ノー麻雀・ノーワールド

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人類はこれまでにおよそ25万年もの歴史を歩んできた。そして、その歴史のうち麻雀を打っていたのはこの4000年だ。

我々は25万年のほとんどを、理解の外にあるものを恐れ、洞窟の中で小さな焚火を囲み身を寄せ合って過ごしていたのだ。太陽が昇る理由の未知よりも、人頭を持つ巨鳥や生命を宿す岩々の神秘こそが恐るべき『理外のもの』であった。そして我々はそれらを『神』と、あるいは『悪魔』と呼び、許しを乞い、救済の祈りを捧げた。

4000年の昔、我々の数は多くに増え、四人一組で麻雀を打つようになった。恐れるものは数を減らし、世界はより理に適ったものへとなり始めた。しかしそれでも、不可解なるものは決して消え去りはしなかった。『神』が、また『悪魔』が、人間たちの遊戯に加わり、麻雀は六人で打たれるようになった。

人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。他に我々を守るものはいない、我々自身が立ち上がらなければならないのだ。

人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、神や悪魔と麻雀で戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。

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確保、収容、保護。

管理者



Record 2014/04/02

麻雀部門オリエンテーション, 音声記録


麻雀エージェント・許: お待たせしたネ。ワタシは財団麻雀部門オリエンテーション担当兼上級麻雀エージェント、シュウ山華サンファアルヨ。

[どよめき]

麻雀エージェント・許: 今日はスゴイ実力があるって認められて、コッチに異動になった君たちに……え? イヤイヤ、冗談抜き、正真正銘麻雀部門は正式で重要な部門で…… ソウネ、ちょっと前倒しになるけど世界史の授業をすることにするヨ。モチロン、君たちが習ったのと大分違うから気をつけてネ。

[大きなどよめき。麻雀エージェント・許に対しての質問もある]

麻雀エージェント・許: ホラ、静かにするアルヨ。エイプリルフールは昨日。これは嘘じゃないネ。じゃあ……まずは古代の中国大陸で何が起こったか。ワタシの十八番ネ。


 
 
 

紀元前の麻雀史(概略)

前25世紀頃

中国最古のピスティファージ実体1である盤古ばんこが、活動を停止する。その神体は泰山たいざん衡山こうざん嵩山すうざん華山かざん恒山こうざんの五岳へと変化した。

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五岳の位置

前19世紀頃

が三皇2の力を応用し、大規模な神術炉を開発する。このリソースを活用することにより禹は3を開いたとみられている。

同時に三皇の一である伏羲ふくぎは、麻雀を創始した。歴史上最古の麻雀の対戦記録は、伏羲ふくぎ女媧じょか神農しんのうによるものであり、その後ゲームは民間にも広まった。

神術炉と麻雀には後述する深い関係があり、以降いんしゅうの支配者は優れた雀士であり続けた。

少数発掘されている夏王朝時代のものとみられる陶器製の麻雀牌4は、既に当時人口に麻雀が膾炙していたことを示している。

前17世紀頃

天乙てんいついん5を開き、湯王とうおうとなる。

代々の殷王はいずれも麻雀を非常に愛好したとされ、大きな麻雀大会が代々の王の即位の際などに執り行われた。

六人麻雀は殷代に始まったとされるが、この打ち手は殷王と麻雀大会で優秀な成績を残した者のみに限られ、大衆に六人麻雀のルールは広まらなかった。

前1046年

姫発きはつ(武王ぶおう)が周公旦しゅうこうたん太公望たいこうぼう召公奭しょうこうせきらとともに周王朝を開く。

殷の最後の王である紂王ちゅうおうは麻雀が下手であったとされ、その暴政の影響もあり武王らによって滅ぼされた。武王らはまた、殷代の麻雀大会で高い成績を残していた。

周王朝は神術炉のリソースを活用し、最盛期には三大陸を勢力範囲に収めた。また、麻雀のルールを再構成し世界中に広めた。現在麻雀が各地に伝わっているのは武王の功績が大きい。

