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#1 肌はできるだけ隠せ。コンシーラを手放すな。
物心ついた時から鏡を見るのが何となく嫌いだった。"他人と違う"、漠然としたその直感は、歳を重ね様々な物差しを手にしてからは確信に変わってしまった。
「うん、順調順調。次の竹菱商事との共同プロジェクトも私が持ってきたようなものだしね」
「竹菱ってあの!?凄いなぁ、すっかりエリートって感じじゃん」
童顔というフィルタは残酷にも美醜を曖昧にさせていたのだろう。成長した僕達はそのヴェールを等しく奪われて、決定的な差異を齎していた。それに追い討ちを掛ける様に年々アレルギーが増えていき、首元の痘痕が顎に差し掛かった頃、僕はマスクを外さなくなった。
#2 相槌は程々に打て。自分の話は二の次にしろ。
「波屋くんはどう?やっぱりまだまだ忙しいの?」
「そ、そうだね、どうしても今の研究が報告できる段階に持っていけなくて……」
「へぇ~大変そ。研究所ってやっぱり大学と比べて段違いに難しいんだね」
僕の醜さが露見するにつれ、人は自然と僕から離れていった。そうして残ったのは、哀れにも僕の傍から離れる機を失った2人の旧縁だけだった。飯垣雄介と梅村穂香、ともに小学校からの付き合いではある。下手に休日昼の会食を習慣化させてしまったがゆえに、今更僕を除け者にもしづらく、また僕の方からも離れづらい現状があるばかりだ。二人には本当に申し訳ないが、僕は雀の涙ほど残されたこの親交をなんとか繋ぎ止めるべく、僕自身にルールを設けた。胸元に常に収めている手帳の本文1ページ目に刻まれたそれは、もはや見返さずとも暗唱できるほどこの身に染みついていた。
#3 笑い方は抑えろ、絶対に引き笑いはするな。
「僕が偶然大変な仕事を引き当てちゃっただけなんだけどね」
「波屋は真面目だからな、仕事が波屋を選んだのかもしれないぜ」
「あはは……」
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任意A任意B任意C- portal:6323156 (21 May 2020 04:20)
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