SCP下書き フネワタリ

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観察されているSCP-xxx-JP(中央)

 
アイテム番号: SCP-xxx-JP

オブジェクトクラス: EuclidKeter

特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPの観察・記録を行うために、SCP-xxx-JPを収容している海上臨時サイトに財団職員が常駐してください沖縄県石垣島██湾沖に取り付けられた観測所に財団職員が常駐してください。

昼間は財団のフロント企業であるガラスボート観光所に協力を要請してガラスボート観光の案内人や観光客として財団職員が参加し、一般観光客に怪しまれないよう定期的にSCP-xxx-JP及びSCP-xxx-JP-a郡体の状態をメトカーフ非実体反射力場発生装置1及びマクドゥーガル式魂魄理論に基づく霊体計測機2を用いて観察、記録してください。そして擬似的な霊体をSCP-xxx-JP近くに多数放流し、SCP-xxx-JPの異常性を可能な限り抑制してください。

夜間はSCP-xxx-JP-a群体が発生させる星間エーテル3をSCP-xxx-JPの周囲に亡霊収容庫と同様の機構が組み込まれた囲いを設置してSCP-xxx-JP-aを封じ込め、新たにSCP-xxx-JP-aを増やさないために「断魔の儀式4」をSCP-xxx-JPを収容している海上の臨時サイトにて発動してください。夜間はSCP-xxx-JP-a群体を刺激しないように星間エーテルを光増幅器で観測するのみに留めてください。また付近住民がSCP-xxx-JPによる被害を光害として訴えないようにするため、SCP-xxx-JP-a群体が発生させる星間エーテルが及ぼす範囲に住む一般人の家宅に、財団が開発した霊体光害専用の遮光カーテン5を元々あったカーテンと同じ柄のものを制作し秘密裏に設置してください。加えてカバーストーリーとして「灯台の光」を流布してください。

説明: SCP-xxx-JPは全長3m、全幅1.2m、体重███.█6tの小型ボートです。全体的な塗装が剥がれており、何処の会社が販売したものなのか特定できていません。SCP-xxx-JPは現代科学で説明不可能な強靭性および耐腐食性の高い未知の合金で作られています。付近の生態環境の汚染も考慮してSCP-xxx-JPの耐久実験は最低限しか行われていません。

SCP-xxx-JPは沖縄県石垣島██湾のとある座標に2006/██/██から現在まで留まり続けています。この空間固定技術は現在財団が確認しているどの科学技術でも説明不可能です。SCP-xxx-JPはこの座標からいかなる方法でも移動ができません。またSCP-xxx-JPが固定されている空間は空間構造7が歪であることが確認されています。SCP-xxx-JPは一日におよそ210gのペースで体重が増加しているにもかかわらず、未知の原理で船体体重と船体の浮力がつり合いがとれ続けています。

SCP-xxx-JPは昼間にマクドゥーガルモデル霊体8を引き寄せます。SCP-xxx-JPによる霊体の誘因能力はいかなる方法でも抑えることができず、現在一日におよそ十体のマクドゥーガルモデル霊体を引き寄せています。またマクドゥーガルモデル霊体はSCP-xxx-JPに憑依9すると、クラスA〜DB霊体となることがメトカーフ非実体反射力場発生装置によって観測されています。

SCP-xxx-JP-a群体はSCP-xxx-JPに引き寄せられているクラスA〜DB霊体の総称です。そのほとんどがクラスDB霊体ですが、約0.█%の確率でクラスA霊体が引き寄せられています。現在SCP-xxx-JPに憑依している総数はその総数が膨大であるため財団も把握しきれていません。推定数として現在の船体体重(g)-35,000(g)10÷21であるとされています。SCP-xxx-JP-a群体は昼間は活動休止状態となり目立った異常性はありませんが、夜間になると質量保存則を無視したエネルギー量の星間エーテルを全てのSCP-xxx-JP-aが発します。この星間エーテルに曝露すると、何らかの物体に対するアンビバレンス11が強制的に発生することによって精神的に不安定になります。最悪の場合、その場で自己嫌悪に陥って自殺衝動に駆られたり、他人への敵意帰属バイアス12になって殺人衝動に駆られるなどが発生します。これらの重篤な精神汚染は財団の精神安定剤を致死量まで抽出しなければ停止しません。しかし低度の精神汚染は心理療法などを長期的に受けることによって取り除くことは可能です。

SCP-xxx-JP-a群体が発する星間エーテルには未知のエネルギーが含有しており、そのエネルギーが光エネルギーに変換されていると考えられています。また発せられる未知のエネルギーの平均しておよそ40%が熱エネルギーに変換され、周辺の分子の高速の熱運動を引き起こすことで空間構造を破壊するレベルの空間異常を発生させていることが現在確認されています。

事案記録-xxx-JP: 2010/04/██までSCP-xxx-JPは船体体重が少しずつ増加するボートとしてAnomalousアイテムに登録されていました。しかし、2010/04/██にSCP-xxx-JPが突如として夜間に発光の開始をしたことを確認しました。財団が調査した結果、SCP-xxx-JP-a群体を観測したため、AnomalousアイテムからSCP-xxx-JPとして登録されました。財団はSCP-xxx-JPの異常性が確認されてすぐに、SCP-xxx-JPの周囲に亡霊収容庫と同様の機構が組み込まれた囲いを設置し、「断魔の儀式」を発動してSCP-xxx-JP及びSCP-xxx-JP-a群体の実質的な無力化を図りました。

