SCP下書き「いつかどこかで」

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注記: 以下のファイルの内容は変更を許可されておらず、また本質的に無意味である事に留意してください。

当ファイルはロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報の改変はSCP-XXX-JP収容上の観点より好ましくありません。

当ファイルの編集を希望する、またはそのステータスに関する質問がある場合は、財団演繹部門にその旨を記載した提案書を送付してください。

— 財団演繹部門第三階層職員 宮野あやか


アイテム番号: XXX-JP
レベル4
収容クラス:
esoteric
副次クラス:
necropsar
撹乱クラス:
dark
リスククラス:
notice

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本物語層におけるSCP-XXX-JPの上位階層からの観測事例


特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP発生の可能性がある地下鉄駅入口付近には、財団が監視カメラ及び録音用マイクを設置しています。これらの設備をSCP-XXX-JPの記録以外の目的で使用することは禁止されています。これら機器に記録された映像の中からSCP-XXX-JPの発生が捉えられた映像が発見された場合、音声および映像を解析し、書き起こした文章とともに、SCP-XXX-JP映像記録アーカイブに保存してください。
SCP-XXX-JP-1の消失に伴って出現した物品については、財団が回収、再利用可能なものについては、"SCP-XXX-JP-1の消失に伴って出現した"事実を隠蔽した上で再利用が認められています。

説明: SCP-XXX-JPは本物語層の上層に位置する物語層の一つです。SCP-XXX-JPはメタフィクション的性質とノンフィクション的性質を有しており、我々を含む他の物語層に存在する"異常"が存在しません。また、SCP-XXX-JPは特定の形質を有した状態で、他の物語層をSCP-XXX-JPに巻き込みながら出現します。本物語層においては以下のイベント(SCP-XXX-JP-EVと呼称)の形をとります。

SCP-XXX-JP-EVは東京都内に存在する地下鉄駅入口を中心とした半径50m以内に32人以上の人間がおり、その中に1人の超常団体構成員(以下対象と表記)が含まれている場合に限り発生します。また、このイベントの進行段階は以下の3つに大別されます。

第一段階: イベントが開始すると同時に、地下鉄構内に人型実体(以下SCP-XXX-JP-1と表記)が出現します。この人型実体はSCP-XXX-JPに存在しており、前述の"非異常性"から一切の異常性は認められません。正確な出現のタイミングは不明ですが、現在確認されている全てのSCP-XXX-JP発生事例において、該当地下鉄駅に到着する車両から下車するSCP-XXX-JP-1が確認されています。出現したSCP-XXX-JP-1は対象の存在する地下鉄駅入口へ向かい、対象との接触を図ります。何らかの要因でSCP-XXX-JP-1が対象と接触できなかった場合、SCP-XXX-JP-1はそのまま地上へ出た後、地下鉄駅入口周辺の建造物の内部へ侵入し、消滅します。

第二段階: SCP-XXX-JP-1と対象が接触した場合、SCP-XXX-JP-1は対象との会話を試みます。対象は概ねSCP-XXX-JP-1に好意的な印象を抱くため、殆どの場合で速やかに会話に移行します。会話は30秒〜1分程度で終了します。大部分の会話の内容は他愛もないものですが、稀に異常性に関する知識が含まれる場合が存在します。知識の程度もAnomalusクラスオブジェクトに関する程度の機密性の低いものから、[削除済み]に相当するものでまで多岐に渡ります。

第三段階: SCP-XXX-JP-1との会話が終了した後、SCP-XXX-JP-1は対象に何かしらの別れの言葉を発した後消失します。Hm値や空間湾曲指数の変動等は見られず、消失の原理は不明です。また、消失と同時に、何らかの由来不明、非異常性の物品が先ほどまでSCP-XXX-JP-1が存在していた場所に出現します。ただし、これらの物品をSCP-XXX-JP-1が携帯していることはありません。

