世界を貪る者、相対するは……

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──SCP-2317が収容違反しました! 担当職員は収容室を隔離し、非常指示ザカリアの内容に従ってください!

その日、収容エリア179はパニック状態に陥っていた。220-カラバサス手続は普段通り、つつがなく行われた。しかし、現実は最後の希望であった鎖が破壊され、別世界であるSCP-2317-プライムには、200㎞をゆうに超えるであろう巨躯の怪物が顕現した。

衛兵役の職員も、司祭役の職員も、補佐であるDクラス職員(実際はセキュリティクリアランス4/2317のスタッフである)も、儀式の監視を行っていたその他の職員もその怪物の出現に、困惑し混乱していた。パニック状態に陥ったが、幸いにも儀式が完遂し、帰還するところであった。そのため人員の退避は迅速に行われ、後は熱核兵器を起動するだけだという段階まで来ていた。

「しかし、何故SCP-2317は収容違反したんだ?」

誰が言ったかは分からないその疑問は、その場にいた多くの者の共感を買った。
SCP-2317に対する唯一の収容手段であった220-カラバサス手続はこれまで通り滞りなく執り行われたのに、現実は収容違反を引き起こした。

──もしかしたら、220-カラバサス手続は最初から……。

そう思う者がほんの数秒の間に増えていき、完全に収拾がつかなくなるまで間もない状態に現場は陥る。遠隔でこれまで監視していた者達は、O5の面々は恐れていた事態が起きるかといたって冷静な態度でエリア179に対する核兵器起動命令を下さんとした。

元より体裁を整えるためだけの想定収容プロファイルだと、冷酷な判断を選ぼうとしたその時。

「どけ! 緋色の王はこの先だな!?」

収容エリア179の人員は勿論、O5のメンバーですら想定していない行動を取る男が一人。
扉を開け、世界を貪る王の眼前へと飛び込んだ男の手には奇妙な形状のレーザー銃が握られていた。

その矮小な男の姿に、緋色の王もさすがに動揺した。どこからどう見てもその貧弱極まる男が、わざわざ贄になりに来た訳でもあるまい。なのにその姿からは恐怖は微塵も感じずそれどころか自らを打倒せんという気概に満ち溢れていた。

──不遜。

SCP-2317が選択したのは、自らを封じ込めていた鎖を乱雑に投げ、眼前の無礼極まる生物を圧殺することだった。しかし、投げた鎖は男の目の前で摩訶不思議な光を帯びると一瞬で塵同然の大きさにまで縮小し、彼方へと吹き飛んでいった。

「実験では成功していたが、やはり実戦投入までは安心できんな。杞憂だったが」

悪夢と形容すべき古の緋色といえど、この一瞬のやり取りには困惑していた。
何が起きたのか把握するよりも先に、件の男は口を開く。

古のApollyonと、偽りのApollyon。どちらが上回るか決めようじゃないか!」

トーマスバーターレベル4研究員は、緋色の王に縮小光線を搭載したレーザー銃で相対する。

今、もう一つの現実たる塩田で世界を賭けたApollyon同士の決戦が始まろうとしていた──。


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