SCP-XXXX-JP 命を与えるということ

現在このページの批評は中断しています。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の標準人型収容室に収容されます。SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-AやSCP-XXXX-JP-A作成の為の素材を要求した場合は適切なSCP-XXXX-JP-A個体及び素材を渡してください。SCP-XXXX-JP-A群は同サイトの低脅威度収容室に収容され、食事は必要ありません。またSCP-XXXX-JPが新たなSCP-XXXX-JP-Aを作成した場合は1週間SCP-XXXX-JPと同収容室に滞在させ、「自立」という名目でSCP-XXXX-JP-Aを他個体が収容されている収容室へ移動させてください。またSCP-XXXX-JP-Aが外部化発見された場合においても同収容室に収容を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは体長約1.6mの女性人型実体です。身辺調査により██県の████氏であることが判明しています。SCP-XXXX-JPは収容以前は私営の玩具店の██████で勤務しており、██████で購入した玩具が独りでに動き出したなどの通報が財団エージェントによって発見され、SCP-XXXX-JPの収容に至りました。また収容時SCP-XXXX-JPの自宅には7体のSCP-XXXX-JP-A個体が存在していました。

SCP-XXXX-JPは人形や玩具などに対して不明な手段を用いて自我と知性を与える異常性を保持しています(以降自我及び知性を与えられた物体をSCP-XXXX-JP-Aと呼称)。この異常性はSCP-XXXX-JPが作成した人形、玩具にのみ確認され、他人が作成したものに対して自我及び知性を与えた事例は確認されていません。また他人の作成したものに対してSCP-XXXX-JPが能動的に異常性を行使することはありません。

SCP-XXXX-JP-Aは自らを人間と認識しており、それを侵害されることを悉く嫌います。SCP-XXXX-JP-Aは基本的に発声はできず、ジェスチャーのみで意思を伝えようとしますが、そのジェスチャーは大抵の場合いい加減なものの為、完全に判別することは困難です。またSCP-XXXX-JP及びSCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JP-Aのジェスチャーから意思を完全に読み取ることが可能です。以下はSCP-XXXX-JPによって作成されたSCP-XXXX-JP-Aの例です。

番号	外見	特徴
SCP-XXXX-JP-A-1	白いアザラシのぬいぐるみ	人見知りのようで、1~3歳程度の子どもの様である
SCP-XXXX-JP-A-2	赤い髪の女の子の人形	収容室内で別個体を多数仕切っている
SCP-XXXX-JP-A-9	1mの黒いテディベア	他個体と比較して腕力が非常に高い
SCP-XXXX-JP-A-17	ホワイトタイガーのぬいぐるみ	他個体や人間に対して攻撃的
SCP-XXXX-JP-A-19	黒い髪の男の子の人形	すすり泣く様な声を発声可能
SCP-XXXX-JP-A-23	シリコン製のロボットのフィギュア	SCP-XXXX-JP-A-17などの攻撃的な個体と他個体の仲を取り持っている

財団はSCP-XXXX-JPに対して、異常性の発露と詳細を調査するためにインタビューを行いました。

+ インタビュー記録XXXX-JP-1を閲覧する

インタビュー記録XXXX-JP-1 - 日付2020/8/2

対象: SCP-XXXX-JP

インタビュアー: ██博士

付記: インタビュー時、SCP-XXXX-JPは作成途中のSCP-XXXX-JP-Aを所持している。

<録音開始>

██博士: SCP-XXXX-JP、インタビューを開始してもよろしいですか？

SCP-XXXX-JP: はい、どうぞ。

██博士: それでは、あなたはその能力についていつ発見しましたか？

SCP-XXXX-JP: うーん、2年か1年くらい前だと思います。

██博士: その当時は何をされていましたか。

SCP-XXXX-JP: 仕事とかは特にしてませんでした。あ、でももうすぐ子どもが産まれるからその子の為にぬいぐるみを作ってました。

██博士: そのお子さんは？

SCP-XXXX-JP: 流産しました、自然流産です。

██博士: 思い出させてしまい、申し訳ありません。

SCP-XXXX-JP: いえ、大丈夫です。その後からでした。初めて動き出したのは、赤ちゃんの為に作ったアザラシのぬいぐるみです。私が意気消沈しているところに擦り寄ってきました。まるで産まれてくるはずだった子どもみたいに、目が上手く開けずに。

██博士: それでそのぬいぐるみはどうしましたか。

SCP-XXXX-JP: 夫にも事情を話して家族になりました。それから新しい人形を作ってみました。そしたらまた動き出したんです。夫の提案で店で売ることにしました。でもアザラシちゃんは私達のそばに置きました。我が子を売るなんて、ありえませんから。