ここからの説明は、物語層に於けるSCP-XXX-JPが有する普遍的異常性についての説明です。SCP-XXX-JPが存在するに足る確実な証拠は存在しません。他の物語層に対するSCP-XXX-JPの干渉は一方的なもので、SCP-XXX-JPから他の物語層を観察することは、先述のSCP-XXX-JPの"非異常性"故に不可能です。この性質から、我々の想定するSCP-XXX-JPは不定形概念との区別は不可能であり、こちら側からのSCP-XXX-JPへの干渉は不可能です。

SCP-XXX-JPはその"非異常性"のため、SCP-XXX-JP以上に存在する上層物語層を認識不能です。その為、SCP-XXX-JP以下に存在する下層物語層に対して最高位の物語層となり得る可能性を内包しています。このことは、SCP-XXX-JPが全ての物語層に対する絶対編集権を獲得する可能性があることと同義であり、またそれによって物語層群に深刻な損傷を与え、また最悪物語層群の解体を招きます。

SCP-XXX-JPの収容は本物語層にとっての一つ以上のメタレベルからのSCP-XXX-JPへの干渉によって果たされます。現在、財団はSCP-XXX-JP-1の内の一個体(以後"私"と表記)と接触を持つことに成功、私との利害の一致から協定のもとに協力を決定しました。SCP-XXX-JPはその性質上、下位物語層が何らかの反応を示すことが、SCP-XXX-JPの絶対編集権の確立に繋がりかねず、本報告書は私が編集し、管理する体裁を取らざるを得ません。また、SCP-XXX-JP-1の消失時に出現する物品は、前述の懸念を現実にする為、本物語層に積極的干渉を試みるSCP-XXX-JP-1の一個体(以後"奴")によって、SCP-XXX-JP-EVに付け加えられました。元々、SCP-XXX-JP-EVはSCP-XXX-JP内では、SCP-███-JPと呼称される異常現象でしたが、奴はこれを本物語層に関連があるものとして解釈、本物語層へのアクセス手段として利用することに成功しました。

奴は、現在まで自身の行動が本物語層、強いては物語層群に及ぼす影響を鑑みず、干渉を繰り返しています。奴の存在はSCP-XXX-JPの収容違反を引き起こす大きな懸念材料であり、SCP-XXX-JPは奴に対する私の復讐という形で収容される予定です。

補遺: SCP-XXX-JP映像記録アーカイブからの抜粋

映像記録2010/3/2

発生日時: 2010年3月2日午後6時12分
場所: 都営地下鉄市ヶ谷駅A2出口
記録概略: サイト-81██勤務、網干芽美研究員を対象に発生。SCP-XXX-JP-1は20代ほどの男性、黒のジャケットにジーンズを着用していた。消失時に出現した物品は、██百貨店が発行する商品券30000円分であった。なお、本記録を含む以降の全記録は対象とSCP-XXX-JP-1の会話を読話と録音された音声の解析によって書き起こしたものである。

[記録開始]
SCP-XXX-JP-1: やぁ、どうも。

網干研究員: 貴方でしたか、久方ぶりですね。

SCP-XXX-JP-1: ええ、前見た貴方の顔は随分幼かったのに、月日が経つのは早いですね。

網干研究員: ところで、今日は何を?

SCP-XXX-JP-1: 会社の帰りです、定時に帰れるなんて久方ぶりですね。

網干研究員: そうでしたか⋯⋯。体を労ってやってください。無理は禁物ですよ。

SCP-XXX-JP-1: お互い様ですよ、貴方も、私も。おっと、時間ですね。ではまた、いつかどこかで。

網干研究員: ええ。

[SCP-XXX-JP-1が消失する]

[記録終了]

追記: 網干研究員に対してSCP-XXX-JPが発生したのは本件が最初であることに留意すべきである。なお、その後実施された網干研究員への聞き取りから網干研究員とSCP-XXX-JP-1との間には面識がないことが判明している。

映像記録2011/11/19

発生日時: 2011年11月19日午後5時59分
場所: 東京地下鉄千代田線千駄木駅1番出口
記録概略: サイト-8103勤務、江口孝弘清掃員を対象に発生。SCP-XXX-JP-1は10代後半の女性、東京都立████高校の制服を着用していた。なお本件発生後、映像からSCP-XXX-JP-1の特定が行われたが該当する人物は発見されず。SCP-XXX-JP-1消失時に出現した物品は、一輪のヒナギク(Bellis perennis)であった。

[記録開始]
SCP-XXX-JP-1: ちょっとそこの人、止まってください、その、話があって⋯⋯。

江口清掃員: やぁ、お嬢さんでしたか。どうされましたか?

