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SCP-XXXX-JP
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-Aと共にサイト-81██内にある収容房で収容されます。SCP-XXXX-JP-Aの生命維持のため、血液内の毒素を排出を人工透析により常時行ってください。また収容房には常時照明を当て続け、SCP-XXXX-JPが光合成を行うために適した環境を維持することが求められます。
SCP-XXXX-JPの個体数管理のため、定期的にSCP-XXXX-JPの挿し木をDクラス職員に対し行い、SCP-XXXX-JP-Aが常に██人以上収容された状態を保持してください。また、SCP-XXXX-JP-Aが死亡した際は別紙マニュアルXXXX-JP-Mを参照し、適切な処分を行ってください。
SCP-XXXX-JPの市場流通阻止のため、現在SCP-XXXX-JPの販売ルートの摘発及び追跡調査が進行中です。
説明: SCP-XXXX-JPはヒト(Homo sapiens)の頭部に自生するカーネーション(Dianthus caryophyllus)の品種の1つです(以下、SCP-XXXX-JPの自生しているヒトをSCP-XXXX-JP-Aと呼称)。
SCP-XXXX-JPの根の一部がSCP-XXXX-JP-Aの脳部を貫通していることに由来する物理的要因、また後述するSCP-XXXX-JP-Bに由来する化学的要因から、現在SCP-XXXX-JP-Aとの意思の疎通は非常に困難となっています。
SCP-XXXX-JPの種子は通常の植物と異なり土壌では発芽せず、SCP-XXXX-JP-Aの体内、特に大脳付近でのみ発芽し、成長します。発芽までの期間には大きな個体差が見られますが、各SCP-XXXX-JP-Aの脳内におけるオキシトシンの分泌量が関係している可能性が考えられます。
SCP-XXXX-JPは花芽を形成した後、根からSCP-XXXX-JP-Aの体内へ向けて固有の分子構造を持ったアルカロイド(SCP-XXXX-JP-B)の分泌を開始します。SCP-XXXX-JP-Bは強い幻覚作用と多幸感をもたらしますが、分泌量の増加に応じて神経系に強く干渉するようになり、それに伴い重度の依存症や呼吸困難、運動器官の障害をもたらします。
SCP-XXXX-JPの成長速度はSCP-XXXX-JP-BによるSCP-XXXX-JP-Aの多幸感の上昇に伴って上昇し、環境による差異は大きいものの発芽から約██日でSCP-XXXX-JPは開花します。この成長にはSCP-XXXX-JP自身が光合成で生成する炭水化物の他に、根を通してSCP-XXXX-JP-Aから吸収する栄養素も利用されていると考えられます。
開花後、SCP-XXXX-JPの根から分泌されるSCP-XXXX-JP-Bの量が██倍に増加し、また同時に花から強い香りと共に大量のSCP-XXXX-JP-Bが外部へ拡散されます1。この時SCP-XXXX-JP-Aが死に至る可能性は非常に低いですが、SCP-XXXX-JP-BやSCP-XXXX-JPの根の影響により身体能力や意識は殆ど失われ、多幸感のみが残存した状態になると考えられます。
開花後のSCP-XXXX-JPを切除した場合、約██分でほぼ完全に切除前の状態まで再生しますが、切除を続けることでSCP-XXXX-JP-Bの分泌量が低下することが認められています。また同時にSCP-XXXX-JPの再生速度も徐々に低下していくことから、最終的に再生力は失われると推定されます。
補遺1: SCP-XXXX-JPは20██年の5月█日頃から切り花として流通するようになり、その後インターネット等を通して「大切な人に贈ると幸せになれる2」といった情報が広まったことから人気が高まり、非常に高値で取引されていました。しかしその後調査の結果上記の異常性が確認されたため、SCP-XXXX-JPとして分類され収容に至りました。
その後20██年の3月██日に、大阪府内のマンションにて神奈崎 愛笑氏3(SCP-XXXX-JP-A-1)と共にSCP-XXXX-JPが初めて自生した状態で発見されました。現場にはSCP-XXXX-JP4、SCP-XXXX-JP-A-1の他にSCP-XXXX-JP-A-1の母親であった神奈崎 琴音氏と、近隣住民の通報を受けて現場に居た4名の救急隊員も意識不明の状態で発見されており、事件現場の調査を担当した警察機関に潜入中のエージェント・██によってSCP-XXXX-JPとの関連性が確認されました。
さらに関係者からの事情聴取によると、神奈崎 琴音氏は事件の14年前に配偶者であった神奈崎 暖人氏を交通事故で亡くしていたとされていました。しかしその後の調査で「神奈崎 暖人」は偽名であったことが判明し、また死亡した記録として確かなものは確認されませんでした。
