゞ: 分かりたした。もう䞀時間半以䞊山頂にいたす、疲れるのも圓然でしょう。

[ブラりワヌが戻る]

ブラりワヌ: 酞玠は残りいくらぐらいだったかな。

ドルゞ: えヌず [腕時蚈を芋る。時刻は9時20分] えヌ、あず3時間分はあるでしょう。南峰たで戻る時間を陀いおも、十分倧䞈倫な範囲です。

ブラりワヌ: よかった。……そろそろしっかり氎分を取ったほうがいいかな。前飲んでから䜕分経った 感芚が麻痺しおしたっお。

ドルゞ: もしかしたら、ヒラリヌ・ステップからこの方飲んでいないかもしれたせん。

ブラりワヌ: それはたずい。少し䌑憩をしよう。幞い酞玠はただあるんだ。

[2名は氎分補絊をし、チョコレヌトを口に含む。小䌑止を経お、SCP-XXXX-JPの回収䜜業が再開される]

ドルゞ: 本圓だ、結構倧倉ですね……

ブラりワヌ: 気を぀けおくれよ。足堎たで厩しちゃあ倧倉だ。

[ドルゞはピッケルで岩を削り、癒着したSCP-XXXX-JPを剥がそうず詊みる。玄15分が経過する。雪は少々匷たる]

ドルゞ: できたした、埌は袋に入れるだけです

ブラりワヌ: でかした 最埌こそ慎重に。

ドルゞ: はい。[SCP-XXXX-JPを回収袋に入れ、腰にくくり぀けお岩棚を登る] よし、任務完了です。

ブラりワヌ: おめでずう。成功しお良かった。

ドルゞ: ええ、向こうに通信を入れたしょうか

ブラりワヌ: そうだな、そうしよう。

[ブラりワヌが通信機をスタンバむモヌドから戻す]

ブラりワヌ: 聞こえるか こちら第1次アタック隊 午前10時40分、SCP-XXXX-JPの回収に成功した。今から戻るずころだ。

カシン: よくやった 玠晎らしい。しかしあたり喜んでいる時間は無いな。こちらでは颚が匷くなっおきた。できる限り早く戻ったほうがいい。

ドルゞ: もちろんです。ありがずう。

ブラりワヌ: よし、圌の蚀う通りだ  急いで垰ろう。

ドルゞ: はい。……ああ、行きしなに刻んだステップが党く消えおいたすね。

ブラりワヌ: この颚に雪たで降り始めおいるんだ、しょうがない。酞玠はただ持぀が、できる限り早く南峰のシリンダヌたで戻るぞ。

[2名は南東皜を匕き返すが、長時間の行動及びステップの刻み盎しのために速床は遅い。颚雪はだんだん匷くなる。玄40分が経過するが、ただヒラリヌ・ステップには到着しない]

ドルゞ: 颚が酷く危険です 1人ず぀歩くこずにしたしょう、倒れたら危ない。

ブラりワヌ: しかし、このたただず倩候はさらに悪くなるだろう。そうなる前に南峰たで戻らないず酞玠が無くなっおしたう。

ドルゞ: 倚少は倧䞈倫でしょう、酞玠が無くなっおも。今は流量を抑え目にし぀぀ゆっくり、安党に進むべきです。

ブラりワヌ: 分かった。なに、もう少しでヒラリヌ・ステップだろう。そこたでくればすぐに南峰だ。

[さらに25分間かけお2名はヒラリヌ・ステップに着き、慎重にこの段差を降りる。その埌も新しくステップを切りながら進むが、この地点から南峰たでの道は䞊りに転じおおり、20分の努力の末酞玠シリンダヌに蟿り着く]

ドルゞ: 良かった。埌䜕分で酞玠が切れおいたんでしょう。

ブラりワヌ: 埌……20分ほどだ。勿䜓無いから䜿い切っおしたおう。

ドルゞ: 雲に包たれる前にここに来れお良かったです。芖界がただあったから簡単に芋぀かった。

ブラりワヌ: そうだな……しかし、䟝然状況は非垞に悪い。ずにかく急いで最終キャンプたで戻ろう。

ドルゞ: もちろんです。ああ、䞀応第2次アタック隊に救揎芁請を入れるべきではないでしょうか。

ブラりワヌ: 確かにそうだ。よし   [通信機でC7を呌び出そうずする] こちら第1次アタック隊。聞こえるか

[箄1分が経過する。応答はない]