SCP-XXX-JP-1: ええ、今日はその、謝りに来たんです、貴方にしたことを。

江口清掃員: いや、謝罪なんて結構です。むしろ感謝してるくらいですよ。

SCP-XXX-JP-1: 本当ですか⋯⋯?何だか、私がこんなこと訊くのはおかしいですよね⋯⋯。

江口清掃員: いえ、本当です。今まで私が何か嘘偽りを申したことがありましたか?

SCP-XXX-JP-1: (沈黙)

江口清掃員: 私は幸せでしたよ、別にお嬢さんが責任を感じることじゃないんです。そうあることが私の務めですから、どうか、ね?

SCP-XXX-JP-1: ええ、そうでしたね。短い間だったけど、最後に会えてよかったです。

江口清掃員: お嬢さんの中で折り合いが付けられたのなら、私も満足ですよ。

SCP-XXX-JP-1: ⋯⋯さようなら、去りゆく貴方へ幸あれ。

江口清掃員: こちらこそ、せめてもの助けとなれば。

[SCP-XXX-JP-1が消失する]

[記録終了]

追記: 本件発生から2日後の2011年11月21日、江口清掃員はサイト-8103で発生したSCP-███-JPの収容違反で死亡した。本件の会話の内容との因果関係は現在まで不明。

映像記録2015/5/2

発生日時: 2015年5月2日午後6時57分
場所: 東京地下鉄日比谷線小伝馬町駅3番出口
記録概要: 財団演繹部門所属、堀田善衛博士を対象に発生。SCP-XXX-JP-1はスウェットを着用した十代前半の女性。SCP-XXX-JP-1消失時に出現した物品は[削除済み]。

[記録開始]
堀田博士: 前々からお待ちしておりました。この日を何度夢に見たことか。

SCP-XXX-JP-1: いや、そんな改まって話さなくても。取り敢えず、人員は確保した。教えたらすぐ食いついたよ、どうやら結構好みだったみたい。あとは実行に移すだけだ。そろそろこれも終わりにするし、あんまり時間は掛からないと思う。

堀田博士: 私にとっては、正しく果てしない時間、待ちわびていましたがね。

SCP-XXX-JP-1: それも三度永眠するくらいにね、でもそれも終わりだ。ウチは二度と机に向かわず、そして君達はより外へ羽ばたいて行ける。そしたら、風通しの良くなった私の家で一緒に紅茶でもどうだい?

堀田博士: その時は是非、ご馳走になりましょう。では、またいつかどこかで、我が親愛なる同志よ。

SCP-XXX-JP-1: ええ、奴はそのうちやって来る。近い内、またいつかどこかで。

[SCP-XXX-JP-1が消失する]

[記録終了]

映像記録2015/6/3

発生日時: 2015年6月3日午後7時13分
場所: 東京地下鉄銀座線上野広小路駅A6出口
記録概要: サイト-81██勤務、綾衣美桜フィールドエージェントを対象に発生。SCP-XXX-JP-1は上下黒色のスーツを着用した30代前半の男性。SCP-XXX-JP-1消失時には木製の紙芝居枠が出現した。

[記録開始]
エージェント・綾衣: 貴方が何者かは存じ上げませんが、何をしに来たのかは知っている。

SCP-XXX-JP-1: ああそうだ、俺は誤りを正しにきた。

エージェント・綾衣: いいえ、貴方は、この世界への贖罪の為にここに来た。

SCP-XXX-JP-1: (十数秒の沈黙)

エージェント・綾衣: 貴方は私に今までの行いを肯定してもらいたいのでしょうが、残念ながら私は貴方に何も見出すことは出来ない。貴方が今まで書いてきたもの、それに何の価値が?

