文体企画 夜

耳を劈く轟音が賑やかな街に木霊した。
音の方に顔を向ければ空が、破れていた。
大きな亀裂が入った空は時と共に剥がれ落ち、落ちた空の破片は下にいる民家やビルを押し潰し、また轟音をあげた。
 
逃げ惑う人々を横目に、好奇心と恐怖とに支配されその場に立ち竦み、私は空を見上げていた。
 
拡大した亀裂から鋭利な黒い爪が姿を現す。
それは亀裂に手を掛けたかと思えば、あっという間に空を引き裂き、それが街の空に姿を現した。
 
何処までも、何処までも黒い体が空を覆った。
 
昼下がりの空は闇に包まれた。
逃げ惑う人や、戸惑う警官、空の破壊に戸惑っていた街は、再び阿鼻叫喚の渦に包まれた。
 
 
その時、それがゆっくりと大きな、口を開いた。
裂けた空が三度裂けたのかと見紛うほどに。
真っ白な、爛々と光る牙が、空に弧を画いた。
闇の中に1つ三日月が浮かんだようであった。
 
 
 
夜の体現化とも言えるそれが、静かに街を睥睨していた。

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執筆者: R_IIV
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最終更新: 11 Jul 2020 09:20
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