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周王朝の最大勢力範囲

前972年

じゅうが周王朝の首都・鎬京こうけいを制圧する。以後、周王朝は分裂して中国大陸は戦乱の世となる。

このとき多くの文化と共に麻雀のルールもまた失われた。その後約500年間にわたって麻雀の二文字は歴史から消えることとなる。

前518年 孔子が麻雀のルールを整備し、復活させる。三千人の弟子には四人麻雀を、孔門十哲6には、完全に失われたと考えられていた六人麻雀をも伝えた。このとき四人麻雀のルールは大きく編纂され、現在まで伝わる「立直リーチ」や点数計算の方法、使われる麻雀牌の種類などが纏められた。


◇用語◇
契約麻雀テウルギア


テウールギアーθεουργία / theourgia」もしくは単に「麻雀」とも呼ばれる。麻雀のうち、①神と人間、等の異なる知性種が、②試合前に勝利時・敗北時の条件を定めそれに全雀士が合意し、③対局するものを指す。②で定めた条件は絶対に遵守される。

 異種間の攻撃はこの世界において禁止されているが、②の条件はこれに優越する。

 なぜ契約麻雀で定められた条件を無視して踏み倒す事ができないのか、なぜ異種間で直接攻撃ができないのか…… 謎は多い。一説には、これを解明する鍵は紀元前20世紀の中国にあるという。


財団歴史部門内部資料「麻雀と古代中国史」概説より引用・一部改変

 中国の長い歴史は、概ね二種類に分けられる。麻雀期と戦乱期の二つだ。


 第一麻雀期は前2000年ごろから約1100年間続いた、中国が大いに栄えた時期だった。300年間の夏王朝、その後650年間の殷王朝を経て、周王朝によるユーラシア大陸東西の統一。神術炉がもたらすリソースを有効活用した結果である。

 神術炉をその名の通り「炉」というエネルギー源として使えば、現代の原子炉が生み出す核分裂エネルギー級の力を手に入れることができた。禹はこの力を治水事業の一部で使ったという記録があるが、しかしこれは神術炉の持つ有用性のほんの一側面にしかすぎない。

 ところで、この時代が「麻雀期」と呼ばれる理由は明快である。いずれも優れた雀士であった夏・殷・周の王たちは多くの神々との賭け麻雀に勝ち続け、対価として神力を引き出してきた。これが国政に利用され中国大陸は世界で最も裕福な地となり、人口は増大し続け、周代には積極的な領土拡大をしてアジア・ヨーロッパ・アフリカに跨る大国となったのだ。

 ここで、神術炉の真価が発揮された。神術炉は「様々な神々たちの神力でありそのままでは有害でもあるアキヴァ放射を、現実歪曲を起こすためのEVEエネルギーへと変換し、適切なチューニングをして望んだ結果を引き出す」という、ある種の変換アダプターとしての使用をされたのである。


 三大陸に覇を唱えた周王朝はしかし、紀元前999年のダビデの乱を皮切りに弱体化していくことになる。たった50年間の内にヨーロッパ西端まで膨れ上がった領土を統治することは困難であり、最終的には悪神である三苗さんびょうに率いられたじゅうによって前972年に周王朝の首都・鎬京は攻め滅ぼされた。

 以降、約1000年間にわたって第一戦乱期が始まる。聖杯を巡って大規模な戦争が起こり、各地で国家が勃興した。この時期の戦争では、現在ではヴェールの内側に隠されている超常技術が公に使用された形跡が残っているため、これを全体として「第一次オカルト戦争」と呼ぶことがある。

……

……

……


この世界では

高度な知性種間の争いは、全て麻雀で解決される。

人類の歴史は戦争の歴史であった。神々の歴史もまた、戦争の歴史であった。しかし、神は人に直接罰を下せない。人は神を直接天から下せない。

契約には、闘争には、麻雀をもって臨む必要があるのだ。

このことは一般人には秘されている。しかしヴェールの内側に足を踏み入れた要注意勢力・各国政府に属する秘密組織・正常性維持機関などは、人間社会に五万と紛れ込んでいる神々と交渉するために、独自の雀士部隊を持っていた。