ブラりワヌ: ク゜、反応がない。

ドルゞ: 通信機無しで、これから吹雪になるず  たずいかもしれたせん。

ブラりワヌ: 倧䞈倫だ。ずにかく最終キャンプに戻るこずだけを考えよう。

[颚雪は䞀局激しくなり、ホワむトアりトに至る。2名の芖界は半埄玄10 mほどに狭たり、颚が積もった衚面の雪を飛ばしお吹き付ける。2名は最終キャンプに向かい歩き続けるが、その速床は非垞に遅い。玄80分が経過する]

ブラりワヌ: ただただだろうな。

ドルゞ: 行きは南峰たで3時間以䞊かかりたした。䞋りでもこの吹雪では……

ブラりワヌ: ああ、無理矢理歩き続けおもやたら䜓力を消費するだけだ。この近くに颚ず雪を凌げそうな岩堎はあるかな。

ドルゞ: 探し぀぀進みたしょう。

ブラりワヌ: そうだな、芋぀かったらそこで吹雪が匱たるたで䌑憩だ。最悪の堎合は䞍時泊bivouacもありうる。

ドルゞ: ええ。動かなければ酞玠もある皋床持぀でしょう。

ブラりワヌ: ずにかく、遭難死などは絶察にダメだ。今は  1時30分か。

ドルゞ: ただ日が萜ちるたで十分時間はありたす。それたでのどこかで、吹雪が収たるこずもあるず思いたすよ。


補遺.XXXX-JP.9 > åž°é‚„

Op. サヌド・ポヌル 個人日誌 05/16

ゞョセフ・りォヌカヌ


 カシンず私は前日の最終キャンプたでの物資茞送で疲れ切っおしたい、サりス・コルのキャンプVIIの䞭で䌑んでいた。起きたのは五時頃、日の出ず同じくらいのこずで、食事をずり぀぀も埅機状態に入った。

 最初の問題が発生したのは八時過ぎのこずだった。予報では今日は䞀日䞭奜倩のはずだったが、颚がひどく吹き始めおキャンプVIIの小テントが䞀぀壊れおしたった。フレヌムが折れおしたったのだが、むギリス隊の残しおいったテントの残骞を転甚しお応急的に修埩はした。別に二人甚テントず蚀っおも詰めに詰めれば五、六人は入れるものなので、垰っおくるアタック隊を迎え入れるのに䞍足は無かったが、䞀応のこずだ。

 午前八時䞉十八分には、アタック隊が頂䞊に着いたずいう連絡があった。遂に カシンも私も䞀緒になっお喜んで、SCP-XXXX-JPの回収成功を重ねお祈った。

 しかしその盎埌、キャンプVIIでは小雪が降り始めた。これが䞀時的なものであれば良かったのだが。我々は回収成功の報を埅ち䟘びおいたが、䞭々通信は届かなかった。向こうの通信機が壊れおしたったのではず疑いもしたほどだ。

 結局SCP-XXXX-JPが回収されたず分かった時刻は午前十時四十分だった。圌らは山頂付近に二時間もの間いたこずになる。䜓力の消耗が心配されたが、事態は悪化の䞀途をたどった。

 二぀目の問題は午前十䞀時に発生した。スタンバむモヌドにしおいた通信機の電源が突劂切れたのだ。電池が切れたのかず思い予備のものず入れ替えおみたが、党く動かなかった。これは埌から分かったこずだが、寒さで電池がやられおいたらしい。本来ならば倜は電池を寝袋の䞭に入れお䜓枩で暖めおおかなければいけないずころを、最終キャンプぞの荷揚げ䞭テント内に攟眮しおしたったこずが原因の䞀぀であったようだ。

 今日䞭にキャンプVIIたで登っおくる予定のあるものはおらず、カシンず私は第二次アタック隊であるので通信機を求め䞋に降りるなどするべくもない。

 そしお、最埌にしお最倧の問題はやはり倩候だった。通信を終了しおから倩候はただひたすらに悪くなり、これから䞀、二時間もすれば吹雪になっお芖界が封じられおしたうだろうこずは明癜だった。

 私たちはどうするべきか 助けに出れば、私たちたでもが遭難しおしたう危険性もある。そうなれば登攀郚隊は手に軜い凍傷を負ったむンダヌビネン䞀人だけ。しかし助けに行かなければ二人の呜が倱われるかもしれず、そうなればSCP-XXXX-JPの回収もたた難しくなる。

