Tale下書き「にくのほし」

 男の一日は、肉布団より与えられる脊髄への電気的刺激によって幕を開ける。赤黒い壁に走る血管が、ルシフェリンの蛍光で透けて見え、壁が脈動の様に拡大と収縮を繰り返す。此処が男の住処である。
 男はサラリーマンである。例え世界が滅ぶとも、事務作業は無くなることが無い。崇高なるカルキストすら、今だに企業という営業形態を必要としていた。男は肉布団より身を起こすと、弾力のある廊下を抜け、狭い浴室で血漿を浴びる。僅かに黄色味がかった液体は、浴槽の床を流れ、歯を剥き出しにした排水溝に吸い込まれていく。微かな血の匂いを漂わせながら、肉塊を口に押し込むと、男の家における唯一の人工物である革の鞄を持ち、生来の姿で外に出た。

 鮮やかなピンク色をした腸列車がその蠕動を緩やかに停止させながらホームに到着する、駅のホームでは既に何組かの男女が性行為に及んでいる。その景観はまさしく堕落の園というに相応しい。しかし男はそんな光景に一瞥もくれず、腸列車の粘膜外装に開いた穴から中に乗り込んだ。

「ねえ、そこの貴方、私とヤらない?」

 腸列車の隅の方で膝を抱えて小さくなっていても、女は目敏く男を見つけてくる。理由はよく知らないが、何でも、十数年前のサーキックの"聖戦"の結果、男女出生比率は女性側に大きく傾き、現在の社会は男性不足であった。しかし、男にはそんなことは一切意識の外だった。

「折角欲望が肯定されているのに、快楽に身を墜さないなんて勿体ないわよ?」

 男は心底軽蔑した目付きで女を見上げた。女は尚も諦めていない様で、男の股間を弄り始める。

「あら、

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