また、SCP-XXXX-JP-A-1に見られた古い外傷や近隣住民の証言から、SCP-XXXX-JP-A-1は幼少期から神奈崎 琴音 氏による虐待を受けていたと考えられます5。しかし昨年の5月頃から、SCP-XXXX-JP-A-1の家庭環境は一転し良好になったと考えられ、またSCP-XXXX-JP-A-1がカーネーションを購入して帰宅する様子が1週間に1度の間隔で目撃されていたことが判明しました。近隣住民によるとSCP-XXXX-JP-A-1は「このカーネーションがないと幸せになれない」といった旨の発言をしており、SCP-XXXX-JP-A-1は何らかの流通ルートを通じてSCP-XXXX-JPを定期的に購入していたと考えられます。
上記の事件を受け、さらなる調査が行われた結果、SCP-XXXX-JPの関連が疑われる母子の失踪事件が10年間で大阪府内に15件見つかり、さらにそのすべてにおいて以下の共通点が確認されました。
・子の年齢は4歳から6歳
・父親は子が生まれる直前または直後に交通事故で死亡
・事件直前までの家庭環境は比較的良好
これらの調査結果を元に、現在大阪府内を中心にSCP-XXXX-JP及びSCP-XXXX-JP-Aの捜索が行われています。
補遺2: SCP-XXXX-JP-A-1の収容から約3ヶ月後の20██年8月██日、大阪府内の廃工場から15名のSCP-XXXX-JP-Aの死体が発見されました。発見時の状況から、SCP-XXXX-JP-Aの年齢は4~13歳であること、死因は栄養失調による餓死であることが確認されています。廃工場からはSCP-XXXX-JPの収穫用と考えられる剪定鋏や、出荷に用いられていたと考えられるダンボール箱の山が発見されており、また発見されたSCP-XXXX-JP-Aに生えていたSCP-XXXX-JPは全て枯死していたことから、SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-Aの生存中に何度も切除されており、その結果枯死したものと考えられます。
また、死体解剖の結果、SCP-XXXX-JP-Aの消化管内部からは動物由来と考えられる堆肥が発見されました。堆肥からは人間の爪や髪の毛等が混入しており、解析の結果、それらは全て廃工場内で発見されたSCP-XXXX-JP-Aの母親由来のものであると判明しました。
さらに、発見されたSCP-XXXX-JP-AのDNA鑑定の結果、発見されたSCP-XXXX-JP-A全ての父親がSCP-XXXX-JP-A-1の父親と同一人物であることが認められ、また廃工場の周辺での聞き取り調査により、補遺1に示した「神奈崎 暖人」と同様の特徴を持つ男性がこの廃工場付近で複数回目撃されていたことが判定しました。現在この人物の身元調査及び行方の追跡が行われています。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6353466 (28 Apr 2020 01:49)
細部の指摘
Homo sapiensのように、種小名の頭文字は小文字にしてください。
同様に、種小名の頭文字は小文字にしてください。
「品種」であるならば1「種」ではないように思います(「品種」は「種」「亜種」「変種」の下位にあたる分類階級です)。実際前後の文脈を踏まえてもDianthus caryophyllusという種の下位にあたる分類群を指すわけですから、「カーネーション(Dianthus caryophyllus)の品種です」という扱いが妥当かと思います。
「等」は複数の事例を列挙する場合に用いられることが多いように思います。具体例が「会話」だけであれば「等」は不要に思います。
加えて、本作の後の記述で「挿し木など」「環境など」のように「等」をかな表記している記載が見受けられます。統一した方がよろしいかと思います。
「個体差」とする方が、SCP-XXXX-JPのうち何と何との間の差異なのか分かりやすいように思います。
「らの」ではないでしょうか。
前半部分の主語が毒素であるのに対し、後半の主語がヒトになっていて、接続があまり良くないように感じます。
速度のはやい/おそいを論じるならば漢字表記は「速まり」の方が妥当かと思います。
「など」を用いる際は基本的に複数の事例を列挙するものと思われます。環境以外の要因を羅列しないならば、「環境に起因する差異は」と言い切ってしまって良いでしょう。
「残存した」でいかがでしょうか。
SCP-XXXX-JP-A-1ではないでしょうか。
「による」の方が文意が明確になるかもしれません。
