SCP下書き改稿案「Chara Moon」
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Item#: 1422-JP
Level4
Containment Class:
esoteric
Secondary Class:
continua
Disruption Class:
NULL
Risk Class:
NULL

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回収直前のSCP-1422-JP

特別収容プロトロコル: SCP-1422-JPはサイト-4405に併設された第12中型倉庫内に、塩化ビニル性の気泡緩衝剤で梱包した状態で収容されます。異常特性の活性化を防止するため、水やそれに準ずる水溶液との接触は可能な限り避けらねばなりません。また、結露防止用に除湿機が稼働しており、倉庫内の湿度は常時2.5%以下に維持されます。収容違反発生時は、常備されている乾燥砂噴射器・除草剤を用いて事態の鎮静化を図って下さい。サイト-4405の保安統括管理官は半年に一度、倉庫内の設備の点検の実施が義務付けられています。

SCP-1422-JP-1実体は標準生物ユニット内にて収容されます。ユニット内は温度25℃栽培担当者については技術文書KED-44/1422の閲覧・追記が許可されています。種子は個体群を維持する目的で、指定数量500粒まで保存可能です。超過分は焼却処分するか、γ線により発芽能力を喪失させ廃棄してください。意図的にSCP-1422-JP-1実体を作成する場合はSCP-1422-JP主任担当者の許可を得る必要があります。一度に作成する実体は最小限、最軽量としなければなりません。

EE-1422-JP時に飛散し、現在も未回収のSCP-1422-JPの捜索作戦は恒久的に継続されます。野外でSCP-1422-JPやSCP-1422-JP-1実体を発見した場合、周囲の生態系への影響が軽微な段階であれば、生石灰でSCP-1422-JPを非活性化させた上で、SCP-1422-JP-1実体の除去及び除草剤の散布1を行って下さい。重篤な環境改変の発生確認時は、機動部隊θ-4("庭師")、機動隊χ-6("地上げ屋")、機動部隊η-53("電動芝刈り機")が派遣され、大規模な回収作業が実施されます。

説明: SCP-1422-JPは2014年までチェコ航空が保有していた、ターボロップ双発旅客機ART 42-500の異常特性を有する残骸です。高熱への暴露や爆発時の衝撃によって激しく損傷しており、平均して全体質量中の約7%が、結晶質のセレン銀銅鉱に類似した化学組成を有する物質に置換されています。置換部分と基質とは結晶粒子配列が異なるため、多くの場合で物理的侵食により脱落し、しばしば通常の金属塊と区別が困難になります。また、置換部分を構成する物質に異常な点が存在しないにも関わらず、耐久試験で腐食に対する高い耐性を示しました。

SCP-1422-JPは水及び溶質濃度0.53%以下の水溶液との接触で、表面からシダ種子植物(Pteridospermatophyta)に属すると推測される2植物群を発生させます。SCP-1422-JP-1と呼称されるこれらの植物群は、特徴的な青灰色のクロロフィル色素3を有する点が共通しており、この光合成色素が吸収するスペクトル帯の解析から、A型主系列星が放射する強白色光の日照下での光合成に適した形質であることが判明しています。また、SCP-1422-JP-1実体群は、十数種類のシェディムシン類アルカロイド4を保持しており、特に主アルカロイドであるシェディムシンやセーリムシンはマラカイト変質の奇跡論触媒として作用します。植物体からの微弱なアスペクト放射は自然環境に対し不可逆的な改変を齎し、変質した生態系は周囲を浸潤します。初期状態での拡大速度は20.0m2程ですが、面積の増大に従い、拡大速度も指数関数的に加速し、多くの場合において奇跡術的性質を有する森林、通称妖精森(Fairy Forest)が形成されます。SCP-1422-JPによって生成される妖精森は奇跡術式こそ未付与ではありますが、"蒸発転移"5、"変身"6の発生が確認されており、少なくとも4件の民間人失踪事案の原因であることが判明しています。

SCP-1422-JP実体には特筆すべき点として、ミトコンドリアDNAに開始部分に一連の法則性を有する人為的改変7が存在することが挙げられます。この改変はSCP-1422-JP-1実体により変質した生物に伝播することが確認されており、また財団神学部門及び錬金術部門による分析では、開始部分の28塩基が形而上的再解釈コードであることが判明していますが、このような遺伝子が挿入されている理由は不明です。