██博士: では何故次に作った人形は売り出したのでしょう。その個体もあなたが作り出した我が子ではないのですか？

SCP-XXXX-JP: 確かにその通りです。しかしあの子は色んな人に会ってみたいと言っていて、私も断腸の思いでしたが、売り出すことにしました。

██博士: 因みにその人形はどんな特徴がありますか。

SCP-XXXX-JP: 赤い髪の女の子です。アザラシちゃんのお姉さんになってほしくて作りました。

██博士: 分かりました。何かそちらから質問はありますか？答えられる範囲でなら答えましょう。

SCP-XXXX-JP: 正直に話してください。夫は今どうしてますか。

██博士: …記憶処理を施して、普通に暮らしています。

SCP-XXXX-JP: そう、ですか。そういえばくまさんのぬいぐるみを作ってから力が上手く入らなくなってしまって、今作ってるこの子なんですけど、もう少し時間がかかりそうなんです。

██博士: 了解しました。他に何かありますか？

SCP-XXXX-JP: いえ、もう大丈夫ですよ。

██博士: ではインタビューを終了します。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、SCP-XXXX-JP-A-32が作成された。SCP-XXXX-JP-A-32は流暢な発話能力を有していた。

発話可能であるSCP-XXXX-JP-A個体に対してSCP-XXXX-JPに関するインタビューを行いました。以下の記録を参照してください。

+ インタビュー記録XXXX-JP-2を閲覧する

インタビュー記録XXXX-JP-2 - 日付2020/8/5

対象: SCP-XXXX-JP-A-32

インタビュアー: ██博士

付記: インタビューはSCP-XXXX-JP-A群の収容室内で行われた。

<録音開始>

SCP-XXXX-JP-A-32: ここに母さんはいないのか？

██博士: はい、いるのはあなたより先に作られた兄弟姉妹です。

SCP-XXXX-JP-A-32: ふぅん、それで俺に聞きたいことって何？

██博士: SCP-XXXX-JPについてです。

SCP-XXXX-JP-A-32: あー、母さんについてって事でいいか？

██博士: えぇ、その通りです。

SCP-XXXX-JP-A-32: 母さんの何を知りたいんだ？

██博士: あなたが知り得ることをできるだけ話してください。

SCP-XXXX-JP-A-32: わかった。母さんは俺の生みの親だ、それ以上でもそれ以下でもない。

██博士: わかりました。インタビューを終了します。

SCP-XXXX-JP-A-32: まあ待てよ、お前らが何で母さんについて知りたいのか知らないけど、俺が生まれた時から知ってた母さんについてを教えてやるよ。

██博士: 話してください。

SCP-XXXX-JP-A-32: あぁ、お前らも不思議に思ってんだろ？何で俺だけ喋れるのか、他の兄弟姉妹たちは喋れないのか。それはな、母さんが俺に与えてくれたからなんだ。

██博士: ではなぜ他の個体にも与えないのですか？

SCP-XXXX-JP-A-32: 簡単な答えだ、普通の人間が声を2つ持ってるか？持ってないだろうな。与えたのなら失う。あげたものは戻らない。ごく一般的な理ってやつだ。母さんは素敵な人だ、俺達なんかよりずっとな。血も繋がっていないやつに声を与えてくれたり、力を与えてくれたり、感情を与えてくれたんだ。

██博士: わかりました、SCP-XXXX-JP-A-32、他の個体にも私から個人的な質問があります。

SCP-XXXX-JP-A-32: おう、何だ。

██博士: あなた達は母親に与えられた命で何かを与えましたか？

SCP-XXXX-JP-A-32: …俺たちに何ができるって言うんだよ。

<録音終了>

終了報告書: 報告終了後、SCP-XXXX-JP-A-32は「まだ答えは出せねぇ」と言い、インタビューを拒否するようになりました。

補遺: インタビュー終了後にSCP-XXXX-JPに対し再度インタビューを試みましたが、SCP-XXXX-JPはインタビューに応じることができませんでした。また筆記によるインタビューも計画されましたがSCP-XXXX-JPはこれを拒否しました。

---

• • _
  批評コメント批評コメント

  
  コメント投稿フォームへ

  注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。

  uv寄りのnv

  Squila Godarni 10 Apr 2021 09:00

  ██博士: あなた達は母親に与えられた命で何かを与えましたか？

  SCP-XXXX-JP-A-32: …俺たちに何ができるって言うんだよ。

  　質問の意義がちょっと解りません。誰かに何かを与えられないのはこの「収容」のせいだ、とかムダに反抗されかねませんし。

  補遺: インタビュー終了後にSCP-XXXX-JPに対し再度インタビューを試みましたが、SCP-XXXX-JPはインタビューに応じることができませんでした。

  　指摘でなく疑問ですが、筆談なんかもダメですか？言語的な思考からごっそり与えてしまいましたか？

  批評コメントTopへ

  - hide block

ERROR

The (971)'s portal does not exist.

エラー:	(971)のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。

利用ガイド

1. portal:6393829 (06 May 2020 22:13)