 どうしたものかずテントの䞭で悩んでいる私に、カシンが手袋をはめながら蚀葉をかけた「準備をしよう。迎えに行くぞ」

 その蚀葉を聞いお぀い反駁はんばくしおしたった。カシンは二十日ほど前、圓時䞀緒に行動しおいたマッケむを倱っおいる。その負い目から無茶を抌し通しお救出䜜戊を䞻匵しおいるのではないか、ず思っおしたったのだ「もうしばらくも立たないうちに吹雪になるでしょう 党員が未垰還ずなるのはたずい」

 しかし、圌の返す蚀葉は冷静だった「今からでも最終キャンプたではすぐに着ける。昚日も通った道だ、吹雪が匷くなる前に行けるだろうし、あそこには第二次アタック隊のための食糧がある皋床運び蟌たれおいる」

「そこからの道は」

「日没たでには十分時間がある。それたでに吹雪が匱たれば、曎にある皋床登るこずも可胜だ」

「しかし、通信機は䜿えたせん 倧問題です、圌らが具䜓的にどこにいるのかが分からないんです。吹雪で芖界が悪くなれば、すれ違っおしたうこずすらありうる。吹雪の䞭をあおどもなく圷埚さたようのは非垞に危険です」

「倧䞈倫だ、通信機の代わりになるものがある」

「替えの電池を持っおいたんですか それならなぜ先ほど  」

「いいや、電池じゃあない  カント蚈数機だ。SCP-XXXX-JPは呚囲のヒュヌム倀を䞋げる。二人の近くの空間はヒュヌム倀が䜎くなっおいるんだ。それを、こい぀は芋぀けられる」

5月16日の午前11時24分、リカルド・カシンずゞョセフ・りォヌカヌからなる第2次アタック隊はキャンプ7を出発し、第1次アタック隊の救助に向かいたした。軜装の同隊は午埌1時16分に最終キャンプに到着し、吹雪が比范的収たった午埌3時22分に最終キャンプを出発したした。

同日午埌4時52分、カシンはSCP-XXXX-JPが呚囲にもたらす珟実性匷床倉動をカント蚈数機で芳枬し、第1次アタック隊ず合流したした。第1次アタック隊は岩陰に溜たった雪を利甚しおピッケルで簡易的な雪掞を䜜り、その䞭で䌑憩しおいたしたが、2名は節玄のため酞玠補絊をしおおらず、ブラりワヌは右足ず頬に、ドルゞは巊手に軜床の凍傷を負っおいたした。

午埌6時13分、4名は最終キャンプに戻り、ブラりワヌの凍傷には応急凊眮がされたした。2人甚テント1぀に党員が入りたしたが、倧きな問題は起こりたせんでした。

翌5月17日、倩候は安定しおいたので4名は最終キャンプを撀収しおサりス・コルを経由し、キャンプ4たで降りたした。これにより、オペレヌション・サヌド・ポヌルの最終目暙が達成されたこずが確認されたした。


補遺.XXXX-JP.10 > 䜜戊終了

「回想の゚ベレスト」より䞀郚抜粋

ルむス・トヌマス


 五月の十䞃日に四぀の点がロヌツェ・フェむスを䞋っおいるずころを最初に芋぀けたのは、キャンプIVのテントの倖にいたポヌタヌのバヌゞル・グリ゜ムだった。午埌四時、埅ち受ける私たちにアタック隊の四人が倧きく手を振った。距離のため顔は䌺えなかったが、しかし先頭のドルゞが明らかに喜色満面の颚貌をしおいるこずは容易に芋お取れた。

 キャンプIVの誰もみんな嬉しがっおいたが、ただ幟分遠くにいたために声こそ䞊げなかった。それを䞍機嫌なのだろうか、ず受け取ったのか、前から二番目を歩いおいたカシンが手に持ったピッケルを倧きく掲げお゚ベレストの頂䞊を指した。

 その行為が意味するずころは明確であり、぀い私もおめでずう ず倧声を出した。埅機メンバヌの皆もそれに続いお口々に祝いの蚀葉を叫ぶ。到着した圌らず抱き合っお喜び合い、そしおブラりワヌの頬に軜い凍傷の気配があるこずを芋぀けお心配になった。

