補遺: SCP‐XXXX‐JPの異常性は財団と一切関係を持っていない人物に対しては発現しないとされてきましたが、20██/4/██に発生した██ ██氏による侵入によって新たな異常性が確認されました。
以下がその直後に行われた██ ██氏に対するインタビューです。
≪記録開始≫
鶴来上級研究員: ██さん、ですか。それで、周りには改修中の看板も設置されていた筈ですが。
██氏: お恥ずかしいことですが実は██町 に来たのがかなり久しぶりで。殆ど地図しか見てなかったんです。本当なんです!
鶴来上級研究員: 落ち着いてください。██さんに何か問題があるという訳では無いので。ただ、工事の関係上健康に害がある物質も使わざるを得ないので念のため、確認ということで。ああ、もしこれが終わった後に何かあればこちらへ連絡を……。
██氏: (数秒間沈黙)
鶴来上級研究員: ██さん? 何かありましたか?
██氏: あ、いえ。ただ██神社のことを考えてたらSCP財団なんて変な言葉が浮かんでしまって。何なんですかね、鶴来さんも上級研究員だなんて。建設会社にそんな役職ある訳ないし。
鶴来上級研究員: は? いえ、失礼しました。特に健康面に問題は無さそうですね。どうぞ、お帰り下さい。
██氏: あ、はい。どうもご迷惑をお掛けしました。
≪記録終了≫
その後、██氏に対して常にエージェントによる監視を付け、複数回の調査を行った結果、氏は数名の財団職員の情報が含まれる記憶を保持していることが確認できました。また時間経過によってその記憶が増大し、現時点で██名の財団職員に関する記憶を保持しています。
これらの記憶に加え、██氏の██神社への侵入以降の、財団による接触に関する全ての記憶が消去不可能になっています。財団ではSCP-XXXX-JPの異常性により記憶処理が不可能となっていることから氏を一時的に勾留し、その後の処遇に関して協議しています。
██氏にはSCP-XXXX-JP以外の異常性は確認されていません。
これが財団から独占性を奪うということか? まだ人事情報だけだが、警戒しておくに越したことはない。
─鶴来上級研究員
補遺2: 20██/7/██に██氏による申告によって氏が一部のオブジェクトに関する記憶を獲得したことが明らかになりました。この記憶もまた処理不可能であると判明しています。さらに、氏が所有するSNSのアカウントに財団が所有するオブジェクト及び人事に関する断片的な情報が自動的に投稿されていることが発覚しました。この事案に関して本人は関与を否定しており、財団のwebクローラーによって裏付けがされています。
神的エネルギーによる干渉の報告も上がっており、██型遅効性干渉装置の関連が強く疑われています。
そしてこのアカウント及び投稿に関しても消去が未知の原因により不可能になっており、次善の策として非公開設定にすることにより拡散を阻止しました。それでも危険性が払拭されたとは言い難く、投稿される情報によっては、LV-Zero"捲られたヴェール"シナリオの発生する可能性が高いことが認められています。
この事案を以って██氏をSCP-XXXX-JP-Aとして収容することを日本支部理事全員の賛成、倫理委員会の許可により決定されました。以後オブジェクトクラスをKeterに変更し、さらなるインシデントの阻止のため、予算が増額されました。
やってくれたな、と言いたくもなる。これが秘匿性、情報の秘匿を困難にするということか。
なら正常性、財団の正常性を奪うとはどういうことだ? 我々は止めようのない脅威と相対しているのかもしれない。未知の、変化の流れは我々を飲み込まんとしている。
─鶴来上級研究員
補遺3: 20██/10頃からセキュリティクリアランス3以下の複数の職員から何故██氏をSCP-XXXX-JP-Aとして収容するのか、彼は財団職員である筈だという旨の質問書が増加しました。調査の結果、上記の条件に合致する職員の30、60、80、██%が同様の思想を有していることが判明しました。また、セキュリティクリアランス4の職員においては全く見られませんでした20██/11/10時点で鶴来研究員のみ見られませんでした。
この異常性は職員のセキュリティクリアランスを上げると一時的に消失しますが一度引き上げた場合、2回目以降は1回目よりも上位のクリアランスを付与しなければ効果はありません。そのため、現在他の対策を検討中です。永続的な上位のクリアランスの付与は収容業務に影響が出るとして却下されています。
…
……
………
caution! caution!! 不正なアクセスが検出されました!
………
……
…
≪不明な音声記録。日付は20██/11/11を指している≫
鶴来上級研究員: SCP-XXXX-JP-A。もう私以外にあなたを収容すべきだと思ってないようです。O5はどう思ってるか知らないけど。
SCP-XXXX-JP-A: そんなこと言わないでください。流石に鶴来さん以外から財団さんの職員扱いされて辟易してるんですから。まあ、研究チームの人としか会ってませんけど、皆さん良い人なので一緒に働けたらとは思ってますが。
鶴来上級研究員: こっちとしては厄介者でしかないわよ。何をせずとも、何をしても周りがどんどん狂っていく。昨日、サイト管理者のとこに直談判したら即却下。可笑しいと思って調査したら生き残りが私だけ。もう、オブジェクト研究どころじゃないわ。愚痴の原因に愚痴を吐きに行く時点でもう詰んでる。
SCP-XXXX-JP-A: (沈黙)
鶴来上級研究員: 尋問しに行くと言えば同僚に止められ、愚痴言いに行くと言えば上っ面だけの笑みで背中を押される。もう、疲れたわ。
SCP-XXXX-JP-A: 本当は嫌ですけど、終了処分、すれば良いんじゃないですか? 少なくとも、鶴来さんは楽になると思います。
鶴来上級研究員: もう手遅れよ。これだけ広がればね。(数秒間沈黙した後、満面の笑みを浮かべる) そうね、外に、出たくはない? もう君は財団の職員なのだからね? そうでしょ? 収容する必要は無いわ!