全SCP-XXXX-JP-Aの父親=SCP-XXXX-JP-A-1、のように対応関係にズレがあるようにも読めます。「SCP-XXXX-JP-A-1の父親と同一人物であること」としてはいかがでしょうか。
一問一答
スポイラーに書いたような内容が伝わっているか
やや伝わりづらかったです。初読で、母親による虐待と父親によるSCP-XXXX-JPの搾取という2つの加害要素のつながりを見出せず、バラけているような印象を受けました。確かに虐待をすればSCP-XXXX-JPの生育が悪化するという関係は示唆されているものの、5人連続した虐待という要素が異常性に起源を持たない形で突然降って湧いたため、連続性の観点でやや違和感を覚えます。男がヤリ逃げしたとしても、娘・息子を虐待する女性を5回連続で引き当てることは滅多にないことであろうと思われます(実際にそれ以前の10人は虐待のない母子家庭を築いていたようですし)。読みながらSCP-1787-JPのように虐待のバックボーンに異常性があることを期待していましたが、虐待は虐待で独立していて背後に異常が絡んでいないとなると、肩透かしに近い印象を受けた気がします。
同じコンセプトでストーリーを展開するにしても、父親の開示までの展開をより丁寧に描写したり、虐待周りの設定をもう少し自然にする必要があるかもしれません。前者に関しては、父親の特定に至るような過程を描くことが該当するかなと思います。後者については、被虐待人数を5人から減らす(虐待をレアケースにする)か、あるいは虐待を受けずに収穫に成功するパターンを稀にする(虐待を常態化させる)ことによって、対応可能かなと感じます。
またこの他に読解を阻害する点がいくつかあったように思います。
公式Discordの方で疑問が上がっていましたが、愛笑氏以外の人物(母親・警察官)が死亡している理由を本文からは読み取れないように思います。SCP-XXXX-JPに伝染性があったと仮定しても、生命活動を抑制して多幸感を抱かせるという異常性であれば彼らを死に至らしめることはできないように思います。
植物体も宿主体も発見されていないのに、なぜSCP-XXXX-JPの関連が疑われる事件として10件が認められていたのでしょうか。当事者以外から見れば、これは単なる非異常の失踪事件ではないでしょうか。もしゲノムの異なる10種類のSCP-XXXX-JPが市場に流通していて~などの理屈があるのであれば、上記のオチとの接続強化も兼ねて明記しておいた方が良いでしょう。
報告書の文体として問題がないか
学名の記述や分類階級の取り扱いについては上記で指摘しましたが、そうしたテクニカルタームとは別に、全体的に文の構成を見直した方が良いかもしれない箇所は散見されたように思います。以下に具体例を示します。
「SCP-XXXX-JPの根が脳を貫通する形で伸長している」という物理的効果と、「SCP-XXXX-JPが脳に作用する毒素を分泌している」という化学的効果が混在していて、もう少し整理しても良いように感じました。自分なら「SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-Aの脳に貫入する物理的効果、およびSCP-XXXX-JPが分泌する毒素による化学的効果により、SCP-XXXX-JP-Aとの……」のように、両方の要因が意思疎通の困難性に寄与する因果関係を明示すると思います。
1つの文の中に「再生能力の低下・喪失」と「毒素分泌量の低下」という2つの話題がモザイク状に盛り込まれているように感じました。内容ごとに文を分けた方が丁寧な記載かもしれません。
ここも2つの内容が1文に詰め込まれているので、必要に応じて分解した方が良さそうです。
気持ち悪さが伝わっているか
気持ち悪さというよりも、どちらかというと胸糞の悪さでしょうか。いずれにせよ良い意味で負の印象を抱きました。ただ、演出の仕方(具体描写の盛り込み、上記の不自然な点の修正など)次第でこれ以上に読後感を補強することは可能であるように思います。
時系列などに齟齬がないか
無いと思います。
儲けるためにやってたというオチが強引な気がする
むしろ虐待の方が強引に感じました。理由は上述したのでここでは省略します。
異常性が冗長かも
バイオロジーの部分に興味を持って読んでいたのでそうは感じませんでした。先ほど例に挙げたSCP-1787-JPを踏まえても、そこまで冗長ではないように思います。個人的には毒素の設定がややフワフワしている印象を受けたので、「毒」というざっくりした語よりも何かそれっぽい語(アルカロイドとか)を用いた方が雰囲気が出るのではないかなとは思いました。
現状DV~NVですが、コンセプトは良いのではないかと感じました。母親・警察官の遺体や5連続虐待という不自然な点を解消・緩和してオチまでの接続を強化しつつ、テクニカルタームの扱いを改善すれば、UVに転じると思います。執筆・改稿頑張ってください。