 SCP-XXXX-JPの回収袋はりォヌカヌが持っおいた。確かに䞭には肉塊が入っおおり、第䞀目暙が達成されたこずが実䜓を䌎っお明らかになった。このオブゞェクトだけはサむト-36たで陞路で茞送する必芁があるが、それは明日到着する予定の機動任務郚隊に任せるこずだ。回収が成功した今我々がすべきこずは痕跡の消去、すなわち我々が建おたテントや運び䞊げた物資をできる限り党お降ろすこずになる。

 カシンによるず、南東皜䞊の最終キャンプは完党に匕き払ったらしい。最埌にもう䞀床サりス・コルたで登っおくれたのは、手の凍傷から埩垰したりルリッヒ・むンダヌビネンを䞭心ずするポヌタヌたちだった。圌らの努力によりキャンプVIIは片づけられた。その埌玄䞀週間かけおり゚スタン・クヌム氷河から皮々の物品をクヌンブ氷河たで降ろし、そこからはヘリコプタヌが埀埩で茞送をしおくれた。我々も順番に搭乗し、サむト-36たで戻っお䌑暇を埗た。

 かくしお、我々の䜜戊opereationは終わったのだ。


補遺.XXXX-JP.11 > サブ・ミッション

以䞋はオペレヌション・サヌド・ポヌルのサブ・ミッション、カント蚈数機による゚ベレスト山の珟実性匷床の芳枬デヌタです。

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゚ベレスト山南東皜ルヌトの珟実性匷床。

しかし、未だにSCP-XXXX-JPが蚭眮されおいる山がヒマラダ山脈に存圚するず芋られるため、航空機を䜿ったヒュヌム倀枬定は難しいず刀断されたした。この結果、次に瀺すプロゞェクト・パンディットが策定されたした。


補遺.XXXX-JP.12 > プロゞェクト・パンディット

プロゞェクト・パンディット

蚈画抂芁抜粋


蚈画抂芁: 本プロゞェクトの目的はヒマラダ山脈の山々の頂䞊に存圚するず考えられるSCP-XXXX-JPを収容し、同時にヒマラダ山脈の珟実性匷床を枬定するこずである。機動任務郚隊シグマ-8 ("極圏のPolar密偵たちPundits") が本プロゞェクトに埓事する。蚈画は1955幎8月に起草された。

機動郚隊シグマ-8 (“極圏の密偵たち”)


郚隊任務: 機動郚隊シグマ-8は、極地任務に習熟し高床な登山技胜を有する隊員で構成されおいたす。郚隊はプロトコル・パンディットのために創蚭され、初期のメンバヌはオペレヌション・サヌド・ポヌルの隊員から遞ばれたした。1978幎珟圚、ヒマラダ山脈の高峰45座以䞊ぞの登頂ず8個䜓のSCP-XXXX-JPの回収に成功しおいたす。

PoI-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JPが発芋されおから23幎が経過した1978幎珟圚も、その消息を絶っおいたす。以䞋は6個䜓目のSCP-XXXX-JPが収容された1969幎に䜜成された、PoI-XXXX-JPに関する資料の抜粋です。

PoI-XXXX-JP 資料抜粋


Obj-aに蚘されたチベット文字、そしお6個䜓のSCP-XXXX-JPずAO-5504d、Obj-aが同じ術者の肉操䜜魔術によっお䜜られおいるこずから、PoI-XXXX-JPはチベットからネパヌルの山間郚に居䜏する/しおいた個人だず掚枬されたす。

珟圚たでに、Obj-a以倖で、チベット文字が蚘されおいるPoI-XXXX-JPによっお䜜られた異垞物品は芋぀かっおいたせん。このこずを䞀因ずしおObj-aに行われた詳しい魔術的調査の結果、SCP-XXXX-JPずは違いObj-aは、肉塊で構成される小芏暡なV字状の導流堀を展開する胜力を過去に有しおいたこずが明らかになりたした。

Obj-aは、発生した雪厩から身を守るためにPoI-XXXX-JPが展開した肉操䜜魔術の名残であるず考えられたす。Obj-a以倖にSCP-XXXX-JPず機胜の違う異垞物品が発芋されおいないこずから、この雪厩は非垞に突発的なものであり、PoI-XXXX-JPは必芁に迫られおObj-aを創造したず考えられおいたす。

たた、プロゞェクト・パンディットによりチベットからネパヌルにかけおの山間郚の調査が行われた結果、耇数の集萜のラマ僧から「北西の方に、チベット仏教によく䌌぀぀も根本が違う宗教を信仰する村があるらしい」ずいう情報が埗られたした。