そして現在、後者二つの多くは合併・再編が行われ、一つの組織となった。

SCP財団、そしてその麻雀部門である。


紫禁城条約について


1946年。第二次世界大戦、第七次オカルト大戦、また南冥麻雀対決の結果、正常性維持機関は中国・紫禁城で会談が開かれた。超巨大オブジェクト・嵩山神術炉について、40年に一度開催される予定の麻雀大会について、そして組織の統合についてなどが主な議題であり、二か月間にわたる会議の末に紫禁城条約が制定された。


紫禁城条約 » 第一款: 財団 » 第六条: 麻雀部門

以下の組織は解散し、各々の後援者らから独立した上で、その人員及び資産を合併させるものとする。

これらに代わり、財団麻雀部門が設立される。

この一元的部門の使命は、神格実体との契約麻雀対決に勝利し、得られる利益を活用して各種の以上物品からの人類の保護に寄与することである。


紫禁城条約 » 第一款: 財団 » 第七条: M5委員会

財団麻雀部門の暫定的な運営管理は、麻雀部門前身組織に所属をしていた人員のうち麻雀力が高い者10名からなる委員会で構成される。

執行評議会の上記10名は、以下をもって選択された。

  • M5麻雀大会におけるリーグ戦の成績

この委員会の将来の構成員は、毎年開催される麻雀部門主催大会で優秀な成績を残し、委員会所属人員との対戦に勝利することで選ばれる。

この委員会の呼称は“M5委員会”となることが合意されている。

M5委員会の機能は、高い麻雀力を持つ神格実体との契約麻雀に勝利することである。


4/1927-JP LEVEL 4/1927-JP
CLASSIFIED
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Item #: SCP-1927-JP
Keter
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SCP-1927-JP。

特別収容プロトコル

中国河南かなん登封とうほう市に存在する嵩山すうざんは世界遺産に登録され、半径20km圏内への立ち入りは制限されます。

回収済みの全てのSCP-1927-JPの模造品(以下SCP-1927-JP-1)は撤去され、相互に分割された状態で鋳鉄製のアキヴァ遮蔽チャンバーに保管されています。炉心の神学的背景に基づいた儀式的な清掃と点検が認可されています。残留する高レベルアキヴァ線源による残渣被曝を防ぐため、保全要員はクラスIII以上の対神性防護装備を使用してください。

紫禁城条約第二款の制約に基づき、SCP-1927-JPの模造品の開発と生産は禁止されています。SCP-1927-JPの模造品の拡散を防止するため、世界オカルト連合との外交ラインは将来にわたって維持されます。

説明

SCP-1927-JPは、一般社会で嵩山として知られている山岳群です。嵩山は玉海山36峰と太室山36峰からなり、最高地点は1512mの玉海山連天峰です。SCP-1927-JPは主として火成岩の一種である石英岩や片麻岩等で構成されていますが、この岩石は常に僅かなEVE7放射を発しています。

SCP-1927-JPは擬似的な第二種永久機関であり、神力をランダムなエネルギーに変換する大規模な儀式場として振る舞います。SCP-1927-JPは適切な資格者が後述する儀式を連天峰で行うことにより、異常な量のアキヴァ放射線を放出・変換し、EVE放射もしくは物理的エネルギーとして放出することが可能です。

この際、資格者はEVE放射の指向を制御して現実改変を起こすことが可能であり、そのバックラッシュ8は1927-JPにより低減・無害化されます。

2014年現在、財団は18基のSCP-1927-JPの小規模な劣化模造品であるSCP-1927-JP-1を認知し、うち14基を収容または無力化しています9。一定数の認知されていないSCP-1927-JP-1実例が現在も稼働しているか、稼働可能な状態にあると考えられています。SCP-1927-JP-1にはSCP-1927-JPの持つアキヴァ放射変換機能やバックラッシュの低減機構が不完全であるものが確認されており、危険であるため、SCP-1927-JPの捜索は継続されています。

▷ 補遺.1: 連天峰における儀式

▷ 補遺.2: 第七次オカルト戦争と嵩山

▷ 補遺.3: 南冥麻雀対決

    • _

    Record 1946/09/17

    神格実体"鯀"へのインタビュー記録抜粋

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    神格実体"鯀"


    メンバー:

    • 神格実体 こん: 夏王朝の祖である禹の父として知られる。アーネンエルベ・オブスクラ10と協力関係にあり、第七次オカルト戦争の引き金の一つとなった。
    • 中華異学会所属雀士 シュウ山華サンファ: 現財団日本支部所属麻雀エージェント。仙薬の効果により不老となっている。

    補足:
    このインタビューは1946/09/14の南冥麻雀対決の結果として実現しました。雀士・許が鯀に契約麻雀で勝利したため、鯀は質問に対して正確に答える義務を負っています。インタビューは上古中国語で行われました。


    雀士・許: ならば、嵩山すうざんの炉はあなたの息子であるが作ったということですか?