≪鶴来上級研究員がSCP-XXXX-JP-Aの拘束具を外す≫
≪SCP-XXXX-JP-Aに対して、収容チャンバーに侵入してきたSCP-XXXX-JPの研究チーム全員が笑顔で拍手し、鶴来上級研究員が職員証を渡す≫
SCP-XXXX-JP-A: (天井を仰ぐ)
研究チーム: ようこそ、SCP財団へ。歓迎します。
≪記録終了≫
guestとはかつての我々であり、SCP-XXXX-JP-Aとは現在の我々であり、そして創作者である私たち自身であった。
確保、収容、保護。人は変われど、その理念だけは変わらない。
──新人職員: ██ 違う、俺はただの[データ破損]だ。 いいえ、あなたは財団職員です。鶴来上級研究員
…
……
………
[データ破損]の不正アクセスの排除に成功しました。 データ保存成功。お疲れ様でした、新人職員 ██様。
………
……
…
補遺4: (20██/11/12)
変革とは、時として喜ぶべきではない、望まれないこともある。
これは財団の敗北ではあるが、終焉ではない。獅子身中の虫を飲み込んだとしても、確固たる理念が守られる限り、我々の戦いは続いていくのだ。
職員諸君にとっての同僚、我々にとっての[データ破損]が財団の理念を受け入れる限りは。
[データ破損]の処遇については、他の職員との齟齬が生じない形で決める必要がある。
日本支部理事 ██
全体的に唐突に出たと思しき設定が多く一貫性に欠ける印象を受けます。具体的に言うと記憶が消せない点、勝手に情報を出す点、セキュリティクリアランスレベルに対応した異常性の点等が挙げられます。ただしこの中でもセキュリティクリアランスレベルによって変わるという点はユニークなものであるため、ここに合わせるように改稿すると面白くなるかもしれません。
一貫性に欠ける部分については、改めて見返すとその通りですね……。唐突な感じも踏まえて、全体の構成を見直したいと思います。
セキュリティクリアランスの部分は上手くいっているようなので、その部分を活かした構成を考えたいと思います。
最初は大文字で"Safe"
「範囲外である~以内」とは、外と内どっちですか。また、こういう場合はエージェントよりも警備員とかの方がよく使われる気がします。
「追記」の方が一般的です。また、日付は適当でもいいですし、黒塗りでもいいので日単位まで書いた方がいいです。
「されました。」よりも「されます。」の方が適切かと思います。また、これまでは武力行使…というか物理的な措置による侵入阻止は許可されていなかったのでしょうか。
ここはヘッドカノンや個人の好みといった部分かもしれませんが、あまり収容プロトコルに個人名を入れるのは好きではありません。属人的なプロトコルはよくないとみなされがちで、単にセキュリティクリアランスレベル4以上の職員でいいのならばそうすべきです。
「北陸地方の」は必要ですか?内容上"██県"が北陸地方であることに意味がないなら書く必要はないかと思います。モデルにしている県があるのなら黒塗りではなく直接書いていいのではないでしょうか。
"記憶処理法"や"記憶処理技術"などとするとより良いと思います。
文字サイズ変更による強調演出はあまり好まれない傾向にあります。
日本語として違和感が強いです。「『guest』というニックネームを持つこと」あるいは「『guest』というニックネームで呼ばれること」などでしょうか。
スペースは半角の方が見た目が良いです。
なぜ止めるのでしょうか。よくわかりませんでした。
処遇の方が適切かもしれません。
ラストについて
鶴来上級研究員はSCPオブジェクトの影響を受けた職員の1名ですね?そんな状態の人物に報告書への追記を許すでしょうか?というのが率直な感想です。つまり、全体的に説得力のない物語構成になってしまっています。このような所謂「メモ落ち」と呼ばれる構成は、そのメモの内容と報告書全体にそれなりの説得力、あるいは「読者を納得させる力」が必要です。ラストを飾る「ところで、SCP-XXXX-JP-A──彼を収容する必要性は本当にあるのだろうか?」という一文に、読者の心に訴えかける何かがあるとは思えませんでした。
ストーリーについて
僕はスポイラーなしではどういうことか分かりませんでしたし、スポイラーを見てもいまいち腑に落ちない部分があります。「なぜ神社なのか」なども気になりますし、メタ的な「財団wikiの話」を展開するための暗喩となる部分が不足していると思います。
細かい部分の修正は自分だけでは気づきにくいので、ご指摘頂きありがとうございます。別の方からも頂いた唐突な感じが、説得力を削いでいるのは構成の不十分さからだと思いますので大規模な改稿を進めております。
ストーリー及びメタ的な部分につきましては、一から構成を見直して適宜加筆修正を加えたいと思います。
が神社に入った際、ではないでしょうか?
上書き、という単語に違和感があります・。
クリアランス以後の異常性が前のものと関連していないので、とりあえず危険なものを連続して並べただけのような印象を受けます。また、メタ的視点から神社という舞台が生かせているとは言い難いです。
いっそのこと財団職員になる異常性でなくするのはどうでしょうか?謎の宗教団体など、創作サイトとしての財団メタをやるのであれば必ずしもその舞台が財団である必要はないはずです。
舞台となる神社が活かせてないのは仰る通りですね。場所以上の役割が無いのでもう少し役割を持たせてみたいと思います。
異常性については出来る限り変えたくないので、もう少し説得力があるように改稿しようと思います。