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**岸渡研究員の手記 **
こんな言葉がある
「無知を恐るることなかれ、偽りの知識を恐れよ」
これは無知そのものよりも、"無"を回避するために生む偽りの知識を恐るるべしという事だ。
例えば過去、原理などが不明な"無"の恐怖であった雷を神の怒りや妖怪、妖という虚像を生み出し、無を回避した。
様々な異常存在、概念などが確保、収容、保護されており、これらの本質は無から生まれた虚像の実体化によるものではないだろうか。
科学的な観点から見れば虚構、無、虚は否定されているし、否定すべきなのだろう。
今までの無理やりの虚像をより確実に物理的に説明するために生まれた学問だろうから、神や妖怪、妖は科学的には否定された。
真に恐ろしいのは、科学が凄まじい速度で、今の文明を支えるまでに発展、発達しても、人間に進歩がない点だ。
言うなれば、ソフトウェア、ハードウェアの上辺のアップデートによって支えられ、BIOSやOSは最初期のままであるという事。
疑心暗鬼の暗鬼も、虚像を指していると言っていい。暗闇に隠れた鬼。
敵無き戦場で敵を探し、あげく仲間を敵として排除する。
矛盾や虚像と分かっていても、無知より偽りの知識を求め、信じ、事実や真実とするのは、人間が"無"に対する異常なまでの本能的潜在的な恐怖によるものなのだ。
真に恐怖すべきは、そんなSCiPを生み出す人間こそではなかろうか。
私は人間が嫌いだ。
人間である己自身も嫌いだ。
だからこそ、私は財団に居る
SCiPを研究している。
私は過去脳外科の医師だった。
執刀ミスにより、医師免許を失った
脳は生物の根幹だ、いくらリスクヘッジしても、危ない橋には変わりなかった。
助けて欲しいからと、私に頼み私は執刀した。
同意書もあり、全霊を尽くした。
だが、患者はやむなく死亡した。
その時の親族の言葉を表情を私は忘れることが出来ない。
私は、その後脳について研究していた。
生物学を学び、ある時財団に呼ばれた。
助けるなどとエゴをかざすつもりはない。
私はただ、研究するだけだ。
"無"意味に時間を空費し、"無"理に死にたいけではなく私はただ、生きがいとして研究を続けている。
義務も責任もなくただ研究に没頭していた私は、生物であれば…つまり植物にも詳しくなり、今はあるSCiPの担当研究員として研究している。
ただ生き、"無"駄に"無"意味に争い、"無"理に理より離れようと、拒もうとする人間よりも美しい"彼女"は私は愛している。
私は人間が嫌いだ、私は人間だ。
だから私も"無"をそして"死"を恐れているのだ。だからこそ、SCiPに魅了されてもいるのだと私は思う。
- portal:6350623 ( 18 Jul 2020 15:22 )

独白系のTaleですね。あまり面白くありませんでした。このTaleの面白さの根幹がよく分からないのですが、候補としては三点、①哲学 ②展開 ③感情 が挙げられるかと思います。①哲学についてですが、人間の恐れが化物を作り出すというのはよく言われることですね。また、無に関して色々言われていますが、イマイチ言っていることがピンときません。前提知識がないからでしょうか。異常の理由から、いわゆる「考えさせられる」ような面白さはメインにするには不足していると思います。 ②展開ですが、全体としてどんでん返しや葛藤等ないので平坦です。③感情ですが、この人が置かれている状況がよく分からず、感情移入等を促す工夫も少ないので、読んでいて感情の動きは少なかったです。
メインの面白さを定めて構成を見直す必要があるかと思います。