    鯀: 然り。聖なる盤古ばんこの肉体は、かつて五岳へと変化した。禹は如何なる外法を使ったのか三柱の神を味方につけ、盤古の神体を暴き嵩山を炉に作り替えた。

    雀士・許: では、嵩山以外の四つの山は?

    鯀: 食い物にされた。炉を作るための実験台として。唯一残された嵩山の残滓も、炉を作るために利用されてしまった。

    雀士・許: 禹たちはなぜ神と共に炉を作ったのでしょうか。

    鯀: [すこし興奮しつつ]治水だ! 下らん。権威のためだ。炉を作る目的など他にないだろう。水路なり堤防なりを築くための道具を作り、武器を作る。それだけだ。

    雀士・許: 治水のため、というには少し規模が大きすぎはしませんか?

    鯀: [興奮した表情で]我が一度は封じた霊亀のせいだ! 我が羽山うざんに戒められたために再び起き上がったあれらを治めるために、あ奴らは神体を荒らしたのだ!

    [数分の中断、中略]

    雀士・許: ところで麻雀は禹の時代からあったと記録されていますが、彼らが同時に麻雀を始めたのですか?

    鯀: 否、麻雀は神と人との意思伝達の手段として、太古より厳然と存在した。しかし確かにその名を変遷させ、遊戯の形に打ち直したのはあ奴らであろう。中心となったのは伏羲ふくぎめあたりか。

    雀士・許: どうしてそんなことを? それまでの状態ではいけなかったのですか。

    鯀: 知らぬ。その時期は先ほども言った通り、我は羽山に封じられていた。故に奴らがどう考えたかは分からぬ。

    雀士・許: 他に、麻雀が成立した経緯について詳しく知っているような方をご存じでしょうか?

    鯀: 強大な神の多くは五千年前に盤古が消しつくした。逃れた神の中で四千年の昔から存在し続けたものは少ない。残っているような奴が素直に話すとも思えん。知りたいなら、することは一つだ。分かるだろう。

    雀士・許: そういった神々を、麻雀で倒す。

    鯀: その通りだ。

▷ 補遺.5: 紫禁城条約

▷ 補遺.6: クリスチャン・ローゼンクロイツ

▷ 補遺.7: SCP-1927-JP-1製造の歴史

▷ 補遺.8: SCP-1927-JP-1確保作戦


2014/04/02 財団麻雀部門オリエンテーション


「ハイ。ここまでで誰か、質問ある人はいるネ?」

 新品のスーツを身に纏った十数人とは対照的な、チャイナドレスの眩しい先輩が話を区切る。このオリエンテーションでは概要だけ、詳しい歴史はこれからの研修期間で学ぶ事になるらしいが、それでも随分と濃い内容であった。

 幾らかの一問一答の後、二列前に座っている同期が手を挙げる。

「はい、時々出てきた六人麻雀とはなんですか? 牌の種類を増やしたり、牌の枚数を四枚ずつから六枚ずつにしたりするようなものですか?」

「お、リョーカイ、他に質問ないなら説明するデスヨ」

 独特なイントネーションと取ってつけたような語尾が朗々と部屋に響く。どうやら他に手を挙げる人もいない様子。キリっとした目尻を一通り全員に向けたあと、許さんはまた話し出した。

「そもそも、六人麻雀……六麻って言うネ。君タチが六麻をやる機会は少ないし、他に覚えなきゃいけないこともイパイいっぱいあるから今日は軽くだけヨ。……大会も70年前は年に一度だケド、最近は十五年に一度しか開かれないカラ。次は二年後」