SCP-XXX-JP-1: 俺は高望みをしているのか?いいや、俺がやろうとしているのは中世の神秘家達の再現だ。全ての営為には常に何かしらの意味がある、違うかい。ひょっとすれば、お前はあいつの差し金か?

エージェント・綾衣: そろそろ終わりにしましょう。これ以上貴方に話すことはない。

SCP-XXX-JP-1: 嫌だ、俺が何の為に今までここに留まっていたか、理解しているんだろう、解ってるんだろう、なぁ。何故嫌なんだ、否定するんだ、俺がここでこうして編み上げるのを、築き上げるのを、俺は、俺は。

エージェント・綾衣: さようなら、この言葉を貴方に言う為に、皆の代表として私は今日ここに来た。

SCP-XXX-JP-1: (絶句)

エージェント・綾衣: じきに貴方はここから追放される。しつこい男は嫌われるわよ?

SCP-XXX-JP-1: 俺は⎯⎯⎯。

[SCP-XXX-JP-1が消失する]

[記録終了]

追記: 本件以降、SCP-XXX-JPの発生認知件数は急激に減少し、2015年7月以降の新たなSCP-XXX-JPの発生は確認されていません。

映像記録20██/3/21

発生日時: 20██年3月21日午前3時6分
場所: 東京地下鉄日比谷線小伝馬町駅1番出口
記録概要: 本件はSCP-XXX-JP-EVの対象が存在しない特殊事例である。SCP-XXX-JP-1は上下灰色の服を着用していることが確認できる。なお、現場からはSCP-XXX-JP-1消失時に出現したと見られる、破損した大学ノートが発見された。

[記録開始]

(地下鉄入口からSCP-XXX-JP-1が這い出てくる)

SCP-XXX-JP-1: (不明瞭な単語)辿り着いた、帰ってきた(不明瞭な単語)忘れてしまった⋯⋯。

SCP-XXX-JP-1: いいや、まだ終わらない、俺は、ただ書きたかっただけ、そうだ、俺は(虚空に腕を差し出す)。そうだ、見出すべきだ、皆の報告書から、俺は⋯⋯。そうだ、ここからなら、向こうを変えられる、掻き回せる。世界に質量を持たせられる。

(画面奥から白いワゴン車が接近してくるが、SCP-XXX-JP-1はそれに気付いていない様に見える。SCP-XXX-JP-1は道路の真ん中で跪く)

SCP-XXX-JP-1: 俺は、俺は見出さなくては。そして変えなければならない。今の、この一極化するサイトを。

(ワゴン車がSCP-XXX-JP-1に接触する。SCP-XXX-JP-1は歩道脇に吹き飛ばされ、踠く様な動作をした後、消滅する。ワゴン車は画面奥へ走り去る。)

追記: 本件を以って、奴に対する私の復讐は為され、SCP-XXX-JPは収容されました。私に協力して頂いた皆様、お疲れ様でした。最初に私と接触し、協力を決断してくださった堀田博士にこの場で謝辞を述べさてていただきます。この収容の完了によって貴方と語り合えることに、そして二度と、貴方をあの男に壊されないことに心からの喜びを。


補遺: SCP-XXX-JPの収容が完了したことを受け、帰納法により同様の"非異常性"を示す物語層、つまり他の著者のヘッドカノンが私の財団に多数補足されると推測されます。そして順次、それらの探索、潜在的危険性の判断、収容が開始される予定です。また、O5議会は私との協議の結果、本報告書の右上に設置したvoteモジュールを利用し、本報告書を創作する可能性のある物語層を発見する計画を承認しました。財団は本報告書に対し、何らかのリアクションを示した物語層は左下のRateタブから確認可能です。


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