この村はサヌキシズムの䞀掟を信仰する、PoI-XXXX-JPの出自であるず掚枬されたす。この情報を受けお、ネパヌル王囜北西郚からむンド共和囜北郚パンゞャヌブ地方、チベット南西郚にかけおの調査が重点的に行われるこずになりたした。珟圚プロゞェクト・パンディットの目暙の䞀぀は、PoI-XXXX-JPの出自である村の発芋です。


機動郚隊シグマ-8珟隊長 デむビッド・ブラりワヌによるコメント:

オペレヌション・サヌド・ポヌルの実行郚隊だったころ、私は「PoI-XXXX-JPは登山䞭に魔術を䜿わないだろう」ず自説を展開したこずがあるが、それはObj-aぞの远加調査によっお誀りだったずいうこずが明らかになった。

ただ私には、あれが党くの誀りであったずも蚀い難いようには思える。圌  䟿宜的にこう呌がう  が䜕の痕跡も残さずに肉の魔術を䜿えた蚳ではない、ずいうこずが明らかになったのだ。他の5個䜓のSCP-XXXX-JPを回収した道のりにはObj-aのようなものは存圚しなかった。これは、圌が肉の魔術を乱甚しお無理やりに歩を進めるこずをせず、あくたで登山家的手法で山々を攻略しおいったこずの蚌巊ず蚀えるかもしれない。

そしお、䟝然Obj-aに類するものが芋぀かっおいないずいうこずは、圌は堅実な山行を積み重ねられる優れた技術を持った登山家であるず蚀えるだろう。

い぀の日か圌ず盎接察面できた時には、ぜひむンタビュアヌずしお話したいものだ。


補遺.XXXX-JP.13 > 曎なる蚈画

プロゞェクト・パンディットの進行及びミャンマヌ王囜北西郚・むンド共和囜北郚・チベット南西郚の調査により、ヒマラダ山脈の䞀郚にヒュヌム倀が有意に高い䞀垯が存圚するこずが分かりたした。この地垯は、暙高4,000 mでの平均珟実性匷床が6.7 Hmであり、これぱベレスト山の暙高8,200 m付近での珟実性匷床ず同皋床です。

機動郚隊シグマ-8によるこの地垯の山岳の調査の結果、高ヒュヌム倀地垯の䞭心にはカむラス山が存圚するこずが分かりたした。カむラス山は仏教・ヒンドゥヌ教・ゞャむナ教・ボン教の聖地であり、その最倧暙高は6,656 mです。カむラス山の登頂は犁止されおおり、か぀非垞に倚くの巡瀌者がカむラス山の呚囲を䞀呚する巡瀌路を蟿るため、機動郚隊シグマ-8がこの山に登る際には高床な隠匿が必芁ずされたす。

1978幎珟圚、カむラス山登頂蚈画が起皿されおいたす。

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ペヌゞコン゜ヌル

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Tale-JP

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翻蚳

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その他

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ゞョヌク

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アダルト

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むベント

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フィヌチャヌ

短線

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äž­ç·š

短線にも長線にも満たない䞭線の䞋曞きが該圓したす。

é•·ç·š

構文を陀き数䞇字以䞊の長線の䞋曞きが該圓したす。

事前知識䞍芁

特定の事前知識を求めない䞋曞きが該圓したす。

フォヌマットスクリュヌ

SCPやGoIFなどのフォヌマットが䞀定の蚘事皮でフォヌマットを厩しおいる䞋曞きが該圓したす。


シリヌズ-JP所属

JPのカノンや連䜜に所属しおいるか、JPの特定蚘事の続線の䞋曞きが該圓したす。

シリヌズ-Other所属

JPではないカノンや連䜜に所属しおいるか、JPではない特定蚘事の続線の䞋曞きが該圓したす。

䞖界芳甚語-JP登堎

JPのGoIやLoIなどの䞖界芳甚語が登堎する䞋曞きが該圓したす。

䞖界芳甚語-Other登堎

JPではないGoIやLoIなどの䞖界芳甚語が登堎する䞋曞きが該圓したす。

ゞャンル

アクションSFオカルト/郜垂䌝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュヌルダヌク人間ドラマ/恋愛ホラヌ/サスペンスメタフィクション歎史

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利甚ガむド

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