資料42/1422.01: 模式奉神礼言語8及びフィアラル言語学研究所について

フィアラル言語学研究所は1929年、ポーランド、ヴロツワフ(Wrocław)にジョルディオ・バンニ9らによって設立された個人研究所です。資金出資者としてGoI-0114("塔とValorの騎士団")が関与していますが、当時の財団の予想に反して、活動は年に二回、四つ折り判の言語系統学に関する研究報告書を民間に頒布するに留まり、ドイツ軍による1939年8月のポーランド侵攻で組織が崩壊するまで不審な点は見出されませんでした。最終的にバンニはドイツ軍のポーランド侵攻時にシュトゥットホーフ強制収容所に収監され、1942年に同所で死亡しました。他の構成員も殆どが拘束、殺害されたものと推測されます。その後、研究所跡地はGoI-0109("異常利用特殊部隊")の施設に転用され、ドイツ軍とソ連軍のグロツワフでの戦闘の際に破壊されました。

模式奉神礼言語は1945年11月に財団機動部隊がGoI-0109の関連施設を捜索した際に発見された一連の言語群を指します。筆跡から研究所内で創出され、同団体に所蔵されていたものであると判明しています。財団言語学部門によって行われた言語構造の調査結果では、これらの言語群は如何なる異常特性も持たないと結論づけられており、後述する神格との親和性はGoI-0109によって意図的に添加されたか、或いは発現させられたものであると推測されます。以下は言語群に関する簡易版リストです。より詳細な記録はこちらを参照してください。

呼称: MLL-1

形態的分類10: 屈折語

アラインメント11: 対格言語

語順: SVO型

説明: 北ゲルマン語群、主に古ノルド語12を拡張して創出されたと推測され、文字及び単語の殆どは英語からの借用。時制、文法的性、複数などの要素を表現するため、動詞に膨大な活用形が存在する一方、名詞、副詞が省略される傾向にある。現在、北欧神話への接近によりヤドリギに関する単語が自動増殖する等の異常特性が確認されている。

呼称: MLL-2

形態的分類: 屈折語

アラインメント: 対格言語

語順: 定義不能

説明: 本来は音楽言語として創出されたが、GoI-0109による改変を受けている。現在はSCP-███-DEとして財団に収容される異常言語を基底とする簡素な言語ミームの一種であり、曝露者の脊髄反射に寄生し、半ば強制的に使用される。六単語以上が連続せず、単語同士の文頭と文末の発音が融合し、調子が強調される点が特徴的である。その性質故に筆記には適さないが、芸術的価値が高いとして、第二次世界大戦以前から前衛芸術家の間で普及した。系統的には僅かにゴットランド語13の影響が認められる程度である。

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GBs-3で使用される文字の一例。説明にはモミ(Abies spp.)の象形とある。

呼称: MLL-3

形態的分類: 膠着語

アラインメント: 能格言語

語順: SOV型

説明: ウゴル語群に類する文法的特徴が見られ、例外的に付されてる解説からフィン・ウゴル語派の標準言語を意図して創出された事が判明している。語順は完全固定されており、それによって欠落する感情・疑問等の情報は使用する独自の象形文字によって補填される。

呼称: MLL-4

形態的分類: 孤立語

アラインメント: 活格言語

語順: V2O語順

説明: [編集済]

呼称: MLL-5

形態的分類: 屈折語

アラインメント: 対格言語
 
語順: SVO型

説明: 初出は"Journal of the Symbolic Language Society No.9"。高地ドイツ語系に共通する基本文法構造を有するが、中世期のアルメニア語から語彙の殆どを借用している。典礼言語的で各文節間に意味的な齟齬が生じるため、意思疎通に不適である等の諸問題が存在するが、ドイツ語とほぼ完全な互換性を有している。GoI-0109("異常利用特殊部隊")により関連資料の殆どが簒奪され、同団体の神格実体降臨実験や奇跡論機構の開発に用いられた。

1945年12月、ポーランド国内に潜伏していた財団の諜報エージェントがジョルデュオ・バンニに関する一群のゴシップを報告しました。幾つかの異説が存在するものの、概ねバンニが殺害された場面を陳述している点で共通します。以下は最も代表的な形態のものの概略です。

ナチスドイツの特別行動隊の一支隊が、グロツワフの街並みの中に"異様に四角い建物"14を発見する。鉄製の門は施錠されていない。支隊は内部の探索を試みる。

建物内部は閑散としている。1人のドイツ兵が、ドアに耳を当てる。そのドイツ兵は、壁面を伝う振動を感じたと言う。振動は丁度壁紙の裏側に心臓が有る様に感じられる。また、1人のドイツ兵はイスカリオテのユダの心臓が壁の裏で脈動する建物について語る。その後に、支隊はさらに奥に進む事を決定する。

