銀木犀の花絵を眺めながら、村木玄哉は脳内で胡座の姿勢で座る黒い全身タイツの男を想起した。男は嘗て、ゴム人間であったと追記した。たちまち、黒い全身タイツは軟質な緑色に変質し、重力故に苦悶するかごとく顔が崩れ、地に伏す男を玄哉は愛おしそうに眺めていた。
ゴム人間は丁度その頃中華料理屋の残飯を漁っていたが、兄弟の出現とあっては居ても立っても居られない、左手に握りしめていた豚の骨を放り投げると、地面を這う様に移動し始めた。
財団人間というものが居てだな、それがお前の命を狙っとるんだ、ゴム人間は兄の存在を自らに内包する様に感じながら、如是語りかける玄哉の髭面を尊敬と畏怖の入り混じった念を込めて、重力に抗えず、もはや何の意味も成さぬ眼で仰いでいた。いつしか、無に浮遊していた2人は、美術展の展覧会会場に出現していた。カーペットの上に広がる緑色の物体はそこ彼処に有り、そして展覧会場の入り口には財団民俗学部門主席、安食末武が時代錯誤の袴と裃を纏って立っていた。
「随分と早いご到着で、しかし私の用事は今済んだところです」
醜悪な笑みを浮かべながら、眼を覗き込むべく詰め寄る玄哉を、水門から奔流が溢れ出るが如く、何者も跳ね除ける様な猛禽の眼で、静かに拒絶する安食。
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任意A任意B任意C- portal:6354336 (20 Apr 2020 22:12)
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