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世界は必ずしも平和とは言い切れないが、平和ではないと言えば語弊がある。だが、我々は変わらず普段通りの日常を送れている。本日も地球は回っている。まるでそれがさだめであるかのように止まることを知らない。そしてそれが現実であることはこの世界の誰も疑わない。日常は当たり前に迎える。翌日も、その翌日も。そう、それは財団で勤務する我々の………は?あれ?…あ~…そっか…?我々の働きによるものだ。……だがなんでだ?何の仕事をしたっけ…。
…おかしい。なにがおかしい……別段私はふざけてるのではない。それこそKeterを取り扱い………?…なんだ?Keter ? クソ…
どうも私の頭は参ってしまったようだな……昨日は酒も飲んだ覚えは無いのだが…いや、それすらもよくわからなくなっているのか?いかんせんこんな状態だ。なにかあったのは確かだ。でなければこんな状況に陥るはずはない。
今朝も私はいつもの仕事場に通勤した。だが…なぜだ???…私は何をすればいいか忘れてしまっていたのだ。それどころかここが仕事場なのかさえも疑いたくなった。入ってすぐ大きな広間が私を迎えた。私はまるで新たな環境に連れてこられた子犬のようにあたふたしているしかなかった。情けないことこの上ない。
「何をしている?担当はどこだ?」
ここの職員らしいやつが話しかけてきた。
「わからないんだ…私はここの職員なのかさえもわからなくなってきた…。」
「……は?」
無理もない反応だし、そういうだろうと思っていた。ナイフとフォークの持ち方を忘れたと言っているようなものだからな。ただ、ほんとになにがなんだかわからないのだ…。
職員はファイルを確認し、私の割り振られている担当場所を見つけると、私をそこへ案内した。広間から奥の、横に10人並べられるほどの通路に入っていった。しばらく進むと、右手にある部屋に案内された。資料室だ。
「なんだこれは……。」
これは子供のお遊びなのだろうか。まるで化け物や明らかにあり得ないことが記載された資料がそこにはあった。というか、この資料室にはそれしかなかった。アイテム番号。オブジェクトクラス。特別収容プロトコル。説明。補遺。実験ログ。インシデント。どれもこれも何をまとめられているのかよくわからない…。今まで万と様々な資料を見てきたが、こんな資料を見たのは初めてだ。もっとよく確認しようとした次の瞬間だった。突然つんざくようにけたましい警報が鳴り出した。私は資料室から飛び出した。そこにはまるで何かから逃げるように急いで出口に向かって走っているものや、逆に出口とは真反対に奥に急いでいるものもいた。
何が起こっている?なんの警報だ?見当もつかない…。誰かがなにか叫んでいる。
……これは…何が起こった???人間が、一瞬のうちに………息絶えている…?その奥にいた数人も、何者かに胴体を貫かれ、首を折られ、頭を吹き飛ばされ、喰われ、殺された。わけがわからない…。
奥の通路からまるで映画に出てくるような武装したやつらがゾロゾロと走ってきた。何がいるんだ?
突然肩がぐいっと引っ張られた。
「何をしている!!!ヤツの収容違反が発生した!!早く逃げなきゃ死ぬぞ!?」
ヤツ?収容違反?なんだそれは…ここは刑務所かなんかだったのか???だとしたら…私はここの看守だったのか?
そんな仕事に就いた覚えは微塵もないのだが……。いや…そうだったのか…?いずれにせよ、今は逃げるが先決である。さぁ、逃げようとしたその時だ。目の前に武装したやつらが私の目の前に現れたかと思うといきなり皆して銃を向けた。私のすぐ後ろは壁だ。なんだ?私は凶悪犯でも化け物でもないぞ?武装したやつらの一人が言う。
「お前の隣にヤツがいる。絶対に動くな。」
なるほど私に向けた銃ではないのか。ただ…隣にはなにもいないじゃないか…?ヤツなるものは透明人間かなにかか?
「おい、なにもいないようにしかみえないのだが?アンタらにはなにか見えてるのか?透明人間か?」
問うた。
「お前……ヤツが見えないのか……?そういえば、お前の隣にずっといるにもかかわらず殺されてないのはおかしい…。」
なに?ずっといたと言ったか?いつから?見えてたら殺されてたのか?いや、今はそんなことはどうでもいい。
「おい、これはいったいどういうことなのだ!なにもわからないぞ!収容違反とはなんだ!?ここは監獄だったのか!?なぜ人が殺された!!!何が起きてるんだ!!!」
おいおいおい…悪ふざけは好きじゃないんだ、いい加減にしてくれないか?武装した連中は銃を向けたまま話し合っている。隙を見せない辺り、お遊び半分でやってるのではないと思わせられる。
「おい、SCP財団のモットーを言ってみろ。」
「SCP財団?そんな財団聞いたこと無いぞ?」
「確保 収容 保護どころかSCP財団すらも知らないとは…まさか何かのSCPオブジェクトの仕業か…?」
などと言いながら話し合っている。モットーが「確保収容保護」の財団ってどんな財団だよ。とツッコミたくなる気持ちを抑え、武装した連中に問いかける。
「なぁおい…なんなんだよSCPってよぉ…お前らおかしいよ!!! 確保? 収容? 保護? なんだよそれ!?!?俺を弄ぶのも大概にしろ!!!!!!」
一人称がいつの間にか俺になっていた。だがそんなことどうでもいい。
「お前らおかしいよ!!!なんで無いものを警戒するんだよ!!!頭沸いてんのか!?子供の遊びは子供の頃に卒業したんじゃなかったのか!?大の大人がそんな物騒なもん持ってあたかも化け物を捕まえるような振る舞いをして遊びやがって!!!さっきもそうだぞ!?!?なんだあの資料室の資料は??? SCP? 知るかよそんなの!!!あんなの資料室において仕事はどうした!?」
ガシャンッッッ
突如辺りが薄暗くなった。停電でも起きたか?????
「……おぃ…なぁ…皆逃げんなよ……なんでお前そんなあり得ねぇ死にかたしてんだよ…ありえねぇよなぁ……?待ってくれ…脚が…脚が動かねぇ……俺を…俺を置いてかないでくれ…………………あぁ畜生…暗くなっていく…」
「─────────────────!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!……ハァ…ハァ……」
私はすぐさま周りを見渡した。いつもの壁。いつもの額縁と絵画。いつもの窓。天井にはいつも眠りに就く前に目に入ってくる鳥の形をしたいつもの染み。いつもの私の寝室だった。時計を確認した。針は午前6時13分を指し示していた。私は…どんな夢を見ていたんだっけ…?ひどい夢だった………。さぁて、朝の出勤の支度をせねば。SCP財団職員として人々の日常を裏から守るために。Keterクラスを取り扱う私の仕事は責任重大だ。
「確保 収容 保護」
私は玄関に出る際のいつものルーティーンを今日も口ずさみ、我が家をあとにした。
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- portal:6367934 (30 Apr 2020 08:48)
サンドボックス3オペレーターです。
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