3階に達すると、建物全体ははっきりと震え始める。3人が戻る事を提案する、しかし4人はそれを拒否する。廊下に面した扉は全て開け放たれている。窓からは炎上するグロツワフ市街15が見える。奥の部屋では男が机に向かって書物を複写している。

支隊は男に近づく。男は腕を止め支隊を一瞥すると、再び机に向かう。振動は止まっている。ドイツ兵の1人が男に何をしているのか尋ねる。男は答えない。また1人が、特別捜査令状の内にこの男の名前16が有ることに気付く。先程男に尋ねたドイツ兵がなおも男に話しかけているが、その肩越しに他のドイツ兵が男を銃殺する。その瞬間、再び激しく建物全体が振動し、遽に周囲が暗転する。再び視界が正常に戻った時、一支隊は建物の前に、建物に入る直前の体勢で立っている。

ただ、各人の靴に"Es felix.17"と書かれた紙片が付着している。

この流言との関連性は不明ですが、この報告が伝達された数日後の1945年12月17日にサイト-4801の地下8階吹き抜けにシダの葉脈が拡大印刷されたコピー用紙が63枚出現し、同時刻にサイト-4209に模式奉神礼言語に関連する資料が自動筆記によって執筆される事案が発生しました。さらに、その9時間後にサイト-4214の地下通路に奇跡論的作用による構造被害が確認されています。これらのサイトは何も流言の関連資料が編纂されていた点で共通します。また、ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ベラルーシ内の多くのサイトは当時戦禍による損害を事前に防止する目的で一時的に放棄されていましたが、内89%に当たるサイトの電力系統制御盤の記録は17日深夜にかけてサイト全体の電灯が点灯していたことを示しています。

補遺42/1422.02: GoI-8403("尖塔")

GoI-8403("尖塔")は1970年代より東欧で勢力を拡大した密儀宗教です。共産主義政党による反体制派への弾圧が継続する中で、プラハの春が発生したチェコスロバキアで1960年代後半に誕生し、その後東欧圏全域に拡大しました。信徒にはそれぞれ"尖塔"、"祈祷師"、"会衆"の区分が設けられ、教義や経典は区分毎に分割して信仰されました。特に"尖塔"区分の信徒は守秘義務を有し、協議を厳格に秘匿しました。"祈祷師"及び"会衆"区分の信徒から得られた情報を総合して、GoI-8403は"古き神"18を信奉する多神教であり、信徒同士の文通行為が基礎的な優愛の表現行為である点が判明していますが、"尖塔"区分の信徒との接触には失敗しているため、欠落部分の補填に繋がる有用な情報は入手できていません。何れにせよ、その自由主義的な気質から反体制派の活動家が創設に関わっていることは明白であるとされています。また、由来不明ながらMLL-3に関する資料を有しており、神格実体の顕著をもって信仰拡大に利用する点が特徴的です。

1989年のビロード革命及びハンガリー共和国憲法交付、1990年のユーゴスラビア民主化等、1990年前後に東欧諸国が相次いで民主化すると、GoI-8403に参加していた活動家たちは団体を離脱し、その後のユーゴスラビア紛争での情勢悪化に際して"祈祷師"、"会衆"区分の信徒が活動を停止せざるを得ない状況となると、組織の影響力は弱体化し、活動方針を先鋭化させました。信徒の一派であるGoI-8403-N1("アウドゥの尖塔")はコソボ紛争でセルビア人勢力の活動を"平和的"に妨害し、拘束されています。後にセルビア人勢力の内の1人が、

補遺44/1422.03: 事例981-041-イアペトゥス・コマンド(Incident 981-041-Iapetus Command)

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    セキュリティクリアランスレベル4/1422-JP (excl.0871) 確認

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    EE-1422-JPに関連する伝聞証拠、並びに膨大な同時多発事象の収集・整理作業は現在も継続されており、
    セキュリティクリアランスレベル4未満の職員に開示される情報は通知なく変更される場合があります。
    本ファイル群は対外重要機密に分類されており、外部への該当情報の漏洩は処罰の対象となります。
    - 機密情報必要的解除審査部(SIMDRD)


    イベント指定: EE-1422-JP

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