Tale下書き「擂粉木博士の異常論講義」

「えー、ワシが思うに異常とは、正常の対義語である」

 10月の天気の良い日、窓からは黄色く色付いた銀杏並木が見える。サイト-8150に併設された小さな講堂、十数年前の離職者パーティーの際に発生した集団食中毒事件で、以後パーティーが中止された為に埃を被っていたが、サイト管理者である擂粉木博士の気紛れで、急遽講義が行われることになった。サイトの倉庫からプロジェクターを引っ張り出し、軋む椅子を並べ、聴講者として研究員たちが動員された。勿論、サイト職員には不評である。しかし、裏で散々陰口を叩かれているのにも意を介さず、予定より随分早く、カラフルなアフロのカツラを被った擂粉木博士が、軽快なステップを踏みながら講堂へ向かう姿が目撃されていた。かくして、講義は始まった、始まってしまったのであった。

「つまり、ワシらが汗水かいて収容しているアレは、実際は異常でもなんでもない」
 
 聴衆がどよめいた。発言の内容も、理由も全て理解できるが、それは擂粉木博士が果たして発していい言葉なのか。財団の基本指針の前提である異常の存在を、擂粉木博士は軽いノリで否定してしまった。

「予想通りの反応だ。しかし、アレが存在する時点で、アレは異常性を持たない。こちらの物理法則に拮抗する性質を持っているなんて、そんな難解な異常性を報告書に書き連ねる前に、物理法則は確かにアレの存在を肯定しているという事実を、素直に諸君らは受け入れるべきだ」

 カツラがずり落ちたが、擂粉木博士は何も気にしていないようであった。

「異常性が何なのかという理論は、半ば暗黙の了解として、財団では見向きもされなかった。しかし、この学問、正確には異常論というのだが、

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