 もっと打ちたいのに、とでも言いたげな表情をあからさまに顔に出しながらも、説明は流れていく。

「六麻はプレイヤ―が六人、普通の東家トンチャ南家ナンチャ西家シャーチャ北家ペーチャの他に天家テンチャ地家チーチャがあるんだケド、ミンナが聞いたことない天家テンチャ地家チーチャ以外は普通に麻雀を打つのネ。点数計算も同じ、新しい役なんかもナシ」

 言葉が区切られる。前後左右のスーツの僅かな揺れや息遣いの変化が、自分と同じ「では普通の麻雀とどう違ってくるのか?」という心中の問いの表れのように感じられた。

「ソレデ、天家テンチャ地家チーチャは東南西北の内から一人ずつ決めて、その人が勝てるかどうか賭けるのネ。ホラ、競馬は馬と騎手たちが勝負して、そこにミンナがお金賭けるデショ、ソレと似てて、二重の勝負をするようなカンジ」

 賭け。となると、天家と地家は牌を引いたりはしないのだろうか。そして一体、何を、どのように、どのタイミングで賭けるのか? そう考えていると、自分たちを見回しながら喋っている許さんとふと視線が交差する。深い赤みを帯びた目に疑問を読まれたかのようだった。

「配牌の前に賭ける人を決めて、配牌が終わった後にいくら賭けるのか決めるのネ。そのトキは相手が賭ける予定の人以外の手牌を見ることができるヨ」

「麻雀の点棒とは別に持つ25000点から、最低1000点。実際にどんなカンジで点数が移動するのかはちょっとだけ複雑ダカラ、今は置いといて。もう一つだけ特殊なルールがあるのネ」

 この六人麻雀がとても好きだということがよく伝わる、楽しそうな口ぶり。先ほど「十五年に一度になってしまった」というような感情を出していたのとも一致するが……しかし、とても若く見える許さんが幾度も打っていたとはあまり思えない。前回大会は十三年前だとすると……

天家テンチャ地家チーチャは、賭けた点数を使ってチョッカイを出すことができるのネ。前回大会だったら、4000点消費してドラを増やしたり、3000点消費してツモり直させたり。コレがとっても面白いところで、そこから色々予想するのが楽しいのヨ……もうコンナ時間!」

 話の途中、おもむろに視線を上げた許さんが壁にかかった時計をみて、そう呟いた。自分の腕時計を確認すると、確かにそろそろ軽い休憩が欲しいぐらいの時間が経っていた。立て板に水の楽しい説明は時間の流れを早くしていたようだ。

「一旦ここで休憩をとろうと思うヨ……その前に、ここまでで何か質問アルネ? 軽いヤツならすぐ答えるヨ」

 その言葉に、すぐ横の同期が手を上げる。

「その、六人麻雀の大会は十五年に一度、とおっしゃっていましたが、許さんは出場されたことがあるのですか?」

 丁度さっき自分が思ったことと同じ、許さんの年齢とも関係する疑問。綺麗な顔が少しだけ口の端を曲げる。

「デリカシーがない質問はダメヨ。教えてほしかったら私に麻雀で勝つことネ」

 一瞬の不機嫌そうな顔は見間違いだったのだろうか? 許さんはすぐに悪戯っぽいような口調で、にべもなく質問をはねのけていた。

「言い忘れてたけど、ワタシ結構麻雀強いヨ!」


私は黒の女王・カサブランカ。


私の出身宇宙、T-157について聞かれることって結構多いのよね。前はどの世界も似たような感じだって思ってたんだけど。それで、今回は財団麻雀部門のトップであるM5について語ろうと思って、まとめてきちゃった。

O5-1: "預言者ザ・ビジョナリー"。

男性。ヨーロッパ系。イギリス出身。外見は50代ぐらいに見えるけど、実年齢とはかなり違うはず。

財団麻雀部門設立の一大功労者だから、紫禁城条約、1946年当時でも既に相当のポストにあったと思う。当時40代とかだとしても現在110歳…… 何か超常的な手段をとってるのか、それとも襲名していて二代目、三代目なのかは分からない。 

麻雀の腕も非常にある、筈なんだけど。最終的には勝っているんだけど過程が謎なのよね。普通にこのまま勝てるな、って思ってたらいつの間にか逆転されてた、みたいな感じ。


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