しかし同年08/██にSCP-xxx-JP-a群体が発生させる星間エーテルを構成する未知のエネルギーの80%が熱エネルギーに変換され上述の空間異常が発生しました。それにより海上臨時サイトは消滅し周辺地域での集団パニックが発生し、SCP-xxx-JP-a群体による実質的な収容違反が発生しました。その連絡を受けたサイト-81██の職員が現場に急行したところ、SCP-xxx-JP-a群体が無意味なある法則性に基づいたリズムで星間エーテルを外部に放出していたことが確認されています。これに伴い、特別収容プロトコルが改訂されました。

追記: SCP-xxx-JP-a群体が事案記録-xxx-JPにて発生させた星間エーテルですが、我々暗号解読班の見解では換字式暗号ではないかと推測しています。現行の和文モールス信号を五十音順と対応させた暗号と考えています。以下対応表です。

    • _
    [通常の和文モールス信号]
    文字 符号 文字 符号 文字 符号
    ・ー ーーー・ ・ー・ーー
    ・ー・ー ・ーー・ ーー・ーー
    ー・・・ ーー・ー ー・ー・ー
    ー・ー・ ・ー・ ー・ー・・
    ー・・ ・・・ ー・・ーー
    ー・・・ー
    ・・ーー・・ ・・ー ・・ー・ー
    ・・ー・ ・ー・・ー ーー・ー・
    ーー・ ・・ーー ・ーー・・
    ・・・・ ・ー・・・ ーー・・ー
    ー・ーー・ ・・・ー ー・・ー・
    ・ーーー ・ーー ・ーーー・
    ー・ー ー・・ー ーーー・ー
    ・ー・・ ー・ーー ・ー・ー・
    ーー ーー・・ ・・
    ー・ ーーーー ・・ーー・
    ーーー ー・ーーー
      • _
      [暗号対応表]
      文字 符号 文字 符号 文字 符号
      ・ー ーーー・ ・ー・ーー
      ・ー・ー ・ーー・ ーー・ーー
      ー・・・ ーー・ー ー・ー・ー
      ー・ー・ ・ー・ ー・ー・・
      ー・・ ・・・ ー・・ーー
      ー・・・ー
      ・・ーー・・ ・・ー ・・ー・ー
      ・・ー・ ・ー・・ー ーー・ー・
      ーー・ ・・ーー ・ーー・・
      ・・・・ ・ー・・・ ーー・・ー
      ー・ーー・ ・・・ー ー・・ー・
      ・ーーー ・ーー ・ーーー・
      ー・ー ー・・ー ーーー・ー
      ・ー・・ ー・ーー ・ー・ー・
      ーー ーー・・ ・・
      ー・ ーーーー ・・ーー・
      ーーー ー・ーーー

また以下が事案記録-xxx-JPにおけるSCP-xxx-JP-a群体が残した星間エーテルによる暗号式のモールス信号です。また相対的に『ー』は『・』の3倍の時間放射されていたものです。『/』はその間に『・』の4倍以上の時間が流れたことを表します。()内は暗号式モールス信号の訳です。

- 暗号解読班██

これを受けて財団はSCP-xxx-JP-a群体には知能を持ち現実世界に作用するだけの力を有する存在が複数体いることを確認しました。なお事案記録-xxx-JP後、幾度か上記の暗号表を用いて意思疎通を試みましたが、SCP-xxx-JP-a群体は応じませんでした。SCP-xxx-JPが収容困難であることを考慮してオブジェクトクラスをKeterに再分類しました。また全てのSCP-xxx-JP-aが同時に上記の暗号式モールス信号を点灯させたため、SCP-xxx-JP-a群体にはSCP-xxx-JP-aを指揮する核となる存在が推察可能なため現在調査中です。

また上記の暗号文を用いた理由について、財団の並行世界調査部門の総指揮官██はこの暗号化を用いて情報流出を防いでいる大日本帝国軍が存在する並行世界が関与している可能性を示唆しています。並行世界の財団に連絡をつけたところ、軍自体はSCP-xxx-JPに関与していないことが確認されました。

彼らにとってあの舟が拠り所であるのは事実に違いない。
しかし彼らは何処から来た?
あの夥しい数の幽霊は一体何処から来たと言うのだ?
あの舟に揺られ、オールを漕ぎ、ここまで渡ってきたとでも言うのか?
彼らは異なる世界軸に彷徨う同じ境遇の仲間さえも集めている。仲間意識かそれとも結束を固めるためか。
仲間を集め、自らを誇示せんがために光り、他の世界軸にさえも影響を与えている。
その行為に善悪をつけることは叶わない。

しかし彼らが拠り所を奪われるのを拒否しているように、我々も奪われるのをそのまま見過ごしてはならない。
死人に世界を奪われてはならない。- ██博士


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